目次


IBM SmarterCloud Enterprise でのソリューションの作成

異なるアカウント間でイメージ・アセットを転送する

あるアカウントから別のアカウントへイメージを転送するための手順

Comments

コンテンツシリーズ

このコンテンツは全#シリーズのパート#です: IBM SmarterCloud Enterprise でのソリューションの作成

このシリーズの続きに乞うご期待。

このコンテンツはシリーズの一部分です:IBM SmarterCloud Enterprise でのソリューションの作成

このシリーズの続きに乞うご期待。

IBM SmarterCloud Enterprise では、共有イメージは同じアカウント内からしか見えないようになっています。通常、共有イメージは企業が特定のビジネス・ニーズを満たすためにカスタマイズしたイメージですが、1 人のお客様が異なる目的 (開発用、本番前用、本番用、テスト用など) で SmarterCloud Enterprise のアカウントを複数持ち、その異なるアカウント間でプライベート・イメージ・アセットを共有することによって、アセットを保護し、作業の重複を回避しようとするケースが非常に増えています。ここで、ソフトウェア・コンポーネントのユーザーには、すべてのアクションが使用条件の範囲内で法に従っていることを保証する責任があることに注意してください。

IBM SmarterCloud Enterprise 2.0 には、そうした要件に対する驚くべきソリューションが用意されています。この記事では、あるアカウントから別のアカウントにイメージを転送するための手順について説明します。このタスクを実行するための前提として、操作をする人は両方のアカウントのクレデンシャルを持っている必要があります。

この記事で使用するビジネス・シナリオは以下のとおりです。

  • ある組織が SmarterCloud Enterprise のアカウントを 2 つ持っています。1 つはテスト用のアカウント (ノースカロライナ州 Research Triangle Park (RTP) のデータ・センターにある accountA) であり、もう 1 つは本番用のアカウント (コロラド州 Boulder のデータ・センターにある accountB) です。
  • ユーザーはテスト用のアカウントでイメージを準備して検証します。それが終わると、そのイメージは本番用のデプロイメントの準備が整ったことになります。

ユーザーは、本番アカウント用に同じイメージを準備する、という作業の重複を避けるために、ここで説明する手順に従うことにより、テスト用のアカウント (accountA) から本番用のアカウント (accountB) にイメージを転送することができます。

この記事で使用するリソースを一覧にして説明したものが表 1 です。

表 1. この記事で参照するリソース
リソースのタイプ転送元に関する情報転送先に関する情報
データ・センターRTP データ・センターBoulder データ・センター
アカウントAccountAAccountB
ログイン IDidA@cn.ibm.comidB@cn.ibm.com
インスタンスの名前instanceA (取り込まれます)instanceB (転送されたイメージを基にプロビジョニングされます)
イメージの名前to_be_transferred_image (instanceA から取り込まれます)transferred_image (to_be_transferred_image のコピーです)
ストレージ・サーバーのインスタンスの名前storage_server_accountA (Redhat 6, 170.224.165.60)storage_server_accountB (Redhat 6, 170.225.100.188)
ストレージ・サーバーの鍵の名前key_accountAkey_accountB
永続ストレージの名前storageA (ext3)storageB (ext3)

タスク 1: SmarterCloud コマンド・ライン・ツールの環境を構築する

SmarterCloud サービスにアクセスする方法として、ユーザー・インターフェースの他にコマンド・ライン・ツールが用意されています。現状では、イメージの転送に必要なステップであるイメージのコピーやインポートなど、一部の機能はコマンド・ライン・ツールからでないと利用することができません。

SmarterCloud コマンド・ライン・ツールは JRE (Java Runtime Environment) 上で実行されるため、SmarterCloud のコマンドを実行する前に JRE をインストールしておく必要があります。ここで説明するステップでは、SmarterCloud のコマンドがすべて 1 台のマシン (ここでは Windows XP マシン) から実行されることを前提としています。

ステップ 1: JDK ランタイムのセットアップを行う

JDK 1.6 (Java Development Kit) を http://java.com/en/download/index.jsp からダウンロードし、JAVA_HOME 変数を適切に設定します。

インストールが完了したら、java -version を実行し、インストールが成功したことを確認します。「class not found (クラスが見つかりません)」という例外が発生した場合には、JRE が正しくインストールされていない可能性があります。

