DB2 11.1 for Linux, UNIX, and Windows 登場!

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DB2 11.1 のスマートなパッケージング

2016 年 4 月、DB2 for Linux, UNIX, and Windows の新バージョン 11.1 が発表され、2016 年 6 月より出荷開始された。

この DB2 11.1 は、ミッション・クリティカルなトランザクションとアナリティクスのワークロードに対応する動的インメモリー・テクノロジーを備えた高パフォーマンスなデータベースとして多くの先進的な機能拡張を含んでいるが、最新のパッケージングの内容にも、DB2 11.1 を採用する多くのメリットがある。

DB2 11.1 は、エディションを簡略化した DB2 10.5 の方針を踏襲しているが、更に次のような追加メリットがある。

 

先進機能をより使いやすく

アプリケーションから透過的にデータベースに保管されているデータを暗号化することができるネイティブ・データベース暗号化 (Native Encryption) 機能が、すべての DB2 エディションで利用可能となった。

データ移動ユーティリティーである連続データ取り込み (INGEST) も、すべての DB2 エディションで利用できるようになった。LOAD コマンドの ALLOW READ ACCESS パラメーターのかわりに、INGEST ユーティリティーの使用を検討してみていただきたい。

 

製品エディション: Workgroup Server Edition の変更

DB2 Express Server Edition は Workgroup Server Edition とマージされ、Workgroup Server Edition として生まれ変わった (注 1)。

DB2 Workgroup Server Edition 11.1 は追加機能を盛り込み、競争力を高めたオファリングとなっている。

新たな DB2 Workgroup Server Edition 11.1 では、Express 10.5 では使用できなかった以下の機能が標準で使用可能になった。

  • ネイティブ・データベース暗号化 (Native Encryption)
  • テーブル・パーティション (表パーティション化)
  • マルチディメンション・クラスタリング (MDC) 表
  • Multi-Temperature Storage
  • 接続コンセントレーター
  • 連続データ取り込み (INGEST)
  • 照会並列処理

また、エディション毎の使用条件としての制限値も拡大され、中~大規模ビジネス環境でのトランザクション・データベースとしても十分な能力を備えている。

  • Express (10.5) の場合:
    コア数上限:8、メモリー上限 : 64GB、ユーザーデータ上限:15TB
  • Workgroup (11.1) の場合:
    コア数上限:16、メモリー上限 : 128GB、ユーザーデータ上限:なし

(注 1) DB2 Express-C (コミュニティー向け無償エディション) は、継続して提供予定

 

新規ライセンス:DB2 Direct Edition

DB2 ライセンスの新しい提供方法として、DB2 Direct Standard Edition および DB2 Direct Advanced Edition という、低価格の月額ライセンスが導入された。

DB2 Direct Standard Edition には、 DB2 Workgroup Server Edition のデータベース機能が含まれ、DB2 Direct Advanced Edition には、 DB2 Advanced Enterprise Server Edition のデータベース機能が含まれる。

DB2 Direct Edition では、ハイブリッド・クラウド環境への導入に最適な簡易ライセンス・メトリックとして、仮想プロセッサー・コア (VPC) を月額ライセンス使用料の単位として使用する。
これは、オンプレミスとクラウドのいずれの環境でも利用できる。
仮想プロセッサー・コア数が物理コア数を上回る場合、マシン上の物理コア数のみを対象にライセンスを購入できる。

DB2 Direct Edition のライセンスの提供方法は、クラウド・ホスト型サービス・プロバイダーのライセンス標準に適用しやすく、お客様にとってコンプライアンス維持が容易になる。

DB2 Direct Edition の利用に必要な前提は以下となる。

  • 一回のデプロイメントにつき、少なくとも 2 VPC が必要 (アイドル/ウォーム・スタンバイの場合は 1 VPC)
  • DB2 Direct Standard Edition および DB2 Direct Advanced Edition には、追加のサポート要件があり、お客様がサポートを受けるには、2 年以上経過していないコード・レベルを使用している必要がある。

補足:DB2 Direct Edition を利用する場合、仮想環境で利用しても ILMT (IBM License Metric Tool) の導入は不要。
DB2 Direct Edition を利用する場合に、”db2pd –osinfo”コマンドを使用した VPC のカウント方法が以下の記事に解説されている。

DB2 11.1 機能拡張

ここからは、いよいよ DB2 11.1 で拡張された機能をご紹介する (図 1)。

図 1. DB2 11.1 機能拡張

 

Cloud 環境に適合

DB2 11.1 では、新規ライセンス DB2 Direct Edition によりライセンス面でもクラウド環境への適用が容易な上に、機能面でもプライベートクラウド/パブリッククラウドいずれにおいても『実運用』に役立つ機能が強化されている。

図 2. Cloud で DB2 をうまく使おう
  • セキュリティ機能拡張 – 暗号化機能の鍵管理強化

    DB2 11.1 よりすべての DB2 エディションで提供されるネイティブ・データベース暗号化 (Native Encryption) 機能により、お客様はシンプルな操作で安全にデータを保護できる。

