IBM z/OS バージョン 2 リリース 1 が実現する Smarter Computing の基盤
日本 IBM ソフトウェア発表 JP13-03602013 年 7 月 23 日
目次 | ||||||||||||||||||||||
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(2013 年 10 月 1 日修正)
『主要日程』セクションが、SystemPac の日付を訂正するために変更されました。
(2013 年 9 月 26 日修正)
『開発意向表明』、『主要日程』、『製品の機能詳細』のセクションが変更されました。
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ハイライト |
z/OS® V2.1。Smarter Computing による技術革新に備えましょう。 z/OS V2.1 で今すぐ将来に備えることができます。
z/OS の新バージョンである z/OS バージョン 2 リリース 1 は、 z/OS の新時代を画すものです。バージョン 2 は次段階のメインフレーム・コンピューティングの基礎として、プライベート・クラウド、モバイル・アプリケーションとソーシャル・アプリケーションのサポートなどを含む、より拡張性が高いワークロードを促進するためのイノベーションに取り組めるようにします。その比類ないセキュリティー基盤は大量のデータの保護に役立つように設計されており、高度に最適化された可用性は新しいデータ分析ソリューションの実現を支援します。また、 IBM® zEnterprise システムの操作を自動化できるようにするために、管理面で継続的に向上が図られています。新しい IBM zEnterprise EC12 (zEC12) および zEnterprise BC12 (zBC12) システムをサポートしこれらと共に利用することで、 z/OS V2.1 は、非常に高い可用性と拡張性、セキュリティーを実現するように設計されています。こうして、クラウド、データ分析、およびモバイル・アプリケーションやソーシャル・アプリケーションのセキュリティーの要求に対する新しい経営課題に応えます。 z/OS は、そのユニークな設計とサービス品質とにより、従来型の基幹業務のアプリケーションに加えて、オペレーショナル・アナリティクスやクラウドなどの要求の高いワークロードをサポートするのに必要な基盤を提供します。
管理と操作面での機能拡張により、 z/OS V2.1 と z/OS Management Facility V2.1 (z/OSMF V2.1) では構成とソフトウェアのサービス・レベル管理が一層容易になり、構成と管理プロセスにおけるコスト削減や質の向上に寄与します。 z/OS と z/OSMF を組み合わせることで、システム管理者や他の担当者は構成に関する作業を容易に実施できます。
z/OS V2.1 の機能拡張の目的は、クラウドに必要な拡張性と可用性の実現、優れたデータ・サービス環境の提供、および基幹業務の資産の保護です。例えば、 z/OS V2.1 は以下のことに役立つよう設計されています。
- 少ない CPU オーバーヘッドと少ない遅延でデータを圧縮するための zEDC をサポートする。
- Shared Memory Communications-Remote Direct Memory Access (SMC-R) のサポート。アプリケーションを変更する必要なく作動するように設計されており、同一 CPC または別の CPC 上の z/OS イメージ間で迅速にデータを移動するのに役立ちます。
- ポリシー・ベースのストレージ階層化を大幅に強化し、データ配置をさらに最適化する。
- DB2® データがカップリング・ファシリティーにキャッシュされている場合、DB2 バッチ更新を行う際に パラレル・シスプレックス® 環境におけるパフォーマンスの影響を減らすのに役立つサポート。
- zEnterprise アンサンブル内でのパフォーマンス・プランニングとキャパシティー・プランニングのために、トップダウン型の視点を提供する。このために、 RMF による新しい SMF レコードのサポート ( Linux on System z® 、zBX ブレード上で稼働する Linux on System x® 、および AIX® オペレーティング・システム用) を利用します。 RMF V2.1 では、zBX ブレード上で稼働する Windows Server のサポートも追加されます。
- COBOL ベースのアプリケーション用のバッチ・ランタイム環境を拡張して、既存の Java プログラムとの相互運用にPL/I プログラムも加えてサポートします。このすべてを可能にするため、トランザクション整合性を備えた共有 DB2 の他、VSAM レコード・レベル共有データ・セットの DFSMStvs 処理を含むサポートを利用します。これらの機能拡張の目的は、アプリケーション開発に柔軟性をもたらし、最新のプログラミング・モデルを利用して、ビジネス・アプリケーションを拡張できるようにすることです。
- バッチ・ジョブによって割り振られた DFSMShsm マイグレーション済みデータ・セットに対して並列でリコール呼び出しを行ない、全体のデータ・セット・リコール処理にかかる時間を削減し、バッチ実行時間を削減する。
- z/OS FICON® Discovery and Auto Configuration (zDAC) の向上を図り、入出力構成作業を簡素化する。これにより、入出力構成があまり複雑でない環境向けのサポートが向上します。
- CCA とアクセラレーター・モードの操作に加えて、セキュア・キー PKCS #11 標準をサポートするために、EP11 モードで RACF® 、PKI、および SSL に対応する。
- 日本工業規格の拡張 UNIX コード、および Unicode 6.0 標準を満たすプログラミング・サービスのサポートなどによって、相互運用性を改善し、新規顧客へのサービス提供を可能にする。
- z/OS の新しい基本エレメントとして組み込まれるフォントと共に、使用可能なフォントを利用することで、世界市場での印刷に必要な機能を提供する。
z/OSMF V2.1 は、ご使用の z/OS 環境をより効率よく、より整合性の高い方法で管理するのに役立つ機能を提供して、全体的な品質の改善に貢献します。
- z/OSMF V2.1 における IBM WebSphere® Application Server for z/OS V8.5 の Liberty プロファイルの使用により、リソース要件を低減する
- レポートと表示の新機能を使ってソフトウェア・サービス・レベルを管理し、インストール済みシステム・ソフトウェア・ポートフォリオが最新のものであるかどうかを一目で判断できるようにする。
- 構成作業の簡素化を目的とし、役割ベースの通知と一緒に新しいワークフロー・アプリケーション・インフラストラクチャーを使用する。
- より直観的な方法で On/Off Capacity on Demand を管理する。
上に挙げた z/OS V2.1 の選りすぐりのハイライトは、効率的に実行される業務上不可欠なアプリケーション用の、非常にセキュアで、可用性、拡張性の高いエンタープライズ・インフラストラクチャーの基盤として貢献します。この環境に適した新しい IBM ソリューションをいくつか挙げます。
- IBM Smarter Analytics Anti-Fraud Infrastructure。銀行、保険、医療保険その他のお客様が、前払金詐欺のリアルタイム検出機能ソリューションを導入し、これらの機能を運用システムに統合できるように支援します。
- IBM Smarter Infrastructure for Social Services。エンドツーエンドのソーシャル・プログラム・サービスを提供する、柔軟性の高い先進ソリューションです。セキュア・データの単一ソースによってプライバシーを確保します。
- IBM Enterprise Key Management Foundation。包括的で非常にセキュアな鍵管理システムです。業界標準に準拠して鍵と証明書を管理する必要のある、銀行や決済カード処理機関に理想的です。
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製品の概要 |
世界中の組織は、インフラストラクチャーのメンテナンスの投資から、ビジネスの革新を進める新しいプロジェクトへの投資へとシフトする中で、変化を推進する上でテクノロジーが果たす役割が増大していることを認識しつつあります。新しいモバイル・デバイス、ビッグデータ、クラウド、およびソーシャル・メディアの爆発的な成長は、ビジネス・モデルを作り直し、有利な競争力を生み出し、ビジネスの重要な価値を実現するすばらしい機会であることを示しています。こうした新しい機会を利用するために、 IBM は、コスト、複雑さ、リスクに対処すると同時に、新しいサービスを提供するために即応性を強化して対応する必要があることを認識しています。これには、柔軟かつ安全で統合された最適化インフラストラクチャーが必要です。
z/OS 搭載の IBM zEnterprise System は最新のメインフレーム環境であり、業界最先端の技術革新と価値を実現するのに最適です。これを使用すると、お客様の組織は、効率の改善と製品化までの時間の短縮に役立つ新しいテクノロジーを活用することができます。また、ビジネス・インテリジェンスとトランザクション処理を統合してビッグデータのパワーを引き出すように設計されており、リアルタイム分析から得られるより実用的なインサイトを通じて有利な競争力を実現するのに役立ちます。
zEC12 および zBC12 システムと連携する IBM の z/OS V2.1 オペレーティング・システムは、ビジネス上重要な次世代コア・アプリケーションをサポートする新規ソリューションで技術革新を促すことができるプラットフォームです。低オーバーヘッド通信用の新規 SMC-R の利用、アクティブ・データ管理用の zEDC データ圧縮、スループットを改善するための Transactional Execution、優れたパフォーマンスを実現するためのラージ・ページ、拡張性のための 100 ウェイ SMP サポート、およびリモート暗号化用の crypto-as-service を使用すると、新しいアプリケーションと一緒にビジネス上重要な作業を進めることができます。これらはすべて、必要な優れたサービス品質を備えています。最終的に、ワールドクラスのセキュリティーや暗号化により、 z/OS および IBM zEnterprise System を利用して最も貴重な情報を保護することができ、運用上のリスクを軽減すると同時に革新的なアプリケーションの開発に貢献します。
クラウドのサービス品質の場合、 z/OS V2.1 は、ダウン時間の可能性を最小限に抑え、優れたパフォーマンスと可用性を実現するのに役立ちます。カップリング・ファシリティーに関する新しい機能拡張は、パフォーマンスを向上させ、スループットをさらに高めるためのものです。SMC-R は、システム間の迅速な情報交換のために、アプリケーション透過型の効率的なネットワーキングをサポートします。Flash Express 用に計画されている機能拡張では、メッセージング・スパイクに対応し IBM WebSphere MQ for z/OS バージョン 7 の回復力を強化するためにカップリング・ファシリティーを使用できます。優れたサービス品質をサポートするために、 z/OS V2.1 は、カタログ・パフォーマンスの改善と可用性の向上のためにプラットフォームの機能 (VSAM レコード・レベル共用 (RLS) など) を強化します。
データ管理に重点を置き、 z/OS データ階層化により、サービス目標のよりよい実現のための高度なインテリジェント・ポリシー・ベース・データ管理が行われます。さらに、 z/OS を zEnterprise Data Compression (zEDC) と組み合わせると、お客様の企業がデータ集約型アプリケーションを簡単にサポートできるように設計された、CPU 効率が良く、遅延が少ない圧縮を実現します。
z/OS V2.1 は、メインフレームを、保護されたエンタープライズ・サービスを提供するハブとして、また企業の暗号ハブとして導入するのに役立ちます。新しい crypto-as-a-service は、 Linux クライアントに使用できるように設計され、鍵のハードウェア保護を提供すると同時に、z/OS ベースのセキュア鍵暗号化を Linux アプリケーションからアクセス可能にするためのものです。 z/OS のセキュリティー・ファブリックは、監査準備状態の改善に貢献し、データと IP の保護に役立ち、進化する業界要件に対処するための最新の標準をサポートします。
また、 z/OS の新製品である z/OSMF V2.1 は、複数の作業をサポートする単一のユーザー・インターフェースを使用して、管理プロセスの一層の標準化と品質改善の実現に役立つ機能を提供します。新しいワークフロー・アプリケーションは、プロセスの品質を改善し、エラーを削減するために反復可能な方法で作業を構造化し、順序付けるのに役立つように設計されています。
拡張ソフトウェア管理アプリケーションは、ソフトウェアが最新かどうか一目でシンプルかつ効率よく管理するのに役立つレポート機能を備えています。z/OSMF 自体は、 WebSphere Application Server for z/OS 、V8.5 の Liberty プロファイルによる少ないリソース要件を使用して、効率を確保するように設計されています。
今後の課題は、新しいモバイル・アプリケーションとソーシャル・アプリケーションをサポートする次の段階のコンピューティングに進むにつれ、、1 日 24 時間 週 7 日稼働する世界的に接続されたシステム、および増え続けるデータ量をサポートすることです。 z/OS V2.1 を利用して、目的達成に必要なインフラストラクチャーを今すぐ、簡単に手に入れましょう。
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主要前提条件 |
z/OS V2.1 は、以下の IBM System z サーバーで稼働します。
- IBM zEnterprise EC12 (zEC12)
- IBM zEnterprise BC12 (zBC12)
- IBM zEnterprise 196 (z196)
- IBM zEnterprise 114 (z114)
- IBM System z10® ( z10 EC、 z10 BC)
- IBM System z9® ( z9® EC、 z9 BC)
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出荷開始予定日 |
2013 年 9 月 30 日
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製品の機能詳細 |
クラウドに対応したサービス品質
z/OS V2.1 は、ワークロードの変化に動的に対応および調整するよう設計されたプラットフォームであり、運用、I/O、仮想ストレージ制約解放、メモリー管理などを含む、拡張性とパフォーマンスに関する機能拡張が用意されています これらの機能拡張は、クラウドなどの高いスケーラビリティーを備えた仮想化ソリューションの導入を計画している組織に適しています。
IBM は、既存の環境におけるスループットやサービスの拡張性とパフォーマンスの大幅な向上を提供します。 スケーラビリティーがさらにスマートになることによって、ワークロードの増加や急上昇に適切に対応しながら、サービス品質を維持し、お客様が IBM のメインフレームに期待する均衡のとれた設計を損なうこともありません。
お客様がすべてのコンポーネントのダウン時間を考えたときに、実際にかかるコストに驚かれることがありますが、このコストが、プラットフォームの選択において高い可用性が依然として重要な要因である理由です。 z/OS V2.1 に対し、 IBM は既に導入済みの z/OS システムの優れた可用性をさらに向上させる新機能を導入しました。 System z の業界をリードする回復力と高可用性は、組織が最も重要な処理を System z で行っている主な理由です。障害の縮小を重視した System z と z/OS の可用性は、業界でも定評があります。 z/OS V2.1 で、 IBM は重要な IT システムの可用性を向上する機能拡張を引き続き行い、お客様にさらに高いレベルのサービスを提供できるようにします。
z/OS V2.1 では、次の更新があります。
- 同一 CPC 上または複数 CPC 間の z/OS イメージ間でデータを迅速に移動するのに役立ち、遅延が少ない、アプリケーション透過型の通信用に Shared Memory Communications-RDMA (SMC-R) のサポート。
- RMF は、 Linux on System z 、 AIX 、および Linux on System z 用のコレクターに加えて、 Microsoft Windows Server 2008 用の新しい CIM ベース・コレクターを含む、パフォーマンスとキャパシティーの報告に役立つ機能拡張を提供します。これは、 zEnterprise 環境全体で稼働環境のより整合性の高いモニター・ソリューションを提供するように設計されています。
- zEC12 または zBC12 システム (CFLEVEL 19) で実行される z/OS V2.1 は、エンタープライズ・メッセージング・ワークロード・スパイクの回復力を強化するために、 IBM WebSphere MQ for z/OS 、V7 (5655-R36) などの特定のカップリング・ファシリティー・リストストラクチャーに対して Flash Express をサポートする計画です。詳しくは、 開発意向表明 セクションを参照してください。
- zEC12 または zBC12 システム上の z/OS V2.1 (CFLEVEL 19) では、専用の CF エンジンを使用する必要なく高いレベルのパフォーマンスを提供することによって、経済性を向上させるために、複数の本場シスプレックス環境で共有エンジン・カップリング・ファシリティーを使用できます。
- SMF 104 レコードを含めて、zBX ブレードで実行される Windows Server 2008 に対する新しい RMF XP サポート。これは、zBX ブレードで実行される Linux on System z 、 Linux on System x 、および AIX オペレーティング・システムに対して提供される以前のサポートを補完します。
- 既存のハードウェアと基本構造における、ワークロード増加時の I/O start rate とバンド幅の向上に役立つように、 System z High-Performance FICON (zHPF) に対する EXCP のサポートが設計されています。
- 直接接続されたデバイスの検出を含む z/OS FICON Discovery and Auto Configuration (zDAC) のユーザビリティーとパフォーマンスが向上します。
- カップリング・ファシリティー・ストラクチャーのリビルド処理は、パフォーマンスと可用性の向上を目的として、カップリング・ファシリティー・ストラクチャーを優先度順に従ってより迅速にリビルドします。
- JES2 および SDSF で 40 億 (4,000,000,000) 以上のスピン・データ・セットをサポートするようになります。これにより、長時間実行されるアドレス・スペースの可用性の向上、およびこのようなシステムの停止が必要となる制限の回避が可能になります。
z/OS V2.1 用の拡張性とパフォーマンスの機能拡張のサポートのその他の機能詳細は、次のとおりです。
z/OS V2.1 では、 IBM zEC12 または zBC12 システム上の単一の LPAR における 100 ウェイのシンメトリック・マルチプロセッシング (SMP) サポートが提供されます。 IBM zEnterprise EC12 または BC12 (zEC12 または zBC12) システム上で稼働する z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (5694-A01) (PTF 適用) は、単一の LPAR に構成された最大 100 個のプロセッサーもサポートします。 z/OS は、汎用プロセッサー (CP)、zIIP、および zAAP の組み合わせをサポートします。 z/OS の設計は、LPAR 当たり 4 TB の実メモリーというアーキテクチャーの制限をサポートします。 z196 および zEC12 システムでは、 z/OS は LPAR 当たり最大 1 TB の実メモリーをサポートします。zBC12 および z114 システムでは、 z/OS は、単一の LPAR に取り付け可能な実メモリーの最大量までをサポートします。
z/OS V2.1 では、2 GB のページのサポートが zEC12 および zBC12 システムで提供されます。 これは、ミドルウェアで 2 GB のページを使用可能にすることによる、メモリー管理のオーバーヘッドの削減と全体的なシステム・パフォーマンスの向上を目的としています。トランスレーション・ルックアサイド・バッファー (TLB) の適応範囲の効率の向上、および 2 GB のページの仮想アドレスの変換でシステムが実行する必要があるステップ数の減少により、これらの向上が期待されます。この z/OS V2.1 機能は、 IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W43) および SDK IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W44) で利用されます。このサポートは、 z/OS V1R13 RSM Enablement Offering Web Deliverable および APAR OA40967 の PTF を適用した z/OS V1.13 にも使用できます。
zEC12 または zBC12 システムで実行される z/OS V2.1 は、本番環境でハードウェア・トランザクション・メモリーの使用を追加でサポートします。 IBM 31-bit and 64-bit SDK for z/OS Java Technology Edition、バージョン 7 (5655-W43 および 5655-W44) での Transactional Execution 機構の使用は、zEC12 システム上の z/OS V1.13 (PTF 適用) で導入され、zBC12 システムでも使用できます。 z/OS V1.13 (PTF 適用) では、アプリケーションが Transactional Execution 機構を利用できるように、ハードウェア組み込み関数を使用する XL C/C++ コンパイラーによってアプリケーションを作成およびテストできるようにする機能も提供されました。 z/OS V1.13 の XL C/C++ のサポートは、開発とテストでの使用を想定しています。 z/OS V2.1 では、XL C/C++ と High Level Assembler (HLASM) で作成されたアプリケーションによるトランザクション・メモリーの使用のサポートは、本番使用も想定されています。
z/OS V2.1 では、JES2 と SDSF は、40 億以上のスピン・データ・セット (最大 4,294,967,296) をサポートします。これは以前の制限の約 1000 万 (9,999,999) から増加しています。これによって、停止と再始動を行う必要なくスプール上で作成する出力データ・セットを増やすことが可能になり、長時間実行しているアドレス・スペースの可用性が向上します。このサポートは、 z/OS V1.13 (APAR OA38944 と PM59496 の PTF 適用) でも使用可能であり、 z/OS V1.12 (APAR OA38944 と PM59496 の PTF 適用) では Torelation サポートが使用可能です。
z/OS V2.1 では、Capacity Provisioning はデファインド・キャパシティーとグループ・キャパシティーの手動およびポリシー・ベース管理をサポートします。これによって、利用できる自動のポリシー・ベースの応答範囲を拡大し、WLM がワークロード・ポリシーの目標を達成することができない場合のキャパシティー不足の状態を管理できるようにします。また、 z/OS 内からの zEnterprise プロセッサー・キャパシティーを処理する一貫性のある方法を提供するために、IFL、ICF、および SAP プロセッサーのサポート用に Capacity Provisioning コマンドとレポートの機能が強化されます。さらに、 z/OS 2.1 Capacity Provisioning では、手動でアクティブにした On/Off CoD キャパシティーの管理を可能にして、ポリシーにしたがって不要になったときに Provisioning Manager がそのキャパシティーを非アクティブにすることができるようにします。管理された On/Off CoD レコードに関する情報は、追加の Provisioning Manager レポートから入手できます。また、 z/OS V2.1 は、Provisioning Manager による IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W43) の使用もサポートします。
z/OS V2.1 では、DFSORT のメモリー・リソース管理機能が向上し、複数の大量ソート操作と他のワークロードを同時に行う場合のメモリー所要量の調整がより適切に行われます。新しい TUNE オプションでは、DFSORT でストレージを増分で取得し、追加ストレージを割り振る前にストレージの利用可能容量を確認するよう指定できます。これにより、複数のソート操作と他のワークロードを短時間に開始したときの使用効率が適切に調整されます。また、DFSORT でのメモリー・オブジェクトのワークスペースが、最大 64 GB から 1 TB まで増加するよう更新され、これにより、メモリー・オブジェクトの作業ファイル内で大量のデータをソートできるようになります。
z/OS V2.1 では、ジョブ・クラスを最大 8 文字の長さで指定することをサポートします。この新しいサポートは、クラスが JCL JOB ステートメントで指定されている場合に JES2 と JES3 の両方で利用できます。これらの長いジョブ・クラスは SDSF でサポートされ、JES2 システムでは SMF タイプ 24 レコードに、JES3 システムではタイプ 26 レコードに格納されます。
z/OS V2.1 では、新しい MODIFY VLF コマンドで、COFVLFxx parmlib メンバーのコンテンツを使用した VLF クラスの更新、関連付けられた major name の更新、および既存 VLF クラスの MaxVirt と AlertAge の値の変更が指定可能です。 VLF にこれらの変更を加える場合、VLF の再始動が不要になり、システム・パフォーマンスが向上します。
z/OS V2.1 は、zFS ファイル・システム・データ・セットを含めて、4 GB より大きい非 SMS 管理 VSAM 線形データ・セットをサポートするように設計されています。拡張アドレッシング機能に対するこのサポートは、 z/OS バージョンルート・ファイルシステムを含めて、特にシステム・ソフトウェア・ファイル・システムの場合に、HFS から zFS へのファイル・システム・データ・セットのマイグレーションを容易にするためのものです。拡張アドレッシング機能を使用して z/OS V2.1 で定義された非 SMS 管理線形データ・セットを処理できるようにするための、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 の共存サポートは、APAR OA39618 の PTF で提供されます。
VSAM で、VSAM データ・セットに対するシステム管理バッファリング (SMB) の使用がサポートされます。 以前のリリースでは、SMB アクセス・バイアス (ACCBIAS) の指定を JCL で行うことができ、一部は SMS データ・クラス指定でもサポートされました。 z/OS V2.1 では、DFSMS は、JCL でデータ・クラスで指定できる VSAM データ・セットのすべての SMB レコードへのアクセス・バイアス値の指定をサポートします。また、SMS データ・クラスの指定によって、システムで ACB RMODE31 パラメーターをオーバーライドできます。これによって、対応する大量の JCL に変更を加えずに、大量の VSAM データ・セットに対する変更を行えます。
z/OS V1.8 では、システム・ロガーの設計はテストと本番でのログ・ストリームの管理のための分離タスク構造をサポートするために拡張されました。 z/OS V2.1 では、システム・ロガーはカップリング・ファシリティー・ベースのログ・ストリームと DASD オンリー・ログ・ストリームのタスクを分離します。これによって、ログ・ストリームのオフロード・データ・セットの割り振りの速度向上、1 次ストレージがいっぱいになる状態の抑制、およびログ・ストリームの同時のオフロードの全体的な速度向上が実現します。 この機能は、 z/OS V1.13 (APAR OA38613 の PTF 適用) でも提供されます。
次のパフォーマンス関連の z/OS V2.1 SMF の機能拡張が含まれています。
- z/OS V1.13 では、SMF のログ・ストリーム・ダンプ・プログラム (IFASMFDL) は新しい SMARTENDPOINT キーワードを使用して更新されました。 z/OS V2.1 では、SMF はすべての要求についてログ・ストリームの終わりまで読み取るのを回避するために、SMF ログ・ストリーム・サブシステム EXIT (IFASEXIT) で同様の処理をサポートします。これは、IFASEXIT のパフォーマンス向上を目的としています。
- z/OS V2.1 では、SYS1.MAN データ・セットに対して BUFSIZMAX の指定を使用するのと同様の方法で、SMF によるログ・ストリームへの記録のバッファー・サイズを SMF で指定できます。 このサポートは、parmlib の SMFPRMxx メンバーで新しい DSPSIZMAX パラメーターを使用して、個別の SMF ログ・ストリームのバッファーのサイズを指定し、SET SMF コマンドまたは SETSMF コマンドのいずれかを使用して動的に変更できるようにすることが目的です。SMF の初期設定時の DSPSIZMAX の設定に対するサポートは、 z/OS V1.12 および V1.13 (APAR OA35175 の PTF 適用) でも提供されていました。
- また、SMF は、 z/OS V2.1 の zEDC Express フィーチャーと zEnterprise Data Compression (zEDC) フィーチャーを備えた zEC12 および zBC12 システムでのデータ圧縮の使用もサポートします。詳しくは、 zEnterprise EC12 (zEC12) および BC12 (zBC12) システムに対する z/OS サポート のセクションおよび 開発意向表明 のセクションを参照してください。
z/OS V2.1 では、RPCSEC_GSS 認証タイプのリモート・プロシージャー・コール (RPC) プロトコルでマルチタスキングが使用可能です。これは、NFS V4 のワークロードに対して z/OS NFS サーバーでサポートされます。これにより、RPCSEC_GSS を使用したワークロードのパフォーマンス向上が期待されます。
z/OS V2.1 では、IDCAMS ユーティリティーは、ブロック・サイズが最大 256 KB (262,144 バイト) のテープのデータ・セットに対する REPRO と PRINT の操作をサポートします。また、REPRO を使用して z/OS UNIX ファイルを処理している場合、JCL DD ステートメントでサポートされる最大ブロック・サイズは 64 KB (65,535 バイト) であり、以前の制限の 32,760 バイトから増加しています。これは、IDCAM でラージ・ブロック・インターフェース (LBI) を使用して作成されたデータ・セットをサポートできるようにすることが目的です。
z/OS V1.11 の System z High-Performance FICON zHPF の初期サポートは、VSAM データ・セットを含む DFSMS のメディア・マネージャー・コンポーネントを使用してアクセスされたデータ・セットに対するものです。 z/OS V1.13 では、QSAM、BSAM、および BPAM のサポートが追加され、EXCPVR の呼び出し元による zHPF チャネル・プログラムの使用が許可されるようになりました。 z/OS V2.1 では、EXCP がサポートされます。この機能は、 z/OS V1.12 および V1.13 (OA38185 の PTF 適用) でも提供されます。これは、プログラマーが利用可能な EXCP を使用したプログラムの I/O のパフォーマンスを大幅に向上できる機能を提供することが目的です。
可用性
IBM zEC12 Flash Express のサポートは、2012 年の z/OS V1.13 で、 z/OS V1R13 RSM Enablement Offering Web 配布物によって提供されました。この機能は、 z/OS V2.1 に組み込まれています。このサポートによって、 z/OS が、マーケットの開始など、推移するワークロード・イベント間で Flash Express を使用した場合のシステム可用性と応答性の向上や、診断データの収集の向上に役立つことを目的としています。さらに z/OS は、 IMS などのミドルウェアをサポートし、ページング可能なラージ・ページ (1 MB) を利用することによって プロセッサーのパフォーマンスが向上します。以下に対応しています。
- ランタイム・オプションを指定して使用する場合の z/OS V1.13 および z/OS V2.1 Language Environment® 。
- IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition V7.0.0 (5655-W43)、および IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition V7.0.0 (5655-W44) の Java 。
- IMS Common Queue Server。 IMS 12 (5635-A03) を zEC12 または zBC12 システム (APAR PM66866 の PTF 適用) で実行する場合に、選択されたバッファーに対してページング可能なラージ・ページを使用することを目的としています。
また、このサポートでは、 z/OS はページング可能なリンク・パック域 (PLPA) と共通ページ・データ・セットをオプションにするように設計されています。Flash Express が PLPA と共通ページに使用される場合、システムは、コールド・スタート (CLPA) IPL に PLPA も共通ページ・データ・セットも必要としません。クイック・スタート (CVIO) IPL およびウォーム・スタート (CLPA でも CVIO でもない) IPL を実行するには引き続き必要です。さらに、システムは、PLPA と共通ページを必要に応じてローカル・ページ・データ・セットに書き込むことができるようになりました。これは、システム可用性の改善を目的としています。
また、 z/OS V2.1 では、 IBM zEC12 または zBC12 システム上の Flash Express のコンカレント・アップグレードサポートされます。この機能は、システムの実行を中断することなく、Flash Express のライセンス内部コードを並行更新できるようにします。このサポートは、 z/OS V1R13 RSM Enablement Offering Web 配布物によって z/OS V1.13 でも提供されます。
z/OS V1.13 では、JES3 によるスプール・ボリュームの動的な追加がサポートされるようになりました。 z/OS V2.1 では、JES3 によるスプール・ボリュームの動的な削除が新しくサポートされます。また、新たなサポートにより、JES3 による各ジョブのスプール情報の表示、特定のスプール・データ・セットでどのジョブがデータを持っているかの表示、および特定のスプール・ボリュームでデータを持つジョブに関連付けられたスプール・データのダンプが可能になるため、JES3 の構成からスプール・ボリュームを動的に削除することが容易になります。これらの機能を組み合わせることによって、*MODIFY オペレーター・コマンドの使用時、またはリフレッシュを指定した JES3 のホット・スタート中に JES3 スプール・ボリュームの使用を中断することが可能になり、スプール・ボリュームを削除するときの JES3 複合システム全体の IPL に関する既存の要件がなくなります。さらに、サブシステム・インターフェース (SSI80) サポートにより、トラック・グループの使用量が個々のジョブごとに提供されます。
z/OS V2.1 は、 FICON スイッチのコンポーネントをオフラインにした後、オンラインに戻すことができる新しい機能をサポートします。 FICON スイッチが、SMI-S 標準で定義される特定のサポート機能を提供する場合、 z/OS は、ポートやポート・カードなどの保守可能なスイッチ・コンポーネントがいずれかのシステムで使用中であるかどうかを検出し、使用中でない場合はオフラインにすることを指定できるようにします。対応する機能を使用すると、オンラインに戻すことを指定できます。これは、スイッチやその他のファブリック・コンポーネントの同時保守アクティビティーをもっと容易に実行できるようにすることが目的です。この機能は、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA38145 および OA38303 の PTF 適用) でも提供されます。
z/OS V2.1 では、 z/OS 入出力監視プログラム (IOS) は、仮想化された FICON スイッチの共通障害点を検出します。この目的は、複数の仮想スイッチとして定義された単一の物理スイッチ内の共通ハードウェア・コンポーネントを検出し、これらの仮想化されたスイッチを IOS シングル・ポイント障害 (SPOF) サービスで、および Dynamic Channel Path Management (DCM) for FICON でサポートすることです。このサポートには、Read Port Availability Information 機能をサポートするスイッチが必要です。 この機能は、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA40876 の PTF 適用) でも提供されます。
z/OS V2.1 では、RRS を再始動せずに、処理の停止、ログの更新、および処理の再開を行うことにより、RRS のリカバリー試行を指定できます。これにより、特定のリカバリー状況における RRS の可用性が向上します。
z/OS V2.1 では、MCS コンソールが分散モードで使用されている場合の動的な追加と削除が可能になります。SET CON コマンドの処理では、コンソールの最大数に関するシステムとシスプレックスの制限まで、CONSOLxx parmlib メンバーを処理して新しいコンソールを追加できるようになり、SETCON コマンドで、コンソールの削除を指定できるようになります。これによって、システムおよびシスプレックス全体の IPL の別の理由が排除され、可用性が向上します。
z/OS V2.1 では、NFS サーバーで 64 ビットのアドレス指定を使用して、大規模順次データ・セット、PDS メンバー、および PDSE メンバーをサポートします。この新しい機能により、サポートされるファイル処理の最大サイズは、以前の制限である 800 MB から 4 TB へと増加し、ランダム・アクセスに対するアプリケーションのパフォーマンスが向上します。
z/OS V2.1 では、RPCBIND サーバーと NFS サーバーで、RPCBIND が再始動された場合に、NFS サーバーを再始動せずに RPCBIND に再登録できるようになります。これは、既存の接続を NFS サーバーに保存し、RPCBIND が再始動されたときに新しいマウントを許可できるようにし、NFS サーバーの再始動の原因を排除することで可用性が向上します。
z/OS V2.1 Infoprint Server には 2 つの機能拡張があります。1 つ目は、Infoprint Server でほとんどの構成オプションを再始動せずに変更できます。2 つ目は、 z/OS UNIX システム・サービスのファイル・システム内のファイルの代わりに、Infoprint Server で共通メッセージ・ログに対するシステム・ロガーの使用をサポートします。システム・ロガーを使用する目的は、Infoprint Server の複数のインスタンスに対して単一のマージされたログを使用できるようにすることです。
z/OS V2.1 では、System Data Mover (SDM) で、既存のボリュームのミラーリングを開始または再開するために XSTART コマンドおよび XADDPAIR コマンドを発行した場合に、 z/OS Global Mirror (z/GM。XRC とも呼ばれます) の 1 次ボリュームをオフラインにできるようにします。これは、すべてのデバイスがオンラインに変わるのを待つ必要性を排除することで、可用性が向上します。
z/OS V2.1 では、FORCE オペレーター・コマンドに新しいオペランドが用意され、システムが終了させる特定のタスクの TCB アドレスを指定できるようになります。この機能を使用すると、あるタスクが保持しているリソースを他の重要な機能が必要としており、IPL の他に選択肢がないような場合に、システム可用性を保つことができます。
z/OS V2.1 では、Disabled Consoles Communication Facility (DCCF) とも呼ばれる同期 WTOR 処理に対して、2 つの点で機能拡張されています。1 つ目は、 z/OS V1.12 で導入された自動応答機能の拡張であり、DCCF を通じて表示される WTOR に対応できるようにします。2 つ目は、DCCF によって表示される WTOR の現行の宛先について、ローカル接続されているすべての MCS コンソールに通知する機能であり、応答が入力される可能性があるコンソールを素早く簡単に見つけることができるようにします。これらの変更により、重要な WTOR への応答の自動化が容易になり、DCCF を通じて表示される自動化されていない WTOR への応答がより迅速にできるようになります。
z/OS V2.1 では、Basic HyperSwap® に新しい構成オプションが追加され、そのオプションを指定した場合には、ボリュームのフリーズを要求しない PPRC リンク停止の共通の原因を検出することにより、「偽のフリーズ」の数を減らすことができます。 また、 IBM System Storage® DS8700 シリーズおよび DS8800 シリーズのストレージ・コントローラーは高可用性に対応していますが、特定のリカバリー処理の操作によって、I/O 要求への応答が遅延する場合があります。Basic HyperSwap では、 最小マイクロコード・レベルでインストールされた場合に、これらのストレージ・コントローラーによって発行される通知を使用し、これらの長時間実行リカバリー・プロセスを検出して、必要に応じてスワップを開始できます。これは、ストレージ・サブシステムのリカバリー処理中に、最小限の中断でアプリケーションの処理を続行できるようにします。 この機能は、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA37632 の PTF 適用) でも提供されます。
z/OS V2.1 では、システム・ロガー・コンポーネントに対する機能拡張により、パフォーマンスの低下と停止を引き起こす可能性がある、ログ・ストリームの 1 次ストレージがいっぱいになる状態を回避できるようにします。新機能では、ログ・ストリームの 1 次ストレージの消費のしきい値に基づき、HIGHOFFLOAD の値を超えた場合に警告メッセージを発行するよう指定できます。
z/OS V2.1 は、システム・シンボルの値の動的な更新がサポートされています。SETLOAD オペレーター・コマンドの新しいキーワードを使用すると、parmlib の IEASYMxx メンバーの値を使用して、ローカルの静的システム・シンボルの値の更新を指定できます。
z/OS V2.1 の XCF では、次の点が改良されています。
- カップリング・ファシリティー (CF) 二重化が開始された場合の CF のリビルド処理、およびストラクチャーの処理方法が変更されます。この新しい設計では、最初にリビルドまたは二重化すべきストラクチャーが指定可能になり、処理の優先順位として、最も重要なワークロードのストラクチャーを重要度の低い他のストラクチャーより先にリビルドすることによって、大量のストラクチャーをリビルドするときのパフォーマンスと可用性が向上します。
- XCF では、特定 CF キャッシュ要求の追加の妥当性検査の実行、妥当性検査が失敗した場合の診断情報の収集、および CF キャッシュの破損を回避するための影響を受けたコネクターの終了が行われます。この新しい機能は、 IBM zEC12 または zBC12 システム上の z/OS V1.12 以降の APAR OA40966 の PTF でも提供されます。
z/OS V1.12 DFSMSdfp では、カタログ競合表示コマンドのサポートが追加されました。 z/OS V2.1 では、カタログ・アドレス・スペース (CAS) の処理に影響を与えるシリアライゼーション競合の問題の原因判別が容易になる追加情報が提供されます。 z/OS V1.12 では、SYSZTIOT のリソース競合の検出機能が追加されました。 z/OS V2.1 では、SYSIGGV2 と SYSZVVDS リソース、および CAS 割り振りロックに対するリソース競合を検出するためのサポートが追加されます。
ネットワーク関連の機能拡張
z/OS V2.1 Communications Server では、次のような多数のネットワーク関連の機能拡張が行われています。
- z/OS V2.1 および zEC12 と zBC12 システム (10GbE RoCE Express フィーチャーを備えた) は、新しい通信プロトコルである Shared Memory Communications-RDMA (SMC-R) をサポートして、Open Systems Adapter (OSA) を使用した標準の TCP/IP 通信と比較して、データ転送におけるパフォーマンスの重要な恩恵をもたらします。
- システム・リゾルバーの機能拡張により、リゾルバー・セットアップ・ファイルのステートメントでエラーが検出された場合でも、リゾルバーを開始することができます。これにより、TCP/IP スタックなど、リゾルバーの処理に依存するアプリケーションは、リゾルバー・セットアップ・ファイルにエラーがある場合でも、初期化を続行できます。
- RFC 2018 と RFC 3517 の実装によって、Selective Acknowledgment (SACK)、および SACK に基づく選択的なパケットの再送がサポートされます。これによって、1 つの TCP ウィンドウで複数のパケットが失われた場合にパフォーマンスが向上します。
- サポートされているソケット API は、システム・プログラマーやアプリケーションの有効化がなくても、自動的にファスト・パス・ソケット処理を使用するようになりました。ファスト・パス・ソケット処理では、特に対話式のワークロードにおいて、CPU 使用率を大幅に低下させる場合があります。
- IPSECURITY が有効化された TCP/IP プロファイルにおいて QDIOACCELERATOR の指定をサポートします。既存の QDIOACCELERATOR 機能は、 HiperSockets と OSA QDIO 間で、パケットを送信できるようにすることで、パフォーマンスが向上します。この機能拡張によって、特定の状況下で IPSECURITY が有効化された TCP/IP スタックがサポートされます。
- アプリケーション・インスタンス DVIPA が、特定のアドレス・スペースとアフィニティーを結ぶ機能が組み込まれています。これにより、未指定のアドレス (inaddr_any または in6addr_any) にバインドし、共通ポートを listen する複数のアプリケーションの 1 つが宛先であるアプリケーション・トラフィックを、正しく経路指定できます。
- トレース処理が機能拡張され、カップリング・ファシリティー・サービス (CFS) コンポーネントは、ISTGENERIC、EZBDVIPA、および EZBEPORT のカップリング・ファシリティー・ストラクチャーのミニ・トレース表で、接続に関連したアクティビティーや他の重要な情報を常時トレースできます。また、Communications Server の APPN の経路選択トレースも機能拡張され、APPN ネットワークを通した不適切な経路の選択を診断するために追加のトレース・エントリーが提供されます。これらの機能拡張によって、問題の診断時間が短縮され、追加文書のための問題の再現の可能性が低下します。
- TCP/IP プロファイルの INTERFACE ステートメントが機能拡張され、 HiperSockets および静的仮想 IP アドレス (VIPA) の IPv4 インターフェースの構成がサポートされます。この機能拡張により、IPv4 HiperSockets インターフェースと静的 VIPA の構成において、DEVICE/LINK/HOME ステートメントを使用するよりもシンプルな方法が提供されます。
- 新しい TCP/IP プロファイルの構成ステートメントによって、UDP ソケットと TCP ソケットに割り当てられる短命ポートの範囲を指定できます。これによって、ファイアウォールの構成規則が簡略化されます。
- MVSPut と MVSGet という 2 つの新しい FTP サブコマンドに対するサポートが追加されます。これらのコマンドは、 z/OS システム間での順次データ・セットと区分データ・セット (PDS と PDSE) の転送を簡略化します。
以下の z/OS V2.1 UNIX システム・サービスの機能拡張が組み込まれています。
- z/OS V1.13 では、 z/OS UNIX システム・サービスでの vi エディターと ex エディターのサポートが追加され、タグ付けされていないテキスト・ファイルを編集して、ASCII でエンコードされたテキスト・データを含むファイルとして処理できるようになりました。 z/OS V2.1 では、このサポートに、cat、cmp、comm、cut、diff、dircmp、ed、egrep、expand、fgrep、file、grep、head、more、paste、tail、sed、strings、unexpand、uniq、および wc を含む多数のコマンドが追加されます。また、 z/OS V2.1 では、上記のコマンドに対して、Unicode コード・ページを含む、IBM-819 以外のコード・ページがサポートされます。この新機能は、 z/OS UNIX を使用する場合にテキスト・ファイルの処理を容易にすることを目的としています。
- z/OS V2.1 では、 z/OS UNIX システム・サービスは、システムでアクティブにすることができる非常に多数のスレッドをサポートします。
- z/OS V2.1 では、 z/OS UNIX システム・サービスで、許可されたプログラムに対してシステムがサポートする mutex (相互排他) と条件変数の数を 131,072 から 16,777,215 に増やし、全体のシステムしきい値を 4,294,967,295 に増やします。これは、多数の mutex と条件変数を必要とするアプリケーションを z/OS UNIX に移植することを容易にするのが目的です。
- z/OS V2.1 では、 z/OS UNIX システム・サービスの自動マウント機構が機能拡張され、作成するファイル・システムにおけるデフォルト以外の許可ビットの設定、マスター・ファイルでの静的システム・シンボルの使用、およびその他のユーザビリティーの改良をサポートします。
データに対応
System z と z/OS V2.1 は大量のデータ配信に強く、 IBM のメインフレームはデータ中心のアプリケーションにおいて理想的なプラットフォームであるという評価が長く確立されてきました。 z/OS でトランザクション・アプリケーションとバッチ・アプリケーションを実行するビジネスでは、従来の高可用性、スケール、およびセキュリティーを高く評価しながら、 z/OS を新しいワークロードと並行してシームレスに稼働させる自由を享受しています。新しい z/OS のアプリケーションを実行できることにより、必要なビジネス・アジリティーを提供しながら、既存のコア・アプリケーションとの統合も実現します。 z/OS V2.1 では、トランザクション・データと運用データの価値を生かせる多くの機能が以下によって追加されます。
- バッチ処理の効率と機能の強化
- 堅牢で高パフォーマンスの入出力インフラストラクチャーの提供
- ファイル・システム、ページング、およびアクセス方式などの機能拡張
データとファイルに関する機能の強化は、基本的な機能をさらに改良するよう設計されており、将来の分析やその他のデータ・アプリケーションに必要なスケールとパフォーマンスをサポートします。
z/OS V2.1 では、次の更新があります。
- z/OS V2.1 では、 z/OS 入出力監視プログラム (IOS) は、仮想化された FICON スイッチの共通障害点を検出します。このサポートには、Read Port Availability Information 機能をサポートするスイッチが必要です。
- z/OS のバッチ・ランタイム環境の更新。これは、COBOL と Java に加えて PL/I プログラムも、共有の DB2 for z/OS を使用して相互運用できるように設計されています。また、DFSMStvs をリソース・マネージャーとしてサポートし、既存のアプリケーション資産の活用の柔軟性が向上します。
- 1 次 DFSMShsm ストレージ階層内での SMS 管理データのポリシー・ベースの自動移動。ストレージ・リソースの管理の向上を目的としています。
- zFS ファイル・システムの新バージョン。大きなディレクトリーを持つファイル・システムの大幅なパフォーマンス改善と、ファイル・システムの最大サイズを 16 TB に拡大することによる拡張性の向上を計画しています。
- DFSMShsm で移行したデータ・セットのバッチ処理の向上。経過時間の削減とスループットの向上を目的としています。
- シスプレックスで VSAM レコード・レベル共有 (RLS) を新しくサポートします。 パラレル・シスプレックス でのカタログ共有の向上、競合の減少、およびカップリング・ファシリティーのキャッシングの向上により、高スループットとパフォーマンス向上を実現することを目的としています。
- GRS (グローバル・リソース・シリアライゼーション) のサポート。エンキューを共有から排他に変更する既存のサポートに加えて、プログラムが排他エンキューを共有エンキューに同期的に変更できるように設計され、競合の減少に役立ちます。
- z/OS V2.1 DFSMS は、スペース利用の改善とパフォーマンス向上、および削除または変更後の旧レベルの PDSE メンバーのリカバリーのために、新しい PDSE バージョン 2 フォーマットをサポートする予定です。
- データ・サービス提供に役立てることを目的とした次のハードウェアのサポート:
- 2 GB の大きな固定ページとページング可能な 1 MB のラージ・ページのサポート
- ハードウェアのトランザクション・メモリーのサポート
z/OS V2.1 に対するアプリケーション統合サポートのその他の機能詳細は、次のとおりです。
zEC12 および zBC12 システム上の z/OS V2.1 (CFLEVEL 19) では、XCF および XES は、パフォーマンスを改善した複数の本番環境で共有エンジン・カップリング・ファシリティーの使用を可能にします。これは、十分なパフォーマンスを実現するのに専用のカップリング・ファシリティー (CF) エンジンを必要とする環境の数を減らすことによって、 パラレル・シスプレックス を複数の環境にコストを削減して実装できるようにするためのものです。さらに、最小の MCL を使用する zEC12 および zBC12 システムで提供される新しい一連の割り込みが、 z/OS で使用されます。これは、非同期カップリング・ファシリティー操作を処理し、特定の CF イベントを認識するときに、XCF および XES の処理オーバーヘッドを減らし、パフォーマンスを改善するのに役立ちます。このサポートは、 z/OS V1.12 および V1.13 (APAR OA38734 と OA38781 の PTF 適用) でも提供されます。
zEC12 および zBC12 システム (CFLEVEL 19) で実行される z/OS V2.1 は、特定のカップリング・ファシリティー・リストストラクチャーに対する Flash Express の使用をサポートする予定です。詳しくは、 開発意向表明 セクションを参照してください。
z/OS V2.1 では、DFSMShsm により、1 次 (レベル 0) ストレージ階層内で SMS 管理データをポリシー・ベースで移動できるようになります。このサポートの目的は、既存のストレージ・クラスとストレージ・グループの構成によって、1 次ストレージ階層内の特性の異なるデバイスを DFSMShsm に認識させ、管理クラス・ポリシーを適用して、あるクラスのデバイスから別のクラスのデバイスへデータを移動できるようにすることです。例えば、 Easy Tier デバイスを含め、 IBM System Storage DS8700 および DS8800 シリーズのソリッド・ステート・デバイス (SSD) ドライブ、従来型のハード・ディスク (HDD)、Serial Advanced Technology Attachment ドライブ (SATA) に基づいた、またはこれらのデバイスの混在した複数のティアにまたがる 1 次ストレージ階層を指定することもできます。存続期間と、最後に参照された後の経過時間に基づく、ポリシー・ベースの管理のサポートが提供されます。DFSMShsm は、1 次ストレージ階層のサポートに加えて、マイグレーション・レベル 1 および 2 (ML1 および ML2) を引き続きサポートします。これは、ビジネス目標とデータ管理ポリシーを満たすデータ配置の管理に役立ちます。
また、DFSMShsm では多数の小さな機能拡張が提供されています。ストレージの制約の軽減、リサイクル処理の向上、および SMSVSAM の再開からの DFSMShsm のリカバリーの自動化の提供が目的です。
z/OS V2.1 では、 パラレル・シスプレックス のユーザー・カタログとボリューム・カタログ用に VSAM レコード・レベル共有 (RLS) のカタログ・サポートが提供されています。この新しい設計は、カタログの競合の大幅な削減、およびパフォーマンスの向上を目的としています。カタログ関連のその他の機能拡張では、指定されたカタログに対するカタログ要求をシスプレックス全体に渡って中断させて、カタログ保守中のアプリケーションの中断を最小限に抑える計画です。また、ユーザー・カタログを一時的に削除する場合にユーザー・カタログ結合子のエイリアス・エントリーを保持することを可能にする新しいサポートがあります。これにより、カタログを再割り振りする場合に再定義の必要がなくなり、新しいカタログが利用可能になるまで、これらのエイリアスを使用した新しいカタログ・エントリーが定義されないようにすることができます。これは、ユーザー・カタログの再割り振りの簡略化を目的としています。
RLS 関連では、追加の機能拡張は次のとおりです。
- ディレクトリー専用のキャッシングのサポート。この機能拡張の目的は、ファイルの全 RLS データ (索引コンポーネントを含む) のキャッシングをバイパスできるようにすることです (オプション)。カップリング・ファシリティーのデータをキャッシングするコストが利点を上回る場合 (制限付きの共有環境など) に、これを行えます。
- RLS バッファー関連の多くの制御ブロックを SMSVSAM データ・スペースから 64 ビット・ストレージに移動。これは、利用可能な SMSVSAM データ・スペースのストレージの量の増加を目的としており、大量の VSAM RLS データを処理するときのパフォーマンスの向上に役立つことが期待されます。
- RLS モードで VSAM データ・セットにアクセスするように、IDCAMS が機能拡張されています。このサポートは、IDCAMS PRINT、REPRO、IMPORT、および EXPORT 機能に対するものです。
z/OS V2.1 では、割り振りサポートにより、バッチ・ジョブによって割り振られる予定の、DFSMShsm で移行されるデータ・セットを、各ジョブ・ステップの開始前にパラレルで再呼び出しすることを指定できます。この新機能では、データ・セット全体の再呼び出しの待機時間を削減することによって、バッチ処理を高速化することを目的としています。
z/OS V2.1 では、zFS の設計により、大きなディレクトリーを持つファイル・システムのパフォーマンスが大幅に向上します。新バージョンのファイル・システムはディレクトリーをツリーに格納するように設計されており、大きなディレクトリーの処理が特に高速化します。既存のファイル・システムを新しいフォーマットに変換できる多数の変換オプションが用意されています。また、この新しいバージョンでは、zFS ディレクトリーに格納できる名前の数の明示的な制限が除去され (これまでの 65,535 個というサブディレクトリーの制限を含む)、ファイル・システムの最大サイズが 4 TB から 16 TB に増加する計画です。この新しいサポートは、多くのファイルを持つディレクトリーを含む HFS ファイル・システムを zFS にマイグレーション可能にすることが目的です。
z/OS V2.1 DFSMS は次のように機能強化されています。
- z/OS V2.1 では、PDSE の処理が、新しいフォーマット (PDSE バージョン 2) によって拡張されます。PDSE バージョン 2 は、すべての未使用スペースの解放、ディレクトリー・ページの統合 (可能な場合)、読み取りのパフォーマンスの向上、および PDSE 処理における仮想ストレージの使用率の削減が可能になるよう設計されています。また、PDSE API では、サポートされる PDSE データ・セットのメンバーが非常に大きくなります。PDSE メンバー・サイズの新しい制限では、多くの状況で前の制限より 125 倍を超えて大きくなり、実質的に、PDS メンバーのサポートされる最大サイズより大きくなります。これらの機能拡張の目的は、PDS の代わりに PDSE を使用することでスケーラビリティーとユーザビリティーの追加のメリットをもたらすこと、複数の大規模順次データ・セットの代わりに PDSE を使用できるようにすること、および大部分の PDSE 読み取り操作のパフォーマンスを向上させつつ、PDSE に必要なスペースを削減することです。 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 では、新しい PDSE フォーマットが許容されます。
さらに、PDSE バージョン 2 は、メンバーを削除または変更した後、前のレベルの PDSE メンバーをリカバリーする機能も提供します。ISPF は、新しいフォーマットで PDSE を割り振るための対応するサポートを提供します。また、ISPF は、ISPF プログラミング・サービスを始めとするプログラミング・サービス、および前のレベルの PDSE メンバーをリカバリーするための ISPF Edit もサポートします。前のレベルの PDSE メンバーをリカバリーするためのサポートは、2014 年の第 1 四半期に APAR OA42358 の PTF で提供される予定です。
- 新しいタイプの拡張フォーマット・データ・セットであるバージョン 2 がサポートされます。ストライピングされていないマルチボリューム拡張フォーマット・データ・セットをコピーする際、バージョン 2 拡張フォーマット順次データ・セットに FlashCopy® を使用することをサポートするよう、DFSMSdss が設計されます。これは、その他の拡張フォーマット・データ・セットに対する既存のサポートに追加されるものです。IDCAMS REPRO 処理は機能拡張されて、ストライピングされていないマルチボリューム拡張フォーマット順次データ・セットに対する CI モードの処理をサポートします。
- DFSMSdfp は、DD ステートメントに DISP=PASS がコーディングされている場合に、それぞれ前のテープ・ファイルのトレーラー・ラベルを読み取らずに連続ファイルを処理して、テープのパフォーマンスを改善するよう設計されています。これは、連続した小さなテープ・ファイルを多数読み取るときに最も顕著になるものと予想されます。
- z/OS V2.1 DFSMS では、カタログ・エイリアスの処理が改善されました。シンボリック関連名を持つデータ・セットのエイリアスの場合、システムは、マスター・カタログまたは適切なユーザー・カタログを使用して検索を再設定するよう設計されています。また、エイリアスエントリーの作成日が格納され、IDCAMS ユーティリティーによってリストされます。
- z/OS V1.11 では、IDCAMS DELETE コマンドのデータ・セット名のマスキングのサポートが導入され、 z/OS V1.12 では、PDS または PDSE のすべてのメンバーの削除のサポートが導入されました。 z/OS V2.1 では、DELETE コマンドのサポートが拡張されて、PDS データ・セットと PDSE データ・セットからのメンバーの削除においてマスクの指定が可能になりました。これは、DELETE コマンドのユーザビリティーの向上を目的としています。
- IDCAMS ユーティリティーは、ALTER コマンドを使用して、SMS 管理データ・セットの管理クラスをヌル化できるよう設計されています。また、世代別データ・グループ (GDG) の IDCAMS DIAGNOSE 処理では、追加の問題を検出するために機能拡張されます。これは、GDG 処理エラーの原因特定の支援を目的としています。
- IEBCOPY では、既存の COPYGRP 機能のスーパーセットである COPYGROUP 機能をサポートします。COPYGRP は、ソースまたは宛先のデータ・セットが PDSE である場合に、すべてのエイリアスをコピーするよう設計されています。COPYGROUP は、PDS データ・セットと PDSE データ・セットのあらゆる組み合わせに対して、すべてのエイリアスをコピーするよう設計されています。IEBCOPY では、COPYGROUP コマンドによってコピーされるメンバー名のパターンを識別する SELECT ステートメント上の特殊文字を受け入れるために拡張されています。この機能は、パーセント記号 (%) とアスタリスク (*) を使用して、1 つ以上の文字が、コピーされるメンバー名の希望のパターンに一致するかどうかを判別するよう設計されます。
- DFSMS では、SMS 管理データ・セットの割り振りを、 IBM System Storage DS8000® シリーズ・デバイスのクラスターおよびエクステント・プール境界と一層揃ったものにします。この拡張機能は、データ・セットの高速レプリケーション操作を改善し、ストライプ・データ・セットのパフォーマンスをより均一化することを目指しています。そのために、SMS ボリュームの選択を変更し、ストレージ・クラス属性に基づいてマルチボリュームのデータ・セットとエクステンションを 1 つのクラスターまたは Storage Facility Image (SFI) に割り振ることや、ストライプ・データ・セットとそのエクステンションを (可能な場合には) 複数のエクステント・プールをまたいで割り振ることが試みられます。