ステップ 2: SmarterCloud コマンド・ライン・ツールのセットアップを行う

SmarterCloud のコマンドを利用するためには、SmarterCloud Enterprise の「Support (サポート)」タブで、最新の SmarterCloud コマンド・ライン・ツールをダウンロードする必要があります。コマンド・ライン・ツールをダウンロードするためには IBM SmarterCloud Enterprise にログインする必要があります。図 1 に「Command Line Tool Reference (コマンド・ライン・ツールのリファレンス)」リンクを示します。

図 1. SmarterCloud Enterprise の「Support (サポート)」タブ
SmarterCloud Enterprise の「Support (サポート)」タブ
SmarterCloud Enterprise の「Support (サポート)」タブ

このコマンド・ライン・ツールは IBM アセット管理システムによって保守が行われています。「Command Line Tool Reference (コマンド・ライン・ツールのリファレンス)」をクリックすると、アセット管理のページが表示されます。

図 2 は SmarterCloud コマンド・ライン・ツールのアセット・ページを示しています。「Download this Asset (このアセットをダウンロード)」をクリックしてコマンド・ライン・ツールをダウンロードします。

図 2. コマンド・ライン・ツールのダウンロード・リンク
コマンド・ライン・ツールのダウンロード・リンク
コマンド・ライン・ツールのダウンロード・リンク

Command Line Tool Reference and Binaries.zip ファイルを解凍すると、DeveloperCloud_CMD_Tool.zip ファイルがあるはずです。このファイルの中に SmarterCloud コマンド・ライン・ツールのファイルがあります。その DeveloperCloud_CMD_Tool.zip をさらに、名前にスペースを含まないパス (C:\DeveloperCloud_CMD_Tool など) に解凍します。

GA_CommandLine.pdf ファイルは、この記事で取り上げるコマンドについての説明が含まれるヘルプ・ドキュメントです。この PDF ファイルは Command Line Tool Reference and Binaries.zip ファイルの中にあります。

SmarterCloud コマンド・ライン・ツールを使用して SmarterCloud の操作をセキュアに実行するために、各ログイン・クレデンシャルに対するパスワード保護ファイルを作成する必要があります (リスト 1 とリスト 2)。この例では C:\DeveloperCloud_CMD_Tool\keys というパスを使用します。ちなみに、「keys」ディレクトリーはあらかじめ作成しておいたディレクトリーです。

リスト 1. idA に対する保護ファイルを作成する
C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-create-password -u idA@cn.ibm.com -password password
 -w unlock -g ./keys/idA.ext

Executing action: CreatePassword ...
Password File created successfully!
Path : C:\DeveloperCloud_CMD_Tool\.\keys\idA.ext
File Name :idA.ext
Please do not edit this file!
The request has been submitted successfully.
Executing CreatePassword finished
リスト 2. idB に対する保護ファイルを作成する
C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-create-password -u idB@cn.ibm.com -password password -w
 unlock  -g  ./keys/idB.ext

Executing action: CreatePassword  ...
Password File created successfully!
Path : C:\DeveloperCloud_CMD_Tool\.\keys\idB.ext
File Name :idB.ext
Please do not edit this file!
The request has been submitted successfully.
Executing CreatePassword  finished

この SmarterCloud コマンドの実行中に何らかの問題が発生した場合には、C:\DeveloperCloud_CMD_Tool\logs の下にあるログを調べてください。

タスク 2: accountA からイメージをコピーする

現状では、SmarterCloud はイメージを永続ストレージにコピーします。イメージをコピーする際、そのストレージの状態は「Non-Attached (非接続)」でなければなりません。ic-copy-to コマンドを実行する前に、まったく新規のストレージを作成しましょう。

ステップ 1: コピーされたイメージを格納するための永続ストレージを作成する

永続ストレージは、SmarterCloud Enterprise のユーザー・インターフェース、またはコマンド・ライン・ツールのいずれかを使用して作成することができます。以下のステップではユーザー・インターフェースを使用します。

ユーザー・インターフェースから idA@cn.ibm.com という ID で SmarterCloud Enterprise にログインし、「Control panel (コントロール・パネル)」 > 「Storage (ストレージ)」 > 「Add storage (ストレージの追加)」の順にナビゲートします。図 3 は「Add Storage (ストレージの追加)」ウィンドウのフィールドに入力する内容を示しています。

図 3. 「Add Storage (ストレージの追加)」ウィンドウ
SmarterCloud Enterprise の「Add Storage (ストレージの追加)」ウィンドウ
SmarterCloud Enterprise の「Add Storage (ストレージの追加)」ウィンドウ