    DB2 11.1 より、 Key Management Interoperability Protocol 1.1 (KMIP 1.1) にも対応するため、社内に存在する多くのデータベースの鍵を一元管理したいという要件に対応できる。
  • Cloud ストレージサービス (Object Storage, Amazon S3) の活用

    新規に導入された ”CATALOG STORAGE ACCESS コマンド” により、IBM SoftLayer Object Storage または Amazon Simple Storage Service (S3) 上のリモート・ストレージに直接アクセスするための別名を作成することができる。これを INGEST、LOAD、BACKUP DATABASE、RESTORE DATABASE の各ユーティリティーで使用できる。
    この新機能により、Cloud 環境で DB2 を利用する際の大量データの移動や保管が、DB2 ユーティリティーからより利用しやすくなっている。

    図 3. Cloud ストレージサービスの活用

 

パフォーマンス強化とスケーラビリティの拡大

DB2 11.1 には数多くのパフォーマンスの拡張が含まれている。

アナリティクス・ワークロードで利用される BLU アクセラレーションでは、アルゴリズムの強化により、カラム・オーガナイズ表のパフォーマンスが向上している。

図 4. カラム・オーガナイズ表機能拡張: アルゴリズム強化

さらに、BLU アクセラレーション (カラム・オーガナイズ表) が、DB2 のシェアード・ナッシング環境である DPF (Database Partitioning Feature) 環境で利用できるようになった。
各区分がシェアード・ナッシングで処理を行うことにより、処理時間が大幅に向上するとともに、単体サーバーのキャパシティ限界に制約されない拡張性を提供する。

図 5. BLU アクセラレーションの MPP 対応

一方、OLTP ワークロードにおいては、小さな表の検索や頻繁な索引アクセス (特にネスト・ループ結合による場合) など、頻繁にアクセスされる共通のページがある並行性の高いワークロードで、パフォーマンスやスケーラビリティ (並行度) が向上した。

図 6 に示されている Lab のテスト結果では、一例として、DB2 ESE (DB2 Enterprise Server Edition、シングル・サーバー) において 58%、DB2 pureScale において 110%のスループットが向上している。

図 6. 並行性の高いワークロードでのパフォーマンスおよびスケーラビリティーの向上

なお、ミッション・クリティカルな OLTP ワークロードを支える DB2 pureScale では、より利用しやすい高可用性データベース、および、より強固なデータベース基盤の実現のための機能拡張が行われている。

また、DB2 pureScale が稼働するプラットフォームとして、POWER System - Little Endian の Linux オペレーティング・システムのサポートが追加された。

図 7. DB2 pureScale 機能拡張

 

使いやすさの向上

DB2 11.1 には、

  • 9.7 からダイレクトに 11.1 へアップグレード可能にすることにより一旦 10.1/10.5 へアップグレードするという二段階を踏む必要がないこと
  • DB2 pureScale の導入や構成をより簡単にするための機能向上
  • Netezza といった他 DBMS 製品との互換性を向上させる機能拡張
  • 正規表現や日付操作を実現する新しい関数の追加
  • Power7+および Power8 に搭載されている NX コプロセッサをバックアップの圧縮に利用可能

等、高可用性と、実装/運用の容易性を実現する多くの機能拡張が含まれている。

アップグレードに関しては、DB2 9.7 から DB2 11.1 には直接アップグレードができる。
また、DB2 10.5 Fix Pack7 以降のデータベースからは、DB2 11.1 環境へのバージョンを跨いだロールフォワードが可能であり、HADR 用のスタンバイ・データベースの初期化を再度行う必要がない。これにより、よりスピーディーにデータベースのアップグレードを行うことができるようになった。

図 8. アップグレード時の停止時間を最小化
図 9. HADR 構成アップグレードのシナリオ

 

接続性の強化 ‐ フェデレーション機能の統合と強化

DB2 10.5 まで、InfoSphere Federation Server 10.5 という別製品にて提供されていた、Oracle ,SQL Server 等の他社データソースに対するフェデレーション機能が、DB2 Advanced 版に統合された。

図 10. フェデレーション機能強化

同時に、DB2 11.1 におけるフェデレーションの機能拡張として、BigSQL、その他のビッグデータ・ソースへのフェデレーション機能が追加されている。

ビッグデータ・ソースへのフェデレーション構成方法 (Technote):

まとめ

この記事では、DB2 11.1 のメリットと機能拡張を紹介してきたが、さらに興味をお持ちの方のために、The DB2Night Show から 3 つの DB2 LUW V11.1 リプレイをご紹介したい。

英語による Webinar リプレイであるが、IBM Canada Lab で DB2 開発のチーフ・アーキテクトである Matt Huras をはじめとする John Hornibrook、Xun Xue といった Lab のコアとなるアーキテクト達や、IBM Fellow であり DB2 パフォーマンス・チームを率いる Berni Schiefer から、直に DB2 11.1 の新機能の説明を聞くことができる Exciting なセッションになっている。


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