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FixPack (修正モジュール) からの DB2 新規導入ガイド

Linux 編

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DB2 を新規に導入する方法は大きく以下の 3 つがあります。

  1. 製品導入メディアを配送してもらい、メディアから導入する方法
  2. パートナー向けの日本アイ・ビー・エムのサイト経由 (Partner World) でモジュールをダウンロードし導入する方法
  3. FixPack モジュールをダウンロードして導入する方法

DB2 Express, Workgroup, Advanced Workgroup, Enterprise, Advanced Enterprise 10.5 for Linux, UNIX and Windows (以下 DB2) では、FixPack を使用した製品の導入ができるとご存知でしたでしょうか?

上記 (1) と (2) の方法で製品インストールすると、一度 GA レベル (GA レベル) の製品を導入してから最新 FixPack レベルにアップグレードする、という 2 段階の導入作業が必要なのに対して、(3) の方法を選択だと、最新の FixPack レベルの製品をはじめから導入できるので、導入作業の手間が少なくなります。

当ドキュメントでは、(3) に記載されている、FixPack から DB2 を導入する方法をご紹介します。OS プラットフォームは Linux です。また、GUI 環境での導入方法は他の方が色々と書かれていますので、今回は CUI 環境にて新規インストールする方法をご説明します。

1. FixPack とは?

FixPack とは、一般的にそれまでに発見された製品不具合の修正が為された修正ファイルという意味合いであり、既存 DB2 製品に追加導入することが多いですが、DB2 の FixPack では製品の新規導入が可能になっています。

DB2 9 以降の FixPack は、Universal FixPack (全製品) と Server FixPack (製品別) の 2 種類が用意されています。

Universal FixPack は、すでにインストールされた製品の更新にのみ使用できます。また、全ての製品、エディションに対する修正を含んでいます。

Server FixPack は、すでにインストールされた製品の更新だけでなく、新規インストールにも使用できます。製品をあらかじめインストールしておく必要はありません。

注意:
無償の Express-C 用には、FixPack は提供されていません。Express-C は定期的にダウンロードイメージが新しいバージョン・FixPack レベルに自動更新されるので、その時々で最新の製品をご利用してください。

2. DB2 のインストール要件

FixPack をダウンロードする前に、DB2 をインストールするための前提条件が満たされていることを確認します。

DB2 10.5 がサポートする Linux ディストリビューションは「DB2 データベース製品のインストール要件」、「System requirements for IBM DB2 for Linux, UNIX, and Windows」に記述されています。

3. FixPack のダウンロード

はじめに、必要な FixPack を判別してください。

当インストールガイドでは、DB2 10.5 の最新の FixPack を使用し、DB2 10.5 の新規インストールを行います。

一般的に、IBM にとっては既知で解決済みのソフトウェア障害に起因する問題が起きないように、 最新の FixPack のインストールをお勧めします。

DB2 の製品サポート Web サイトで、必要なバージョン、FixPack レベル、OS、Bit、Driver について確認し、新規導入したいバージョンの DB2 の FixPack を見つけてください。(今回は新規導入なので、FixPack は必然的に Server になります。)

それでは、FixPack をダウンロードします。

ここでは本ガイド作成時点で最新の FixPack 6 (2015/12/1 時点) を試してみます。DB2 Server FixPack 6 をダウンロードしてください。Linux 環境へ DB2 10.5 を新規インストールするので、DB2 Server FixPack を選択し、ダウンロードします。

4. FixPack から DB2 のインストール

事前準備 (応答ファイルを準備しよう)

DB2 10.1 より、今まで一般的に使われていた「db2_install」が非推奨になりました。今後は「db2_install」ではなく「db2setup」を使用します。CUI 環境下で「db2_install」と同様の処理を行うには、「db2setup」のコマンドと併せて、応答ファイルを使用します。応答ファイルとは、導入オプションの情報が書かれているファイルになります。応答ファイルの各設定値等の意味は Knowledge Center を参照してください。それでは応答ファイルを準備していきましょう、下記に沿って応答ファイルを作成してください。

  1. テキストエディタを開き、下記値を入力し、名前を付けて保存します。今回はファイル名は「db2fixp」にしてください。
    PROD = DB2_SERVER_EDITION
    FILE = /opt/ibm/db2/dirname
    LIC_AGREEMENT = ACCEPT
    INSTALL_TYPE = TYPICAL
  2. 保存をしたら拡張子を rsp へ変更します。

DB2のインストール

冒頭でも触れましたが、今回は CUI を使用した新規導入を実施していきます。GUI で次へ次へと選択するだけで自動で構築されている内容が、CUI を使用すると、DB2 内部でどういう処理を実施しているか見えてくると思います。FixPack 使用して DB2 を CUI で Linux 環境へ新規インストールするには、次手順を実施します。

  1. rootで Linix 環境へログオンします。
  2. FixPack が入っているディレクトリーに移動します。ダウンロードした FixPack を任意のディレクトリーに展開します。ここでは /root/db2/ 以下にファイルを保存し、そこに展開するとします。
    cd /root/db2/
    tar zxvf [ダウンロードした FixPack 名]
  3. 展開したフォルダへ移動し、以下のコマンドを発行して、インストールを起動します。事前準備で作成した応答ファイルも解凍先ディレクトリーに保存してください。
    cd /[展開先ディレクトリー名]
    ./db2setup –r [応答ファイル名]

    (ご参考) db2setup のオプション -r について

    通常 db2setup は GUI 環境でのインストールコマンドであるが、r オプションを付けることにより、レスポンスファイルを読み込み CUI 環境で簡単に DB2 が導入できるようになります。