ここでは Linux システムを使用してイメージを転送するため、「ext3」を選択していることに注意してください。このステップでストレージのサイズを決定できるように、転送されるイメージのサイズをあらかじめ見積もっておく必要があります。ここで指定するデータ・センターが、組織で所有するイメージが置かれているデータ・センターと同じであることを確認してください。

図 4 を見るとわかるように、新しく作成されたストレージ (storageA) の状態は「Non-Attached (非接続)」です。これは、コピーされたイメージをこのストレージに保持できることを意味します。

図 4. 作成されたストレージ
作成されたストレージ
作成されたストレージ

ステップ 2: イメージを取り込み、「Copy Allowed (コピーの許可)」を有効にする

ここで仮に、idA@cn.ibm.com を使用して既に RTP データ・センターにイメージを取り込んであるとしましょう (イメージの名前は「to_be_transferred_image」)。取り込んだイメージは、デフォルトでプライベートであり、コピーすることはできません。プライベート・イメージに対するイメージ・コピー機能を有効にするためには、SmarterCloud Enterprise のアセット管理システムで「Copy Allowed (コピーの許可)」を「Y (はい)」に設定する必要があります。その方法を以下に示します。

  1. View asset catalog (アセット・カタログの表示)」をクリックしてイメージの情報を表示します。
    図 5. アセット・カタログを表示する
    アセット・カタログを表示する
    アセット・カタログを表示する
  2. 取り込んだイメージを選択し、そのイメージの名前をクリックします。
    図 6. イメージ・アセットを表示する
    イメージ・アセットを表示する
    イメージ・アセットを表示する
  3. 図 7 に示す「Edit (編集)」アイコンをクリックします。
    図 7. イメージの情報を表示する
    イメージの情報を表示する
    イメージの情報を表示する
  4. 図 8 のように「Edit (編集」) ページで「More (その他)」をクリックします。
    図 8. イメージの情報を編集する
    イメージの情報を編集する
    イメージの情報を編集する
  5. 「Copy Allowed (コピーの許可)」で「Y」を選択し、「Update (更新)」ボタンをクリックします。
    図 9. 「Copy Allowed (コピーの許可)」を「Y」に設定する
    「Copy Allowed (コピーの許可)」を「Y」に設定する
    「Copy Allowed (コピーの許可)」を「Y」に設定する

ステップ 3: 取り込んだイメージに対して ic-describe-image コマンドを実行し、コマンド・ライン・ツールをテストする

イメージをコピーする前に、SmarterCloud サービスに接続した場合に SmarterCloud コマンド・ライン・ツールが適切に実行されるかどうかを確認します。このステップでは ic-describe-image を実行し、イメージの情報が返されるかどうかを確認します。

  1. このコマンドを実行するためのパラメーター値を用意します。重要なパラメーターはイメージの ID です。イメージの ID は図 10 のようにして SmarterCloud のユーザー・インターフェースから取得することができます。
    図 10. SmarterCloud Enterprise の「Images (イメージ」) タブからイメージの ID を取得する
    SmarterCloud Enterprise の「Images (イメージ」) タブからイメージの ID を取得する
    SmarterCloud Enterprise の「Images (イメージ」) タブからイメージの ID を取得する
  2. ic-describe-image コマンドを実行します (リスト 3)。
    リスト 3. 取り込んだイメージに対して ic-describe-image コマンドを実行する
    C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-describe-image -u idA@cn.ibm.com -w unlock -g
     ./keys/idA.ext -k 20043123

このコマンド・ライン・ツールを実行しても例外はスローされないはずです。このコマンドを実行するとイメージの情報が表示されるはずです。

ステップ 4: ic-copy-to コマンドを実行する

イメージをコピーするためには storageA のストレージ ID を知る必要があります。ストレージ ID は SmarterCloud Enterprise のユーザー・インターフェースの「Storage (ストレージ)」タブで取得することができます。

図 11. storageA のストレージ ID を取得する
storageA のストレージ ID を取得する
storageA のストレージ ID を取得する

これで、イメージの ID とストレージの ID の両方を取得できたので、今度は ic-copy-to コマンドを実行します (リスト 4)。このコマンドを実行する前に、storageA の状態が「Non-Attached (非接続)」であることを確認してください。

リスト 4. ic-copy-to コマンドを実行する
C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-copy-to -u idA@cn.ibm.com -w unlock -g
 ./keys/idA.ext -v 25893 -I 20043123
Executing action: CopyTo  ...
The request has been submitted successfully.
ID: 25893
Name: storageA
Owner: liuyank@cn.ibm.com
Size: 512 Gib
Format : ext3
State: COPYING
Location: 41
Storage Area Id:
Storage Area Name:
.....
Platform Version: 2
Executing CopyTo  finished

