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IBM SmarterCloud Orchestrator対応の Windows イメージを作成する

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はじめに

クラウド・コンピューティングを利用すると、新しいビジネス・サービスを提供するまでの時間が大幅に短縮されます。IBM SmarterCloud Orchestrator は、堅牢なエンタープライズ・クラウド・サービスの開発、デプロイ、管理のオーケストレーションを目的に設計された統合クラウド自動化プラットフォームです。SmarterCloud Orchestrator を利用すると、以下のことが可能になります。

  • オーケストレーション・エンジンを使用してクラウド・サービスを提供するまでの時間の短縮
  • マルチノード・アプリケーション・トポロジー全体のデプロイメントの自動化
  • クラウド環境の正常性、パフォーマンス、プランニング機能のモニター
  • 各種クラウド・リソースのコストのトラッキングおよび分析

クラウド・コンピューティングにおいて重要なタスクとなるのは、イメージの作成です。イメージを作成するには、ベースとなるオペレーティング・システムの知識、イメージをデプロイするために使用するハイパーバイザーの知識、そしてそのハイパーバイザーを制御するマネージャーの知識が必要になります。この記事では、Windows をゲスト OS として使用して、このタスクを実行する手順を説明します。

まずは、よく使う用語の意味を明確にして、SmarterCloud Orchestrator 対応のイメージを作成する一般的なプロセスを要約します。このプロセスは、SmarterCloud Orchestrator でデプロイする必要がある既存のイメージにも簡単に適応させることができます。さらに、イメージを作成する際に発生することがある一般的な問題と、それらの問題をデバッグして修正する方法についても説明します。

この記事では VMware ベースのシステムを使用するため、VMware の用語を使用しますが、この手順は KVM リージョンにも簡単に適用することができます。

記事で使用する「イメージ」または「仮想イメージ」という用語は、イメージ・テンプレートのことを指しており、「インスタンス」または「仮想インスタンス」という用語は、SmarterCloud Orchestrator からデプロイされた仮想マシン (VM) のことを指しています。

SmarterCloud Orchestrator 対応のイメージを作成するステップは至ってシンプルです。

  1. ハイパーバイザー内でイメージ・テンプレートを作成する
  2. 基本 OS をインストールする
  3. SmarterCloud Orchestrator の前提条件を設定してチェックする
  4. SmarterCloud Orchestrator の Image Construction and Composition Tool (ICCT) コンポーネントにイメージをインポートする
  5. ICCT 内でイメージを拡張する
  6. ICCT の中でイメージを同期させる
  7. ICCT でイメージを取り込む

上記のそれぞれのステップが何を意味するかについて、以降のセクションで詳しく説明します。

簡単のため、記事では同じユーザーがすべてのステップを実行することを前提としますが、この手順のそれぞれのステップは、異なるロールを割り当てられたさまざまな担当者が行うこともできます。各ステップで、その特定のステップに必要な権限とロールを明記します。

SmarterCloud Orchestrator 対応のイメージを作成するには、admin ロールで VMware vCenter にアクセスする必要と、ICCT の UI にアクセスする必要 (ICCT はシングル・ユーザーなので、ロールは指定されません)、SmarterCloud Orchestrator のコンポーネントである Virtual Image Library (VIL) の UI にアクセスする必要があります。

インストールする OS に対応する ISO ファイルアクセスする必要もあります。SmarterCloud Orchestrator 環境でサポートされているオペレーティング・システムのリストを参照してください。

簡単のため、VMware ハイパーバイザーにイメージが作成済みであること (ステップ 1)、OS がインストール済みであること (ステップ 2) を前提とします。そして、ステップ 3 の SmarterCloud Orchestrator の前提条件を設定してチェックするところから開始します。

SmarterCloud Orchestrator の前提条件を設定してチェックする

SmarterCloud Orchestrator から正常にイメージがデプロイされるようにするには、特定の構成変更が必要です。通常、1 つ以上の前提条件が欠けていると、インスタンスが起動しても、SmarterCloud Orchestrator UI では「Checking to see if virtual system <system's name> is started (仮想システム <システムの名前> が起動済みであるかどうかを確認中)」ステータスでハングアップします。