- ある状況では (別のシステムの SMS 構成の一部ではない共有システムのボリューム・サイズの変更など)、SMS によって格納されるボリューム・スペース情報が古くなることがあります。SMS が格納したボリューム・スペース情報が、新しい VARY SMS コマンド・オペランドでリフレッシュできるようにします。これにより、ISMF LISTSYS などのコマンドの出力が最新の情報を反映します。
- z/OS では、データ・セットに使用される SMS データ・クラスの Dynamic Volume Count (DVC) 設定を Space Constraint Relief 属性と共に使用できます。これは、またがることができるボリュームの最大数を決定する場合や、データ・セットに対して JCL で指定されている元のボリューム数を増やす場合、あるいは Dynamic Allocation を使用している場合に使用できます。これにより、最初に割り振られたボリュームでスペースが不足しても後からデータ・セットを拡張できます。これは、スペース関連の異常終了を回避できるようにすることを意図したものです。Dynamic Volume Count のサポートは、 z/OS V2.1 で VSAM RLS データ・セットをサポートするように拡張されました。これは、VSAM RLS の処理中にデータ・セットが大きくなった場合にスペース関連の異常終了を回避できるようにすることが目的です。
- DFSMS では、アクティブ・コンフィギュレーション・データ・セット (ACDS) とコミュニケーション・データ・セット (COMMDS) の VSAM SHAREOPTIONS 属性が誤った共有オプションで定義されている場合に、自動的にこれを変更します。また、新しい IGDSMSxx parmlib メンバー・パラメーターと SETSMS コマンド・オペランドを使用すると、DSNTYPE=LIBRARY が指定されている場合には、ディレクトリー・スペースが JCL でも指定されているかどうかにかかわらず、区分データ・セットが無条件に PDSE として割り振られるよう指定できます。
- 自動クラス選択 (ACS) ルーチンの新しい変数は、データ・セットが拡張アドレッシング・ボリューム (EAV) の拡張アドレッシング・スペース (EAS) に存在する資格があるかどうかを示します。この目的は、データ・セットを適切なストレージ・グループに送り、適切なデータ・セット・スペースの割り振り値を設定する ACS ルーチンをコーディングできるようにすることです。
- RLSE JCL パラメーターまたは同等の機能を動的割り振りで使用して、ディスク・ストレージ上で SMS 管理マルチボリューム順次データ・セットのスペースを解放できます。 z/OS V2.1 では、そのようなデータ・セットのために、データ・セットが置かれている現行ボリュームおよび後続のすべてのボリュームで未使用のスペースを解放するようシステムが設計されています。また、テープ・データ・セットが新規ボリュームに拡張されて、そのために新しい JFCB エクステンション (JFCBX) が必要になる場合、システムは異常終了 837 と理由コード 08 を発行する代わりに、JFCBX を自動的に作成します。さらに、parmlib メンバー IEAAPP00 (authorized I/O appendage routine の定義に使用できる) でコメントが許可されるようになります。
- DFSMSdss は、物理的な (フル・ボリュームとトラック・ベースの) リストア操作に使用される RESTORE コマンドで、新キーワード RESET をサポートします。これにより、リストア済みボリューム上のデータ・セットに関して、データ・セット変更インディケーターをリセットすべきかどうかを指定できるようになります。DFSMShsm の制御下でフル・ボリュームがリストアされる場合の対応するサポートが DFSMShsm に対して提供されています。この機能は、最近リストアしたボリュームに対するポリシー・ベースのストレージ管理をより効率化することを目的としています。
z/OS V2.1 のGRS (グローバル・リソース・シリアライゼーション) は、エンキューを共有から排他に変更する既存のサポートに加え、排他エンキューを共有エンキューに同期的に変更することをサポートします。対応するサポートが JCL で使用可能であり、新しい JOB ステートメント・キーワードを指定することにより、データ・セットへのアクセスを排他から共有に遷移させることが、ディスポジション指定 OLD、NEW、または MOD で割り振りを行う最後のステップの後で行えるようになります。また、JES2 の初期化ステートメントに対するサポートが提供されており、この機能を許可するかどうか、および JCL に指定されていない場合にこれをデフォルトで使用するかどうかを指定できるようになります。 この機能は、単一システムと GRS Star 環境で最初に排他使用を要求したプロセスが終了する前に、リソースを読み取りアクセス可能にすることにより、リソース処理の並列性を高めることが目的です。
zEC12 または zBC12 以降のシステム (CFLEVEL 18) で稼働する z/OS V2.1 (IBM DB2 11 for z/OS (5615-DB2) 付き) では、パラレル・シスプレックスのカップリング・ファシリティーにキャッシュすることなく、バッチ処理された更新をディスクに直接書き込むことを可能にする新機能の利用が計画されています。これは、オンラインのトランザクションで使用されるキャッシュのデータをより新しいものに保つことを目的としており、バッチ更新期間中のパフォーマンスの向上に役立つことが期待されます。また、これは大量のバッチ更新が同時に行われているときに発生することがある、アプリケーションの停止の回避にも役立つ可能性があります。この機能の z/OS サポートは、CFLEVEL 17 と MCL を使用する IBM zEnterprise 196 (z196) および zEnterprise 114 (z114) サーバー、ならびに z/OS V1.12 と z/OS V1.13 (APAR OA40966 の PTF 適用) でも使用できます。
セキュリティーに対応
重要な情報資産のセキュリティーは、特に今日の高度な攻撃と新たな脅威を考慮すると、どの組織にとっても継続的に優先順位が非常に高い問題です。顧客のプライバシーを確保するには、複雑さを増す攻撃を防ぎ、保護された情報を提供する必要があります。企業のデータがモバイル・アプリケーション、ソーシャル・ネットワーク、および新しいクラウド環境を経由してアクセスされる中で、データ・プライバシーと保護に関する問題は、これまで以上に重要になっています。 z/OS V2.1 の新機能は、 z/OS 環境におけるリスクの削減、コンプライアンスの向上、およびデータ・セキュリティーの管理を支援することを目的としています。
今日、 z/OS はオペレーティング・システムの基本構造に組み込まれた多様なセキュリティー機能を提供しています。データ暗号化、鍵管理、PKI インフラストラクチャー、パスワードの同期といった z/OS の多くのセキュリティー機能を導入して、お客様のコンピューター環境の全体的なセキュリティー・レベルを強化することができます。企業のインフラストラクチャー・スタックを強化するために、 z/OS のミドルウェアだけでなく、テクノロジーと設計のプロセスにもセキュリティーが組み込まれます。また、銀行、官公庁、その他の業界における新しい規制や規格への準拠をさらに進めるために設計された機能拡張も含まれています。
z/OS V2.1 のセキュリティーでは、次の機能拡張が追加されています。
- z/OS V2.1 では、 IBM TDS (LDAP) は、 Linux クライアントで実行されるアプリケーションなどがデータを z/OS に送信して、ICSFで処理を行い、 zEnterprise サーバーに搭載された CryptoExpress4S カードを利用するように設計されています。このサポートは、メモリー内に鍵を露出することなく、アプリケーションが z/OS にセキュア・キー暗号サービスを要求できるようにするためのものです。これらのサービスの利用を Linux クライアントに提供する予定です。
- 新しい ICSF 機能は、銀行や金融機関のお客様が、新しい標準をサポートする機能など、セキュリティーを改善するのに役立ちます。
- Communications Server の新機能により z/OS FTP クライアントのセキュリティー EXIT がサポートされ、これを使用するとファイルを安全に転送できるようになります。
- RACF データベースのアンロード・ユーティリティーでは、デジタル証明書に関する追加情報をアンロードし、 RACF データベースに格納される証明書の監査アクティビティーが容易に行えるようになります。
- z/OS UNIX システム・サービスでは、非アクティブな状態が一定期間続いた後に、ユーザーを強制ログオフするかどうかを指定できるようになります。
- JES2 と JES3 のジョブ・クラスのアクセス制御機能により、従来のアクセス制御のためのEXITの必要がなくなります。
- ヘルス・チェック機能では、新たに信頼された証明書の有効期限切れのチェックを加え、重要なリソース・クラスで検査対象リソースを増やしました。
System z Security Portal
IBM は、すべての z/OS ユーザーが System z Security Portal に登録し、セキュリティーとシステム保全性のフィックスを最新の状態に保つことをお勧めしています。
多くのセキュリティーの専門家は、今日の世界において、企業全体のセキュリティー・ポリシーの一環として、重要なセキュリティーとシステム保全性のフィックスを追跡してインストールして、サイバー・セキュリティーの懸念が高まっている環境でリスクを軽減することが、今までよりもさらに重要であることに同意しています。 IBM は、 z/OS オペレーティング・システムのお客様が、セキュリティーとシステム保全性のサービスが最新であることを検証し、すべてのセキュリティーと保全性の PTF をインストールするためにただちに行動を取ることをお勧めしています。セキュリティーとシステム保全性のフィックスは、Recommended Service Upgrade (RSU) に含まれています。RSU を最新の状態に維持することは、セキュリティーと保全性の問題のリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
System z Security Portal は、セキュリティーとシステム保全性のフィックスを最新の状態に保つのに役立ちます。そのために、RSU のマークが付く前に z/OS システムにインストールしていなかった可能性があるセキュリティーとシステム保全性のフィックスを識別するのに使用できる最新の SMP/E HOLDDATA を提供します。また、 System z Security Portal は、新しい APAR の Associated Common Vulnerability Scoring System (CVSS) V2 格付けも提供します。1 ぜい弱性に関する詳細情報が広まると、アタッカーがその利用に成功する可能性が高まるので、 IBM に報告されたぜい弱性情報の機密性維持に対する多くのお客様の要求に応えて、この情報は、他者に配布しないことに同意する登録済みの z/OS のお客様にのみ提供されます。 IBM では、 System z Security Portal サイトにアクセスして、この情報の許可ユーザーとして登録するために必要な情報を入手することをお勧めしています。次の Web サイトをご覧ください。
ご質問は syszsec@us.ibm.com にお送りください。
- 1
- Forum of Incident Response and Security Teams (FIRST) によれば、 Common Vulnerability Scoring System (CVSS) は、「脆弱性の重大度を示し、対策の緊急性と優先度を判別するために役立てることを目的にした業界のオープン・スタンダード」です。 IBM は、CVSS 値を特定物として現存するままの状態で提供し、商品性の保証、特定目的適合性の保証および法律上の瑕疵担保責任を含むすべての明示もしくは黙示の保証責任を負わないものとします。セキュリティーに関する実際の、または潜在的な脆弱性の影響を評価することはお客様の責任とさせていただきます。
IBM は CVSS 環境スコア値を提供しません。CVSS 環境値は、お客様の環境に固有であり、総合 CVSS 値に影響を与えます。お客様は、セキュリティーに関する実際の、または潜在的な脆弱性の影響を評価する必要があり、CVSS 環境値を計算することができます。
追加のセキュリティー機能拡張
z/OS V2.1 では、 IBM Tivoli® Directory Server ( IBM TDS、LDAP) は、新しい LDAP 拡張操作をサポートして、他のシステムで実行されているアプリケーションが、ネットワークを介して送信されたデータを暗号化し、ICSF でオブジェクトを保管し、使用できる基盤を提供します。この新しい「crypto-as-a-service」機能は、 z/OS か送信システムのどちらかでメモリー内の機密度の高いキーを露出する必要をなくすと同時に、セキュア・キー暗号化サービスなどの集中暗号化サービスを提供するために、アプリケーションが ICSF のセキュア・キー保管機能を使用できるようにします。この新しい機能は、Common Cryptographic Architecture (CCA) および Enterprise PKCS#11 サービスのサブセットを、CryptoExpress4S コプロセッサーが Enterprise PKCS#11 モードで構成されているときにサポートします。これは、仮想マシンのインスタンス全体で持続するように z/OS で鍵材料を集中化して、アクティブ・ゲストと非アクティブ・ゲストの両方をサポートするのに役立ちます。 IBM は、より利用しやすくするために、 Linux ディストリビューションに組み込む予定の OpenCryptoki (PKCS#11) リモート暗号プロバイダーを 2013 年にオープン・ソース・コミュニティーに提供する予定です。また、 IBM Enterprise Key Management Foundation (EKMF) の Advanced Crypto Service Provider (ACSP) も、複数のプラットフォーム用のクライアント・プログラミング環境を提供します。これは、 IBM TDS crypto-as-a-service 機能と、 z/OS V2.1、 z/OS V1.13、および z/OS V1.12 とともに他のプラットフォームにも導入できる ACSP Server の双方をサポートし、金融業界のサービスや PKCS#11 プログラミング・サービスのサブセットを使いやすいパッケージで提供します。 System z セキュリティー・ソリューションについて詳しくは、次の Web サイトをご覧ください。
JESJOBS クラスの新しいプロファイルを使用した、JES2 と JES3 の両方の環境でのジョブ・クラスの使用に対する SAF の制御がサポートされます。この新しいサポートの目的は、ジョブ・クラスの命名の柔軟性を増し、ジョブ・クラスの使用を許可ユーザーに限定するためだけに使用されている JES2 と JES3 のユーザー EXIT の必要性をなくすことです。
DB2 for z/OS 11 (5615-DB2) は、セキュリティー管理のためのユーザビリティーと整合性を改善するように設計されています。 z/OS V2.1 RACF は、 DB2 11 と一緒に使用する場合、所有者の許可 ID の下でバインドと再バインドに対する DB2 と RACF アクセス制御間の整合性、宣言済みグローバル一時表 (DGTT) に対する RACF セキュリティー EXIT サポート、および RACF プロファイルが変更されるときの自動許可ステートメント・キャッシュ・リフレッシュのサポートを提供します。これは、 DB2 セキュリティー管理を容易にするためのものです。
RACF Remote Sharing Facility (RRSF) が機能拡張されました。 z/OS V1.13 では、IPv4 による TCP/IP ベースの RACF Remote Sharing Facility (RRSF) 接続がサポートがされるようになりました。 z/OS V2.1 では、 RACF は IPv6 による TCP/IP 上の RRSF 接続をサポートします。これは、TCP/IP 上で RRSF 接続をセットアップするときに、アドレス指定を IPv4 と IPv6 から選択できるようにすることが目的です。また、RRSF は Application Transparent Transport Layer Security (AT-TLS) を使用して、RRSF ノードの間のデータを暗号化します。 z/OS V2.1 では、RRSF で楕円曲線暗号 (ECC) ベースの証明書を使用した、これらの AT-TLS セッションの確立をサポートします。これは、RRSF を使用して送信される RACF プロファイルのデータを保護するために、より強力な暗号化アルゴリズムを使用可能にすることが目的です。また、 RACF パラメーターのライブラリー・メンバーにコメントを記入できるようになります。
z/OS V2.1 IBM TDS (LDAP) は、TLS 1.2 プロトコルをサポートすることにより、NIST SP 800-131A と NSA Suite B に準拠します。さらに、TLS 1.1 プロトコルに対するサポートも追加されました。 IBM TDS および TLS 1.2 は、SSL ハンドシェークにおいて SHA-256 および SHA-384 アルゴリズムをサポートし、AES-GCM 暗号もサポートします。これらは、LDAP のセキュリティー向上 (特に、ユーザー・レジストリーとして使用する場合) と、セキュリティー・プロトコルの業界標準への対応を目的にしています。
現在、 z/OS System SSL では、RFC 2459「インターネット X.509 PKI - 証明書と CRL のプロファイル」、および RFC 3280「インターネット X.509 公開鍵基盤 - 証明書と証明書失効リスト (CRL) のプロファイル」に従った証明書の妥当性検査をサポートし、RFC 3280 に従った証明書を作成するよう設計されています。これらに加えて証明書の規格を更新する RFC 5280 が策定されました。 z/OS V2.1 では、証明書の妥当性検査処理で、3 つのモードの証明書妥当性検査が行えるように拡張されます。これらのモードは、RFC 5280、RFC 3280、または RFC 2459 に従って証明書の妥当性検査を実行できるようにすることを目的としています。
z/OS V2.1 では、デジタル証明書の処理に関するその他の機能拡張が多数提供されています。以下をサポートするようにシステムが設計されています。
- PKI サービスでの Extended Validation (EV) X.509 デジタル証明書の生成。
- Apache に基づく IBM HTTP Server での PKI Web ページのサービス提供。
- RACF 証明書、証明書チェーン、およびキー・リングに対する証明書表示機能の改善。
- RACF では、外部認証局によって発行された証明書の認証要求処理が拡張され、処理された証明書に関連付けられている秘密鍵が誤って削除されることを防ぎます。
- 証明書失効リスト (CRL) の処理が終了したときにメッセージを発行する PKI サービスのオプション。これにより、CRL のアーカイブなどの追加アクションを自動化することができます。
- PKI サービスの管理機能に対するより詳細な管理権限の制御 (オプション)。
z/OS V2.1 では、 z/OS UNIX システム・サービスが新しい BPXPRMxx parmlib メンバー・パラメーターをサポートするよう設計されています。これにより、rlogin、telnet、または TSO OMVS コマンドを使用してログインしているユーザーが、ユーザーの端末で一定期間に渡って非アクティブ状態だった場合、これをシステムから強制的にログオフさせるかどうかを指定できるようになります。この新機能は、システム・セキュリティーの向上に寄与することを目的としています。
z/OS V2.1 では、Server Timer Protocol の時刻調整ネットワークと外部時刻ソースを使用して標準時を取得する場合に、協定世界時 (UTC) とハードウェア時刻 (TOD) との間で最大の時間差を指定すると、それを超えたときにメッセージが発行されるようにシステムが設計されています。この新機能は、株式取引所のメンバーが Order Audit Trail System (OATS) のレコードのタイム・スタンプに関する 米国証券取引委員会 (SEC) の規則に準拠できるようにすることが目的です。
RACF ヘルス・チェック
z/OS V2.1 で使用できる以下の RACF ヘルス・チェックの目的は次のとおりです。
- RACF_SENSITIVE_RESOURCE ヘルス・チェックで追加リソースを検査します。これには、以下の機能の使用を制御する FACILITY クラス・プロファイルが含まれます。すなわち、アクティブな APF、LNKST、および LPA リストの内容に影響を与える機能、システムのダンプ・データへのアクセスを許可する機能、および特定の z/OS UNIX システム・サービスの機能へのアクセスを許可する機能です。これらの追加のチェックは、システムのセキュリティー上の問題点の可能性を警告することを目的としています。
- RACF データベースがアプリケーション識別マッピング (AIM) ステージ 3 に推奨どおりにアップグレードされたかを判別します。 この検査は、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA37164 の PTF 適用) でも提供されます。
- OMVS セグメントを持たないユーザーが特定の UNIX サービスを使用する場合に、 RACF が固有の z/OS UNIX システム・サービスの ID を自動的に割り当てるかどうかを判別します。 この検査は、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA37164 の PTF 適用) でも提供されます。
- 1 つ以上のキー・リングに接続している信頼証明書で、指定された期間内に有効期限が切れる予定であることを検出します。これは、証明書の期限切れが迫っていることを事前に警告し、有効な証明書を利用するアプリケーションの失敗を回避する処置が取れるようにするためのものです。
z/OS V2.1 では、 RACF データベースのアンロード・ユーティリティー (IRRDBU00) の機能が拡張され、各証明書の発行者とサブジェクトの識別名 (DN)、および署名アルゴリズムを含むデジタル証明書に関する追加情報をアンロードします。これは、 RACF データベースに格納されているデジタル証明書に対する監査関連のアクティビティーを容易に行えるようにすることが目的です。
z/OS V2.1 RACF では、 z/OS UNIX のユーザー ID に関するシステム管理の簡略化に役立つよう、BPX.UNIQUE.USER で使用されるモデル・ユーザー ID のホーム・ディレクトリーのパス名に &RACUID を指定できるように拡張されました。この機能は、 z/OS V1.12 および V1.13 (APAR OA42554 の PTF 適用) でも提供されます。これは、 z/OS V2.1 に移行する前に、BPX.DEFAULT.USER を使用するユーザーを BPX.UNIQUE.USER に変換するのに役立ちます。
ICSF と暗号関連の機能拡張
z/OS V2.1 で使用できる IBM zEnterprise EC12 (zEC12) および zEnterprise BC12 (zBC12) サーバーの暗号化機能拡張は、Cryptographic Support for z/OS V1R12-V1R13 という Web 配布物 により、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 でも提供されています。以下の場所からダウンロードできます。
z/OS V2.1 ベースに組み込まれている ICSF 機能
z/OS V2.1 ベースに組み込まれている以下の新しい ICSF 機能は、次のように銀行や金融機関のお客様が標準規格に準拠し、より高度な暗号セキュリティーを実装できるようにすることが目的です。
- メッセージ認証コード (MAC) とデータ暗号鍵に対する Derived Unique Key Per Transaction (DUKPT) のサポート。このサポートは、ANSI X9.24 Part 1 Retail Financial Services Key Management 規格への準拠を目的とし、現金自動預け払い機 (ATM) での取引などの金融サービスで使用される対称鍵管理も目的としています。
- Crypto Express コプロセッサーの境界内で、1 つの鍵で暗号化された機密データを別の鍵で再暗号化処理するよう設計された、新しい暗号テキスト変換の CCA 機能のサポート。暗号化されたデータの暗号鍵を、非暗号化テキストの形で公開せずに安全に変更できるようにすることが、このサポートの目的です。これは、機密データのセキュリティーの向上に役立つよう設計されます。
- ANSI X9.24 Part 1 や PCI-HSM など、業界標準の暗号規格に準拠するために、ICSF が拡張された暗号鍵のラッピングをサポートするようになり、暗号鍵がそれより暗号強度の弱い鍵でラッピングされないようになります。このサポートは、Crypto Express コプロセッサーの CCA ファームウェア機能拡張のサポートに依存しており、重要な鍵のセキュリティー向上を目的としています。
- 新しい乱数キャッシュ。このキャッシュは非同期に補充されるよう設計され、ランダム・データの生成をアプリケーションの要求から分離することによるアプリケーションのパフォーマンス向上を目的としています。
同様に、ICSF には官公庁のお客様に新機能を提供するために設計された拡張が施されています。例えば、他のプラットフォームとの相互運用性を高めるための業界標準 System z 用 API により、アプリケーションの移植性が向上し、システムのセットアップが簡素化されます。
- Crypto Express4S を Enterprise PKCS #11 モードで構成できる新しいモードが Crypto Express4S コプロセッサーでサポートされ、CCA とアクセラレーター・モードの処理に加えて、セキュア・キー PKCS #11 のサービスを提供するようになります。 RACF 、 z/OS PKI サービス、および z/OS System SSL で、この新機能の使用がサポートされています。 RACF では、RACDCERT コマンドに新しいキーワードを追加することにより、Crypto Express4S を EP11 モードで使用して楕円曲線暗号 (ECC) と RSA セキュア・キーを生成することがサポートされます。対応する PKCS #11 セキュア・キーのサポートが PKI サービスに対して用意されており、セキュア・キー PKCS #11 CA 証明書の使用、および鍵生成要求と CMP 要求に対するセキュア・キーのペアの生成が可能になります。System SSL では、デジタル署名の生成をサポートする証明書管理 API を通して、SSL/TLS ハンドシェーク処理のなかで、セキュアな PKCS #11 ECC 証明書と RSA 証明書を使用できます。この新機能は、EU の適格デジタル署名の要件を満たすために必要な暗号サービスと保証を提供することを目的としており、保護されたデジタル ID で使用されます。
- アプリケーション・レベルでの FIPS 検証処理を行うための ICSF のセットアップが簡略化されました。FIPS 140-2 準拠の鍵処理の暗号要求をアプリケーションが発行できます。新しいオプションが追加され、FIPS 準拠方式での乱数の生成もアプリケーションから要求できるようになりました。対応する RACF プロファイルを CRYPTOZ クラスに定義することで、ICSF FIPS の開始オプション FIPSMODE を YES に設定したり、COMPAT に設定しなくても、これらの要求を処理できるようになります。これは、FIPS 準拠モードで実行する必要がある各アプリケーションとプログラムのセットアップの簡略化を目的としています。
ICSF は、公開鍵データ・セット (PKDS) と PKCS #11 トークン鍵データ・セット (TKDS) の入出力パフォーマンスを改善するように設計され、乱数生成機能を使用するアプリケーションのパフォーマンス向上に役立つ乱数のキャッシュが提供されます。
Web で使用可能な ICSF 機能
上記の機能に加えて、Cryptographic Support for z/OS V1R13 -- z/OS V2R1 という Web 配布物で使用可能な以下の新しい ICSF 機能は、次のように銀行や金融機関のお客様が標準規格に準拠し、より高度な暗号セキュリティーを実装できるようにすることが目的です。
- 鍵の管理、生成、トランスポート、および派生用の CCA ベースの呼び出し可能サービスにおいて、American Express、JCB、MasterCard、および Visa 決済システム用の新しい標準 (EMVCo) のサポート。このサポートは、一定以上のマイクロコード・レベルである CryptoExpress3 コプロセッサーの拡張 CCA ファームウェア、および CryptoExpress4S コプロセッサーを必要とします。
- 鍵の生成とトランスポートに使用される必要な鍵ラッピング方式を指定できるようにする、Remote Key Export 呼び出し可能サービスの拡張サポート。このサポートは、CryptoExpress3 および CryptoExpress4S コプロセッサーの一定以上のマイクロコード・レベルで使用可能な拡張 CCA ファームウェアを必要とします。
- XCBC-MAC 処理の 128 ビットより大きい鍵の長さに対応する、Symmetric MAC Generate および Symmetric MAC Verify 呼び出し可能サービスの AES MAC 機能拡張のサポート。
- CCA ファームウェア・ベース・サポートへの、頻繁に使用される User Defined Extensions (UDX) 呼び出し可能サービスに対するサポート。UDX 保守に関連するコストの削減に役立ちます。このサポートは、CryptoExpress3 および CryptoExpress4S コプロセッサーの一定以上のマイクロコード・レベルで使用可能な拡張 CCA ファームウェアを利用し、以下のサービスを必要とします。
- Recover PIN From Offset。お客様が入力した暗号化された PIN を PIN 生成鍵、アカウント情報、および IBM-PIN0 オフセットから計算するのに使用できます。
- Symmetric Key Export with Data。認証パラメーター (AP) を生成し、提供された鍵を使用して暗号化された状態で戻すのに使用できます。
- Authentication Parameter Generate。RSA 鍵を使用して暗号化された状態で対称鍵をアプリケーション提供のデータと一緒にエクスポートするのに使用できます。
Cryptographic Support for z/OS V1R13 - z/OS V2R1 の追加の ICSF 機能拡張は、官公庁のお客様に新機能を提供するように設計されました。例えば、他のプラットフォームとの相互運用性を高めるための業界標準 System z 用 API により、アプリケーションの移植性が向上し、システムのセットアップが簡素化されます。
- Diffie-Hellman、Elliptic Curve Diffie-Hellman、および RSA-PSS アルゴリズムに対するセキュア・キー・サポートと Secure DSA Domain Parameter Generation を追加するための、Enhanced Enterprise PKCS #11 モード・サポート。
- Set Attribute Value 機能を使用して鍵のコンプライアンス・モードを変更できるようにする、Enterprise PKCS #11 アプリケーションに対するサポート。
- FIPS モードで実行中に Brainpool 曲線を使用して生成された ECC 鍵に対するサポート。
これらの機能拡張は、CryptoExpress4S コプロセッサーの一定以上のマイクロコード・レベルで使用可能な拡張 EP11 ファームウェアを必要とします。
最後に、Cryptographic Support for z/OS V1R13 - z/OS V2R1 の機能強化は、One Way Hash および Random Number Generate サービスを呼び出すアプリケーションのパフォーマンス向上をオプションとして可能にし、暗号プロセッサー構成による改善を提供し、問題のデバッグ機能を大幅に強化する CTRACE 実装を改善し、SAF 許可の要求や暗号プロセッサーの呼び出しを行うことなく、ICSF が認識している暗号環境に関する状況情報を取得するための新しい呼び出し可能サービスを提供し、使用状況情報を含むようにキー・ストア内のキー・レコードを更新します。
保護されたネットワーキング
今日の企業の環境では、モバイル・デバイスやソーシャル・コンピューティング・サイトなど、多数の信用できないネットワーク・ソースからのデータへのアクセスがあります。その結果、企業はネットワーク保護、データ保護、およびユーザーとビジネス・パートナーの認証にこれまで以上に注意を払っています。 z/OS Communications Server と z/OS のセキュリティー機能の両者によって、重要なビジネス資産を不正使用から保護するのに役立つ階層化されたネットワーク保護を使用し、このセキュリティーの問題に対応することができます。