  4. インストールログを確認しましょう。Linux および UNIX プラットフォームでは、デフォルトのファイルは /tmp/db2setup.log です。

    お疲れ様でした。無事 DB2 10.5 がお使いの Linux 環境へインストールされました。

5. セットアップ

セットアップの手順は下記 4 ステップです。

(GUI 環境で DB2 をインストールした場合は、当セットアップはすべて実施されているため、ここでの内容は実施不要です。)

  1. DB2 用のグループおよびユーザー ID の作成
  2. db2icrt を使用した DB2 インスタンスの作成
  3. DB2 インスタンスの TCP/IP 通信の構成
  4. ライセンス・キー・ファイルの適用

DB2 用のグループおよびユーザー ID の作成

DB2 がインストールされたので次にインスタンスを作成しましょう。インスタンスとはデータベース管理システムの役割を担うものです。独立した環境であり、インスタンスの中に DB を作成していきます。(DB2 ではインスタンスを複数作成することも可能です。)

インスタンスを作成する前に、グループとユーザーを作成しなければいけません。まずは group と user を root ユーザーで追加しましょう。

groupadd –g 1000 db2iadm1
groupadd –g 1001 db2fadm1
useradd –u 1006 –g db2iadm1 –m –d /home/db2inst1 db2inst1
useradd –u 1007 –g db2fadm1 –m –d /home/db2fenc1 db2fenc1
passwd db2inst1
ユーザーへ設定するパスワードを入力
passwd db2fenc1
ユーザーへ設定するパスワードを入力

これで、グループとユーザーの作成が完了しました。早速インスタンスを作成していきましょう。

db2icrt を使用した DB2 インスタンスの作成

インスタンス作成も CUI のコマンドを使用して実行します。コマンドは、DB2 インストール場所 /instance/ にあります。

/opt/ibm/db2/V10.5/instance/db2icrt -u db2fenc1 db2inst1←インスタンス名

DB2 インスタンスの TCP/IP 通信の構成

インスタンスの作成が完了したので、次に TCP/IP 通信の設定を行います。DB2 サーバーが DB2 クライアントから TCP/IP によるインバウンド要求を受け入れられるようにするための設定です。下記サービス・ファイルに vi コマンド等を使用して定義 [db2c_db2inst1 50000/tcp] を追記してください。

vi /etc/services

更新が完了したら、サーバー上のデータベース・マネージャー構成ファイルを更新します。

su – db2inst1
db2 update dbm cfg using SVCENAME 50000

更新が完了したか確認しましょう。

db2 get dbm cfg | grep SVCENAME

次に通信プロトコルの設定をします。このコマンドで、通信で利用するプロトコル名を更新してください。

su – db2inst1
db2set DB2COMM = TCPIP

これで、インスタンスの作成は完了です。

ライセンス・キー・ファイルの適用

最後にライセンス・キー・ファイルを配置しましょう。入手したライセンス・キー・ファイルをワークエリアに配置します。この手順は root ユーザーで実施してください。(製品版の DB2 につき、ライセンス・キー・ファイルの適用が必要です。ライセンス・キー・ファイルを適用しない場合は 90 日間経過後起動ができなくなります。)

ライセンス・キー・ファイルに対するインスタンス管理ユーザーの読み取り権限が必要です。下記を実行してパーミッションを更新してください。

chmod 777 /db2awse_c.lic ←ライセンス・キー・ファイル名

事前確認でライセンス登録状況を確認しましょう。確認はインスタンス管理者で実施してください。ライセンス登録は無しであることを確認しましょう。

su – db2inst1
db2licm –l

さて、確認ができたので、ライセンス登録を行います。以下コマンドを使用してライセンスを登録してください。

db2licm –a /db2awse_c.lic

最後にライセンス登録がしっかりとなされているか確認しましょう。以下のコマンドを入力してください。このコマンドはインスタンス管理者で実施してください。製品名、有効期限が契約内容と認識相違がないか確認してください。

db2licm –l

これで、ライセンス登録が完了しました。動作確認へ進んでください。

6. 動作確認

インストールが終了したので、下記 2 点の動作を確認しましょう。

  1. DB2 のバージョン確認
  2. サンプル DB の作成、接続、データ検索、接続解除

DB のバージョン確認

root ユーザーからログアウトし、インスタンス・ユーザー (db2inst1) でログインしなおします。シェル・ウィンドウを起動し、下記コマンドを実行して DB2 のバージョンを確認してみましょう。画面に DB2 のバージョン番号や導入先ディレクトリーが表示されます。

db2level

サンプル DB の作成、接続、データ検索、接続解除

サンプルのデータベースを作成します。コマンドプロンプトで db2sampl と入力してください。(インスタンスが起動していない場合はまず db2start で起動する必要があります)

db2sampl

データベースの作成には少し時間がかかります。作成が完了するとデータベースが SAMPLE という名前で作成されます。

作成できたらデータベースに接続してみます。シェル・ウィンドウ上で以下のように入力し、SAMPLE データベースに接続してみましょう。

db2 "CONNECT TO SAMPLE"      (データベースに接続)
db2 "LIST TABLES"            (表の一覧を表示)
db2 "SELECT * FROM STAFF"    (SQL を実行)
db2 "TERMINATE"              (接続解除)

おつかれさまでした。これでDB2の導入が完了しました。

7. 参考情報


ダウンロード可能なリソース


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ArticleTitle=FixPack (修正モジュール) からの DB2 新規導入ガイド
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