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Flex System Manager を拡張する

先進的な IBM PureFlex System 管理シナリオを構成する

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IBM PureFlex System では、Flex System Manager が反復作業を自動化することによって、通常の管理タスクに必要となる手作業でのナビゲーション・ステップの数を減らします。Flex System Manager には、先進的な管理シナリオを実現する豊富な API およびコマンド・ライン・インターフェース (CLI) も用意されています。これらのシナリオのスクリプトを作成すれば、そのスクリプトを再利用してシナリオを再現することもできます。この記事では、KVM ハイパーバイザー用の先進的な仮想化管理シナリオとクラウド管理シナリオを可能にするために、Flex System Manager を管理インフラストラクチャーとして使用する方法を具体的な例で説明します。

前提条件

この記事に記載するサンプル・ソリューションを実装するには、Flex System Manager (拡張バージョンまたは基本バージョン) を使用して構成済みの IBM PureFlex が必要です。System x ノード (x ITE) には、RHEL (Red Hat Enterprise Linux) 6.2 以上がインストールされて適切に構成されている必要があります。

この記事のために使用する環境は、以下のコンポーネントからなります。

  • RHEL 6.4
  • x ITE を Flex System Manager (拡張バージョン) で管理する IBM PureFlex System
  • ファイバー・チャネルによってサーバーに接続される、ストレージ論理ユニット番号 (LUN) が付けられた IBM Storewize v7000 ストレージ・エリア・ネットワーク (SAN)

この記事のスクリプトのサンプルには、Python を使用します。

Flex System Manager を拡張する

これから、CLI を利用することで、いかに簡単に Flex System Manager (拡張バージョンまたは基本バージョン) を拡張できるかをデモンストレーションします。この記事には、CLI を使用してカスタム KVM 管理シナリオを構成する Python スクリプト一式が付属しています (「ダウンロード」を参照)。これらのスクリプトは、PureFlex コンポーネントに SSH でアクセスする Linux ホストであれば、どの Linux ホストでも実行することができます。図 1 に、これらのスクリプトが高度な管理タスクの処理用に作成するツール (flex-pack と呼びます) のメイン・メニューを示します。

図 1. 高度な管理シナリオに対応する flex-pack ツール
高度な管理シナリオに対応する flex-pack ツールのスクリーン・キャプチャー
高度な管理シナリオに対応する flex-pack ツールのスクリーン・キャプチャー

図 1 を見ると、flex-pack を使って実行できるタスクがわかります。メニューの項目とその機能は、以下のとおりです。

  • Configure Energy Policy for System Pool Hosts (システム・プール・ホストのエネルギー・ポリシーの構成): 構成済みシステム・プールのうち、特定のシステム・プールに対し、省エネ・ポリシー (節電、バランス、またはパフォーマンス優先) を指定することができます。
  • Configure Security Policy for System Pool Hosts (システム・プール・ホストのセキュリティー・ポリシーの構成): 構成済みシステム・プールのうち、特定のシステム・プールに対し、セキュリティー・ポリシー (ファイアウォールまたは必須アクセス制御ポリシー) を指定することができます。
  • Configure Resource Controls for VM (VM のリソース制御の構成): 特定の VM (稼働中、またはオフラインのいずれか) のリソース (CPU、メモリー、ネットワーク、I/O) 制御を指定することができます。
  • Configure Network Switch policy for VM (VM のネットワーク・スイッチ・ポリシーの構成): 選択した VM のネットワーク・スイッチ・ポリシーを設定することができます。
  • Group VMs of Host in System Pool into a Workload (システム・プール内のホストの VM をワークロードにグループ化): 既存の VM からワークロードを作成することができます。
  • Configure Auto-NUMA bindings for VM (VM の自動 NUMA バインディングの構成): VM を NUMA ノードにバインドすることができます。
  • Refresh Environment (環境のリフレッシュ): flex-pack をリフレッシュすることができます。

flex-pack ツールを使用する

flex-pack をダウンロードして、すべての PureFlex コンポーネント (Flex System Manager、スイッチ、x ITE など) にアクセスできる任意の Linux マシンに解凍します。可能であれば、x ITE に解凍することをお勧めします。

flex-pack フォルダーの内容は以下のとおりです。

  • Main_disp.py: メインとなる flex-pack スクリプトです。
  • README: ツールをセットアップする際に役立ちます。
  • Environment.json.template: PureFlex 環境の詳細を設定するためのテンプレートです。
  • scripts/README: VM またはホストのリソースを変更するための各種オプションが記載されています。

Environment.json.template を Environment.json という名前を付けたファイルにコピーします。Environment.json をテキスト・エディターで開いて、ご使用の環境に固有の情報を追加します。以下に一例を示します。