z/OS V2.1 のネットワーキング機能拡張は、保護されたネットワーキング・ハブとしての z/OS の使用を強化することを目的としています。
z/OS V2.1 および zEC12 と zBC12 システム (10 GbE RoCE Express フィーチャーを備えた) は、新しい通信プロトコルである Shared Memory Communications-RDMA (SMC-R) をサポートします。この新しいプロトコルは、ソケット・アプリケーションからは意識されない方法で、RoCE (RDMA over Converged Ethernet) を介して TCP エンドポイントに RDMA 通信を提供することによって、遅延が少ない高帯域幅のサーバー間接続を提供します。これは、Open Systems Adapter (OSA) を使用した標準の TCP/IP 通信と比較して、パフォーマンスの重要な恩恵をもたらします。 RMF は、新しい SMF 74 サブタイプ 9 レコードでチューニングとキャパシティー・プランニング用の測定データを収集し、それらを新しい RMF Postprocessor PCIE Activity レポートに表示します。
System SSL は、TLS V1.2 プロトコルをサポートします。TLS V1.2 では、利用者が RFC 5246、5288、および 5289 で定義されている強力な暗号を利用できるようにするためのサポートが追加されます。これにより、SHA-256 と SHA-384 のハッシュを使用すること、および TLS ハンドシェークとアプリケーションのペイロード交換中に AES-GCM 対称アルゴリズムを利用した暗号を使用することができるようになります。このサポートは、 z/OS V1.13 (APAR OA39422 の PTF 適用) でも提供されます。
TLS V1.2 に関する RFC 5430 の定義どおり、System SSL はトランスポート層セキュリティーの NSA Suite B プロファイルのサポートを提供します。これは、国家安全のためのアプリケーションに対する米国政府の暗号アルゴリズム・ポリシーに準拠することが目的です。
z/OS V2.1 では、Communications Server が新しい暗号化スイートをサポートします。これは、TLS で実装され、Application Transparent Transport Layer Security (AT-TLS) の System SSL で使用されます。これが目的としているのは、これらの新しい暗号スイートを使用して、アプリケーションの変更なしで、システム・プログラマーが定義したポリシーでアプリケーションのトラフィックを暗号化できるようにすることです。
z/OS V2.1 で、Communications Server は z/OS FTP クライアントに対して 2 つの新しいセキュリティー EXIT をサポートします。これは、FTP でのファイル転送アクティビティーをより詳細に制御できるようにすることが目的です。EZAFCCMD EXIT は、FTP コマンドの検査、変更、拒否、および FTP クライアント・セッションの取り消しを可能にするよう設計されています。EZAFCREP EXIT は、FTP サーバーからの応答メッセージ行の検査、および FTP クライアント・セッションの取り消しを可能にするよう設計されています。
シスプレックス全体にわたるセキュリティー・アソシエーション (SWSA) は、シスプレックス内のすべてのエンドポイントに対するエンドツーエンドのセキュリティーを維持しながら、IPSec で保護されたトラフィックを 並列シスプレックス 経由で配布できるようにすることが目的です。 z/OS V2.1 では、SWSA は IPv6 をサポートするよう機能拡張されました。これは、 並列シスプレックス で IPv6 を使用するときに SWSA の利点を維持することが目的です。
z/OS V2.1 では、ネットワーク・アクセス制御のチェックに使用されるキャッシュのレベルを制御できる構成設定が z/OS Communications Server によって導入されました。キャッシュのレベルの低減により、より多くのネットワーク・アクセス制御のチェックが System Authorization Facility (SAF) に渡されるため、セキュリティー・マネージャー製品が行うアクセス制御チェックの監査がより有意義なものとなります。さらに、 z/OS V2.1 Communications Server では、各ネットワーク・アクセス制御チェックで、外部のセキュリティー・マネージャーに提供されるログ・ストリングに、ユーザーがアクセスを試みる IP アドレスを追加します。
保護フィルタリングが Defense Manager Daemon (DMD) によって使用可能になっている場合に、syslog に書き込まれる保護フィルターのメッセージ数を制限する構成オプションを z/OS Communications Server で提供します。
z/OS V2.1 の Communications Server で、FIPS 140 処理が必要な場合の AT-TLS 機能と同様、IKE デーモンと NSS デーモンに関する拡張診断を提供します。IKED および NSSD 初期化時、および AT-TLS ポリシー・グループのインストール時に、新しいメッセージが ICSF 状況を示します。さらに、IKED および NSSD は、ICSF がアクティブでないときに初期化しないように設計されています。AT-TLS ポリシー・グループは、ICSF がアクティブでないときにはインストールされるものの、非アクティブのままです。
また、Communications Server では、Intrusion Detection Services フラグメント化アタック検出アルゴリズムが機能強化され、小さいパケット・フラグメントがあるネットワークでの誤検知が低減され、IPv6 トラフィックにも適用されます。
システム保全性
IBM は、 z/OS バージョン 2 においても z/OS システム保全性への取り組みをお約束します。
1973 年に最初に発行された IBM の MVS TM System Integrity Statement、および OS/390® と z/OS に対するそれ以降のステートメントは、ほぼ 40 年間、 z/OS オペレーティング・システムに対する IBM の自信と取り組みのシンボルとして存在してきました。
IBM の取り組みには、無許可のアプリケーション・プログラム、サブシステム、およびユーザーが z/OS セキュリティーをバイパスしないようにするため、導入先環境によって許可される場合を除いて、重要な z/OS システムのプロセスとリソースへのアクセス、回避、無効化、変更、または制御権の取得を妨げるための設計と開発の実践が含まれます。具体的には、 z/OS システム保全性は、導入先環境の制御下にあるメカニズムによって許可されていない任意のプログラムが、書き込み保護または取り出し保護の回避または無効化、 z/OS Security Server ( RACF ) によって保護されたリソースへのアクセス、または許可された状態 (すなわち、監視プログラム状態、8 未満の保護キー、または許可プログラム機能 (APF) による許可) での制御権の取得を行うことができないこととして定義されます。 IBM のシステム保全性の問題が報告された場合、 IBM は常にその問題を解決するためのアクションを取ります。
システム保全性に対する IBM の長期にわたる取り組みは業界で唯一であり、システム・セキュリティーにおいて z/OS オペレーティング・システムの業界リーダーシップとしての基盤となっています。 z/OS は、お客様のシステム、データ、トランザクション、およびアプリケーションを不注意による変更または悪意のある変更から保護するように設計されています。これが、 IBM System z が基幹業務ワークロード向けに業界で最も優れたデータ・サーバーであり続ける数々の理由の 1 つです。
管理とユーザビリティーの機能
1 つのタイプのワークロードに合わせて最適化されたプラットフォームとは異なり、 z/OS ワークロード管理の大きな強みは、リソース要求が競合している場合でも、イメージ内およびイメージ間で複数の異なるワークロードを同時に実行できることです。 z/OS V2.1 は、 System z サーバーが 100% もの高い使用率レベルで稼働できるように設計されています。 System z と z/OS では、リソースのワークロードへの割り当てとワークロードのリソースへの割り当てを自動的に行うことで、サービス・レベルを達成するのに役立つ動的ワークロード管理が提供されています。ワークロードのインテリジェントな管理、パフォーマンスの向上、およびリソース割り振りの最適化の機能によって、 z/OS は、要求が厳しく最も優先度の高い処理に対応できます。これらの z/OS 内蔵の管理機能では、効率、可用性、およびスループットを強化しながら、要求が厳しく最も優先度の高いアプリケーションとビジネス・プロセスに対応できることを目的としています。さらに、z/OSMF V2.1 の機能拡張では、ソフトウェア管理アクティビティーの質の向上に役立つ共通プロセスの標準化の支援が計画されています。
例えば、 z/OS V2.1 と z/OSMF には以下の機能拡張があります。
- z/OSMF V2.1 における WebSphere Application Server for z/OS V8.5 の Liberty プロファイルの使用により、リソース要件の大幅な縮小が予定されています。
- z/OSMF V2.1 ソフトウェア管理アプリケーションでは、 z/OS ソフトウェア・インベントリーの管理の向上、およびレポート作成と表示に関する多数の新機能を提供するように機能が拡張されています。
- WebSphere Compute Grid と類似した IBM バッチ・プログラミング・モデルのサポート。標準モデルに沿って Java アプリケーションを作成できるようになり、移植可能性が高まります。
- 新しい ARCH(10) オプションと TUNE(10) オプションにより IBM zEC12 および zBC12 システムの新しい XL C/C++ の命令と機能がサポートされ、zEC12 および zBC12 システム上でのコードの最適化が改善されています。また、Transaction Executionをサポートする新機能は、ロックを削減することでパフォーマンスが向上します。
- JES2 環境の JCL でシンボル処理が改善され、プログラミングの労力の軽減が期待できます。
z/OS V2.1 の最適化と管理の機能をサポートするその他の機能詳細は、次のとおりです。
システム管理
DFSMShsm 高速レプリケーションは、Consistency Group、異なるボリュームへのデータ・セットのリカバリー、および異なる名前のデータ・セットへのデータ・セットのリカバリーのサポートを追加するために機能拡張されました。Consistency Group のサポートによって、 DB2 ユーザーは、ログ・コピー・プールの一貫したバックアップを作成することができます。これにより、大部分の状況で条件付きの DB2 再始動を実行することなく DB2 システムを複製し、システム・リストア時の条件付き再始動の実行を容易にすることができます。異なるボリュームへのデータ・セットのリカバリーのサポートにより、リカバリー中に、1 つ以上のボリュームにデータ・セットをリカバリーできる十分なスペースがなくなったときに発生する可能性があるスペース不足の条件を回避できます。VSAM と非 VSAM の両方のデータ・セットを別々の名前でリカバリーすることがサポートされます。最終的に、RECOVER コマンドを含めて、DFSMShsm リカバリーは、論理ダンプに対する既存のサポートに加えて、フル・ボリューム・ダンプから別々の名前のデータ・セットへの VSAM データ・セット・リカバリーをサポートします。これは、コマンドを使用する前に既存の VSAM データ・セットの名前を変更する必要をなくすことによって、リカバリー・コマンドのユーザビリティーを改善するのに役立ちます。
z/OS V2.1 では、DFSMShsm 処理の 2 つの改善が用意されています。第 1 に、新しい SETSYS コマンドが指定された場合にマルチタスキングのレベルを増やすことで、テープとディスクの両方のデバイスにデータをマイグレーションするときのパフォーマンスを改善するように DFSMShsm が設計されています。この改善は、多数の小さなデータ・セットをテープに移動するときに最大になるものと予想されます。これは、多数の小さなデータ・セットをマイグレーションするときに必要な経過時間を大幅に削減することを目的としています。第 2 に、DFSMShsm でマイグレーションとバックアップに 40 ボリュームという制限がなくなり、最大 254 本のテープ・ボリュームを使用できるようになります。この目的は、より大きなデータ・セットのマイグレーションとバックアップを可能にすることです (特に、仮想テープ・サブシステムに対し、標準的な小さいサイズのテープ・ボリュームを使用するよう構成されている場合)。
z/OS V2.1 では、マウントされたファイル・システム・データ・セットの不要なバックアップを削減するよう、zFS のファイル・システム処理と DFSMSdss に変更が加えられています。この機能は、ファイル・システムが変更されたことを示す標識を設定し、DFSMSdss ダンプ・コマンドのフィルタリングでこれを使用して変更済みのファイル・システムをバックアップし、ダンプ成功後に標識をリセットするように設計されます。
ワークロード・マネージャー (WLM) の次の機能拡張が、 z/OS V2.1 に対して提供されています。
- WLM は、新しいタイプのクラシフィケーション・グループと修飾子のタイプ、および拡張された修飾子のタイプをサポートし、WLM サービス定義でこれらを使用できます。この目的は、サブシステム・パラメーター (SPM) などの修飾子のクラシフィケーション・ルールの定義方法を、他のクラシフィケーション・ルールの定義方法とより整合性が取れたものにして、WLM サービス定義を読みやすくすることです。
- WLM では、最大 3,000 のアプリケーション環境をサポートします (これまでの制限の 999 から増加)。これは、複数のシスプレックスで共通のサービス定義を維持することや、大規模の DB2 環境の拡大をサポートすることを容易にすることを目的としています。大規模な SAP DB2 環境を使用するお客様、または多数のシスプレックスで共通の WLM サービス定義を使用するお客様は、制限の引き上げから利点が得られると期待されます。
z/OS V2.1 では、次に示す RMF の機能拡張が提供されています。
- RMF は、zIIP プロセッサーが、 パラレル・シスプレックス の一部である z/OS LPAR 用にインストールされ構成されている場合、処理の一部を zIIP プロセッサーにオフロードするように設計されています。
- zEC12 および zBC12 システムで、新しい割り込み遅延時間の測定機能が利用可能です。 z/OS V2.1 では、割り込み遅延時間を報告するよう RMF が設計されており、I/O 処理の遅延が発生しているかどうかを判別するのに役立ちます。この新しい測定機能は、1 次状況がチャネル・サブシステムに提示された時から、割り込みの処理を開始するためにオペレーティング・システムが 1 次状況をクリアするまでの時間を計測するよう設計されています。また、 RMF では、この情報を SMF タイプ 74 サブタイプ 1 と SMF 79 サブタイプ 9 のレコードの新しいフィールドに書き込み、割り込みの遅延時間の平均をポストプロセッサー・デバイス・アクティビティー・レポートに表示する予定です。これらの機能は、 z/OS V1.12 および V1.13 (APAR OA39993 の PTF 適用) でも提供されます。
- RMF は、 RMF Monitor I と SMF 74 サブタイプ 5 のレコードで、グローバル・ミラーの衝突に関する追加情報を提供するよう設計されています。グローバル・ミラーの衝突は、Consistency Group のミラーリングの最中に、ボリュームの 1 つで更新が発生したときに起こります。時折、元のデータがミラーリングされるのを更新が待機しなければならず、I/O 書き込みの遅延の原因になることがあります。このサポートは、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA40376 の PTF 適用) でも提供されます。
- RMF の新機能により、Monitor I ポストプロセッサーのカップリング・ファシリティー・アクティビティーのレポート、および Monitor III CFSYS のレポートを使用して、カップリング・ファシリティーと CF リンクに関する追加情報を提供できるようになりました。この設計によって両者が拡張され、Coupling over InfiniBand (CIB) リンク・タイプごとにチャネル・パスの詳細が示されます。これには以下が含まれます。
- CHPID が「機能低下」状態で稼働しているかどうかの表示
- チャネル・パスのタイプ
- HCA アダプター番号とポート番号
- 各リンクの計算により算出された延長距離
この情報は、 並列シスプレックス のモニタリングとチューニングに役立てることを意図したものです。このサポートは、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (APAR OA37826 の PTF 適用) でも提供されます。
- z/OS V1.13 および z/OSMF V1.13 (5655-S28) で、 RMF は、 zEnterprise アンサンブルに一貫性のあるモニタリング・ソリューションを提供するため、 Linux on System z 、 Linux on System x 、および AIX システム用の CIM ベースのパフォーマンス・データ収集プログラムを提供していました。 最初に z/OSMF V1.12 で提供された z/OS Management Facility のためのリソース・モニタリング・プラグインと共に、この機能は上記のプラットフォームからのパフォーマンス・メトリックを表示して、 z/OS のメトリックと組み合わせ、共通のグラフィック表示で示すようになる予定です。 z/OS V2.1 では、新しい SMF 104 レコードを提供することによってこの機能が拡張され、 Linux on System z に加えて、zBX ブレード上で稼働する Linux on System x 、 AIX 、 Windows Server 2008 の各オペレーティング・システムについても、パフォーマンス関連の情報を提供するようになります。これは、 z/OS 関連の SMF レコードによって既に提供されているサポートに加え、zBX ブレード上のこれらのオペレーティング・システムのパフォーマンスとキャパシティー・プランニング管理の基礎を提供できるようにすることを目的としています。 Windows Server のサポートで、Standards Based Linux Instrumentation for Manageability CIM クライアント API ( IBM Systems Director Platform Agent for Windows の一部) が必須になりました。この機能は次の Web サイトでダウンロードできます。
- z/OS V2.1 では、1 MB ページと Flash Express に関して、 RMF レポートの多数の機能拡張が提供されています。 RMF Monitor I のページング・アクティビティー・レポートと仮想ストレージ・アクティビティー・レポート、Monitor I と Monitor II のページ・データ・セット・アクティビティー・レポート、および Monitor III STORM の表示で追加情報を提供し、固定およびページング可能な 1 MB のページと Flash Express の両方の管理に役立ちます。この機能は、Flash Express フィーチャーが IBM zEC12 および zBC12 システムにインストールされ、 z/OS V1R13 RSM Enablement Offering Web Deliverable がインストールされている場合に、 z/OS V1.13 (OA38660 の PTF 適用) でも提供されます。
z/OS V2.1 では、いくつかの OAM の機能拡張が提供されています。目的は、より大きなブロック・サイズをテープでサポートすることによるテープのパフォーマンス向上、オブジェクトの不要バックアップ・コピーの自動削除、より小さなオブジェクト・サイズの OSREQ ストア・シーケンスのサポート、 IBM Tivoli Automated Tape Allocation Manager for z/OS (ATAM、5698-B15) などの製品と OAM の相互処理連携の改善、および CBROAMxx PARMLIB メンバーの新しい SETTLIB コマンド・オプションによるテープ・ライブラリー操作のチューニングです。OAM は、以下のように設計されています。
- OAM のオブジェクトのサポートを利用して、より大きなテープ・ブロック・サイズをサポートします。
- 必要なバックアップ・コピー数がより少ないマネージメント・クラスにオブジェクトが移動されると、オブジェクトのバックアップ・コピーを自動的に削除するよう指定できます。
- すべての磁気テープ装置が利用不可能な場合に、メッセージを発行するまで OAM のオブジェクトのサポートが待機する時間を指定できます。
- OSREQ ストア・シーケンス処理を利用するために必要な最小オブジェクト・サイズを 256 MB + 1 (268,435,457 バイト) から 50 MB + 1 (52,428,801 バイト) まで削減します。
- テープ・ライブラリーのカートリッジ挿入メッセージの発行を、CBROAMxx PARMLIB メンバーの新しい SETTLIB コマンド・オプションを使用して制御できます。
z/OS V2.1 は、IPL 中および IPL 後に、 System z サーバーと zEnterprise サーバーのハードウェア管理コンソールの統合 3270 コンソールを z/OS コンソールとして使用することをサポートします。この機能は、別のバックアップ・コンソールを追加したり、必要に応じて z/OS の LPAR を OSA-ICC 3270 接続なしで操作できるようにしたりすることを目的としています。
z/OS V2.1 では、 z/OS FICON Discovery and Auto Configuration (zDAC) 機能に対して、複数のユーザビリティーとパフォーマンスの向上が提供されています。これには、 FICON チャネルの Dynamic Channel Path Management (DCM) のサポート向上、デバイス番号が逼迫した構成と特定のチャネルにおいて装置アドレス数が逼迫した構成の処理の改善、パス選択をガイドするためにスイッチと CHPID のマップの指定が可能になる新機能、および検出のパフォーマンス向上が含まれます。 z/OS V2.1 では、 z/OS FICON Discovery and Auto Configuration (zDAC) の機能が拡張され、スイッチに接続されたストレージ・デバイスに加えて、直接接続されたストレージ・デバイスを検出できるようになります。これは、スイッチを必要としない小さな I/O 構成で特に役立つことが予想され、そのような環境では z/OS の I/O 定義が簡単になります。
z/OS V2.1 は新しい DISPLAY PPT コマンドをサポートします。このサポートでは、システムが使用中の、現在割り当てられているプログラム属性を表示して、それぞれがシステムのデフォルトの PPT によって設定されたのか、PARMLIB の SCHEDxx メンバーの指定による設定であるのかを確認できるようになります。
z/OS V2.1 では、Communications Server で TCP/IP プロファイルのステートメントの構文を妥当性検査できる新しいコマンドが提供されています。 これは、構成を変更する前に、プロファイルに存在する可能性があるエラーを見つけられるようにすることが目的であり、ネットワークの問題の発生の回避に役立ちます。
z/OS V2.1 Communications Server では、交換回線メジャー・ノードの GROUP 定義でプログレッシブ・モードの ARB を構成できるようになり、Enterprise Extender の構成に柔軟性が増します。また、 z/OS Communications Server は、IPADDR パラメーターが IPv6 アドレスまたは IPv4 アドレスのいずれかを受け入れられるようになって、EE 接続に IPv6 アドレスを構成できるよう拡張されています。
FICON チャネルの Dynamic Channel Path Management (DCM) が z/OS V1.11 で導入され、チャネルとコントロール・ユニットの間の単一の中間 FICON スイッチをサポートしていました。 z/OS V2.1 では、 z/OS で 2 つの中間スイッチを経由する FICON チャネル・パス接続をサポートするよう DCM が拡張されています。これは、特に複数サイトの環境で、より少数のチャネルと光ファイバー接続で FICON I/O 機器を使えるようにすることが目的です。
z/OS V2.1 は、さまざまなチャネル・パスについてコントロール・ユニットの応答時間と入出力速度の相違を検出し、ファブリックに存在する問題の診断に役立つメッセージを発行します。定期的に検査することによってこれらの問題を検出するために、2 つの新しいヘルス・チェックが行われます。また、DISPLAY MATRIX コマンドのサポートは、ファブリックのヘルス関連情報を取得するのに役立つので、問題をより簡単に診断できます。この機能は、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (5694-A01) (APAR OA40548、OA40037、および OA38303 の PTF 適用) でも使用できます。
z/OS V2.1 は、と一定以上のマイクロコード・レベルの DS8700 コントロール・ユニットにおいて、コントロール・ユニットの状態データを中断することなく収集するための新しい DS8700 機能を利用することによって、計画外の Hyperswap が生じる特定のエラーの First Failure Data Capture を改善します。また、追加の診断機能を提供するために SLIP コマンドでコントロール・ユニットの状態データを収集するためのサポートも計画されています。
z/OS V2.1 では、DFSMSrmm で SMS マネージメント・クラスを使用して設定されたテープ・データ・セットの保存期間を指定できるようにするサポートが追加されました。 このサポートは、指定した保存期間から算出される有効期限を自動的に設定することが目的です。また、DFSMSrmm では、EXPDT ベースの保存管理が拡張されるように設計されています。ボリューム・セットか最初のファイルをベースにすることができ、最終使用日を起点に、指定期間に渡ってテープ・データ・セットの非アクティブ状態が経過した後、これを期限切れにすることがサポートされます。
z/OS V2.1 では、TS7700 Virtualization Engine の装置割り振り支援 (DAA) とスクラッチ割り振り支援 (SAA) 機能のサポートを、JES3 が管理するテープ・デバイスに対して提供します。 このサポートは、HCD と JES3 初期化ステートメントで指定された Esoteric 名を使用して、主デバイスのスケジューリング中に JES3 で Composite Library と Distributed Library の「クラスター」を区別できるようにし、TS7700 Virtualization Engine のテープ割り振り要求を満たす最適なデバイスを選択できるようにすることが目的です。
区分データ・セット (PDS)、拡張区分データ・セット (PDSE)、および不定形式レコード・フォーマット (RECFM U) データ・セットをサポートするために、Problem Documentation Upload ユーティリティーの機能が拡張されました。これは、問題診断のために大量の文書データを IBM に送信するときのユーティリティーのユーザビリティー向上が目的です。
CIM サーバーは、新バージョンの OpenPegasus CIM サーバーにアップグレードされます。 また、CIM サーバーのスキーマ・リポジトリーは CIM Schema バージョン 2.31 に、CIM Client for Java はバージョン 2.1.10 に更新されます。これは、 z/OS CIM サーバーとスキーマを、OpenGroup と DMTF の CIM 規格と歩調の取れた最新の状態に保ち、 z/OS 管理アプリケーションでエンタープライズ環境の z/OS を管理できるようにすることが目的です。
アプリケーション開発
z/OS V2.1 XL C/C++ では、zEC12 システムで利用可能な新しい命令である新しい ARCH(10) オプションと TUNE(10) オプションをサポートし、zEC12 および zBC12 システム用にコードが最適化されます。これらのオプションでは、execution-hint、load-and-trap、miscellaneous-instruction-extension、および transactional-execution の各ファシリティーがサポートされます。また、新しいハードウェアの組み込み機能が zEC12 および zBC12 システム上でのトランザクション実行をサポートします。これらの機能を使用して、ソフトウェアのロックを使用せずに、複数のメモリーの更新に 2 フェーズ・コミット処理を提供できるようになります。これらの機能は、 z/OS V1.13 (APAR PM59592、PM59593、PM59589、および PM59595 の PTF 適用) でも、プロトタイピングとテストの目的で使用可能です。
z/OS V2.1 XL C/C++ の機能拡張には次のものがあります。
- また、 z/OS V2.1 XL C/C++ では、9 個の新しいデバッグ・レベル・オプションが導入されます。これにより、最適化とデバッグの容易さとの間でさまざまなトレードオフを行うことが可能になり、高速でありながらデバッグもしやすいコードを生成することが容易になります。
- z/OS V2.1 XL C/C++ は、C11 標準の追加フィーチャーをサポートするように設計されています。これには、複合タイプの作成、静的アサーション、および EXTC1X 言語レベルで機能が戻らないことを示す「does not return」機能属性が含まれます。また、C++11 標準のフィーチャーに対する追加サポートには、明示変換演算子、strongly scoped enum、右辺値参照、および右不等号括弧機能があります。これらの C11 および C++11 機能は、最適化の選択項目を指定し、C および C++ プログラムの作成を容易にし、プログラムの移植性を改善し、デバッグに役立つ標準化された方法を可能にします。
- z/OS V2.1 XL C/C++ は、main 関数と同じセットアップを持つ名前付きの非 main 関数をサポートし、混合アドレッシング・モード (AMODE) でコードのプロシージャー間分析 (IPA) パフォーマンス強化をサポートします。これらの機能拡張は、Metal C アプリケーション開発の柔軟性を向上させ、プログラムのパフォーマンス改善に役立ちます。
- z/OS V2.1 XL C/C++ では INCLUDE コンパイラー・オプションを導入しました。このオプションを使用すると、コンパイルされた各ソース・ファイルの先頭にインクルード・ファイルを挿入することを指定できます。このオプションは、ソース・コードの変更を必要とすることなく、特殊な環境とライブラリー・ヘッダー・パスでプログラムをカスタマイズするのを簡単にします。
- dbx デバッガーは、コンパイラーによって作成された情報に作用します。C および C++ 言語の場合、最適化のプロセスでは、最適化レベルが上がるとソース・コード・レベルのデバッグに使用可能な情報を徐々に少なくするように元のプログラムを変換します。これにより、アプリケーションの保守性とパフォーマンスとのバランスを取るのが困難になる可能性があります。 z/OS V2.1 では、XL C/C++ コンパイラーは、ソース・コード診断の実行を容易にするためにデバッガーが使用する追加情報を提供します。これは、より良いレベルのアプリケーション保守性を保持すると同時に、より高いレベルの最適化を使用できるようにします。
z/OS V2.1 XML System Services は、既存の戻りコードや理由コードに加えて、エラーの解析に関する追加情報を取得するのに使用できる新しい制御オプションをプログラミング・インターフェースに提供します。この新しい情報は、エラーの原因をより簡単に見つけるのに役立ちます。
z/OS V2.1 では、AFP Font Collection for S/390® (5648-B33)、 IBM Infoprint Fonts for z/OS V1.1 (5648-E76)、Compatibility Fonts feature of IBM Print Services Facility V4.4 for z/OS (5655-M32) に組み込まれているフォントが、新しい基本エレメントに組み込まれます。これまで z/OS 環境では提供されず、他のオペレーティング・システム・プラットフォームに対して InfoPrint Font Collection V3.1 の一部として提供されていた World Type フォントや、2 バイトのアジア言語のフォントも組み込まれます。これは、 z/OS の注文にフォントの製品やフィーチャーを含める必要性をなくし、フォントが常時 z/OS システムで必ず提供されるようにすることを目的としています。
