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Bluemixathon チャレンジの災害救援アプリ、トップ 5

受賞チームとそれらのチームによる世界を変えるアプリの紹介

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この記事では、「Bluemixathon: Operation Rescue & Recovery」チャレンジの受賞チームを紹介するとともに、グランプリ受賞チームと、カテゴリー別の受賞チームが IBM Bluemix のサービスをどのように利用して災害救援アプリを作成したかを紹介します。

災害救援アプリは、以下に挙げる 4 つのグループの少なくとも 1 つを支援する目的で作成されています。

  • 直接被災した人々
  • 被災者の家族や友人
  • 緊急救助隊や支援チーム
  • 長期の復興活動にあたる、救援組織またはその他のグループ

私がこれらのグループのことを詳しく知るようになったのは、2013年 9月に私が住んでいるコロラド州ライオンズの町が、壊滅的な洪水に見舞われたときです。被災直後には、電気、水道、下水道のすべてが使えなくなり、私たちは車で町から出て友人の家に滞在させてもらうために、通行可能な道路の情報が緊急で必要になったことを覚えています。ソーシャル・メディアには人々の安否を確認する無数の投稿があり、教会の掲示板には避難者の行方を知らせるメモが張り出されていて、州兵のトラックが負傷者を運ぶために洪水に見舞われた通りを走っていました。

6 週間経って家に戻れるようになると、私は米国連邦緊急事態管理庁 (FEMA) のセンターで近隣の人たちを支援するボランティアとして、一時的な賃貸の支援に関する問題や、復興に必要とされる事項に関する問題、洪水保険に関する問題などを抱える人たちの支援を始めました。それから 2 年以上経った今でも、復興のためのプロセスは行われています。修復不能な損傷を受けた家を、連邦政府資金で買い上げる話がまとまるのを待っている人もいれば、連邦洪水保険制度を利用して復興作業を行っている人もいます。地元のプロジェクトや州プロジェクトでは、河川の修繕や橋の強化が行われています。

多くの皆さんは、災害に見舞われたのがコロラド州、テキサス州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、ニュージャージー州、メキシコ湾岸、メキシコ、日本、ネパール、インド、その他世界中のどこであろうとも、皆さんがお住まいの地域や、自分の最愛の人が災害に見舞われた場合の話に置き換えられるはずです。自然災害のほかに、政治危機や戦争などによっても、人々が住んでいる町から出て行くという事態は起こり得ます。

ハッカソンとよく似た Bluemixathon Operation Rescue & Recovery の魅力的なところは、私たちの誰もがユーザーになる可能性があることです。ソフトウェア設計においては、ユーザー・エクスペリエンスが極めて重要です。災害救援アプリを作成するにあたっては、自分が使いたいようにアプリを設計することができます。Bluemixathon チャレンジでの受賞チームの多くは、自分たちの経験を基にアプリを作成しています。

このページの先頭にある、developerWorks Bluemixathon チャレンジでの受賞チームが登場する動画では、受賞チームが紹介されており、それらのチームのストーリーを聞くことができます。このチャレンジに参加した数百名の方々からは、18 個のアプリが提出されて、5 組の受賞アプリが選ばれました。「Bluemixathon: Operation Rescue & Recovery」の「Submissions」ページでは、提出されたすべてのアプリを見ることができます。このチュートリアルでは以降、グランプリ受賞アプリと、カテゴリー別の最優秀アプリについて、簡単な概要を紹介します。

グランプリ受賞アプリ: Help App for Disaster Relief

カリフォルニア工科大学の学生である Gavy Aggarwal さんと Abirami Kurinchi-Vendhan さんは、2012年に米国大西洋岸にハリケーン「サンディ」が襲来したときの Abirami の経験に基づいて、「Help App for Disaster Relief」を作成しました。このアプリは、支援が必要な人たちと、支援するための手段を持ち合わせている人たちとをマッチングさせます。Abirami によれば、彼女がそのハリケーンの直後に他の人たちを支援しようとしたときに「あったら良かったのに」と思った機能を、このアプリは提供しているとのことです。

このアプリは位置情報ベースのサービスを利用することで、自分がどこにいるかをユーザーが説明する手間を省きます。携帯端末のユーザーは、2 つか 3 つのボタンを押すだけで、自分の居場所を伝えることができます。このアプリは、Bluemix のプッシュ通知を利用しているため、こうした居場所の情報は、支援するための手段を持ち合わせているユーザーに即座に通知されます。Gavy によれば、Bluemix 上にアプリをホストしたおかげで、作成する必要があったのはデータを送受信するためのコードだけとなり、残りの部分は Bluemix が対処してくれたため、開発に要する時間が少なくて済んだそうです。また彼は、Bluemix サーバーと自動的に通信する Bluemix ライブラリーを利用したとのことです。

