目次


Bluemix アプリケーションを IBM DevOps Services を利用してチーム開発する

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1. はじめに

この記事では IBM の PaaS (Platform as a Service) オファリングである Bluemix 上で稼働する Web アプリケーションを、同じくクラウド上でコラボレーション型開発環境を提供する DevOps Services を利用して開発していく方法を解説します。

対象の Web アプリケーションはメモアプリという名の Web 上でメモの管理を行うための簡単なアプリケーションです。この記事の前半ではこのアプリケーションを DevOps Services を利用して Java で開発する場合と Node.js で開発する場合の各手順についてステップバイステップで説明します。

この記事で取り扱うメモアプリを Eclipse で開発手順が以下の記事で紹介されておりますので、合わせて活用してください。

記事の後半では DevOps Services を利用してチーム開発する方法をご紹介します。

Java 編のコードを入手するNode.js 編のコードを入手する

2. Bluemix と DevOps Services

メモアプリの開発手順に触れる前に、まずは Bluemix と DevOps Services についておさらいしておきましょう。

IBM Bluemix

2014 年の初めに発表された IBM クラウド環境のキー・テクノロジーである Bluemix は、さまざまな分野のアプリケーションを短期間で開発、デプロイするための、即座に利用できるリソースを備えた単一ソリューション環境です。このオープン・スタンダード・ベースのプラットフォームを使用することにより、Web アプリ、モバイル・アプリ、ビッグ・データ・アプリ、スマート・デバイス向けアプリを作成、実行、管理することができます。また、Bluemix は、多くの一般的なプログラミング言語やフレームワークをサポートしています。Java 技術、モバイル・バックエンドの開発サポート、アプリケーションの監視、オープンソース技術、その他多くのものを、クラウド内の as-a-Service モデルで利用することができます。

IBM DevOps Services

DevOps Services は、パブリック・プロジェクトまたはプライベート・プロジェクトにおいて、他のメンバーとコラボレーションを取りながらソフトウェアの開発が可能なクラウドベースのプラットフォームです。DevOps Services には、Git ホスティング、Web IDE、Eclipse と Visual Studio の統合、アジャイルな計画立案と追跡、さらには Bluemix への自動デプロイメントの機能が組み込まれています。

これらのクラウドベースのプラットフォームは現在 IBM がソフトウェア開発のエリアで推し進めている IBM DevOps ソリューション (図 1) をクラウド上で実現するためのプラットフォームとして位置づけられています。

図 1. IBM DevOps ライフサイクル

IBM DevOps ソリューションは市場機会を迅速にとらえ、顧客からのフィードバックを活かしつつ、企業が継続的なイノベーションを実現するのを支援する新たな手法を提供します。それらの手法は図 1 のように「ステアリング」、「開発・テスト」、「デプロイ」そして「運用」の 4 つのエリアごとに定義されていますが、Bluemix と DevOps サービスを利用することによりこれらの全てのエリアにおいて必要な機能をすぐに利用することが可能になります。これにより、ますます迅速なソフトウェア・デリバリーを実現することが出来ます。

3. Bluemix 上で稼働する Web アプリケーションを IBM DevOps Services で開発する

3-1. Java 編

Blumix でアプリケーションを作成する

Bluemix に LOG IN して DASHBOARD を表示します。

DASHBOARD はあなたの Organization で有効な Bluemix の Space に関する情報の概要を提供してくれます。初期状態では、Space が dev、Organization にはログインしたユーザーの ID が表示されます。

続いて、CREATE AN APP をクリックすると、選択可能な Boilerplates や Rutimes のカタログが表示されます。今回作成するメモアプリではメモデータの永続化に Cloudant のデータベースを利用するため、Boilerplates より Java Cloudant Web Starter を選択します。

次の画面では選択した Boilerplates に含まれる Runtime や Service を確認することが出来ます。今回選択した Java Cloudant Web Starter の Boilerplates は Runtime として Liberty for Java、Service として Cloudant NoSQL DB が含まれていることが分かります。このように Boilerplates は特定の用途に対して必要な Runtime と Service を組み合わせて構成されたテンプレートであり、ユーザーは Boilerplates からアプリケーションを作成することにより 1 ステップで必要なものが構成できます。

右側の Create an app: のフォームより選択した Boilerplates からアプリケーションを作成するために必要な項目を入力し CREATE をクリックすることでアプリケーションが作成されます。