JCL の改善点は以下のとおりです。
- JCL からプログラムに対する最大 32,760 バイトの長さのパラメーター・リストの引き渡しのサポート。100 文字を超えるパラメーター・データを任意のプログラムに JCL で渡すことができるように、EXEC ステートメントに新しい PARMDD キーワードがサポートされます。新しい LONGPARM バインダー・オプションを使用すると、APF 許可プログラムがこの新機能を使用できることを指定できます。無許可プログラムでは、変更の必要はありません。この新しいサポートは、中間プログラムを作成せずに、多数のパラメーターをプログラムに渡しやすくすることを目的としています。
- JES2 環境の JCL のシンボル処理の機能拡張。この新機能は、ジョブの実行中に JCL のシンボルとシステム・シンボルの両方が利用可能になるように設計されます。例えば、SYSIN データ・セットなどのインストリーム・データ・セットでシンボルが使用されるように指定することや、新しいプログラミング・サービスを使用してシステムからシンボルを取得するよう指定することができます。このサポートは、シンボルをより使いやすく、アクセスしやすいものにし、複数の環境で JCL の同一のコピーを使用できるようにすることが目的です。
- プログラムのアクセスを含む、他のコンテキストでアクセス可能なエクスポート済みの JCL シンボルの使用のサポート。対応する機能が、 Language Environment で使用可能です。
- 新しい JES から独立した JCL の仕様のサポート。JOB ステートメントの新しい SYSTEM キーワードと SYSAFF キーワードで、 z/OS MVS のシステム名、JES2 MAS のメンバー名、および JES3 のメイン・システム名を指定することができます。両方のジョブ入力サブシステムは、ジョブを適切なシステムに送信するよう設計されています。その他の最新の JCL 関連の複数の改善点と同様に、これらの変更の目的は、JES 固有の Job Execution Control Language (JECL) ステートメントを使用する必要性を減らすことで、両方の 1 次サブシステム (JES2 または JES3) で未変更で実行できる JCL の作成を容易にすることです。
- JES2 で追加されたサポートには、JCLLIB ステートメントの新しい PROCLIB キーワードを使用して JES2 のプロシージャー・ライブラリーの連結をジョブに使用することを指定できるようにするサポート、(ジョブ・レベルとステップ・レベルのデフォルトを指定し、1 つの OUTPUT ステートメントを複数の SYSOUT データ・セットに使用することを指定するのに使用できる) 新しい MERGE キーワードと DDNAME キーワードを使用して OUTPUT 処理を改善するサポート、および JCL エラーの早期の検出を行うためのコンバーター/インタープリター処理の改善 (オプション) のサポートがあります。
- JES3 では、カタログ式プロシージャーと INCLUDE グループでインストリーム・データ・セットをサポートします。これは、DSN キーワードを使用する DD ステートメントによってポイントされるデータ・セットの代わりにインストリーム・データ・セットを使用することで、PROC で使用する JCL を簡略化できるようにすることを目的としています。
- z/OS V2.1 JES2 および JES3 では、バッチ・ジョブの JCL でシステム・シンボルの使用がサポートされます。これは、別々のシステムで実行するときに未変更の形式で使用可能な JCL の作成を容易にするためです。
z/OS V2.1 Language Environment の機能拡張は次のとおりです。
- 単一タスク下における事前初期設定された複数のメイン環境のサポート。これは、ある事前初期設定済み環境のメインルーチンを別の環境から呼び出せるようにして、永続的な事前初期設定済み環境を複数利用することにより、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることが目的です。
- ヒープに損傷を与える可能性があるメモリー・オーバーレイを明らかにするためにプログラマーが使用できる新しいオプションのサポート。要求される各ストレージ域にチェック・ゾーンを付加することを指定できるように、新しい HEAPZONES ランタイム・オプションが設計されています。この機能の設計により、 Language Environment に対し、他の方法では特定困難な問題の検出に役立つデータをプログラムがチェック・ゾーンに格納したこと、あるいはチェック・ゾーン内のデータの格納が無視されることを検出するように指定できます。この新機能は、 Language Environment を使用するアプリケーション・コードのテストに役立つよう意図されています。
- 指定された JCL のシンボルの値に対するプログラムのアクセスを提供するよう設計された、新しい呼び出し可能サービスのサポート。これは、実行中のプログラムに JCL から情報を渡す別の方法を提供することを目的としています。
- Language Environment の C ランタイム・ライブラリーの入出力インターフェースの、ブロック単位でのデータ・セットの読み取り、書き込み、および位置変更のサポート。バイトまたはレコード単位ではなく、ブロック単位でプログラムがデータにアクセスできるようにするのは、ブロック内のデータの操作が必要ない場合のパフォーマンスの大幅な向上が目的です。
- z/OS UNIX システム・サービスの追加のファイル入出力プログラミング・インターフェース。これらのインターフェースは、 UNIX の正式な規格ではありませんが、他の UNIX プラットフォームで実装されており、新しいヘッダー
と共に提供されます。これは、 z/OS と他の UNIX プラットフォームの間のこれらのアプリケーションの移植性を向上することが目的です。 - マルチバイト Unicode エンコード・データをワイド文字データに変換するための新機能のサポート。char16_t および char32_t としてエンコードされているデータと、 z/OS Unicode でサポートされている CCSID との間でこれらの変換を実行するために、4 つの新しい変換サービスが提供されます。
z/OS V2.1 では、メモリー管理サービスが拡張されます。31 ビットのラージ (1 MB) ページのサポートは、追加の許可されたサブプールのサポート、CPOOL のサポート、およびデータ・スペースのサポートを提供するよう設計されています。メモリーの使用量が多い特定の種類のアプリケーションでこの機能を使用すると、メモリー管理の制約が緩和されることにより、システム・パフォーマンスの向上に役立つことが期待されます。また、リアル・ストレージ・マネージャー (RSM) では、IARST64 サービスを使用した 128 KB のブロックの要求がサポートされます。これにより、多数のブロックの取得が必要なプログラムでサービスの呼び出し数を削減することができます。
z/OS V2.1 では、SYSREXX で、TSO/E の下で REXX を使用した場合に利用できる追加機能がサポートされます。CONSOLE ホスト・コマンド環境のサポートにより、SYSREXX exec 内 (システム自動化機能を提供することを目的としたものなど) で、拡張 MCS コンソール・セッションにより、システムおよびサブシステム・コマンドを発行することやメッセージ・トラフィックをモニターすることができるようになります。
z/OS V2.1 では、 IBM System z9 、System 10、および zEnterprise サーバーで、CPC、イメージ、キャパシティー・レコード、アクティベーション・プロファイル、またはイメージ・ユーザー・グループの複数の属性が要求された場合に、照会実行にかかる時間を大幅に削減するよう BCPii が設計されています。BCPii は、HWILIST サービスに対する呼び出しを処理する場合にもこの機能を使用します。これがもたらすパフォーマンス上の利点は、対話式システム管理アプリケーションの場合に最も顕著になると期待されます。
BCPii は System REXX (SYSREXX) API をサポートします。これは、システム管理アプリケーションでの BCPii サービスの使用を容易にすることが目的です。
z/OS V2.1 ではプログラム管理バインダーがオブジェクト・モジュール (GOFF のみ)、制御ステートメント、バインダー API、およびプログラム・オブジェクトに指定された正確な境界合わせをサポートし、プログラム・オブジェクトとロード・モジュールをバインドまたは再バインドするときに、バイト位置合わせから 4K ページ位置合わせまで、2 の累乗すべてに対応します。 これは、プログラマーがコードとデータの構造の最適化を改善して、キャッシュの位置合わせを向上できるようにすることを目的としており、お客様のアプリケーションのパフォーマンス改善に役立ちます。また、バインダーは、シンボル解決処理に関する情報を提供するために新しい SYMTRACE オプションもサポートします。SYMTRACE は、指定されたシンボルに関する追加情報 (どこで定義され、参照されるかや、どのデータ・セットとメンバー、オブジェクト、およびライブラリーが使用されたかなど) を提供します。これは、シンボルが解決された場所や、解決されなかった理由を判別するのに役立ちます。
z/OS V2.1 では、DFSMS で PDSE 世代別データ・セットを構成する世代別データ・グループ (GDG) の使用をサポートします。このサポートは PDS データ・セットの既存の GDG サポートと類似したものであり、PDSE の使用を拡張できるようにすることを目的としています。
DFSORT に複数のユーザビリティーの機能拡張が行われました。DFSORT は、英数字セット (大文字と小文字、および数字) の組み合わせを含む新しい英数字テストを、比較フィールドと解析フィールドの両方についてサポートするよう設計されています。このサポートは、複数の比較条件または PARSE キーワードを使用するのではなく、単一の比較条件または PARSE キーワードを使用してさまざまな文字のセットを指定可能にすることが目的です。また、シンボル処理の機能拡張も使用可能であり、より多くの DFSORT オペランドでシンボルが使用できようになりました。サポートされる解析フィールドの数が、以前の制限の 100 フィールドから 1,000 フィールドに増えました。最後に、可変長出力レコードに最大 50 文字の長さのストリングを追加するよう指定できる新しいサポートが加えられました。
z/OS V2.1 では、JES2 と JES3 の両方で、SSI 80 (拡張状況) の呼び出し元に対する 64 ビットのストレージでデータを戻すことがサポートされます。
z/OS V2.1 では、 WebSphere Compute Grid と類似した、 IBM バッチ・プログラミング・モデルのサポートが導入されました。これは、標準のバッチ・プログラミング・モデルに準拠して Java アプリケーションを作成できるようにし、サポートされる環境の間でこれを移植可能にすることが目的です。
z/OS V1.13 では、多くの z/OS UNIX システム・サービスに多数のコマンドのサポートが追加され、タグ付けされていないテキスト・ファイルを編集して、ASCII でエンコードされたテキスト・データを含むファイルとして処理できるようになりました。 z/OS V2.1 では、追加のコマンドにこのサポートが拡張されました。また、 z/OS V2.1 では、EBCDIC IBM-1047 と ASCII IBM-819 以外のコード・ページ (Unicode コード・ページを含む) がサポートされ、コード化文字セット ID (CCSID) でタグ付けされたファイルを、プログラムで処理可能な、あるいはユーザーが表示可能な CCSID に変換することが可能になります。この新機能は、 z/OS UNIX を使用する場合にテキスト・ファイルの処理を容易にすることを目的としています。
z/OS V2.1 では、 z/OS Unicode の大/小文字変換、照合、文字変換、および正規化のサービスが、Unicode 6.0 の規格に準拠するよう設計されています。
z/OS V2.1 では、3 つの拡張 UNIX コード (EUC) 用日本工業規格 (JIS) (JIS X 0201、JIS X 0208、および JIS X 0212) に対して Unicode のサポートが使用できます。この新しいサポートは、3 つの新しいコード化文字セット ID (CCSID) (17338、21434、および 37818) を追加するよう設計されており、全体として日本語の Unicode のサポートに 83 個の追加の NEC 文字を含めるよう拡張します。また、CCSID 5233 により、インド共和国で使用されるルピーを表す新しい通貨記号もサポートされます。
z/OS V2.1 では、 z/OS UNIX システム・サービスが、多数の UNIX パイプをサポートします。 z/OS UNIX では、以前の制限の 8,730 個が引き上げられ、システム最大値の 15,360 個のパイプをサポートするよう設計されています。
z/OS V2.1 では、XCF で新しいプログラミング・インターフェース IXCNOTE が導入され、アプリケーションで「メモ帳」を作成および削除できるようになります。これは、最大 1024 バイトのアプリケーション・データを含むメモをサポートするよう設計され、接続されているアプリケーションはメモ帳のメモを作成、読み取り、変更、または削除できるようになります。XCF は、カップリング・ファシリティーのリスト構造でメモ帳を作成するよう設計されています。この新しいプログラミング・インターフェースの目的は、アプリケーション・プログラマーのために 並列シスプレックス の柔軟性とユーザビリティーを向上させることです。これは、 z/OS V1.13 (APAR OA38450 の PTF 適用) でも提供されます。
z/OS V2.1 Communications Server では、以下に示す新規の、または拡張されたアプリケーション・プログラミング・インターフェースが提供されます。
- TN3270 サーバーの構成情報を検索できる新しい API。これは、 z/OS CS TN3270 サーバーのベスト・プラクティスへの準拠を検証するネットワーク管理アプリケーションの機能を改良します。
- z/OS FTP サーバーと FTP クライアントの構成情報を検索できる新しい API。これは、 z/OS FTP サーバーとクライアントのベスト・プラクティスへの準拠を検証するネットワーク管理アプリケーションの機能を改良します。
- 複数の独立し 並行した TCP/IP のトレースが可能になる追加のネットワーク管理インターフェース (NMI) のサポート。これは、単一のトレース・データ・ストリームで、リアルタイムのパケット・トレースとデータ・トレースの両方が可能になるよう設計されます。また、適切な RACF の認証を使用して、暗号化解除された IPSec と AT-TLS データを含めることができるようにも設計されています。これらの拡張機能は、追加の機能を提供するために、ネットワーク管理アプリケーションで使用される予定です。
- TCP 接続が終了した場合にのみ完了する同期または非同期の受信ソケット API 呼び出しを、ソケット・アプリケーションから発行できるようにするメカニズム。これにより、非同期または同期通信モデルのいずれか (アプリケーションにとって利点が多い方) を選択しつつ、接続終了イベントに応答する機能が提供され、アプリケーションはパフォーマンスを改善できます。
- IP アドレスのないインターフェースをアクティブにするオプション。これにより、 IBM Rational® Developer for System z フィーチャー (RD&T) などの DHCP クライアントを実装するアプリケーションが DHCP サーバーと通信して、IP アドレスを動的に取得できるようになります。
z/OS V2.1 では、カタログ検索インターフェース (CSI) で、カタログエントリーに関する追加情報を返すために拡張されています。VSAM データ・セットに関し、インデックスとデータのバッファー、インデックス、許可される同時要求の最大数、および VSAM データ・セットのボリューム 1 つ当たりのトラック数についてのより詳しい情報を提供するよう CSI が設計されています。CSI は、SYMBOLICRELATE キーワードを使用して定義されるデータ・セットのエイリアスエントリーに関する追加情報を返します。
DFSMSdfp VSAM SHOWCB マクロは、オープン中の VSAM データ・セットに関する情報を提供します。 z/OS V2.1 では、SHOWCB で、ローカル共有リソース (LSR) と非共有リソース (NSR) に関して、作成されたバッファー数と実際に使用されたバッファー数を返します。この新しいサポートは、例えば LSR バッファー・プール・サイズ変更の必要性をアプリケーション・プログラムが判断できるようにすることを目的としています。
z/OS V2.1 の分散ファイル・サービスでは、パススルー認証のドメイン・コントローラーとして動作する Microsoft Windows Server 2008 に対する SMB のサポートが提供されます。
z/OS V2.1 では、DFSORT で、64 ビットのアドレッシング・モードで実行されるプログラムに対するブロックセットのソートのサポートが提供されます。この新しい機能は、64 ビットでアドレス指定されたレコードを処理するため、E15、E35、または E32 のexitを使用する DFSORT アプリケーションに対して新しいパラメーター・リストを使用することで可能になります。 DFSORT の 64 ビットのアドレス指定のサポートにより、DFSORT を呼び出して特定のソート操作を行うプログラムのストレージ制約が軽減されることが期待されます。
z/OS V2.1 では、Extended Status SSI にならって, 新しい JES2 Job Modify Subsystem Interface (SSI) が作成され、APF 許可のないプログラムにおいて、ジョブの取り消し、保留、パージ、解放、およびジョブ・クラスの変更が可能になります。 RACF JESJOBS クラスの新しいプロファイルを使用して、ユーザーがこれらの機能の使用を許可されているかどうかを判別します。これは、ジョブ管理のためのを簡単な方法を可能にすることで Extended Status SSI の機能を補完し、非許可プログラムを使用して追加の自動化を実行できるようにすることが目的です。
z/OS V2.1 では、JES3 で ENF 70 イベントをサポートして、ジョブ、開始済みタスク、および TSO/E ユーザーを、その処理中に状態が変更されたことを示すことで追跡できるようになります。例えば、ジョブが処理中、処理完了、またはパージされている可能性があります。このサポートは、サブシステム・インターフェース (SSI 80) の呼び出しを繰り返し使用しなくても、プログラムがジョブ状況をモニターできるようにすることを目的としています。
z/OS V2.1 では、TSO/E で、EXECIO、LISTDSI、および STORAGE に対する多数の REXX の機能拡張を提供し、オペレーティング・システムのレベルを示す新しい変数を提供します。これらの機能拡張が目的としているのは、拡張アドレッシング・ボリューム (EAV) の拡張アドレッシング・スペース (EAS) に存在するデータ・セットや、マルチボリューム、PDSE、および連結の各データ・セットに関する情報の容易な取得、未定義のスパン・レコード形式のデータ・セットに対する入出力のサポート、EXECIO の使い勝手の向上、および LISTDSI から RACF などの外部のセキュリティー・マネージャーへの不要な呼び出しの削減です。
z/OS V2.1 では、新しい許可 HISSERV サービスにより、 IBM System z10 サーバーと zEnterprise サーバーで使用できる CPU Measurement Facility から収集された Hardware Instrumentation Services (HIS) のデータが、同一システム上の複数の利用者に提供されます。また、新しいソフトウェア・ベースのカウンター・データも提供される予定です。この新しいサービスは、カウンター・データをサンプリングするプログラムの作成を容易にすることが目的です。
簡素化とユーザビリティー
z/OSMF V2.1 を備えた z/OS V2.1 では、次のような多数の機能拡張が提供されます。
- z/OSMF は、 IBM WebSphere Application Server for z/OS V8.5 の Liberty プロファイルを使用するように設計されています。これにより、z/OSMF における CPU リソースとメモリー・リソースの要件の大幅な低減が期待されます。
- ソフトウェア管理アプリケーションでは、 z/OS ソフトウェア・インベントリーの管理に役立つように機能拡張されます。この新機能では、利用可能な多数の新しいレポート作成機能と表示機能を提供する予定です。その中には、カタログ・エントリー、ボリューム・レジデンシー、およびデータ・セットの内容による SMP/E のインベントリー情報のクロスチェック、インストール済みの製品に関するサービス終了情報の取得と表示、サービス・レベル (PTF) 管理に役立つ多数のレポート作成機能、およびソフトウェア・デプロイメント・アプリケーションを利用して作成されたソフトウェア・インスタンスの位置と内容の表示機能が含まれます。これらの新機能はシステム・ソフトウェアの管理が一層容易になるよう設計され、 z/OS V1.13 (APAR PM73833 の PTF 適用) でも提供されます。
- 新しい z/OSMF ワークフロー・アプリケーションは、 z/OS の構成を簡素化するために、利用者が機能のセットアップ・タスクの構成支援を提供できるように設計されています。このアプリケーションは、 システム・プログラマー や セキュリティー管理者 などの特定の役割に割り当てられた多数の定義済みユーザーの間でタスクを割り振り、セットアップ・タスクを完了できるように設計されています。
- z/OSMF リソース・モニタリング・アプリケーションは関連対象の WLM アプリケーションにリンクし、WLM アプリケーションもリソース・モニタリング・アプリケーションにリンクします。この機能は、 z/OS V1.13 および z/OSMF V1.13 (APAR PM74517 および APAR PM74508 の PTF 適用) でも提供されます。システム状況タスクは WLM にリンクして z/OS システムを表すリスト項目を取得し (サービス定義およびアクティブな WLM ポリシーへのリンクなど)、WLM アプリケーションはシステム状況タスクにリンクします。これは、パフォーマンスのモニタリングと管理の簡素化が目的です。
- z/OSMF V2.1 では、キャパシティー・プロビジョニング・アプリケーションの機能拡張が Microsoft Windows 用の Capacity Provisioning Control Center (CPCC) を置き換えるよう設計されています。CPCC は、 z/OS V2.1 で削除されています。この機能は、 z/OS V1.13 と z/OSMF V1.13 (APAR PM74519 の PTF 適用) でも提供されます。また、z/OSMF キャパシティー・プロビジョニング・アプリケーションは、ドメイン構成とポリシーの作成、編集、およびインストールを行えるように機能拡張されています。既存のレポートは、CP、zIIP、および zAAP の各プロセッサーに加え、IFL プロセッサーと SAP プロセッサーもサポートするよう拡張されています。これらの新しい機能では、z/OSMF 内のキャパシティー・プロビジョニングのユーザビリティーの向上、および Microsoft Windows ベースの Capacity Provisioning Control Center (CPCC) で利用できるすべての機能のサポートが予定されています。
- z/OS V2.1 で稼働する z/OSMF V2.1 が更新され、ワークロード管理アプリケーション、リソース・モニタリング・アプリケーションおよびキャパシティー・プロビジョニング・アプリケーションが更新されるとともに、 z/OS コンポーネントで提供されている機能がいくつか提供されるようになっています。z/OSMF V2.1 と z/OS V2.1 Communications Server の機能連携は、 Microsoft Windows 用のバージョンを置き換える、 IBM Configuration Assistant for z/OS Communications Server の新設計バージョンを提供します。このバージョンは、CPU 使用量の削減に役立ち、追加のポリシー・ベース・ネットワーキング機能の構成をサポートし、他の z/OSMF 機能のルック・アンド・フィールとの整合性が増しています。
- z/OS V2.1 (z/OSMF V2.1 付き) では、 z/OS Jobs REST インターフェースが機能拡張され、データ・セットと z/OS UNIX ファイルからのジョブのサブミット、ジョブ完了時における非同期の通知 (オプション)、サブミットされるジョブに対する JCL シンボルの引き渡し、および JES2 スプールで固有のジョブ関連子 (オプション) のサポートが追加されます。これらの拡張機能は、分散環境への z/OS バッチ・サービスの拡大、既存の JCL の再利用、およびジョブ完了の検出を容易にすることを目的としています。
- z/OSMF V2.1 は、以下に対する新たなブラウザーとオペレーティング・システムのサポートを提供するように設計されています。
- 32 ビット・バージョンの Microsoft Windows XP オペレーティング・システム、および 32 ビットと 64 ビットの両バージョンの Windows 7 オペレーティング・システムにおける Firefox ESR 17
- 64 ビット・バージョンの Microsoft Windows 7 オペレーティング・システムにおける 32 ビットと 64 ビットの両方の Microsoft Internet Explorer 8 ならびに 9 ブラウザー
- 32 ビット・バージョンの Microsoft Windows 7 オペレーティング・システムにおける 32 ビット Microsoft Internet Explorer 8 ならびに Internet Explorer 9 ブラウザー
- Microsoft Windows XP オペレーティング・システムにおける 32 ビット Microsoft Internet Explorer 8
z/OS V1.13 および z/OSMF V1.13 (5655-S28) で、 RMF は、 zEnterprise アンサンブルに一貫性のあるモニタリング・ソリューションを提供するため、 Linux on System z 、 Linux on System x 、および AIX システム用の CIM ベースのパフォーマンス・データ収集プログラムを提供していました。 最初に z/OSMF V1.12 で提供された z/OS Management Facility のためのリソース・モニタリング・プラグインと共に、この機能は上記のプラットフォームからのパフォーマンス・メトリックを表示して、 z/OS のメトリックと組み合わせ、共通のグラフィック表示で示すようになる予定です。 z/OS V2.1 では、新しい SMF 104 レコードを提供することによってこの機能が拡張され、 Linux on System z に加えて、zBX ブレード上で稼働する Linux on System x 、 AIX 、 Windows Server 2008 の各オペレーティング・システムについても、パフォーマンス関連の情報を提供するようになります。これは、 z/OS 関連の SMF レコードによって既に提供されているサポートに加え、zBX ブレード上のこれらのオペレーティング・システムのパフォーマンスとキャパシティー・プランニング管理の基礎を提供できるようにすることを目的としています。 Windows Server のサポートで、Standards Based Linux Instrumentation for Manageability CIM クライアント API ( IBM Systems Director Platform Agent for Windows の一部) が必須になりました。この機能は次の Web サイトでダウンロードできます。
注: z/OS クラシック・インターフェースのもとで表示される z/OSMF V1.13 レベルの ISPF タスクは、 z/OS V2.1 ではサポートされません。ただし、この機能は、 z/OS V2.1 上で稼働する z/OSMF V2.1 では利用可能です。
z/OS V2.1 Allocation および TSO/E は、ユーザー認証の失敗以外のいくつかの理由でログオンの試行が失敗したときに追加情報を提供するよう設計されています。この情報は、ログオン失敗の理由の特定と解決を容易にすることが目的です。
z/OS V1.12 では、JES2 環境で同じ TSO/E ユーザー ID を使用してシスプレックス内の複数のシステムにログインできるように、JESXCF コンポーネントが変更されました。 z/OS V2.1 では、このサポートを JES3 環境にも拡張するようにシステムが設計されています。
z/OS V2.1 では、TSO/VTAM で TPUT EDIT マクロ命令に対する英字拡張文字の変換をサポートします。
カタログ parmlib メンバー (IGGCATxx) が z/OS V1.13 で導入されました。 z/OS V2.1 では、DFSMSdfp が拡張され、その他の Modify Catalog コマンド・パラメーターに対するパラメーターの追加や、IPL 処理中の初期では不要な中核データ・セットの SYSCATxx メンバー、または SYS1.IPLPARM データ・セットや SYS1.PARMLIB データ・セットの LOADxx メンバーで現在行われている複数の追加の指定に対するパラメーターの追加が行われます。これらの機能拡張は、カタログ処理のオプションの指定を容易にすることが目的です。
z/OS V2.1 では、同じハードウェア管理コンソールで制御される IBM System z9 、 System z10 、および zEnterprise の各サーバー上で z/OS V1.12 および z/VM® V5.4 (5741-A05) 以降のリリースが稼働するすべての LPAR にわたって、単一システムからの動的な I/O 構成の変更が HCD でサポートされます。現在のサポートに対するこの拡張により、同じ パラレル・シスプレックス 内にある、1 つのサーバー上のすべての LPAR に対する動的な I/O 構成の変更が可能になります。これは、これらの変更を行うために対話する必要があるシステムの数を減らすことにより、システム・プログラマーの生産性を向上させることが目的です。
z/OS V2.1 SDSF は、複数のユーザビリティーの改善を取り込むように設計されています。これには、SDSF Filter コマンドでのシステム・シンボルの利用へのサポート、印刷サポートの改善、セキュリティー・アクセスのトレース、JES 複合システムのスコープにシスプレックス表示を制限する機能があります。また、SDSF は、1 つの表示で最大 10 列のソートもサポートします。
z/OS V2.1 では、Infoprint Server において、AOP 環境変数の多数のカスタマイズ設定を、プリンター・インベントリーに格納される設定 (Infoprint Server のプリンター・インベントリー・マネージャーで管理可能) へ移動することができます。これは、これらの設定の検証と変更を容易にし、変更を有効にするために Infoprint Server を再始動する必要をなくすことが目的です。Infoprint Server で aopd.conf ファイルのほとんどの属性を、プリンター・インベントリーに格納されている情報で置き換えます。これは、Infoprint Server の ISPF アプリケーションを利用して、システム管理者やプリンター管理者のほとんどのタスクを実行できるようにすることが目的です。 z/OS V2.1 では、Infoprint Server で、ジョブ・アカウンティング情報を SMF タイプ 6 レコードに追加します。これは、これらのレコードを処理するジョブ・アカウンティング・プログラムとチャージバック・プログラムの作成を容易にすることが目的です。
z/OS V2.1 では、SMP/E で、一度に複数の ISPF 論理画面を利用して SMP/E ダイアログが利用可能になります。これは、CSI データ・セットとゾーンを同時に読み取るために、および更新するのに CSI データ・セットごとに 1 つの論理画面を使用するために、任意の数の論理画面をサポートします。これは、SMP/E ISPF のダイアログのユーザビリティーの向上を目的としています。
z/OS V2.1 では、 z/OS V1.13 に導入された DFSMS の機能が拡張されました。これは、多数の DFSMS の異常終了に対する説明のテキストをジョブ出力に含めることを指定できるというものです。これにより、これらのエラーの理由をより迅速に判別することが容易になります。この機能は、 z/OS V1.13 (APAR OA37505 と OA37957 の PTF 適用) でも提供されます。また、DISP=MOD を使用した非 SMS 管理データ・セットのオープン処理が、SMS 管理データ・セットの処理と一貫性の取れたものになります。
z/OS V2.1 ISPF の機能拡張は次のとおりです。