頻繁に ic-describe-image コマンドを実行して状態を確認することができます (リスト 5)。「State: AVAILABLE」と表示されれば、ic-copy-to コマンドは正常に終了しているはずです。「State: COPYING」と表示される場合は、コピー中であることを意味します。60GB のイメージの場合、コピーには約 40 分かかります。

リスト 5. ic-describe-image コマンドでイメージのコピーの状態をチェックする
C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-describe-image  -u idA@cn.ibm.com -w unlock -g
 ./keys/idA.ext  -k 20043123
Executing action: DescribeImage  ...
ID: 20043123
Name: to_be_transferred_image
Visibility: PRIVATE
State: COPYING
Owner: idA@cn.ibm.com
Platform: Windows/2003 R2
Location: 41

コピーの状態をチェックする方法としては、ストレージの情報を記述するための ic-describe-volume を実行する方法もあります。

タスク 3: accountA から accountB にイメージ・ファイルを転送する

異なるアカウント間でイメージを転送するためには 2 つの仮想マシンを準備する必要があります。

ステップ 1: ソース・インスタンスを作成する: storage_server_accountA

このサーバーはコピーのソースとして動作します。このステップの操作は RTP データ・センターに対して行います。

  1. accountA の idA@cn.ibm.com でログインします。key_accountA という名前の鍵を作成します。この鍵を SmarterCloud Enterprise からローカル・マシンにダウンロードします。
  2. RedHat 6 のインスタンス (storage_server_accountA) を作成し、永続ストレージ (「accountA からイメージをコピーする」で作成したもの) の接続と、key_accountA の関連付けを指定します。その詳細を図 12 と図 13 に示します。
    図 12. storage_server_accountA を作成する
    storage_server_accountA を作成する
    storage_server_accountA を作成する
    図 13. storageA を接続する
    storageA を接続する
    storageA を接続する
  3. ここで、storage_server_accountA にストレージを接続する際にマウント・ポイントを /mnt と設定することに注意してください。イメージがコピーされると、/mnt の下に image というディレクトリーがあることがわかります。ストレージ・インスタンスがプロビジョニングされた後で /mnt ディレクトリーを確認します。xshell などの SSH ツールを使用して storage_server_accountA にログインします。/mnt の下にあるファイルを調べ、コピー・コマンドによって image ディレクトリーが作成されたかどうかを確認します。
    図 14. image ディレクトリーが作成されたかどうかを確認する
    image ディレクトリーが作成されたかどうかを確認する
    image ディレクトリーが作成されたかどうかを確認する

ステップ 2: ターゲット・インスタンスを作成する: storage_server_accountB

このサーバーは転送されたイメージを受信するためのものです。このステップの操作は Boulder データ・センターに対して行います。

  1. SmarterCloud Enterprise のユーザー・インターフェースから accountB の idB@cn.ibm.com でログインします。
  2. storageB という名前の永続ストレージを ext3 フォーマット、512GB で作成します。
    図 15. storageB を作成する
    storageB を作成する
    storageB を作成する
  3. key_accountB という新しい鍵を作成し、その鍵をローカル・マシンにダウンロードします。
  4. RedHat 6 のインスタンス (storage_server_accountB) を作成し、storageB の接続と、key_accountB の関連付けを指定します。
    図 16. storage_server_accountB を作成する
    storage_server_accountB を作成する
    storage_server_accountB を作成する
  5. このインスタンスにストレージを接続する際のマウント・ポイントは /mnt です。
    図 17. storageB を接続する
    storageB を接続する
    storageB を接続する

ステップ 3: accountA から accountB にイメージ・ファイルをコピーする

NFS、SFTP、SCP など、いくつかの方法で accountA から accountB にイメージ・ファイルをコピーすることができます。この記事では SCP と NFS という 2 つの方法でイメージを転送します。