「被災した人」カテゴリーの受賞アプリ: Future Without Borders

ロスアンゼルスのカリフォルニア大学の学生である Akhil Nadendla さん、Jahan Cherian さん、Matthew Lin さん、Arko Dewri さんは、ヨーロッパ全体でシリア難民を一時的に受け入れてくれる人と、シリア難民とを結び付ける「Future Without Borders」というアプリを開発しました。住む場所を提供できる人がサインアップすると、住む場所を必要としている家族とのマッチングが行われます。

Bluemix では、ある部分を別の部分へ移植するのが容易であることを Arko は高く評価していました。彼はまた、Bluemix に他の API を容易に組み込むことができたところも気に入ったとのことです。

「家族と友人」カテゴリーの受賞アプリ: No Internet, but find me!

日本の横井一仁さんは、2011年に日本で発生した地震と津波の後、携帯電話のサービスを利用できなかった経験から、「No Internet, but find me!」アプリを作成しました。彼の親戚は、彼が安全な場所にいるのかどうかを知る必要がありましたが、安否を家族や友人に知らせるために利用できた手段は、市の職員が避難者の名前を掲示板に手書きするという手段であり、あまり効率的ではありませんでした。横井さんのアプリは、普段利用している通信手段が災害の影響を受けたときに、被災した人たちの家族や友人がその愛する人たちを探すのを支援するために、タブレットや携帯電話で利用することができます。

彼のアプリは、人々が非難している安全な場所で、他の端末を検出しに行きます。このアプリは、タブレットや携帯電話に搭載されている Bluetooth のデバイス ID を検出し、そのデータを GPS 位置情報とともに Bluemix 上のデータベースに公開します。すると、Bluemix 上の Web サービスが、その ID と位置情報をデバイス ID によって検索できるようにします。被災する前に、友人や家族とデバイス情報を交換しておけば、被災後にそのアプリを通じて、位置情報を提供することができます。携帯電話のネットワークを利用できなかったとしても、端末が安全な場所にあれば、プライベート・ネットワークを通じてインターネットに接続することで、アプリによって情報を共有することができます。

「緊急救助隊」カテゴリーの受賞アプリ: Requirement Phone

日本の萩原崇之さんは、緊急救助隊を支援するための「Requirement Phone」アプリを作成しました。このアプリは、被災した地域における基本的なニーズを調査し、その情報を集約します。これにより、緊急救助隊は、緊急の復旧対策をより適切に計画することができます。

このアプリは、被災者のニーズを住居、食料、医療などのさまざまな領域に分類するほか、緊急救助隊が必要とすることが多い個人の医療情報などの個人データにアクセスすることもできます。

「グループと救援組織」カテゴリーの受賞アプリ: Mobilize

米国コロラド州に在住の Andrew Van Tassel さんは、コロラド州ボルダー郡で洪水から避難する様子を目の当たりにした経験を基に、避難者と避難所の間の通知システムとして Mobilize アプリを作成しました。私 (この記事の著者である Amy Reinholds) が住んでいる町の遥か東にある、Andrew が住んでいる地域は、2013年 9月に豪雨に見舞われました。これにより、17 の郡にまたがる広範な地域で洪水が発生し、コロラド州内の 200 マイル近くのに及ぶ範囲にまで広がりました。

Mobilize アプリは、誰がどこで何を必要としているかを明らかにするために、テキスト・メッセージングを利用した迅速かつ効率的な方法を提供する通信アプリです。このアプリは、被災現場にいて一時避難場所に避難することを計画している人々に、必要となる具体的な情報を通知します。Andrew は、Bluemix 上で AlchemyAPI、SendGrid、Twilio という 3 つのサービスを利用してアプリを作成しました。彼によると、Bluemix で GitHub リポジトリーから直接アプリをデプロイできることは、価値があると同時に時間の節約になったとのことです。

自分でアプリを作成する気になりましたか?

Bluemix 内のクラウド・サービスとランタイム環境を、オープンソースのツールや API とともに使用すると、災害救援に役立つアプリ (あるいは、人々が活動するのを支援するのに必要となるその他のもの) を簡単に作成できるようになります。皆さんがお住まいの地域内の問題や、その地域内にとどまらない問題を解決するためのアプリを開発する気になりましたか? Bluemixのフリーアカウントにサインアップして、アプリの開発に取り組んでみましょう。Bluemixがよくわからない場合は、IBM Bluemixの基礎をまずは一読ください。


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Zone=Cloud computing, Web development
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ArticleTitle=Bluemixathon チャレンジの災害救援アプリ、トップ 5
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