- ISPF View と Edit では、ASCII と EBCDIC エンコードの既存のサポートに加えて、Unicode でエンコードされたデータ・セットと z/OS UNIX システム・サービス・ファイルの表示と編集を行うことができます。これにより、Unicode エンコード・データの操作時に文字変換を実行する必要がなくなります。
- ISPF Edit は以下のものをサポートします。
- COMPARE コマンドでより長いデータ・セット名を使用することと、ボリューム通し番号を指定すること。したがって、編集中のデータ・セットを、カタログされていないデータ・セットと比較できるようになります。これは、Edit Compare のユーザビリティーの向上を目的としています。
- 255 バイトの長さの拡張可能コマンド・フィールド。これは、既存の編集パネルのフィールドには収まらない長いエディター・コマンドを、ポップアップ・パネルを使用して入力できるようにすることが目的です。 z/OS V2.1 では、edit HILITE コマンドが機能拡張され、JCL ステートメントでの小文字の無効な使用を強調表示できるようになります。
- FIND コマンドと CHANGE コマンドに対して引数として指定できる正規表現。
- 外部データのエンコードを指定できるようにするための外部データ・コマンド。これは、エディターで外部データを元のエンコードから指定されたエンコードに変換することが目的です。例えば、CUT コマンドを使用して、ASCII データを含むファイルからのデータを、EBCDIC データとしてクリップボードに格納することができます。
- 拡張 TIOT (XTIOT) を使用したデータ・セットのサポート (EDIT、BROWSE、LMINIT、および LIBDEF を含む ISPF サービスによって動的に割り振りおよび処理される場合)。
- 拡張メンバー・リスト機能の改良。この機能は、TSO/E コマンド、CLIST、または REXX exec を入力して特定のメンバーに対して実行するために使用される場合に、コマンド、CLIST、または exec への追加情報の引き渡しをサポートするよう設計されています。また、 z/OS UNIX の ISPF ディレクトリー・リストの表示における、メンバー・リストの表示で使用可能なものと類似の SRCHFOR コマンドがサポートされます。このコマンドは、現在表示されているディレクトリーにあるすべての通常ファイルのデータ・ストリングを検索できるように設計されています。類似の機能が、UDLIST コマンドと DIRLIST サービスに利用可能です。
- SWAPBAR コマンドの柔軟性とユーザビリティーの拡張。
- ISPF を起動したときに複数の論理画面を作成することのサポート。また、ISPF を終了するときの、複数の論理画面の同時終了もサポートされます。
- ブラウズ、編集、表示、メンバー・リスト、およびデータ・セット・リストの表示をスクロールする場合の、9,999 行を超える数値のスクロール移動量のサポート。
- z/OS UNIX ディレクトリー・リスト・ユーティリティーは、パス名のマスクを入力して、そのマスクと一致するパス名を持つファイルのみを表示することをサポートするようになりました。また、これは、データ・セット・リスト・ユーティリティーのブロック行コマンドのサポートと類似した方法でブロック行コマンドの入力をサポートします。このユーティリティーのもう 1 つの機能拡張では、ディレクトリー・リストのコマンド・フィールドに以前に入力された z/OS UNIX コマンドを保存するので、以前に入力した z/OS UNIX コマンドを簡単にリコールして実行することができます。
- 現在の制限の 99,999 を超えるメンバー・カウント値を表示する拡張 ISPF メンバー・リストの表示。
- MEMLIST サービスに対する新しい DEFAULT キーワード・オプションのサポート。これは、MEMLIST サービスを呼び出すアプリケーションが、ユーザーが「S」行コマンドを入力したときに呼び出す行コマンドを定義できるようにします。
- マルチボリュームのデータ・セットで未使用のスペースを解放する、データ・セット・リスト・ユーティリティーの「F」行コマンドのサポート。
- UDLIST コマンドの小文字のパス名のサポート。これにより、コマンド・フィールドに入力したデータの自動的な大文字化を抑止し、小文字のパス名を UDLIST コマンドで処理できるようになるため、コマンドのユーザビリティーが向上します。
z/OS V2.1 では、ヘルス・チェッカーのアドレス空間が IPL 時に開始されます。また、新しいシステム・パラメーター HZS のサポートにより、IEASYSxx parmlib メンバーでヘルス・チェッカー・パラメーターに HZSPRMxx メンバーを使用するよう指定できます。これにより、ヘルス・チェックによって提供される情報が利用可能になり、ヘルス・チェッカーのセットアップが簡素化されます。また、次のような複数の新しいヘルス・チェックが利用可能です。
- RACF には、複数の新規または拡張ヘルス・チェックがあります。これらの詳細は、 セキュリティーに対応 セクションにあります。
- RACF_SENSITIVE_RESOURCE ヘルス・チェックは、追加リソースを検査するためのものです。
- 新しいチェックは、 RACF データベースがアプリケーション識別マッピング (AIM) ステージ 3 に推奨どおりにアップグレードされたかを判別します。
- 新しいチェックは、OMVS セグメントを持たないユーザーが特定の UNIX サービスを使用する場合に、 RACF が固有の z/OS UNIX システム・サービスの ID を自動的に割り当てるかどうかを判別します。
- 新しいチェックは、1 つ以上の鍵リングに接続している信頼証明書で、指定された期間内に有効期限が切れる予定であることを検出します。
- 拡張タスク I/O テーブル (XTIOT) が非 VSAM データ・セットに対して使用可能であるかを判別し、使用できない場合は警告するようにヘルス・チェックが設計されています。XTIOT は 16 MB 境界より下の仮想ストレージの制約緩和 (VSCR) を提供するため、XTIOT の利用をお勧めします。
- ヘルス・チェックは、仮想ルックアサイド機能 (VLF) によって使用されている仮想ストレージの量の管理に役立ちます。これは、VLF でキャッシュされたデータの最小経過期間の指定、およびキャッシュされた時間オブジェクトがその最小値を下回った場合の通知を指定できるよう設計されています。これは、parmlib の COFVLFxx メンバーで指定されるオブジェクトの各クラスの MAXVIRT パラメーターに対して最適な設定を選択できるようにして、システム全体のパフォーマンスを向上させることが目的です。
- 3 つの新しいヘルス・チェックは、利用可能のままになっているために、性能低下を発生させている可能性がある診断機能の検出に役立ちます。1 つ目は、システム・トレース・テーブルのブランチのトレースが長時間アクティブ状態である場合に警告を出し、2 つ目は、モードのトレースで同様の警告を出し、3 つ目は長時間実行している PER SLIP トラップに関する警告を出します。これらの機能は、問題判別に必要な場合もありますが、システム全体のパフォーマンスを低下させる可能性があります。
- IBM は、共有ボリュームとカタログを使用する場合のカタログ関連のデッドロックを回避するために、グローバル・リソース・シリアライゼーション・リソース名リスト (GRS RNL) で指定する内容について、特定の推奨を行っています。カタログ・ヘルス・チェックは、推奨に従わない RNL が原因でデッドロック状態が発生する可能性がある場合に警告します。
z/OS V2.1 では、DISPLAY MATRIX=CONFIG および CONFIG CPU コマンドに対する新しいサポートを使用すると、構成内のアクティブなプロセッサー (CP、zAAP、および zIIP) が予期したタイプと数であるか検証できるようになります。これは、CPU 関連の構成エラーの検出を容易にすることが目的です。
z/OS V2.1 の z/OS DFSMS と割り振り処理は拡張され、世代別データ・セット (GDS) 名が世代番号なしで指定された場合に、最も古いものから最も新しいものの順序で世代別データ・グループ (GDG) のすべてのメンバーを返すよう指定できるようになります。DD ステートメントの新しい GDGORDER キーワードは、GDG のすべてのメンバーを、レコードのソートなしで日時順に処理できるようにすることを目的としています。
z/OS V2.1 では、 Tivoli System Automation (5698-SA3) の I/O 操作が利用できない場合に、新しい IOS システム・サービスを使用して IODF の妥当性検査を実行するよう HCD が設計されています。これは、最小レベルの妥当性検査レポートを提供することが目的です。
z/OS V2.1 では、機能が追加された新しいトラッキング・ファシリティーによってトラッキング・ファシリティー ( コンソール ID トラッキング・ファシリティー 、および EAV マイグレーション支援トラッカー とも呼ばれていた) が置き換えられます。例えば、多くのマイグレーション・アクションでは、特定のシステム機能が使用中であるか判別する必要があります。この新しいファシリティーは、利用者が単純な方法を利用して、自分のコード内からトラッカーを呼び出せるようにすることが目的であり、各システムで特定の機能が使用中であるかどうか容易に判別できるようになります。また、トラッキングされている機能が使用中かどうかをヘルス・チェックなどの他のプログラムから判別できるようにする、プログラミング・インターフェースがあります。この新しいトラッカーは、新しいプログラミング・インターフェースを使用した場合、コンソール・トラッカー (CNZTRKR) より多くの情報を返すよう設計されます。CNZTRKR インターフェースを使用した既存のコールは、この新しいファシリティーに自動的に経路指定され、トラッキング情報を提供するオペレーター・コマンドが提供されています。
z/OS V2.1 Library Server は、拡張ブックシェルフで定義される文書に加えて、集合の一部である PDF 文書にクロス PDF 検索機能を拡張するように設計されています。これは、検索可能な文書の集合の定義をより簡単にします。さらに、Infocenter の索引作成機能が再設計されて、索引の作成と使用の両方のパフォーマンスを改善し、事前に索引が作成された Infocenter をサポートします。
zEnterprise EC12 (zEC12) および BC12 (zBC12) システムに対する z/OS サポート
z/OS V2.1 では、 IBM zEC12 および zBC12 フィーチャーと機能を多数活用しています。例えば、Flash Express、ハードウェアのトランザクション・メモリー、向上したチャネルのロード・バランシング、新しい I/O 処理の遅延の計測、カップリング・ファシリティーのライト・アラウンドのサポート、および単一の LPAR における 100 ウェイのシンメトリック・マルチプロセッシング (SMP) のサポートなどです。適切な修正カテゴリーを使用して現行の HOLDDATA および SMP/E REPORT MISSINGFIX コマンドを使用すると、現行の z/OS システムで必要な PTF を特定できるようになります。このサポートのいくつかは、 z/OS V1.12 以降のリリース (PTF 適用)、および Lifecycle Extension for z/OS V1.10 (5656-A01) または Lifecycle Extension for z/OS V1.11(5657-A01) を使用した z/OS V1.10 と z/OS V1.11 (PTF 適用) でも提供されます。
z/OS での Flash Express の利用は、マーケットの開始などの経過的なワークロード・イベントや、診断データの収集で、Flash Express を使用した場合のシステム可用性と応答の向上に役立つことを目的としています。さらに z/OS は、 IMS などのミドルウェアをサポートし、ページング可能なラージ・ページ (1 MB) を利用することによって プロセッサーのパフォーマンスが向上します。以下に対応しています。
- ランタイム・オプション PAGEFRAMESIZE を指定して使用する場合の z/OS V1.13 Language Environment 、および PAGEFRAMESIZE と PAGEFRAMESIZE64 オプションを指定して使用する場合の z/OS V2.1。
- IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition V7.0.0 (5655-W43)、および IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition V7.0.0 (5655-W44) の Java 。 Java について詳しくは、 開発意向表明 セクションを参照してください。
- IMS Common Queue Server。 IMS 12 (5635-A03) を APAR PM66866 の PTF 適用で実行する場合に、選択されたバッファーに対してページング可能なラージ・ページを使用するように設計されています。
Flash Express の利用は、 z/OS V1R13 RSM Enablement Offering Web 配布物によっても可能です。
z/OS V2.1 では、ミドルウェアで 2 GB のページを利用可能にすることで、プロセッサーのパフォーマンスを向上できるようにする予定です。 IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W43) および IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W44) に対応します。このサポートと共に、 z/OS でページング可能なリンク・パック域 (PLPA) と共通ページ・データ・セットをオプションにし、クイック・スタートとウォーム・スタートの IPL でのみ使用します。このサポートは、 z/OS V1R13 RSM Enablement Offering Web Deliverable および APAR OA40967 の PTF を適用した z/OS V1.13 にも使用できます。
zEDC Express アダプターを実装した zEC12 および zBC12 システムで実行される、 z/OS の新しい有償オプション・フィーチャーである zEnterprise Data Compression (zEDC) for z/OS V2.1 は、新しいデータ圧縮機能をサポートします。この機能は、大幅な CPU のオーバーヘッドなく、遅延が少ない高性能の圧縮を提供します。当初、 z/OS は、ログ・ストリームに書き込まれる SMF データが圧縮されることを指定できるように設計されています。これにより、SMF データのストレージ要件を減らし、SMF データの書き込み用の SMF およびシステム・ロガーの CPU 消費量を減らします。zEDC のさらなるサポートも計画されています。出荷開始予定日については、 開発意向表明 セクションを参照してください。SMF ダンプ・プログラム IFASMFDL で対応するサポートは、ハードウェア・ベースとソフトウェア・ベースの両方の圧縮解除をサポートし、ソフトウェア・ベースの圧縮解除サポートは、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (5694-A01) (APAR OA41156 の PTF 適用) で利用可能です。この新しい機能は、ハードウェア圧縮が有効であるときに SMF データの書き込み速度上昇を可能にします。ハードウェア圧縮に対する RMF サポートには、SMF タイプ 74 サブタイプ 9 レコード、およびシステム上の圧縮アクティビティーに関する情報を提供するための新しい Monitor I PCIE Activity レポートがあります。
z/OS V2.1 は、業界標準の zlib ライブラリーを備えています。これは、データの圧縮と圧縮解除のための標準準拠のクロスプラットフォーム・アクセスを提供します。このバージョンのライブラリーは、zEDC Express への圧縮要求と圧縮解除要求の送信をサポートします。 z/OS が提供する zlib ライブラリーは、zlib を現在使用している IBM 、ISV、またはお客様のアプリケーションに静的にリンクできる UNIX アーカイブ・ファイルとして提供されます。このため、zEDC Express を使用した圧縮の追加利用が可能になり、潜在的な圧縮の機会を広げます。
zEC12 および zBC12 システム上の z/OS V2.1 (CFLEVEL 19) では、XCF および XES は、パフォーマンスを改善した複数の本番環境で共有エンジン・カップリング・ファシリティーの使用を可能にします。これは、十分なパフォーマンスを実現するのに専用のカップリング・ファシリティー (CF) エンジンを必要とする環境の数を減らすことによって、 パラレル・シスプレックス を複数の環境にコストを削減して実装できるようにするためのものです。さらに、最小の MCL を使用する zEC12 および zBC12 システムで提供される新しい一連の割り込みが、 z/OS で使用されます。これは、非同期カップリング・ファシリティー操作を処理し、特定の CF イベントを認識するときに、XCF および XES の処理オーバーヘッドを減らし、パフォーマンスを改善するのに役立ちます。このサポートは、 z/OS V1.12 および V1.13 (APAR OA38734 と OA38781 の PTF 適用) でも提供されます。
zEC12 または zBC12 システム (CFLEVEL 19) で実行される z/OS V2.1 は、エンタープライズ・メッセージング・ワークロード・スパイクの回復力を強化するために、 IBM WebSphere MQ for z/OS バージョン 7 (5655-R36) などの特定のカップリング・ファシリティー・リストストラクチャーに対する Flash Express をサポートする計画です。詳しくは、 開発意向表明 セクションを参照してください。
z/OS V2.1 および zEC12 と zBC12 システム (10 GbE RoCE Express フィーチャーを備えた) は、新しい通信プロトコルである Shared Memory Communications-RDMA (SMC-R) をサポートします。この新しいプロトコルは、ソケット・アプリケーションからは意識されない方法で、RoCE (RDMA over Converged Ethernet) を介して TCP エンドポイントに RDMA 通信を提供することによって、遅延が少ない高帯域幅のサーバー間接続を提供します。これは、Open Systems Adapter (OSA) を使用した標準の TCP/IP 通信と比較して、パフォーマンスの重要な恩恵をもたらします。 RMF は、新しい SMF 74 サブタイプ 9 レコードでチューニングとキャパシティー・プランニング用の測定データを収集し、それらを新しい RMF Postprocessor PCIE Activity レポートに表示します。
z/OS V2.1 では、本番環境で zEC12 および zBC12 サーバーのハードウェア・トランザクション・メモリーに対する完全なサポートが提供されます。 IBM 31-bit and 64-bit SDK for z/OS Java Technology Edition、バージョン 7 (5655-W43 および 5655-W44) に対して、初期の本番レベルのサポートが提供され、zEC12 および zBC12 サーバー上の z/OS V1.13 (PTF 適用) で導入されました。また、XL C/C++ および High Level Assembler (HLASM) サポートも、コードの開発とテストのために z/OS V1.13 (PTF 適用) で導入されました。 z/OS V2.1 は、本番環境で Java 、XL C/C++、 IBM Enterprise COBOL for z/OS 、V5.1 (5655-W32)、HLASM、およびその他の利用者のためにハードウェア・トランザクション・メモリーの使用をサポートします。
IBM zEnterprise EC12 および BC12 (zEC12 および zBC12) サーバーには、向上したチャネル・ロード・バランシング・アルゴリズムが実装されています。このアルゴリズムは、異常事態が発生した場合でも、チャネル・サブシステム間でより一貫性のある入出力速度を実現して入出力の応答時間の短縮を図れるように設計されています。この新機能のサポートで、 z/OS V2.1 は、初期コントロール・ユニット・コマンドの応答時間ではなく、入出力速度ベースのメトリックに基づく、更新されたヘルス・チェックを提供する予定です。
RMF の新機能により、Monitor I ポストプロセッサーのカップリング・ファシリティー・アクティビティーのレポート、および Monitor III CFSYS のレポートを使用して、カップリング・ファシリティーと CF リンクに関する追加情報を提供できるようになりました。この設計によって両者が拡張され、Coupling over InfiniBand (CIB) リンク・タイプごとにチャネル・パスの詳細が示されます。これには以下が含まれます。
- CHPID が「機能低下」状態で稼働しているかどうかの表示
- チャネル・パスのタイプ
- HCA アダプター番号とポート番号
- 各リンクの計算により算出された延長距離
zEC12 および zBC12 (zEC12 および zBC12) サーバーで利用可能な新しい割り込み遅延時間の計測方法は、 z/OS V2.1 RMF でサポートされます。これは、割り込みの遅延時間を報告するよう設計され、I/O 処理の遅延が発生しているかどうかの判別に役立ちます。この新しい測定機能は、1 次状況がチャネル・サブシステムに提示された時から、割り込みの処理を開始するためにオペレーティング・システムが 1 次状況をクリアするまでの時間を計測するよう設計されています。また、 RMF では、この情報を SMF タイプ 74 サブタイプ 1 と SMF 79 サブタイプ 9 のレコードの新しいフィールドに書き込む予定です。このサポートは、 z/OS V1.12 または z/OS V1.13 および APAR OA39993 の PTF でも提供されます。
z/OS V2.1 は、zEC12 または zBC12 サーバー (CFLEVEL 18) で稼働する IBM DB2 11 for z/OS (5615-DB2) が、パラレル・シスプレックスのカップリング・ファシリティーにキャッシュすることなく、バッチ処理された更新をディスクに直接書き込むことを可能にする新機能を利用できるようにする計画をサポートします。これは、オンラインのトランザクションで使用されるキャッシュのデータをより新しいものに保つことを目的としており、バッチ更新期間中のパフォーマンスの向上に役立つことが期待されます。また、これは大量のバッチ更新が同時に行われているときに発生することがある、アプリケーションの停止の回避にも役立つ可能性があります。この機能の z/OS サポートは、CFLEVEL 17 と MCL を使用する IBM zEnterprise 196 (z196) サーバーでも使用可能であり、z/OS V1.12 または z/OS V1.13 (APAR OA40966 の PTF 適用) にも利用可能です。
z/OS V2.1 の XCF では、特定のカップリング・ファシリティー・キャッシュ要求の追加の妥当性検査の実行、妥当性検査が失敗した場合の診断情報の収集、およびキャッシュの破損を回避または制限するために影響を受けたコネクターの終了を行います。この新しい機能は、 IBM zEC12 および zBC12 サーバー上の z/OS V1.12 以降の APAR OA40966 の PTF でも提供されます。
z/OS V2.1 では、 IBM zEC12 および zBC12 サーバー上の単一の LPAR における 100 ウェイのシンメトリック・マルチプロセッシング (SMP) がサポートされます。 IBM zEnterprise EC12 および BC12 (zEC12 および zBC12) サーバー上で稼働する z/OS V1.12 および z/OS V1.13 (5694-A01) (PTF 適用) は、単一の LPAR に構成された最大 100 個のプロセッサーもサポートします。 z/OS は、汎用プロセッサー (CP)、zIIP、および zAAP の組み合わせをサポートします。 z/OS の設計は、LPAR 当たり 4 TB の実メモリーというアーキテクチャーの制限をサポートします。 z196、zEC12、および zBC12 サーバーでは、 z/OS は LPAR 当たり最大 1 TB の実メモリーをサポートします。
Cryptographic Support for z/OS V1R13 -- z/OS V2R1 という Web Deliverable で利用可能な以下の新しい ICSF 機能は、次のように銀行や金融機関のお客様が標準規格に準拠し、より高度な暗号セキュリティーを実装できるようにすることが目的です。
- 鍵の管理、生成、トランスポート、および派生用の CCA ベースの呼び出し可能サービスにおいて、American Express、JCB、MasterCard、および Visa 決済システム用の新しい標準 (EMVCo) のサポート。このサポートは、一定以上のマイクロコード・レベルである CryptoExpress3 コプロセッサーの拡張 CCA ファームウェア、および CryptoExpress4S コプロセッサーを必要とします。
- 鍵の生成とトランスポートに使用される必要な鍵ラッピング方式を指定できるようにする、Remote Key Export 呼び出し可能サービスの拡張サポート。このサポートは、CryptoExpress3 および CryptoExpress4S コプロセッサーの一定以上のマイクロコード・レベルで使用可能な拡張 CCA ファームウェアを必要とします。
- CCA ファームウェア・ベース・サポートへの、頻繁に使用される User Defined Extensions (UDX) 呼び出し可能サービスに対するサポート。UDX 保守に関連するコストの削減に役立ちます。このサポートは、CryptoExpress3 および CryptoExpress4S コプロセッサーの一定以上のマイクロコード・レベルで使用可能な拡張 CCA ファームウェアを利用し、以下のサービスを必要とします。
- Recover PIN From Offset。お客様が入力した暗号化された PIN を PIN 生成鍵、アカウント情報、および IBM-PIN0 オフセットから計算するのに使用できます。
- Symmetric Key Export with Data。認証パラメーター (AP) を生成し、提供された鍵を使用して暗号化された状態で戻すのに使用できます。
- Authentication Parameter Generate。RSA 鍵を使用して暗号化された状態で対称鍵をアプリケーション提供のデータと一緒にエクスポートするのに使用できます。
Cryptographic Support for z/OS V1R13 - z/OS V2R1 の追加の ICSF 機能拡張は、官公庁のお客様に新機能を提供するように設計されました。例えば、他のプラットフォームとの相互運用性を高めるための業界標準 System z 用 API により、アプリケーションの移植性が向上し、システムのセットアップが簡素化されます。
- Diffie-Hellman、Elliptic Curve Diffie-Hellman、および RSA-PSS アルゴリズムに対するセキュア・キー・サポートと Secure DSA Domain Parameter Generation を追加するための、Enhanced Enterprise PKCS #11 モード・サポート。
- Set Attribute Value 機能を使用して鍵のコンプライアンス・モードを変更できるようにする、Enterprise PKCS #11 アプリケーションに対するサポート。
- FIPS モードで実行中に Brainpool 曲線を使用して生成された ECC 鍵に対するサポート。
これらの機能拡張は、CryptoExpress4S コプロセッサーの一定以上のマイクロコード・レベルで使用可能な拡張 EP11 ファームウェアを必要とします。
z/OS V2.1 ベースに組み込まれている以下の新しい ICSF 機能は、次のように銀行や金融機関のお客様が標準規格に準拠し、より高度な暗号セキュリティーを実装できるようにすることが目的です。
- メッセージ認証コード (MAC) とデータ暗号鍵に対する Derived Unique Key Per Transaction (DUKPT) のサポート。このサポートは、ANSI X9.24 Part 1 Retail Financial Services Key Management 規格への準拠を目的とし、現金自動預け払い機 (ATM) での取引などの金融サービスで使用される対称鍵管理も目的としています。
- Crypto Express コプロセッサーの境界内で、1 つの鍵で暗号化された機密データを別の鍵で再暗号化処理するよう設計された、新しい暗号テキスト変換の CCA 機能のサポート。暗号化されたデータの暗号鍵を、非暗号化テキストの形で公開せずに安全に変更できるようにすることが、このサポートの目的です。これは、機密データのセキュリティーの向上に役立つよう設計されます。
- ANSI X9.24 Part 1 や PCI-HSM など、業界標準の暗号規格に準拠するために、ICSF が拡張された暗号鍵のラッピングをサポートするようになり、暗号鍵がそれより暗号強度の弱い鍵でラッピングされないようになります。このサポートは、Crypto Express コプロセッサーの CCA ファームウェア機能拡張のサポートに依存しており、重要な鍵のセキュリティー向上を目的としています。
同様に、ICSF には官公庁のお客様に新機能を提供するために設計された拡張が施されています。例えば、他のプラットフォームとの相互運用性を高めるための業界標準 System z 用 API により、アプリケーションの移植性が向上し、システムのセットアップが簡素化されます。
- Crypto Express4S を Enterprise PKCS #11 モードで構成できる新しいモードが Crypto Express4S コプロセッサーでサポートされ、CCA とアクセラレーター・モードの処理に加えて、セキュア・キー PKCS #11 のサービスを提供するようになります。 RACF 、 z/OS PKI サービス、および z/OS System SSL で、この新機能の使用がサポートされています。 RACF では、RACDCERT コマンドに新しいキーワードを追加することにより、Crypto Express4S を EP11 モードで使用して楕円曲線暗号 (ECC) と RSA セキュア・キーを生成することがサポートされます。対応する PKCS #11 セキュア・キーのサポートが PKI サービスに対して用意されており、セキュア・キー PKCS #11 CA 証明書の使用、および鍵生成要求と CMP 要求に対するセキュア・キーのペアの生成が可能になります。System SSL では、デジタル署名の生成をサポートする証明書管理 API を通して、SSL/TLS ハンドシェーク処理のなかで、セキュアな PKCS #11 ECC 証明書と RSA 証明書を使用できます。この新機能は、EU の適格デジタル署名の要件を満たすために必要な暗号サービスと保証を提供することを目的としており、保護されたデジタル ID で使用されます。
- アプリケーション・レベルでの FIPS 検証処理を行うための ICSF のセットアップが簡略化されました。FIPS 140-2 準拠の鍵処理の暗号要求をアプリケーションが発行できます。新しいオプションが追加され、FIPS 準拠方式での乱数の生成もアプリケーションから要求できるようになりました。対応する RACF プロファイルを CRYPTOZ クラスに定義することで、ICSF FIPS の開始オプション FIPSMODE を YES に設定したり、COMPAT に設定しなくても、これらの要求を処理できるようになります。これは、FIPS 準拠モードで実行する必要がある各アプリケーションとプログラムのセットアップの簡略化を目的としています。
z/OS V2.1 では、 z/OS V1.13 (PTF 適用) で導入されたサポートが組み込まれ、zEC12 および zBC12 サーバーで利用できる新しい命令とファシリティーに対する XL C/C++ コンパイラーのサポートが追加されます。新しい ARCH(10) コンパイラーと TUNE(10) コンパイラーのオプションを使用して、これらのサーバーで実行される予定のコードを最適化できます。
IBM は、zIIP プロセッサー上での zAAP ワークロードの実行を引き続きサポートします (「zAAP on zIIP」)。 z/OS V2.1 では、zAAP がサーバーに取り付けられている場合に、zAAP に適格なワークロードの zIIP プロセッサー上での実行を妨げる制限を取り除く予定です。これは、zIIP プロセッサー上での zAAP ワークロードのマイグレーションとテストを容易にすることだけを目的としています。このサポートは、 z/OS V1.12 および z/OS V1.13 に対する APAR OA38829 の PTF でも提供されます。