{

"FSM" : {"encrypted": "no", "hostos":"FSM", "hostosip":"10.10.1.1", "user":"USERID", "password":"pwd1"},

"KVM1" : {"encrypted": "no", "hostos":"kvm1", "hostosip":"10.10.1.2", "user":"root", "password":"pwd"},

"KVM2" : {"encrypted": "no", "hostos":"kvm2", "hostosip":"10.10.1.3", "user":"root", "password":"pwd"}

}

hostos の値は、Flex System Manager に一覧表示されるマシン名です。hostippassword の値は、マシンの資格情報です。encrypted の初期値は、no に設定してください。

コマンド・ラインに「python main_disp.py [options]」と入力して、選択可能な main_disp.py の実行オプションを表示します。表示されるオプションは、以下のとおりです。

Options:
  -h, --help         show this help message and exit
  -d, --debug        Write to debug log (flex_debug.log)
  -b, --build        Re-build persistent environment 
  -s, --simulate     Run simulation mode
  -m FSM_MODE, --mode=FSM_MODE     FSM Adv or Basic mode (basic|adv)

コマンドの例は、以下のとおりです。

  • 基本的な使用法で実行する: python main_disp.py
  • 拡張ロギングを有効にする: python main_disp.py -d
  • 永続環境を再構築する: python main_disp.py -b
  • シミュレーション・モードで実行する: python main_disp.py -s

使用例 1: システム・プールのセキュリティー・ポリシーをセットアップする

図 2 から図 4 に示すステップに従って、システム・プールのセキュリティー・ポリシーをセットアップします。

図 2. 「Configure Security Policy for System Pool Hosts (システム・プール・ホストのセキュリティー・ポリシーの構成)」を選択する
「Configure Security Policy for System Pool Hosts (システム・プール・ホストのセキュリティー・ポリシーの構成)」を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
「Configure Security Policy for System Pool Hosts (システム・プール・ホストのセキュリティー・ポリシーの構成)」を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
図 3. システム・プールを選択する
システム・プールを選択する画面のスクリーン・キャプチャー
システム・プールを選択する画面のスクリーン・キャプチャー
図 4. プールのセキュリティー・ポリシーを変更して、確認メッセージを受け取る
プールのセキュリティー・ポリシーを変更して、確認メッセージを受け取る画面のスクリーン・キャプチャー
プールのセキュリティー・ポリシーを変更して、確認メッセージを受け取る画面のスクリーン・キャプチャー

使用例 2: VM のリソースを構成する

ハイパーバイザー上で実行されている特定の VM のメモリーと CPU を変更するには、図 5 から図 10 に示すステップに従います。

図 5. 「Configure Resource Controls for VM (VM のリソース制御の構成)」オプションを選択します
「Configure Resource Controls for VM (VM のリソース制御の構成)」オプションを選択する画面のスクリーン・キャプチャー
「Configure Resource Controls for VM (VM のリソース制御の構成)」オプションを選択する画面のスクリーン・キャプチャー
図 6. 「Information (情報)」画面を読んで、永続的な変更にするか、一時的な変更にするかを決めます
「Information (情報)」画面を読んで、永続的な変更にするか、一時的な変更にするかを決める画面のスクリーン・キャプチャー
「Information (情報)」画面を読んで、永続的な変更にするか、一時的な変更にするかを決める画面のスクリーン・キャプチャー
図 7. ハイパーバイザーと VM を選択します
ハイパーバイザーと VM を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
ハイパーバイザーと VM を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
図 8. 変更するリソースを選択します (CPU またはメモリー)
変更するリソース (CPU またはメモリー) を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
変更するリソース (CPU またはメモリー) を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
図 9. VM を選択します
VM を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
VM を選択する画面のスクリーン・キャプチャー
図 10. 選択した VM の vCPU 共有、期間、クォータの値を編集します
選択した VM の vCPU 共有、期間、クォータの値を編集する画面のスクリーン・キャプチャー
選択した VM の vCPU 共有、期間、クォータの値を編集する画面のスクリーン・キャプチャー

scripts/README ファイルに含まれる使用例に、VM またはハイパーバイザーで変更可能なすべてのリソース・オプションが示されています。

まとめ

サンプル flex-pack には、コマンド・ライン・インターフェースによって Flex System Manager のスコープを拡張し、先進的な管理シナリオのスクリプトを作成する方法がデモンストレーションされています。このサンプルにさらに手を加えることで、他にも高度な機能 (VM のプロビジョニング、VM の複製、VM のスナップショット作成など) を flex-pack ツールに追加することができます。


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Zone=Cloud computing
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ArticleTitle=Flex System Manager を拡張する
publish-date=06122014