以下で説明するのは、Windows Server 2008 R2 を SmarterCloud Orchestrator 対応にする場合の構成方法の一例です。

IBM Workload Deployer コンポーネントと Image Construction and Composition Tool コンポーネントは、(それぞれ、デプロイ時、同期時に) RXA プロトコルを使用してデプロイ済みイメージに接続して、必要なファイル (アクティブ化エンジン・パッケージなど) をコピーします。

RXA プロトコルを正常に機能させるには、イメージで一連の構成ステップを実行する必要があります。

受信される ICMP および RDP 接続を許可するように Windows ファイアウォールを構成する必要があります。リモート・デスクトップのファイアウォールの例外を有効にするために、「Start (スタート)」 > 「Computer (コンピューター)」を右クリックし、「Properties (プロパティ)」を選択します。「Remote settings (リモート設定)」をクリックし、「Remote (リモート)」タブで、「Allow connections from computers running any version of Remote Desktop (リモート デスクトップを実行しているコンピューターからの接続を許可する)」が選択されていることを確認して、「Apply (適用)」をクリックします。「Remote Desktop Firewall exception will be enabled (リモート デスクトップのファイアウォールの例外は有効にされます)」というメッセージが表示されるので、「OK」を 2 回クリックします。

 
Windows ファイアウォール画面のスクリーンショット
Windows ファイアウォール画面のスクリーンショット

ICMP に対して Windows ファイアウォールで事前定義されている規則は、「ファイルとプリンターの共有 (エコー要求 – ICMPv4 受信)」です。この構成を編集するために、「Start (スタート)」 > 「Control Panel (コントロール パネル)」 > 「System and Security (システムとセキュリティ)」 > 「Windows Firewall (Windows ファイアウォール)」の順に選択し、「Advanced Settings (詳細設定)」をクリックして、「Inbound Rules (受信の規則)」を選択します。「File and Printer Sharing (Echo Request – ICMPv4-In) (ファイルとプリンターの共有 (エコー要求 – ICMPv4 受信))」という名前の規則を探し、この規則をダブルクリックして開いて、以下の確認を行います。

  • 「Advanced (詳細設定)」タブで、規則が適用されるすべてのプロファイル (ドメイン、プライベート、パブリック) にチェック・マークが付いていること。
  • 「Scope (スコープ)」タブで、「Any IP address (任意の IP アドレス)」にチェック・マークが付いていること。
 
Windows ファイアウォールの「Inbound Rules (受信の規則)」のスクリーンショット
Windows ファイアウォールの「Inbound Rules (受信の規則)」のスクリーンショット
 
「File and Printer Sharing (ファイルとプリンターの共有)」の「Advanced (詳細設定)」タブのスクリーンショット
「File and Printer Sharing (ファイルとプリンターの共有)」の「Advanced (詳細設定)」タブのスクリーンショット
 
「File and Printer Sharing (ファイルとプリンターの共有)」の「Scope (スコープ)」タブのスクリーンショット
「File and Printer Sharing (ファイルとプリンターの共有)」の「Scope (スコープ)」タブのスクリーンショット

ポート 445 がファイアウォールによってブロックされていてはなりません。Windows ファイアウォールでこのポートに定義済みのルールは、「Netlogon Service (NP-In) (Netlogon サービス (NP 受信)」です。

 
Windows ファイアウォールで NP 受信に対して定義済みの規則のスクリーンショット
Windows ファイアウォールで NP 受信に対して定義済みの規則のスクリーンショット

OpenStack の場合、受信される RDP 接続を許可するには、ポート 3389 がファイアウォールによってブロックされないようにします。

 
Windows ファイアウォールでポート 3389 に対して定義済みの規則のスクリーンショット
Windows ファイアウォールでポート 3389 に対して定義済みの規則のスクリーンショット

使用しているアカウントがドメイン・ユーザー・アカウントでない場合は、ユーザー・アカウント制御を無効にしなければならない可能性が考えられます。ドメイン・ユーザー・アカウントを使用する場合は、ローカル・マシンとターゲット・マシンの両方が Windows ドメインのメンバーであることを確認してください。

ローカル管理者グループのメンバーになっていて、ローカル・ユーザー・アカウントを使用している場合は、ターゲット・マシンで管理タスクを行う必要があります。

セキュリティー・アカウント・マネージャーのローカル・ユーザー・アカウントでワークステーションを管理する際には、ユーザー・アカウント制御を無効にしてください。このオプションを無効にしなければ、完全な管理者として接続されないため、管理タスクを実行できません。ユーザー・アカウント制御を無効にするには、以下の手順に従います。