今回は Name: に任意の名前を入力し、CREATE をクリックします。なお、アプリケーションの Host:は入力した Name: から自動補足されますが、他のユーザーが既に利用しているものを使用することが出来ません。CREATE クリック時にエラーが表示される場合は別の名前に変更してください。

CREATE が完了すると、作成されたアプリケーションが自動的に開始されます。

Bluemix で作成されたアプリケーションにはサンプルコードが含まれているため、アプリケーション開始後に ROUTES:から開始されたアプリケーションにアクセスすると、サンプルを確認することが出来ます。

アプリケーション・コードを IBM DevOps Services の Git リポジトリーに追加する

作成したアプリケーションの DASHBOARD の ADD GIT をクリックしてアプリケーション・コードを DevOps Services が提供する Git リポジトリーに追加し、DevOps Services でこのアプリケーションの開発が出来るようにします。

DevOps Services にサインインしていない場合はサインインのためのフォームが表示されるのでサインインします。

Git リポジトリーにサンプルアプリケーションのソースコードを登録するか確認されますが、今回は不要ですのでチェックを外して CONTINUE をクリックします。

Git リポジトリーの作成が完了すると以下の完了ダイアログが表示されるので CLOSE をクリックしてアプリケーションの DASHBOARD に戻ります。

メモアプリの開発

この記事ではメモアプリを一から開発するのではなく、予め作成されたメモアプリのソースをインポートし、Web IDE で修正してますので、添付ファイルを予めダウンロードしておきます。

アプリケーションの DASHBOARD に GIT URL が表示されるので、その横の EDIT CODE をクリックし、DevOps Services の Web IDE にアクセスします。

Web IDE のエクスプローラーペインよりルートを選択した状態で右クリックし、Import > File or zip archive を選択します。

インポートが完了すると以下のように Java ソースや JSP ファイルなどが取り込まれます。

ファイル選択ダイアログが表示されますので、ダウンロードしておいた添付ファイルを選択しメモアプリのソースをインポートします。

続いて、src フォルダー配下にある ListMemo.java を修正します。

ListMemo.java はメモアプリの初期画面で登録済みのメモの一覧を表示するための Servlet です。インポート直後の doGet メソッドは以下のように各処理がコメントアウトされた状態になっています。

まず、コメントアウトされている行をアンコメントします。アンコメントするためには 36-47 行目を選択し反転している状態で Ctrl + / を押下します。

続いて、48 行目と 49 行目の TODO コメントに記載されている通り、このメソッドは最後の二つの処理が実装されておらず未完成となっていることがわかります。

実装を完了させるために TODO コメントの行を以下のコードに置き換えましょう。

RequestDispatcher rd = getServletConfig().getServletContext().getRequestDispatcher("/listmemo.jsp" );
rd.forward( request, response );

コードに修正が加わると、Web IDE 上部のファイル名の横に以下のようにアスタリスク (*) が表示され、保存されていない変更があることが分かるようになっています。

変更した内容を保存するために Ctrl + S を押下するか、Web IDE のツールバーメニューより File > Save を選択します。ファイル名横のアスタリスクが消えれば、保存は完了です。

開発したソースを Git リポジトリーに PUSH する

インポートされたソースを Git リポジトリーの master ブランチに登録したいので、Web IDE の一番左の Git Repository のアイコンをクリックし、Repository の画面を表示します。

一番上の Changed Files セクションにインポートしたメモアプリのソースやライブラリーが表示されています。これを Commit することによりワークスペース上で変更したファイルがユーザーのローカル・リポジトリーへと登録されます。

Commit は右ペインの Working Directory Changes セクションの Enter the commit message フィールドにコメントを入力したあとで、右上にある COMMIT ボタンをクリックして実行してください。

さらに、ユーザーのローカル・リポジトリーに Commit された変更をチームの共有エリアである master ブランチに Push します。Push は左ペインの OUTGOING 欄の右上にある PUSH ボタンをクリックして実行してください。

Cloudant NoSQL DB のデータベースを作成する

Bluemix 上で Cloudant NoSQL DB のサービスを利用する場合、データベースはユーザーご自身で作成する必要があります。

Cloudant のデータベースを作成する手順についてはシリーズ記事である 「Bluemix 上で稼動する Web アプリケーション開発方法 - Java 編 -」