IBM は、 並列シスプレックス での GRS Star の利用をお勧めします。GRS Ring について、 IBM は GRS 管理の CTC ではなく、XCF 通信の使用をお勧めします。ただし、 IBM zEC12 および zBC12 以降のサーバーでは、 FICON チャネルのみがサポートされます。 z/OS V2.1 では、GRS Star または XCF 通信への移行が困難なユーザーのために、 z/OS グローバル・リソース・シリアライゼーション (GRS) で GRS Ring のための FICON チャネル間 (CTC) 接続がサポートされます。また、 z/OS V1.12 と V1.13 (APAR OA38230 の PTF 適用)、および Lifecycle Extension for z/OS V1.10 (5656-A01) または Lifecycle Extension for z/OS V1.11 (5657-A01) を使用した z/OS V1.10 と z/OS V1.11 (OA38230 の PTF 適用) でも、GRS Ring に対する FICON のチャネル間アダプターがサポートされます。 IBM zEnterprise EC12 または BC12 (zEC12 または zBC12) をインストールする前に既存の ESCON® CTC リンクを FICON にマイグレーションできるため、マイグレーションの簡略化に役立ちます。
アクセシビリティー情報
アクセシビリティーの準拠に関する詳細が記述されている米国リハビリテーション法第 508 条の Voluntary Product Accessibility Template (VPAT) は、以下の Web サイトから請求できます。
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製品の位置付け |
標準
z/OS バージョン 2 は、引き続き複数の重要な標準を満たします。複数の業界標準 (RFC や PCI-DSS など) について z/OS バージョン 1 で以前に発表されたサポートの維持に加えて、 z/OS V2.1 における複数の追加標準に対する下記のようなサポートを追加しています。
- z/OS V2.1 は、プラットフォームにおける従来の豊富な IPv6 サポートを継続します。 z/OS バージョン 1 は、IPv6 Phase 2 Ready Logo および USGv6 Profile Version 1.0 (NIST SP500-267) 認定を取得しました。 z/OS V2.1 もこれらの標準を満たすように設計されています。
- z/OS V2.1 Unicode Services で提供されるプログラミング・インターフェースは、Unicode 6.0 標準を満たすように設計されています。
- z/OS バージョン 2 リリース 1 は、Bundesamt fur Sicherheit in der Informationstechnik (BSI) によって「Operating System Protection Profile V3.9」に照らして「評価中」です。
- IBM は、 z/OS の Cryptographic Services エレメントの System SSL コンポーネントについて、米国連邦情報・技術局 (NIST) の Cryptographic Module Validation Program (CMVP) を使用して連邦情報処理標準 (FIPS) 140-2 に照らした評価を進める予定です。この評価の範囲には、CP Assist for Cryptographic Functions (CPACF) によって提供され、System SSL で使用されるアルゴリズムが含まれます。これは、 z/OS Communications Server 機能 (AT-TLS など) や、AT-TLS を使用して保護されたプロトコル (TN3270 や FTP など) を使用するときに、FIPS 140-2 で検証された暗号機能のニーズを満たすのに役立てるためです。
- IBM は、 z/OS の Cryptographic Services エレメントの ICSF コンポーネントについて、米国連邦情報・技術局 (NIST) の Cryptographic Module Validation Program (CMVP) を使用して連邦情報処理標準 (FIPS) 140-2 に照らした評価を進める予定です。この評価の範囲には、CP Assist for Cryptographic Functions (CPACF) によって提供されたアルゴリズムを含み、アクセラレーターとして構成された Crypto Express コプロセッサーと Enterprise PKCS #11 コプロセッサーを使用する予定です。これは、 z/OS で実行される各種 IBM ソフトウェア製品およびお客様のアプリケーションによって、FIPS 140-2 で検証された暗号機能のニーズを満たすのに役立てるためです。
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開発意向表明 |
zEDC Express アダプターを搭載した zEC12 および zBC12 サーバーで実行される、 z/OS V2.1 用の zEnterprise Data Compression (zEDC) は、低遅延圧縮用に設計された新しいデータ圧縮機能をサポートします。当初、 z/OS は、ログ・ストリームに書き込まれる SMF データが圧縮されることを指定できるように設計されています。さらに、 IBM は、BSAM および QSAM アクセス方式に対するサポートも提供する意向です。この機能は、2014 年の第 1 四半期末までに提供される予定であり、ディスク・スペースの節約、大幅な CPU オーバーヘッドを被ることなく有効なチャネルおよびネットワーク帯域幅の改善、ならびにクロスプラットフォーム・データ交換の効率向上に貢献するためのものです。
また、 IBM は、2014 年第 3 四半期末までに DFSMSdss が zEDC を利用するためのサポートも提供する予定です。この機能は、データのダンプとリストアに、また DFSMShsm が DFSMSdss を使用してデータを移動する場合にも使用できるように設計されます。これは、すでに使用可能なプロセッサーやソフトウェア・ベースの圧縮方式よりも低い CPU オーバーヘッドで効率的な圧縮を行うためのものです。
IBM は、zEDC Express フィーチャーを活用するため、および 10GbE RoCE Express フィーチャーで使用される Shared Memory Communications-Remote Direct Memory Access (SMC-R) を活用するために、 IBM 31-bit and 64-bit SDK for z/OS Java Technology Edition、バージョン 7 (5655-W43 および 5655-W44) ( IBM SDK 7 for z/OS Java ) の今後の更新を計画しています。さらに、WLM SYSEVENT QRYCONT マクロを使用する新しい Java API を提供するために、 Java とコア z/OS ワークロード管理機能との統合の強化も計画されています。これらのプログラミング・インターフェースは、 WebSphere Compute Grid などの Java ベースの処理環境で、適応型で同時のオンラインとバッチのワークロードをサポートするように設計されています。
IBM は、zEDC をサポートする Java リリースが使用可能になるときに、zEDC Express アダプターを搭載した zEC12 および zBC12 サーバーで実行される、 z/OS V2.1 用の zEnterprise Data Compression (zEDC) を、 IBM Encryption Facility for z/OS (5655-P97) が利用することを計画しています。これにより、現在 Encryption Facility OpenPGP サポートで存在するソフトウェア圧縮サポートが補完されます。
IBM は、2014 年の前半に、特定のカップリング・ファシリティー・リスト・ストラクチャーに対して zEC12 および zBC12 サーバー (CFLEVEL 19) で Flash Express フィーチャーを活用する意向です。この新しい機能は、データの利用者が何らかの理由でその作成者と歩調を合わせない場合、必要に応じてリスト・ストラクチャー・データを Flash Express メモリーにマイグレーションし、データを処理する際に実メモリーに戻すことができるように設計されています。 WebSphere MQ for z/OS Version 7 (5655-R36) を使用する場合、この新しい機能は、エンタープライズ・メッセージング・ワークロード・スパイクに対して有効なバッファリングを行うこと、さらに、共有キュー構造での大量データの保管をサポートすることが期待されており、数時間分のデータを処理の中断なしに保管できるようにする可能性があります。また、 z/OS V2.1 RMF は、Flash Express がカップリング・ファシリティーと連携して使用される場合、その計測データとレポート機能を提供することも計画されています。
IBM は、2014 年の第 3 四半期に、 z/OS 予防保守の発注において複数の変更を計画しています。
- Shopz で、 z/OS の「すべてのライセンス製品」タイプのサービス・パッケージはなくなります。
- また Shopz で、 z/OS インターネット配信サービスのサブスクリプションも除去されます。
- ServiceLink z/OS ESO パッケージは、一部の FMID に対するサービスの発注に使用する場合のみサポートされます。
z/OS 予防保守の発注は、インストール済みの製品に基づいて行われることになります。これは、発注の内容が保守対象のシステムをより良く反映するようにするためです。
ライセンス製品に基づいて z/OS 保守を現在発注している場合は、この時点で他に使用可能な保守オプションを使用し始めることをお勧めします。 IBM では、 z/OS 保守を獲得する最も簡単な方法である SMP/E RECEIVE ORDER コマンドの使用をお勧めします。これを使用すると、 z/OS ホストをインターネットに接続できるお客様は、ローカル・バッチ・スケジュール・ツールを使用して保守の獲得を完全に自動化することができます。スケジュールされたジョブを使用して SMP/E RECEIVE ORDER を実行すると、現在の Shopz z/OS 保守サブスクリプション機能を置き換えることができます。また、ServiceLink z/OS ESO オプションも、 z/OS 保守の発注に使用できる代替方式です。これを使用するのは、インストールされているソフトウェアを識別するために、ソフトウェア・インベントリー (ビットマップまたは CSI) を IBM にアップロードできない場合です。修正サービスの発注は変更されません。
Shopz サービス・オプションについて詳しくは、次の Web サイトをご覧ください。
ServiceLink サービス・オプションについて詳しくは、次の Web サイトをご覧ください。
SMP/E RECEIVE ORDER コマンドについて詳しくは、「 z/OS SMP/E Users Guide 」を参照してください。
z/OS V2.1 は、Standards Based Linux Instrumentation for Manageability (SBLIM) CIM Client for Java のバージョン 1 を組み込んだ最後のリリースになる予定です。SourceForge オープン・ソース・プロジェクトのバージョン 1 のサポートは、2010 年に終了しています。SBLIM クライアントのバージョン 2 は、JSR48 に準拠した実装となるよう設計され、 z/OS V1.10 以降に組み込まれており、 z/OS V2.1 に組み込まれる予定です。 IBM は、SBLIM バージョン 1 のユーザーにバージョン 2 への移行をお勧めします。
z/OS V1.13 は、Integrated Call Level Interface (ICLI) をサポートする最後のリリースになる予定です。
Web 配布物の Cryptographic Support for z/OS V1R12-R13 は、 IBM eServer zSeries® z800 および z900 サーバーをサポートする ICSF の最後のレベルになる予定です。今後のレベルの ICSF では、 IBM eServer zSeries z890、z990、またはそれ以降のサーバーが必要となる予定です。
注: z/OS V1R12-R13 Web 配布物の暗号のサポートには、 z/OS V2.1 に組み込まれる予定のレベルの ICSF が含まれます。ただし、 z/OS V2.1 自体には、 IBM System z9 EC、 IBM System z9 BC、またはそれ以降のサーバーが必要となる予定です。
z/OS V2.1 は、 IBM HTTP Server Powered by Domino® (IHS powered by Domino ) を含む最後のリリースになる予定です。 IBM は、 z/OS Ported Tools で提供される IBM HTTP Server Powered by Apache を後継製品として使用することをお勧めします。IHS powered by Apache は IPv6、64 ビット実行をサポートし、IHS Powered by Domino が提供するのと類似したセキュリティー認証機能と許可機能が組み込まれています。また、 IBM HTTP Server powered by Apache のリフレッシュが 2013 年後半に予定されています。 IBM は、お客様の IBM HTTP Server Powered by Apache への移行を支援する資料を提供する予定です。
z/OS V2.1 は、 z/OS BookManager® Build オプション・フィーチャーをサポートする最後のリリースになる予定です。
z/OS V2.1 は、PSF 管理のプリンターとの通信に Infoprint Server の SNMP サブエージェント機能をサポートする最後のリリースになる予定です。 IBM では、これらのプリンターを管理するために、Infoprint Server の z/OS Infoprint Central コンポーネントで既に提供されている機能を代替使用するようにお勧めします。
IBM は、 z/OS V2.1 を TCP/IP プロファイルで GATEWAY 構成ステートメントをサポートする最後のリリースにする意向です。静的ルートの定義に GATEWAY ステートメントを使用している場合は、代わりに BEGINROUTES/ENDROUTES 構成ブロックを使用してください。
具体的な製品化の最終決定は、あくまでも IBM の技術上及び経営上の判断に基づいて行われます。今後の製品に関する情報は、IBM の製品の一般的な方向性を示すことを目的としたものであり、発注の意思決定のための判断基準の利用を意図したものではありません。今後の製品に関する情報は、いかなる資料、 コード、または機能性の提供というコミットメント、約束、または法律上の義務について 言及するものでもありません。今後の製品に関する情報は、いかなる契約にも含めることはできません。IBM 製品について記載される今後のいかなるフィーチャーまたは機能の開発、発表、および時期は、IBM の判断で決定されます。
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ハードウェアおよびソフトウェア・サポート・サービス |
SmoothStart/インストール・サービス
IBM SmoothStart サービスおよびインストール・サービスは提供されません。
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各国語の出荷予定 |
z/OS 各国語サポート・フィーチャーは、実行可能コードが使用可能になると一般出荷可能になります。
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プログラム番号 |
Program Program number VRM name 5650-ZOS 2.1 z/OS
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インストール |
2012 年 10 月、ServerPac では、 z/OS または DB2 自体を発注しなくても、特定の z/OS および DB2 製品を発注することをサポートし始めました。 z/OS V2.1 の提供開始と同時に、Product ServerPac は、 IMS 、NCP、または CICS® などのベース製品なしに、すべての ServerPac サブシステムから特定の製品の発注をサポートする予定です。Shopz カタログ内の三角形のアイコンが、どの製品が Product ServerPac の対象であるかの識別に役立ちます。さらに、Product ServerPac は、既存の GLOBAL ゾーンをインストールに使用できるようにも設計されています。
z/OS V2.1 の発注から、ServerPac は、前の発注の RACF プロファイルを定義するために保存されているジョブと、現在の発注用に生成されたジョブとの比較をサポートします。この機能は、新しい発注で、新しい製品または製品レベルに必要な新しいセキュリティー定義を識別するのに役立てることを目的としています。さらに、Security Server の RACF フィーチャーを z/OS に含む ServerPac の発注は、既存のセキュリティー環境がないときに初期 IPL に使用できる RACF データベースを提供します。
z/OS V2.1 の提供開始と同時に、Customized Offerings Driver (5751-COD) は z/OS V1.13 システムのサブセットに更新される予定です。
保護された z/OS のソフトウェア配信
以前、 IBM は、2013 年 10 月 1 日に、 z/OS ソフトウェアとサービスの配信に使用される標準 FTP 接続のサポートを廃止すると発表しました。お客様からのフィードバックに基づき、暗号化保護された FTP 接続に移行する時間をもっと確保するために、 IBM はこのオプションが廃止されるまでの日付を延長する予定です。 z/OS ソフトウェアとサービスの配信ダウンロード用の標準 FTP 接続の必要な終了に企業が備えるための手段を講じる必要があります。保護された接続では、FTPS (Secure Sockets Layer を使用した FTP) などの実装、または暗号化を使用した Download Director の使用が必要になります。この移行を支援するために、2012 年 10 月、FTPS を使用してホストに直接発注をダウンロードするオプションが、Shopz のダウンロード・ページに提供されました。FTPS を使用する予定の場合、 IBM は、Connectivity Test Web サイトにアクセスしてシステムが正しくセットアップされていることを確認し、FTPS を使用して発注のダウンロードを開始するようお勧めします。Download Director の暗号化に変更の必要はありません。ただし、Download Director についても Connectivity Test で確認できます。Connectivity Test については、次の Web サイトにアクセスしてください。
予防保守の発注の変更
IBM は、2014 年の第 3 四半期に、 z/OS 予防保守の発注に複数の変更を計画しています。
- Shopz で、 z/OS の「すべてのライセンス製品」タイプのサービス・パッケージはなくなります。
- Shopz で、 z/OS インターネット配信サービスのサブスクリプションが提供されなくなります。
- ServiceLink z/OS ESO パッケージは、一部の FMID に対するサービスの発注に使用する場合のみサポートされます。
- z/OS 予防保守の発注は、インストール済みの製品に基づいて行われることになります。これは、発注の内容が保守対象のシステムをより良く反映するようにするためです。ライセンス製品に基づいて z/OS 保守を現在発注している場合は、この時点で他に使用可能な保守オプションを使用し始めることをお勧めします。
IBM では、 z/OS 保守サービスを入手する最も簡単な方法である SMP/E RECEIVE ORDER コマンドの使用をお勧めします。これを使用すると、 z/OS ホストをインターネットに接続できるお客様は、ローカル・バッチ・スケジュール・ツールを使用して保守サービスの入手を完全に自動化することができます。スケジュールされたジョブを使用して SMP/E RECEIVE ORDER を実行すると、現在の Shopz z/OS 保守サブスクリプション機能を置き換えることができます。また、ServiceLink z/OS ESO オプションも、 z/OS 保守の発注に使用できる代替方式です。これを使用するのは、インストールされているソフトウェアを識別するために、ソフトウェア・インベントリー (ビットマップまたは CSI) を IBM にアップロードできない場合です。修正サービスの発注は変更されません。
Shopz サービス・オプションについて詳しくは、次の Web サイトをご覧ください。
ServiceLink サービス・オプションについて詳しくは、次の Web サイトをご覧ください。
SMP/E RECEIVE ORDER コマンドについて詳しくは、「 z/OS SMP/E Users Guide 」を参照してください。
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関連製品 |
IBM z/OS Management Facility (z/OSMF)(5610-A01) は、 z/OS (5650-ZOS) と一緒に入手できます。z/OSMF は z/OS の新製品です。既存機能を単にうわべだけ変えたものではなく、 z/OS 管理の合理化と簡素化を実現するように設計されています。
自動化されたタスクは、学習時間の短縮や生産性の向上に役立ちます。例えば、新規ユーザーが z/OSMF システム管理作業に熟練するには数週間の研修だけで済む場合があります。さらに、組み込まれたアクティブ・ユーザー支援 (ウィザードなど) は、ユーザーに作業を案内し、操作を単純にします (例えば、数時間かかる作業を数分に減らしたり、数分かかる作業を数秒に減らします)。
最新リリースの z/OSMF V2.1 は、以下を可能にする複数の機能拡張を提供します。
- さまざまなシステム機能の管理。複数のツールが単一の IT 役割を果たすように設定されます。z/OSMF は、操作、管理者、システム・プログラマー、ヘルプ・デスク、およびその他のシステム・サポート役割などの複数のスタッフ機能に役立てることができます。
- ユーザーが、カスタマイズしてワークフローのような機能を補完して、環境に合わせて管理ステップを調整できるようにします。
- ISV が追加機能を提供するためのインターフェース。
- 管理者が実行する必要がある各種タスクに匹敵する、異なるタスク間での流動的なナビゲーション。
z/OS Management Facility の詳細については、ソフトウェア発表レター JP13-0379 2013 年 7 月 23 日付 を参照してください。
z/OS Management Facility は、 z/OS 環境における管理、モニタリング、保護、およびプログラミングを支援する数々の関連製品のうちの 1 つです。
z/OS 用の無料関連製品には次のものがあります。
- z/OS Management Facility (5610-A01)
- IBM Ported Tools for z/OS (5655-M23)
- IBM XML Toolkit for z/OS (5655-J51)
- Java サポート:
- IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W43)
- IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V7.0.0 (5655-W44)
- IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V6.0.0 (5655-R31)
- IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V6.0.0 (5655-R32)
- IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V6.0.1 (5655-R31)
- IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java Technology Edition、V6.0.1 (5655-R32)
- IBM 31-bit SDK for z/OS 、 Java 2 Technology Edition、V5 (5655-N98)
- IBM 64-bit SDK for z/OS 、 Java 2 Technology Edition、V5 (5655-N99)
- IBM Explorer for z/OS V2.1 ( z/OS Explorer、CSZE) は、 IBM やその他のソフトウェア・ベンダー、および社内開発のプラグインからのさまざまなオファリングを統合する、 z/OS システム・アプリケーション・ユーザーのための Eclipse ベースの統合プラットフォームです。 z/OS Explorer は、各ユーザーの役割や責任を支援するために、互換製品の IBM リポジトリーに拡張可能です。例えば、 z/OS Explorer は、 IBM CICS Transaction Server for z/OS (5655-Y04)、 IBM DB2 10 for z/OS (5605-DB2)、 WebSphere MQ for z/OS Version 7 (5655-R36)、および IMS 12 (5635-A03) サブシステムを管理する機能を備えた単一の Eclipse 環境、ならびに z/OS アプリケーションの開発および問題判別を目的としたその他の Eclipse 環境を提供します。詳細については、以下をご覧ください。
ソフトウェア発表レター JP13-0166 (2013 年 4 月 23 日付) (『 IBM Explorer for z/OS V2.1 は、ワークステーションから主要な IBM z/OS 機能への拡張性の高いアクセスを実現します』) も参照してください。
z/OS 用のオプションの有償関連製品には次のものがあります。
- Operating System Environment Manager (OS/EM) for z/OS (5799-HAX)。
- IBM Tivoli Storage Productivity Center for Replication Basic Edition for System z 、V5.1 (5698-Z12) および IBM Tivoli Storage Productivity Center for Replication for System z 、V5.1 (5698-Z11)。
- IBM Encryption Facility for z/OS (5655-P97)。
- 印刷および出力:
- IBM Print Services Facility for z/OS (5655-M32)
- Infoprint Coaxial Printer Support for z/OS (5655-N62)
- IBM Print Transform from AFP to PDF for Infoprint Server for z/OS 、V1.1 (5655-TF1)
- IBM Print Transform from AFP to PCL for Infoprint Server for z/OS 、V1.1 (5655-TF2)
- IBM Print Transform from AFP to PostScript for Infoprint Server for z/OS 、V1.1 (5655-TF3)
- Infoprint Transforms to AFP for z/OS (5655-N60)
- IBM Infoprint XT for z/OS , V3.1 (5655-O15)
- Tivoli NetView® for z/OS (5697-NV6)。
- Tivoli System Automation for z/OS (5698-SA3)。
- IBM Security zSecure Suite の製品 (旧称 IBM Tivoli zSecure suite)。
- IBM Tivoli Service Availability and Performance Management ソフトウェア製品。
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重要な Web サイト |
- z/OS の Web サイト
- 一般的な資料
- これまでに発表された開発意向表明
- z/OS Internet Library
- z/OS Basic Skills Information Center
- 世界中のコースの説明
- z/OS downloads
- CustomPac
- Shopz
- z/OS Communications Server
- z/OS Management Facility
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参照情報 |
ソフトウェア発表レター AP07-0339 2007 年 12 月 11 日付 ( IBM Enterprise COBOL for z/OS V4.1)
ソフトウェア発表レター AP09-0234 2009 年 8 月 25 日付 ( IBM Enterprise COBOL for z/OS V4.2)
ソフトウェア発表レター AP11-0329 2011 年 9 月 27 日付 ( IBM Enterprise PL/I for z/OS V4.2 delivers performance improvements and usability enhancements)
ソフトウェア発表レター AP10-0183 2010 年 7 月 6 日付 ( IBM Ported Tools for z/OS Version 1.2)
ソフトウェア発表レター AP07-0041 2007 年 3 月 6 日付 ( IBM DB2 V9.1 for z/OS )
ソフトウェア発表レター AP10-0355 2010 年 10 月 19 日付 ( IBM DB2 10 for z/OS )
ハードウェア発表レター JG13-0202 2013 年 7 月 23 日付 ( IBM zEnterprise EC12)
ハードウェア発表レター JG13-0205 2013 年 7 月 23 日付 ( IBM zEnterprise BC12)
特記事項
Specialty Engine (「SE」) および SE に適格なワークロードに関して本書に記載されている情報はすべて、Specialty Engine (例えば、zIIP、zAAP、および IFL) での実行に適格なワークロードのタイプおよび部分の一般的な説明のみを提供します。 IBM は、以下の Web サイトで提供されている IBM の機械の Authorized Use Table (AUT) で指定されたとおりに、 お客様が、 IBM によって明示的に許可された特定プログラムの適格ワークロードの処理を実行するためにのみ IBM SE を使用することを許可します。
その他のワークロード処理は、SE での実行を許可されません。
IBM は、汎用プロセッサー/中央処理装置よりも低い価格で SE を提供します。これは、お客様が、AUT で IBM が指定した特定のタイプおよび/または量のワークロードを処理するためにのみ SE を使用する権限があるからです。
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教育サポート |
IBM Systems and Technology Group、Skills Enablement、Education では、 z/OS 向けの多くのグローバル教育オファリングが提供されます。
コースの詳細については、 IBM 担当員にお問い合わせください。
クラスルーム配信に使用できるコースのごく一部は次のとおりです。
- Introduction to z/OS Environment (ES050)
- Fundamental System Skills for z/OS (ES10A)
- z/OS Facilities (ES155)
- z/OS Operations (ES270)
- z/OS Installation (ES41A)
- Basic z/OS Tuning Using the Workload Manager (WLM) (ES545)
- Basics of z/OS RACF Administration (ES191)
- Introducing z/OS UNIX System Services (OP052)
- Advanced Parallel Sysplex Operations and Recovery (ES902)
- Parallel Sysplex Implementation Workshop (ES420)
- z/OS Management Facility Implementation and Use (ESB10)
- z/OS REXX Programming Workshop (ES52A)
- IBM zEnterprise System: Using zManager to Provision Virtual Servers (ESA10)
他の z/OS 関連コースを見つけるには、次の Web サイトをご覧ください。
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技術情報 |
所定稼働環境
前提ハードウェア
z/OS V2.1 は、以下の IBM System z サーバーで稼働します。