SCP を使用してイメージ・ファイルを転送する

  1. idcuser として SSH で storage_server_accountA にログインします。この例ではそれを xshell を使用して行います。
  2. vi を使用して、SCP を実行するための新しい鍵ファイルを作成します。
    図 18. SCP を実行するための新しい鍵ファイルを作成する
    SCP を実行するための新しい鍵ファイルを作成する
    SCP を実行するための新しい鍵ファイルを作成する
  3. key_accountB の内容 (ここまでのステップでダウンロードされています) を、この新しいファイルにコピーします。Windows システムから xshell を実行している場合には、Windows のメモ帳で key_accountB を開くことができ、vi で作成する新しいファイルの中に key_accountB の内容を貼り付けられることに注意してください。
    図 19. key_accountB の内容
    key_accountB の内容
    key_accountB の内容
  4. idcuser として storage_server_accountB にログインし、/mnt 配下にあるファイルを確認します。以下を見るとわかるように、この時点では image ディレクトリーはありません。
    図 20. storage_server_accountB に image ディレクトリーがないことを確認する
    storage_server_accountB に image ディレクトリーがないことを確認する
    storage_server_accountB に image ディレクトリーがないことを確認する
  5. idcuser として storage_server_accountA にログインし、root として scp コマンドを実行します。このコマンドにより、storage_server_accountB の鍵ファイルを使用して storage_server_accountA の image フォルダーが storage_server_accountB にコピーされます。

図 21 は accountA (storage_server_accountA) から accountB (storage_server_accountB) にイメージ・ファイルをコピーするための詳細なステップを示しています。

図 21. SCP コマンドを実行してイメージ・ファイルをコピーする
SCP コマンドを実行してイメージ・ファイルをコピーする
SCP コマンドを実行してイメージ・ファイルをコピーする

図 22 で「100%」と表示されているのは、コピーが完了したことを示しています。

図 22. 転送が完了した状態
転送が完了した状態
転送が完了した状態

NFS サービスを使用してイメージを転送する

  1. idcuser として storage_server_accountA にログインします。
  2. storage_server_accountA で NFS サービスの設定を行います。vi /etc/exports を実行して /ext/exports ファイルを開き、このファイルに「/mnt/image *(rw,no_root_squash)」という内容を追加します (リスト 6)。
    リスト 6. NFS サービスを起動する
    [idcuser@vhost1335 ~]$ sudo bash
    [root@vhost1335 idcuser]# vi /etc/exports
    [root@vhost1335 idcuser]# /sbin/service iptables stop
    iptables: Flushing firewall rules:                              [  OK  ]
    iptables: Setting chains to policy ACCEPT: filter            [  OK  ]
    iptables: Unloading modules:                                     [  OK  ]
    [root@vhost1335 idcuser]# /sbin/service nfs start
    Starting NFS services:                                             [  OK  ]
    Starting NFS quotas:                                               [  OK  ]
    Starting NFS daemon:                                               [  OK  ]
    Starting NFS mountd:                                               [  OK  ]
    [root@vhost1335 idcuser]#

    この例ではファイアウォールが停止していることに注意してください。安全のためには、ファイアウォールを停止するのではなく、NFS サービスに必要なポートを開くようにしてください。
  3. idcuser として storage_server_accountB にログインし、このサーバーでリスト 7 のコマンドを実行して mount コマンドと cp コマンドを実行します。これらのコマンドにより、イメージ・ファイルが storage_server_accountA から storage_server_accountB に移動します。
    リスト 7. image ディレクトリーをマウントする
    [idcuser@ vhost1208 ~]$ sudo bash
    [root@vhost1208 idcuser]# mkdir /mnt/tmp
    [root@vhost1208 idcuser]# mkdir /mnt/image
    [root@vhost1208 idcuser]# /sbin/service iptables stop
    iptables: Flushing firewall rules:                          [  OK  ]
    iptables: Setting chains to policy ACCEPT: filter        [  OK  ]
    iptables: Unloading modules:                                 [  OK  ]
    [root@vhost1208 idcuser]# mount -t nfs 170.224.165.60:/mnt/image  /mnt/tmp
    [root@vhost1208 idcuser]# cp  -r /mnt/tmp/* /mnt/image
    [root@vhost1208 idcuser]#umount /mnt/tmp

storage_server_accountB で /mnt/image 配下にあるファイルを一覧表示し、イメージの転送が完了したことを確認します。

図 23. イメージ・ファイルがコピーされたことを確認する
イメージ・ファイルがコピーされたことを確認する
イメージ・ファイルがコピーされたことを確認する

タスク 4: accountB にイメージをインポートする

イメージ・ファイルを storage_server_accountB にコピーしましたが、このイメージはまだ accountB のイメージ・アセットではありません。accountB のイメージ・アセットにするためには、イメージのインポート操作を実行する必要があります。