の手順をご確認ください。

Liberty for Java Runtime の環境変数にメモアプリが参照するデータベース名を設定する

通常アプリケーションを作成する際には実行環境によって変わる可能性があるデータベースのホスト名等の値はアプリケーションの内部には直接定義せずに外部化しておくことで、変更になった場合にソースコードに影響がないように設計しておくことがあります。

外部化の仕組みは様々ありますが、今回は Bluemix 特有の Runtime の環境変数を利用する方法をご紹介します。

今回外部化する候補はデータベース関連の以下の項目です。

  • ホスト名
  • ポート番号
  • ユーザーID
  • パスワード
  • データベース名

これらのうちデータベース名を除く項目については Bluemix で Cloudant NoSQL DB のサービスが作成され、Liberty for Java Runtime にバインドされた際に自動的設定されます。サービスのバインドによって自動構成された環境変数は VCAP_SERVICES という名前で環境変数に登録され、アプリケーションの DASHBOARD より Liberty for Java を選択することで以下のように確認が出来ます。

VCAP_SERVICES に設定される項目はサービスごとに構造化され、JSON 形式で保存されています。アプリケーションからはこの環境変数に設定された JSON 文字列を解析し、各項目の値を取得することが出来ます。

残されたデータベース名はサービスが作成された時点で決まる値ではないので、当然 VCAP_SERVICES には含まれていません。このような項目については VCAP_SERVICES 横にある USER-DEFINED からユーザー独自の環境変数を定義して、アプリケーション内で利用することが出来ます。

今回のメモアプリは Cloudant のデータベース名を CloudantDBName という環境変数から取得するように実装されています。以下のように USER-DEFINED タブから実際に環境変数を設定してください。値には Cloudant の Web コンソールで作成したデータベース名を設定します。

DevOps Services の BUILD & DEPLOY (自動デプロイ) の機能を利用してメモアプリを Bluemix にデプロイする

DevOps Services のプロジェクトにアクセスし、右上の BUILD & DEPLOY ボタンをクリックします。

初期設定では以下のように SIMPLE で構成されていますが、SIMPLE ではビルドは行われずに直接デプロイが実行されてしまいます。今回のメモアプリは Java アプリでありビルドを行う必要があるので ADVANCED を選択します。

以下のように左側に Builder、右側に Deployer の状況が表示されます。

どちらも初期設定されている状態になっていますが、そのままでは動作しないのでまずは Builder の構成を行います。Builder の構成を行うためには Git Repo 右側の歯車のマークをクリックします。

今回はインポートしたソースに含まれる Ant スクリプトを利用してビルドを行うように構成を行います。Build archive directory は初期では output と設定されているので、空白にして SAVE ボタンをクリックし保存します。

この設定により、プロジェクトのルートフォルダーにある build.xml という名前の Ant スクリプトを使って Ant のビルドが実行されます。また、「Automatically build when a change is delivered/pushed」にチェックをしているので、次回 Git リポジトリーに変更を PUSH すると自動的にこのビルドが開始されるように構成されました。

続いて、Deployer の構成を行います。同様に Deploy エリア右上の歯車アイコンをクリックします。

Bluemix へアプリケーションをデプロイする際の構成パラメーターはプロジェクト直下に配置された manifest.yml で指定する方法と Deployer の Script 内で指定する方法があります。今回の Java 編では後者の方法で構成を行います。Manifest.yml で指定する方法は Node.js 編を確認して下さい。

Script 以外の項目は全て初期値を受け入れます。

Script 欄の 1 行目に Bluemix へアプリケーションをデプロイするための push という cf コマンドが記載されています。初期値では push のオプションは何も指定されていませんが、画面ショットのように p オプションを追加します。

p オプションは Liberty for Java Runtime へアプリケーションをデプロイする場合、デプロイする対象の war や ear 等のアプリケーションを指定する必要があります。

これで準備は完了です。実際にビルドを実行します。ビルドを実行するためには Builder エリアの REQUEST BUILD をクリックします。

ビルドが開始されると Last Build 以下に現在実行中のビルド ID が表示され、ビルド ID をクリックするとビルドの情報を確認することが出来るようになります。

この画面から LOGS でビルドのログ、ARTIFACTS でビルド時のワークスペース上のファイル、CHANGES で前回のビルドから変更されたファイルを確認することが出来ます。なお、ビルド構成時に「Enable unit tests」を構成している場合は TESTS より単体テスト結果を確認することが可能です。