  • 「Start (スタート)」 > 「Run (ファイル名を指定して実行)」の順にクリックして、「regedit」と入力してから「OK」をクリックするか、Enter キーを押します。
  • レジストリー・サブキー「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System」を見つけてクリックします。
  • LocalAccountTokenFilterPolicy レジストリー・エントリーが存在しない場合、「Edit (編集)」メニューで「New (新規作成)」を選択し、「DWORD Value (DWORD 値)」をクリックします。「LocalAccountTokenFilterPolicy」と入力して Enter キーを押し、「LocalAccountTokenFilterPolicy」を右クリックして「Modify (変更)」をクリックします。値データ・フィールドに「1」と入力してから「OK」をクリックします。
  • コンピューターを再起動します。
 
レジストリー・エディターのスクリーンショット
レジストリー・エディターのスクリーンショット

「Start (スタート)」から「Search programs and files (プログラムとファイルの検索)」をクリックし、「uac」と入力して、ユーザー・アカウント制御がデフォルトに設定されていることを確認します。

 
ユーザー・アカウント制御設定のスクリーンショット
ユーザー・アカウント制御設定のスクリーンショット

コンピューターのネットワーク接続プロパティーで「Enable NetBIOS over TCP/IP (NetBIOS over TCP/IP を有効にする)」が選択されていることを確実にします。それには、「Control Panel (コントロール パネル)」から、「Network and Internet (ネットワークとインターネット)」 > 「Network Conncetion (ネットワーク接続)」 > 「Local Area Connection Properties (LANのプロパティ)」 > 「Internet Protocol Version 4 (TCP/IPv4) Properties (インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4) のプロパティ)」 > 「Advanced TCP/IP Settings (TCP/IP 詳細設定)」 > 「WINS」の順に選択し、「Enable NetBIOS over TCP/IP (NetBIOS over TCP/IP を有効にする)」が選択されていることを確認します。

 
NetBIOS over TCP/IP を有効にするためのネットワーク接続パスのスクリーンショット
NetBIOS over TCP/IP を有効にするためのネットワーク接続パスのスクリーンショット

: イメージに ISO ファイルを追加してある場合には (通常は、OS をインストールするために追加します)、テンプレートを作成する前に、忘れずに ISO ファイルへの接続を解除してください。ISO ファイルが接続されていると、アクティブ化エンジンが ISO ファイルを介して構成指示を渡すため、イメージ・アクティブ化ロジックが干渉されることになります。

 
NetBIOS over TCP/IP を有効にするためのネットワーク接続パスのスクリーンショット
NetBIOS over TCP/IP を有効にするためのネットワーク接続パスのスクリーンショット

イメージ・テンプレートを作成する際には、ネットワーク・カードが 1 つだけ存在するようにしてください。ネットワーク・カードは、デプロイメント時に NIC アドオンを使用して追加することができます。

VIL がイメージを検出するまで待機する

テンプレートが作成されると、そのイメージが VIL UI に表示されるようになります。VIL が VMWare 内で新規イメージの検出を実行するのは 2 分ごとです。そのため、取り込みが完了してからそのイメージが VIL に表示されるまでに、短時間の遅れが生じる場合があります。VIL は、同じ VMWare リージョンに 2 つの運用リポジトリーを使用します。1 つは OpenStack 用、もう 1 つは VMWare 用です。後者は、小さな鎖型アイコンで識別されます。

OpenStack リポジトリーには、Glance から収集された情報が取り込まれます。一方、VMWare リポジトリーには、VMWare と直接やりとりすることで情報が取り込まれます。最終的には、これらのリポジトリーの内容はまったく同じにならなければなりません。矛盾がある場合は (例えば、特定のイメージが一方のリポジトリーには表示されるのに、もう一方では表示されないなど)、VIL UI から運用リポジトリーを選択し、「Actions (アクション)」 > 「Synchronize repositories (リポジトリーの同期)」の順に選択することで、強制的に同期させることができます。同期タスクが完了するのを待ってから、2 つ目のリポジトリーで同期を実行してください。