ステップ 1: storage_server_accountB インスタンスを削除し、永続ストレージを切り離す

ic-import-image コマンドはストレージが切り離された状態でないと動作しないため、storage_server_accountB インスタンスを削除して永続ストレージを切り離す必要があります。この例では SmarterCloud Enterprise のユーザー・インターフェースを使用して、このインスタンスを削除します。

ステップ 2: accountB の idB@cn.ibm.com でイメージをインポートする

イメージをインポートする前に、storageB のストレージ ID を知る必要があります (この ID を使用して、コピーされたイメージ・ファイルを保持します)。図 24 は storageB の ID にアクセスする方法を示しています。

図 24. storageB のストレージ ID を取得する
storageB のストレージ ID を取得する
storageB のストレージ ID を取得する

これで import コマンドを実行する準備が整いました。このステップで、インポートされたイメージの新しいイメージ ID を取得することができます (リスト 8)。このイメージ ID を使用して、後ほど storage_server_accountB でのインポートの状態を確認します。また、ここで、インポートされたイメージの新しい名前 (transferred_image) を指定します。

リスト 8. ic-import-image コマンドを実行する
C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-import-image -u idB@cn.ibm.com -w unlock -g
 ./keys/idB.ext -n "tranferred_image" -v 25970
Executing action: ImportImage  ...
The request has been submitted successfully.
Image ID: 20043226
Name: tranferred_image
Description: A generic bundle/subcomponent to price imported images that did not
 originate from SmartCloud
Location: 82
Owner: idB@cn.ibm.com
State: IMPORTING
Visibility: PRIVATE
....
Executing ImportImage  finished

この場合も頻繁に ic-describe-image コマンドを実行し、インポートの状態を確認します。「State: AVAILABLE」と表示されれば、インポートが正常に終了したことになります。「State: COPYING」と表示される場合は、インポートが終了していません。60GB のイメージの場合、インポートには約 30 分かかります。

リスト 9. イメージのインポートの状態を確認する
C:\DeveloperCloud_CMD_Tool>ic-describe-image -u idB@cn.ibm.com -w unlock -g
 ./keys/idB.ext -k 20043226
Executing action: DescribeImage  ...
ID: 20043226
Name: tranferred_image
Visibility: PRIVATE
State: IMPORTING
Owner: idB@cn.ibm.com
Platform:
Location: 82
Architecture:
Documentation:
Manifest:
Description: A generic bundle/subcomponent to price imported images that did not
 originate from SmartCloud
.......

インポートの状態は、SmarterCloud Enterprise のユーザー・インターフェースに (idB@cn.ibm.com として) ログインすることによっても確認することができます (図 25)。

図 25. イメージのインポートの状態を確認する
イメージのインポートの状態を確認する
イメージのインポートの状態を確認する

ステップ 3: accountB で確認する

インポートされたイメージを確認する直接的な方法は、上記でインポートされたイメージを基に、新しいインスタンスをプロビジョニングすることです。

accountB の ID (idB@cn.ibm.com) で SmarterCloud Enterprise のユーザー・インターフェースを使用して、インポートされたイメージを見つけて選択し、「Create instance (インスタンスの作成)」をクリックします。

図 26. インポートされたイメージをプロビジョニング対象として選択する
インポートされたイメージをプロビジョニング対象として選択する
インポートされたイメージをプロビジョニング対象として選択する

通常と同じように、このインスタンスをプロビジョニングします。プロビジョニングを終えたら、その新しいインスタンスにログインできるかどうかを確認し、そのインスタンスで適切にサービスを実行できるかどうか確認します。

まとめ

この記事では、アカウント間 (さらには IBM の異なるデータ・センターに存在するアカウント間) でイメージを転送するために必要な手順を詳細に説明しました。この IBM SmarterCloud Enterprise 2.0 の機能により、アセットを保護するための優れた選択肢が得られたことになります。ただし現在 SmarterCloud Enterprise では、この方法で転送できるイメージは一度に 1 つのみです。今後に注目してください。バッチ処理で複数イメージを転送するように強化されたソリューションを開発した際には、すぐに皆さんにお知らせします。


ダウンロード可能なリソース


関連トピック


コメント

コメントを登録するにはサインインあるいは登録してください。

static.content.url=http://www.ibm.com/developerworks/js/artrating/
SITE_ID=60
Zone=Cloud computing, Java technology
ArticleID=823508
ArticleTitle=IBM SmarterCloud Enterprise でのソリューションの作成: 異なるアカウント間でイメージ・アセットを転送する
publish-date=07052012