ADVANCED の Deployer はビルドが完了すると自動実行される仕様となっているため、引き続き Deployer の実行結果を確認します。

デプロイの結果は Blumiex の space 名直下のメッセージより確認することが出来ます。画面ショットの場合は「Deployment 1 Success」をクリックします。

デプロイの結果では以下のようにデプロイ時のログが確認できます。

メモアプリの稼働確認

デプロイが問題なく完了している場合は、Bluemix の DASHBOARD の ROUTES からアプリケーションのトップページにアクセスし、稼働確認を行います。

問題がなければ以下のようにメモ一覧画面が表示されます。

この画面より新規登録をクリックすることでメモの登録が出来ます。作成されたメモはメモ一覧画面に表示されます。また、作成済みのメモを更新したり、削除したりすることも可能です。

以上で、Java 編は終了です。

3-2. Node.js 編

このセクションでは Java 編と同様のメモアプリを Node.js で実装する方法について紹介します。Java 編では Bluemix のアプリケーションを先に作成し DevOps Services へソースの登録を行いましたが、Node.js 編では DevOps Services で開発したアプリケーションを最終的に Bluemix へデプロイする手順で解説を行います。

また、Node.js アプリケーションはビルドが不要であり、作成したソースコードを直接実行環境へ配置することが可能です。この特徴を活かした機能として Web IDE からの手動デプロイ機能、BUILD & DEPLOY (自動デプロイ) の SIMPLE DEPLOY 機能がありますので、これらの機能を中心に解説していきます。

DevOps Services でプロジェクトを作成する

Node.js 編では先に DevOps Services のプロジェクトを作成します。また、Java 編と同様に新規作成されたプロジェクトにソースをインポートしても良いのですが、今回は Git リポジトリーの FORK 機能を利用してソースコードを入手します。

この記事のサンプル・プロジェクトの Web IDE にアクセスし FORK ボタンを押します。

プロジェクトを新規作成し、ソースコードをコピーするためのダイアログが表示されますので、新しいプロジェクト名を入力し、Deploy to Bluemix にチェックをし、Save をクリックします。

以下のように新規プロジェクトの Web IDE が開き、ソースコードがコピーされていれば OK です。

Web IDE からの手動デプロイの機能を利用して Bluemix にデプロイする

このプロジェクトで作成している Node.js 版のメモアプリはビルドの必要がないので、Web IDE からの手動デプロイ機能を利用することが出来ます。Java 編で使用した BUILD & DEPLOY (自動デプロイ) 機能の場合は Git の特定のブランチからコードを取得していますが、Web IDE からのデプロイの場合は現在編集中のソースコードを直接 Bluemix にデプロイし、ソースコードを共有する前に実行環境で稼働確認を行えることが特長となっています。

Web IDE からの手動デプロイを実行する前提としてプロジェクト配下に manifest.yml を作成しておく必要があります。このファイルに Bluemix へデプロイする際の各種項目を定義しておきます。

Node.js のメモアプリについても Java 編で作成した Cloudant NoSQL DB のサービスをそのまま利用します。デプロイ時に利用するサービスも合わせてバインドしたいので、事前にサービス名を調べておきます。Java 編の Liberty for Java Runtime の環境変数にメモアプリが参照するデータベース名を設定するで確認した VCAP_SERVICES 環境変数の中に name という項目があります。これがサービス名となっているのでこの値を控えておきましょう。

今回は FORK したプロジェクトの manifest.yml を編集して利用します。以下の 3 つの項目を変更して保存します。

  • services 配下のサービス名 ― 先ほど控えたサービス名
  • host ― Bluemix にデプロイされるアプリケーションの ROUTE のホスト部分
  • name ― Bluemix にデプロイされるアプリケーションの名前

通常、host と name は同じ値を指定します。また、既に Bluemix 上に存在している host は指定できないので以下の画面ショットと同じ値を指定しないように注意が必要です。

manifest.yml の保存が完了したら manifest.yml を選択した状態のまま Web IDE のボタンをクリックします。

デプロイの構成ダイアログが表示されるのでデプロイ先の Bluemix の Organization と Space を選択し、をクリックします。

デプロイが完了すると画面上部に以下のメッセージが表示されます。

メッセージ上の root folder page のリンクをクリックすることで手動デプロイの情報を以下のように確認することが出来ます。なお、一つ目のリンクからデプロイされたアプリケーションへのアクセス、二つ目からデプロイのログを確認することが出来ます。