イメージが VIL に表示されるようになるまでは、そのイメージを ICCT にインポートすることはできません。

 
VIL の「Images (イメージ)」タブのスクリーンショット
VIL の「Images (イメージ)」タブのスクリーンショット

: 大規模な環境を管理する予定の場合、VIL のパフォーマンスを向上させるために、VIL がデプロイ済みイメージを探さないように構成することをお勧めします。

ICCT にイメージをインポートする

VMware テンプレートをそのまますぐに SmarterCloud Orchestrator で使用することはできません。それは、アクティブ化エンジンが欠如しているためです。アクティブ化エンジンとは、イメージの個別設定とその設定解除を行うバイナリーのセットです。デプロイメント時には、アクティブ化エンジンが、インスタンスに適切なネットワーク構成 (ホスト名、IP アドレス、DNS、ゲートウェイなど) を割り当て、管理者ユーザーに新規パスワードを割り当て、プロダクト・キーをセットアップします。また、ICCT ソフトウェア・バンドルを介してイメージに固有のソフトウェア・カスタマイズ・スクリプトを追加している場合は、それらのスクリプトのセットアップもトリガーします。このアクティブ化エンジンというソフトウェアは、ICCT によってイメージ・テンプレート内部にインストールされて構成されます。

簡単のため、イメージにはソフトウェア・バンドルもパーソナリティーも追加されていないことを前提とします。詳細については、「IBM Image Construction and Composition Tool の操作」を参照してください。

イメージが VIL の OpenStack 運用リポジトリーの項目として表示されて、基本的な索引付けが完了するまでは、そのイメージを ICCT にインポートすることはできません。

インポート・プロセスは、その名に反して、イメージのディスクをコピーして取得することはしません。このプロセスが行うのは、イメージへのポインターの作成と、適切なイメージ・メタデータの生成です。メタデータとは、パターン設計時とイメージのデプロイ時に、そのイメージを記述する成果物の集まりを意味します。記述される内容は、イメージに含まれているパーツ (パーソナリティー) の数、デプロイ時にエンド・ユーザーが構成可能なパラメーター (root パスワードなど)、デプロイ時にプロビジョニング・エンジンによって構成されるパラメーター (DNS など) などです。

イメージをインポートするには、ICCT UI にログインします。ICCT はシングル・ユーザーなので、ロールは指定しません。「Build and manage images (イメージのビルドおよび管理)」をクリックします。

 
「Build and manage images (イメージのビルドおよび管理)」リンクを強調表示して示している、ICCT のウェルカム・ページのスクリーンショット
「Build and manage images (イメージのビルドおよび管理)」リンクを強調表示して示している、ICCT のウェルカム・ページのスクリーンショット

複数のシステムがある場合は、適切なクラウド・プロバイダーを指していることを確認してから (右上のドロップダウン・リストから該当するプロバイダーを選択します)、「Import from Cloud Provider (クラウド・プロバイダーからのインポート)」アイコンをクリックします。

 
「Import from Cloud Provider (クラウド・プロバイダーからのインポート)」アイコンを強調表示して示している、ICCT の「Images (イメージ)」ページのスクリーンショット
「Import from Cloud Provider (クラウド・プロバイダーからのインポート)」アイコンを強調表示して示している、ICCT の「Images (イメージ)」ページのスクリーンショット

新しく作成したイメージを選択してから、「Add (追加)」ボタンをクリックします。

 
追加するイメージを強調表示して示している、「Import from Cloud Provider (クラウド・プロバイダーからのインポート)」ウィンドウのスクリーンショット
追加するイメージを強調表示して示している、「Import from Cloud Provider (クラウド・プロバイダーからのインポート)」ウィンドウのスクリーンショット

「Import (インポート)」をクリックします。

ICCT 内でイメージを拡張する

拡張プロセスは、SmarterCloud Orchestrator 対応の新しい仮想イメージを作成するための最初のステップです。このステップには、OpenStack やハイパーバイザーは関係しません。これは、ICCT 内ですべて完結するプロセスです。この拡張プロセスによって、ICCT 内に別のイメージ・オブジェクトが作成されて、基本イメージからそこにメタデータがコピーされます。

ICCT 内でイメージを拡張するには、イメージ・ウィンドウで「Extend (拡張)」アイコンをクリックして GUI に拡張します。

 
拡張アイコンを強調表示して示している、ICCT 内で開いたイメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット
拡張アイコンを強調表示して示している、ICCT 内で開いたイメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット

ICCT でのイメージのステータスが「Out of sync (非同期)」になっている場合、これは、拡張されたイメージに対応するイメージがハイパーバイザーに存在していないことを意味します。

 
イメージの詳細が拡張されて非同期になっていることを示す画面のスクリーンショット
イメージの詳細が拡張されて非同期になっていることを示す画面のスクリーンショット

また、拡張されたイメージには、基本イメージにはないソフトウェア・バンドルが含まれていることにも注意してください。

 
イメージの詳細と追加されたソフトウェア・バンドルを示す画面のスクリーンショット
イメージの詳細と追加されたソフトウェア・バンドルを示す画面のスクリーンショット

拡張ステージでの ICCT は、そのソフトウェア・ハンドルをインストールすることを約束しますが、今のところ、イメージには何も追加されていません。ハイパーバイザーには、まだイメージが存在していないことを思い出してください。

アクティブ化エンジンの適切なバージョンがまだインストールされていない場合、それをインストールして構成するのは、イネーブルメント・バンドルの役目です。

ICCT の中でイメージを同期させる

ICCT の中でイメージを同期させると、基本イメージから起動される仮想インスタンスが作成されて、そのインスタンスにイネーブルメント・バンドルが追加されます。また、ソフトウェア・バンドルを前のステップで追加した場合は、それらのすべてのソフトウェア・バンドルもインスタンスに追加されます。このアクションが実行されている間、ICCT は (iaasgateway を介して) OpenStack とだけやりとりします。他のコンポーネントがこのプロセスに直接関与することはありません (Workload Deployer は、この同期プロセスに関わってきません)。

同期を開始するには、「Synchronize (同期)」ボタンをクリックします。

 
「Synchronize (同期)」ボタンを強調表示して示している、イメージの詳細のスクリーンショット
「Synchronize (同期)」ボタンを強調表示して示している、イメージの詳細のスクリーンショット

フレーバー、ネットワーク、クラウド・プロバイダーを選択するよう求めるプロンプト、そして root パスワードを入力するよう求めるプロンプトが出されます。このパスワードは、OS をインストールしたときにイメージに設定したパスワードです。「Next (次へ)」をクリックします。

 
イメージを同期させる前に選択するパラメーターのフィールドと、パスワードを入力するフィールドを示すスクリーンショット
イメージを同期させる前に選択するパラメーターのフィールドと、パスワードを入力するフィールドを示すスクリーンショット

イメージの同期パネルには、慎重に情報を入力してください。同期の失敗のほとんどは、誤ってデータが入力されたことが原因で起こります。例えば、実際の管理者パスワードではないパスワードを入力したり、誤ったネットワークを指定したりすると、ICCT が (RXA を使用して) イメージに接続してイネーブルメント・バンドルのバイナリーや、イメージを拡張したときに追加したその他のソフトウェア・バンドルを移動することができなくなります。また、あまりにも小さすぎるフレーバーを指定した場合も、OpenStack はイメージを作成できません。

プロダクト・キーを入力したことを確認してから、「Done (完了)」をクリックします。

 
入力するバンドル・パラメーターの値と、強調表示された「Product Key (プロダクト・キー)」フィールドのスクリーンショット
入力するバンドル・パラメーターの値と、強調表示された「Product Key (プロダクト・キー)」フィールドのスクリーンショット

同期が完了すると、イメージのステータスは「Synchronized (同期済み)」に設定されます。

 
ステータスが同期済みになったイメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット
ステータスが同期済みになったイメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット

: ホスト名解決を正しく構成することが重要です。適切に構成されていないと、ICCT とデプロイ済みイメージの間の RXA 接続がタイムアウトになり、同期に失敗します。