SDK for Node.js Runtime の環境変数にメモアプリが参照するデータベース名を設定する

Java 版のメモアプリと同様にデータベース名は環境変数より取得するように実装されています。Java 編と同様の手順でユーザー定義の環境変数に CloudantDBName という名前の環境変数を定義します。

メモアプリの稼働確認

デプロイが問題なく完了している場合は、Bluemix の DASHBOARD の ROUTES からアプリケーションのトップページにアクセスし、稼働確認を行います。

問題がなければ以下のようにメモ一覧画面が表示されます。

Java 版のメモアプリと同じ Cloudant NoSQL DB のサービスを利用しているので、Java 編で登録したメモが上記のように Node.js 版のメモアプリでも参照ができます。

DevOps Services のプロジェクトを Bluemix アプリケーションの Git リポジトリーに関連付ける

これまでの手順でデプロイされた Bluemix アプリケーションは以下のように Git リポジトリーが定義されていない状態となっているはずです。

Web IDE の手動デプロイ機能でデプロイを行う場合、Git リポジトリーのブランチからではなくユーザーのローカルワークスペースからデプロイされます。そのため、Bluemix の Git リポジトリーと関連付けすることが出来ません。

関連付けを行うためには Git リポジトリーのブランチを使用してデプロイする必要があるので、BUILD & DEPLOY (自動デプロイ) の機能でデプロイを行う必要があります。

まずは、先ほど編集した manifest.yml を master ブランチへ PUSH します。Web IDE より Git Repository のアイコンをクリックし、Repository の画面より manifest.yml の変更と COMMIT し、その後 master ブランチへ PUSH してください。

続いて、BUILD & DEPLOY (自動デプロイ) の確認を行います。

DevOps Services の BUILD & DEPLOY ボタンをクリックします。今回は Node.js のアプリケーションであるためビルドをする必要がないので SIMPLE を選択します。自動デプロイの機能により SIMPLE を選択した時点で自動的にデプロイが開始され、完了すると以下のように一覧に結果が表示されます。

デプロイ完了後に Bluemix の DASHBOARD を確認すると、今度は Git URL の欄にデプロイ元の DevOps Services のプロジェクトが関連付けされたことが分かります。

以上で、Node.js 編は終了です。

4. IBM DevOps Services を利用してチーム開発する

最後に DevOps Services を利用して複数のメンバーでアプリケーションを開発する方法について解説していきます。まず、DevOps Services で提供されている Git リポジトリー上で複数メンバーで並行開発する方法を説明します。さらに、DevOps Services で提供されている TRACK & PLAN の機能を利用してタスク管理をする方法を説明します。

メンバーを招待する

メンバーをプロジェクトに招待するにはプロジェクトの OVERVIEW の Members セクションより Invite others to join your project を選択するか、MEMBERS メニューINVITE MEMBERS ボタンをクリックします。

表示された以下の画面より招待したメンバーの DevOps Services アカウントのメールアドレスを入力し、INVITE をクリックします。

すると、入力したメールアドレスに対してプロジェクトへの招待を受諾するためのリンクの付いたメールが送付されます。このメールからリンクをクリックし、DevOps Services へログインすることで自動的に招待への受諾され、プロジェクトにメンバーが追加されます。

他のメンバーの変更を Git リポジトリーより PULL する

他のメンバーにより master ブランチへ登録された変更の有無を確認するためには Web IDE の Git Repository 画面より中段の表の INCOMING 行の FETCH ボタンをクリックします。

これにより、master ブランチへの変更履歴が取り込まれ一覧に表示されます。

この変更を取り込む場合は Merge アイコンをクリックします。競合が存在していなければそのまま処理が完了するはずです。これらの処理を特に履歴の内容を確認せずに実施したい場合は一番上の SYNC ボタンをクリックします。SYNC ボタンは内部的に FETCH と MERGE および PUSH を一度に実行してくれます。

SYNC を実行した際に変更が競合していた場合に、Git が自動マージできる場合には Git によりマージした結果がそのまま PUSH されます。

SYNC を実行した際に変更が競合していた場合には、以下のエラーメッセージが表示されます。

さらに、Working Directory Changes セクションに競合しているファイルの新しい変更が作成されます。一覧よりファイル先頭の > を選択することで比較エディターで問題のある行を確認することが出来ます。

さらに、比較エディターで右上にある Open the Compare page アイコンを選択することで、比較エディターの表示形式が以下のように切り替わります。左ペインが現在のローカルワークスペースのバージョン。右ペインがローカル・リポジトリーの競合が検出されたバージョンです。このモードの場合左ペインのエディター上で直接変更を行うことが可能です。変更を行い、左上の Save をクリックし、再度 Changed Files セクションより COMMIT を行ってから master ブランチへ PUSH することで、マージ済みのバージョンの登録は完了です。

TRACK & PLAN の機能を利用して作業を管理する

DevOps Services の TRACK & PLAN の機能を利用することで、DevOps Services の Web UI より新しいワークアイテム (作業) を新規登録してメンバーにアサインすることですぐにメンバーへ通知が送信されるので、メンバーは必要な作業をすぐに確認することが出来ます。また、「あのメンバーは今どんな作業を実施しているのか?」、「作業の進捗状況はどうなっているか?」など、ワークアイテムに関連する情報を容易に追跡できるようになります。

TRACK & PLAN の機能を利用するためには、まずプロジェクトの設定でこの機能を有効にする必要があります。プロジェクトの各画面の上部に配置されている TRACK & PLAN のボタンをクリックし、以下のメッセージが表示される場合は Project Settings リンクより Enable Track & Plan にチェックして機能を有効にしてください。

TRACK & PLAN ボタンをクリックするとワークアイテムのスタートページが表示されます。

この画面から TRACK & PLAN に用意されている以下の機能にアクセスすることが出来ます。

  • ワークアイテム機能 ― ワークアイテムの作成や指定した条件に該当するワークアイテムを検索するためのワークアイテム照会の作成や実行
  • 計画機能 ― ワークアイテムを元にした作業計画の作成や参照
  • プロジェクト・ダッシュボード機能 ― ワークアイテムやソース管理に関する情報を可視化するための Widget が配置できるダッシュボードの機能

今回の記事ではこれらの中からワークアイテムと計画の機能に関して解説していきます。

ワークアイテムはワークアイテムのスタートページでワークアイテムの作成をクリックするか、ワークアイテムメニューから作成するワークアイテムのタイプを直接選択して作成します。

ワークアイテムの作成画面に必須項目を入力します。この時、このワークアイテムをアサインするメンバーが決まっている場合は Owened By 項目で該当のメンバーを選択して保存します。

ワークアイテムがアサインされると自動的に該当のメンバーにメールで通知されます。

また、ワークアイテムの作成者は自動的にワークアイテムのサブスクライバーに登録されますので、このワークアイテムが更新されるたびにメールで通知されます。この通知により、ワークアイテムがアサインされたメンバーはすぐに作業にとりかかることができ、ワークアイテムの作成メンバーはワークアイテムの作業状況を常に把握しておくことが出来ます。

また、ワークアイテム作成時に Planned For 項目でこのワークアイテムが計画される反復を選択しておくことで、反復の単位でワークアイテムを様々な切り口で可視化および管理が出来る反復計画の機能を利用することが出来ます。

反復計画の作成には TRACK & PLAN の計画メニューより Sprint Backlog を選択します。

計画の作成画面にて計画の名前を入力し、所有者、対象の反復を選択し、保存することで反復計画が作成されます。

反復計画が作成されると Work Breakdown という形式で該当の反復で計画されたワークアイテムが一覧で表示されます。

この形式ではメンバーごとにアサインされているワークアイテムが表示され、見積もられた時間、進捗状況、ワークアイテムのステータス、優先順位などを確認することが出来ます。

反復計画の表示形式は他にも様々用意されています。表示形式は表示の右横にあるプルダウンから切り替えることが出来ます。Work Breakdown 以外には例えば Taskboard 形式で以下のようにひと目でワークアイテムの状況が分かるように表示することも出来ます。

このように用途ごとに表示形式を切り替えることで様々な切り口でワークアイテムの状況を確認することが出来ます。この計画の機能を有効に利用することでプロジェクトの滞り無く進行することが可能となります。

5. まとめ

ここまで確認してきたとおり、DevOps Services はクラウド上で IBM DevOps ソリューションを実践するための様々な機能を提供しています。今回の記事では残念ながらその内のごく一部しか取り扱っていないので、その他の機能については是非 DevOps Services を実際にご利用いただきご自身で確かめてください。また、DevOps Services の機能は今後も継続的に機能追加や更新が予定されていますので、今後もますます便利に進化する DevOps Services にご注目ください。


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Zone=Cloud computing, DevOps
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ArticleTitle=Bluemix アプリケーションを IBM DevOps Services を利用してチーム開発する
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