トラブルシューティング

同期に失敗した場合は、以下の方法でトラブルシューティングを行うことができます。

  • ICCT トレース (/drouter/ramdisk2/mnt/raid-volume/raid0/logs/trace/trace.log) を調べます。
  • OpenStack 内にインスタンスが実際に作成されているかどうかチェックします。それには、nova list を実行し、その出力で、(ICCT <数値> という名前の) イメージが存在していて、そのステータスが ACTIVE になっていることを確認します。
  • リモート・デスクトップでインスタンスに接続できることを確認します。
  • イメージが OpenStack で ERROR 状態になっている場合、nova show <image UUID> を実行して、失敗に関する詳細情報を入手します。この詳細情報で有用な情報を入手できなければ、ICCT で実行される内容は、コマンド nova boot -flavor<flavor id> --image <image id> --net-id net-if=<net uuid> <任意の名前> で実行される内容と同様であることを考慮してください。ここで、<flavor id> は、同期の際に選択したフレーバーに対応するフレーバー ID、<image id> は、Glance での基本イメージの UUID (これは、glance image-list で確認することができます)、<net uuid> は、同期の際に選択したネットワークに対応するネットワークの UUID です (これは、nova-manage network list で確認することができます)。このコマンドが失敗する場合は、/var/log/nova/smartcloud.log や /root/.SCE31/logs/skc-0.log で根本原因を調べる必要があります。
  • フィックスパック 1 を適用せずに SmarterCloud Orchestrator 2.3 を使用している場合、ネットワーク接続の名前に留意してください。これが「Local Area Connection (ローカルエリア接続)」になっていなければ、イメージには IP アドレスが割り当てられません。
     
    「Local Area Connection (ローカルエリア接続)」を強調表示して示している、「Network and Sharing Center (ネットワークおよび共有センター)」ウィンドウのスクリーンショット
    「Local Area Connection (ローカルエリア接続)」を強調表示して示している、「Network and Sharing Center (ネットワークおよび共有センター)」ウィンドウのスクリーンショット

    フィックスパック 1 は、この制限を取り除いています。

ICCT でイメージを取り込む

これが、プロセスの最後のステップです。このステップで、SmarterCloud Orchestrator にインポートしてパターンの一部としてデプロイできる新規イメージを実際に生成します。

ICCT からイメージを取り込むと、以下のアクションがトリガーされます。

  • インスタンスの個別設定が解除されます (つまり、インスタンスで /opt/ibm/ae/AE.sh –reset が実行されます)。
  • インスタンスをシャットダウンします。
  • テンプレートの VM を変換します。
  • OpenStack 内でイメージを作成します。
  • OpenStack 内のイメージに、固有のメタデータを関連付けます。

以上のすべてのアクションは自動的に実行されるため、人間による操作が必要ありません。取り込みステップでは、ICCT は iaasgateway を介して OpenStack とだけやりとりするため、他のコンポーネントは関与しません。OpenStack は (SmarterCloud ドライバーおよび SmarterCloud Entry を介して) VMWare とやりとりします。

イメージを取り込むために必要なのは、「Capture (取り込み)」をクリックすることのみです。

 
「Capture (取り込み)」ボタンを強調表示して示している、イメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット
「Capture (取り込み)」ボタンを強調表示して示している、イメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット

取り込みプロセスが完了すると、ステータスが「Completed (完了済み)」として示されます。

 
「Completed (完了済み)」ステータスを強調表示して示している、イメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット
「Completed (完了済み)」ステータスを強調表示して示している、イメージ詳細ウィンドウのスクリーンショット

これで、イメージが SmarterCloud Orchestrator で使用できる状態になりました。

  • 新しく作成されたイメージが VIL によって検出されて、索引が付けられるまで待機します。
  • イメージを Workload Deployer に登録します。
  • 仮想システム・パターンを作成します。
  • 新しく登録したイメージを、作成したパターンに追加します。
  • パターンをデプロイします。

: プロビジョニングする際は、Windows ポリシーに従った有効なプロダクト・キーと管理者パスワードを指定して、sysprep の失敗を防いでください。

まとめ

SmarterCloud Orchestrator で使用できる Windows 環境のイメージを作成する方法は以上のとおりです。この記事では、さまざまなイメージを Windows 環境にデプロイする上での、OS に対する要件、ハイパーバイザーに対する要件、そしてハイパーバイザー・マネージャーに対する要件を満たすプロセスを最後まで実行するのに必要なメカニズムについて説明しました。

この記事を読み終えた皆さんは、SmarterCloud Orchestrator 対応の Windows イメージを簡単かつ円滑に作成できるはずです。


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Zone=Cloud computing, Java technology
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ArticleTitle=IBM SmarterCloud Orchestrator対応の Windows イメージを作成する
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