- IBM zEnterprise EC12 (zEC12)
- IBM zEnterprise BC12 (zBC12)
- IBM zEnterprise 196 (z196)
- IBM zEnterprise 114 (z114)
- IBM System z10 ( z10 EC, z10 BC)1
- IBM System z9 ( z9 BC, z9 EC)1
- 1
- これらの製品は営業活動を終了します。
さらに、 z/OS V2.1 は、以下およびそれ以降の IBM 記憶制御機構をサポートします。
- 3990 モデル 3 および 3990 モデル 6
- 9393
- 2105
- 2107
- 2421、2422、2423、および 2424
z/OS ベースは、IPL 可能なシステムです。IPL を実行するためのソフトウェア前提条件はありません。特定の機能には、 z/OS ベースまたは z/OS のオプション・フィーチャーに含まれていない追加製品が必要な場合があります。特定のソフトウェア要件のリストについては、「 z/OS Planning for Installation (GA32-0890) 」を参照してください。 z/OS 資料は次の Web サイトの z/OS ライブラリーで見つけることができます。
前提ソフトウェア
z/OS ベースは、IPL 可能なシステムです。IPL を実行するためのソフトウェア前提条件はありません。特定の機能には、 z/OS ベースまたは z/OS のオプション・フィーチャーに含まれていない追加製品が必要な場合があります。特定のソフトウェア要件のリストについては、「 z/OS Planning for Installation 」(GA32-0890) を参照してください。
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共存、リリース・マイグレーション、およびフォールバック |
z/OS では、複数リリースの z/OS が共存できるようにすることにより、複数システム構成でシステムを移行するときの互換性と柔軟性がもたらされます。これには、非パラレル・シスプレックスおよび パラレル・シスプレックス の複数システム構成が含まれます。そうした共存により、複数システム構成内のシステムを、一度に 1 システムずつ新たなリリース・レベルの z/OS システムにアップグレードできるようになります。これは、新たなリリースにマイグレーションするときに、そのリリースが現在の複数システム構成で稼働している下位リリースと共存可能であることが条件となります。
注:これらの記述は、 IBM の現在の意向を示したものです。 IBM は、本文書の記述内容にかかわらず、共存-マイグレーション-フォールバックのポリシーを将来変更し、特定のリリースを除外する権利を有するものとします。 IBM の開発計画は、予告なしに変更または中止されることがあります。開発方針に関する記述の信頼性についてはお客様ご自身の自己責任でご判断いただき、 IBM には一切の責任も義務も発生しないものとさせていただきます。
IBM は、 z/OS V2.1 で、次に示す共存、マイグレーション、およびフォールバックを実現します。
IBM は、n-2 アプローチをサポートする予定です。ここでは、共存、フォールバック、およびマイグレーションについて 3 つの連続したリリースがサポートされます。例えば、「n」が z/OS V2.1 である場合、 IBM は、投資の価値を最大限に活かすために完全な共存、マイグレーション、およびフォールバックのサポートで z/OS V1.12 から直接 z/OS V2.1 へのアップグレードを可能にし、完全な共存、マイグレーション、およびフォールバックのサポートで z/OS V1.13 から z/OS V2.1 へのアップグレードを可能にする意向です。
上位リリースへのマイグレーションとフォールバックは、共存ポリシーでサポートされているのと同じ z/OS リリース内で行われなければなりません。
Coexistence-Migration-Fallback Release supported with release in Column 1 z/OS V1.12 z/OS V1.101, z/OS V1.112, z/OS V1.12 z/OS V1.13 z/OS V1.112, z/OS V1.12, z/OS V1.13 z/OS V2.1 z/OS V1.12, z/OS V1.13, z/OS V2.1
表: z/OS V2.1 の共存-マイグレーション-フォールバック
Coexistence- supported releases Coexistence-supported with release in Column 1 z/OS V1.106 z/OS V1.61, z/OS V1.72, z/OS V1.84 z/OS V1.95, z/OS V1.10 z/OS.e V1.6 z/OS.e V1.83 z/OS V1.117 z/OS V1.95, z/OS V1.106, z/OS V1.117 z/OS V1.128 z/OS V1.106, z/OS V1.117, z/OS V1.128 z/OS V1.139 z/OS V1.117, z/OS V1.128, z/OS V1.139 z/OS V2.110 z/OS V1.106, z/OS V1.128, V1.139, V2.110
- 1
- z/OS V1.6 および z/OS .e V1.6 (2007 年 9 月にサービス終了)。
- 2
- z/OS V1.7 および z/OS .e V1.7 (2008 年 9 月にサービス終了)。
- 3
- z/OS V1.8 および z/OS .e V1.8 (2009 年 9 月にサービス終了)。
- 4
- z/OS .e V1.8 は、 z/OS .e の最後のリリースでした。 z/OS でご使用いただける料金方式オファリング zNALC に置き換えられています。
- 5
- z/OS V1.9 (2010 年 9 月にサービス終了)。
- 6
- z/OS V1.10 (2011 年 9 月にサービス終了)。 IBM Lifecycle for z/OS V1.10 (5656-A01) をご使用いただけます。この製品は、有料の修正 (問題の修正、回避、または制限) サービスを、 z/OS リリースに対するサービスが中止された日から最大 2 年後まで提供いたします。
- 7
- z/OS V1.11 (2012 年 9 月にサービス終了)。 IBM Lifecycle for z/OS V1.11 (5657-A01) をご使用いただけます。この製品は、有料の修正 (問題の修正、回避、または制限) サービスを、 z/OS リリースに対するサービスが中止された日から最大 2 年後まで提供いたします。
- 8
- z/OS V1.12 (2014 年 9 月にサービス終了予定)。
- 9
- z/OS V1.13 (2016 年 9 月にサービス終了予定)。
- 10
- z/OS V2.1 より後のオペレーティング・システム・レベルについては、 IBM の現在の意向を示したものです。
この、一貫性のある共存、マイグレーション、およびフォールバックのポリシーは、次のような場合でも、あらゆる構成でのリリース・マイグレーションに適用されます。
- 単一システム構成
- 複数システム構成内の個々のシステム
- 複数システム構成内のすべてのシステムを一度にマイグレーションするために、同時 IPL が使用されている場合
ライセンス・メトリックの変更
- z/OS V2 は、ミドルウェア・プログラムに PSLC を使用されている、 z/OS V1 で NALC 料金方式をご使用のお客様に対して、NALC に基づいてのみ提供されます。ミドルウェア・プログラムに AWLC または WLC もしくは AEWLC または EWLC のいずれかの料金方式を使用されている z/OS V2 のお客様には、料金方式を NALC から zNALC に移行していただく必要があります。
- NALC 料金方式をご使用の z/OS のお客様はすべて、さまざまなメリットのある zNALC に料金方式を移行していただくことをお勧めします (SCRT レポートの提出によりサポートされる、zNALC による z/OS のサブキャパシティー料金方式、45 MSU を超える場合の割引料金、適格パラレル・シスプレックス全体での合算料金など)。
ソフトウェア発表レター AP07-0006 2007 年 1 月 9 日付 (『 IBM System z New Application License Charges』) およびソフトウェア発表レター WP07-0245 2007 年 12 月 4 日付 (『Software withdrawal: Selected IBM System z products Some replacements available』) をご覧ください。
計画情報
ダイレクト・カスタマー・サポート
お客様の適格性および登録手順に関する情報を入手するには、該当するサポート・センターにお問い合わせください。
セキュリティー、監査性およびコントロール
z/OS 環境におけるデータ・セキュリティーと監査性は、オプションの Security Server for z/OS フィーチャーで使用可能な機能によって強化されました。
アプリケーション・システムや通信機能でのセキュリティー機能、管理手順、および適切な制御を、評価、選択、実装することは、お客様の責任で行っていただきます。
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発注情報 |
z/OS について入手できる資料のリストについては、次の Web サイトの z/OS Internet Library をご覧ください。
新規ライセンス所有者
新規ライセンスの発注は、現在受付中です。
登録済みのお客様は、発注情報と料金についてIBMLinkにアクセスすることができます。
2013 年 9 月 30 日の出荷開始日より前に出荷が行われることはありません。
IBM z/OS V2.1 の新規ユーザーは以下を指定する必要があります。
タイプ: 5650 モデル: ZOS
基本ライセンス
基本ライセンスを発注するには、 z/OS V2.1 プログラム番号 5650-ZOS を指定してください。リストされているフィーチャーのうち、必須のフィーチャーの選択に進んでから、オプション・フィーチャーを選択してください。
パラレル・シスプレックス ・ライセンス使用料金 (PSLC) 基本ライセンス
基本ライセンスを発注するには、プログラム番号と MSU の数量を指定します。
並列シスプレックス に複数のプログラム・コピーがある場合、該当する PSLC ライセンス・オプションと、 並列シスプレックス 内の Service Units in Millions (MSU) の合計で表される数量を指定することで、すべてのコピーの料金を 1 ライセンスに関連付けられます。それ以外のすべてのプログラム・コピーについては、System Usage Registration No-Charge (SYSUSGREG NC) ID を指定します。
Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, PSLC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, PSLC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, PSLC S01728W z/OS V2 BDT SNA NJE Basic MLC, PSLC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, PSLC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, PSLC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, PSLC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, PSLC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, PSLC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, PSLC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, PSLC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, PSLC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, PSLC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, PSLC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, PSLC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, PSLC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, PSLC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, PSLC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, PSLC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, PSLC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, PSLC
アドバンスド・ワークロード使用料金 (AWLC) 基本ライセンス
基本ライセンスを発注するには、プログラム番号と MSU の数量を指定します。 並列シスプレックス に複数のプログラム・コピーがある場合、該当する AWLC ライセンス・オプションと、 並列シスプレックス 内の Service Units in Millions (MSU) の合計で表される数量を指定することで、すべてのコピーの料金を 1 ライセンスに関連付けられます。それ以外のすべてのプログラム・コピーについては、System Usage Registration No-Charge (SYSUSGREG NC) ID を指定します。
Program name: z/OS V2.1 Program PID: 5650-ZOS Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, AWLC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, AWLC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, AWLC S01728W z/OS V2 BDT SNA NJE Basic MLC, AWLC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, AWLC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, AWLC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, AWLC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, AWLC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, AWLC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, AWLC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, AWLC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, AWLC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, AWLC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, AWLC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, AWLC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, AWLC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, AWLC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, AWLC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, AWLC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, AWLC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, AWLC
アドバンスド・エントリー・ワークロード使用料金 (AEWLC) 基本ライセンス
基本ライセンスを発注するには、プログラム番号と MSU の数量を指定します。
Program name: z/OS V2.1 Program PID: 5650-ZOS Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, AEWLC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, AEWLC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, AEWLC S01728W z/OS V2 BDT SNA NJE Basic MLC, AEWLC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, AEWLC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, AEWLC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, AEWLC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, AEWLC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, AEWLC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, AEWLC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, AEWLC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, AEWLC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, AEWLC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, AEWLC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, AEWLC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, AEWLC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, AEWLC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, AEWLC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, AEWLC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, AEWLC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, AEWLC
ワークロード使用料金 (WLC) 基本ライセンス
並列シスプレックス に複数のプログラム・コピーがある場合、該当する WLC ライセンス・オプションと、 並列シスプレックス 内の Service Units in Millions (MSU) の合計で表される数量を指定することで、すべてのコピーの料金を 1 ライセンスに関連付けられます。それ以外のすべてのプログラム・コピーについては、ライセンスの Workload Registration Variable WLC ID を指定します。
Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, VWLC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, VWLC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, VWLC S01728W z/OS V2 BDT SNA NJE Basic MLC, VWLC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, VWLC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, VWLC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, VWLC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, VWLC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, VWLC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, VWLC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, VWLC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, VWLC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, VWLC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, VWLC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, VWLC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, VWLC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, VWLC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, VWLC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, VWLC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, VWLC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, VWLC
エントリー・ワークロード使用料金 (EWLC) 基本ライセンス
基本ライセンスを発注するには、プログラム番号と MSU の数量を指定します。
Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, EWLC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, EWLC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, EWLC S01728W z/OS V2 BDT SNA NJE Basic MLC, EWLC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, EWLC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, EWLC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, EWLC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, EWLC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, EWLC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, EWLC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, EWLC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, EWLC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, EWLC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, EWLC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, EWLC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, EWLC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, EWLC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, EWLC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, EWLC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, EWLC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, EWLC
新規アプリケーション・ライセンス使用料金 (NALC) の発注情報
NALC 料金は、ソフトウェアのライセンス交付を受けたプロセッサーの MSU 当たりの料金です。プロセッサーの MSU 格付けに相当する数量のフィーチャーを発注してください。
New Application License Charge Basic license one-time charge Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, NALC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, NALC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, NALC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, NALC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, NALC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, NALC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, NALC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, NALC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, NALC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, NALC
System z エントリー・ライセンス使用料金 (zELC)
zELC ソフトウェアを発注するには、プログラム番号および z800 モデルを指定してください。
Specify the zELC monthly license option. Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, zELC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, zELC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, zELC S01728W z/OS V2 BDT SzE NJE Basic MLC, zELC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, zELC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, zELC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, zELC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, zELC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, zELC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, zELC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, zELC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, zELC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, zELC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, zELC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, zELC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, zELC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, zELC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, zELC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, zELC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, zELC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, zELC
シングル・バージョン料金
シングル・バージョン料金を選択する場合、お客様は、新旧双方のプログラム、および、それらのプログラムが稼働する指定機械を IBM に通知し確認する必要があります。
機械可読基本資料
以下の無料フィーチャーが z/OS V2.1 に追加され、2013 年 9 月 13 日付けで発注できます。これらの無料のメディア・フィーチャーには、料金設定/請求フィーチャーが関連付けられています。料金がリストされるのは、関連付けられている料金設定/請求フィーチャーであり、以下にリストされているメディア・フィーチャーではありません。この情報に関する過去の発表レターの詳細については、以下の注記を参照してください。
z/OS V2.1 z/OS V2.1 Feature description Orderable supply ID Base S01729J Alternate Base S0172B5
注: 本製品には、Customized Offering (ServerPac および CBPDO) を使用して実行可能コードが付属しています。メディア・タイプは、Customized Offering の発注手順時に選択されます。提供されたメディア・タイプについては、 出荷方式 (Customized Offerings) セクションを参照してください。
基本資料
機械可読基本資料と共にプログラム・ディレクトリーにが提供されます。
非ライセンス資料 (電子配布物のみ)
Order Title number z/OS V2R1 Collection SK4T-4949
お客様は、次の Web サイトの IBM Publications Center を使用して、個別に、または電子配布物で入手可能な製品およびいくつかのトピック毎のシェルフとして、ソフトコピー・コレクションまたは任意の z/OS V2.1 資料を無料でダウンロードできます。
最新の zip ユーティリティーで処理できる「kitzips」として提供されます。
z/OS Version 2 Release 1 Collection (PDF)
z/OS Version 2 Release 1 Collection (SK4T-4949) には、 z/OS バージョン 2 リリース 1 用のソフトコピー・ツールおよびライブラリー (エレメントおよびフィーチャー・ライブラリー) が含まれています。電子配布物では、PDF 形式のみ (使用可能な場合) が含まれます。
ソフトコピー・リポジトリーを作成するには、SoftCopy Librarian が、 z/OS ホストまたはサーバー上、および LAN とワークステーション上でソフトコピー・ファイルのアップロードと管理を行うためのフラグシップ・ツールです。SoftCopy Librarian は、コレクションのソフトコピー・ツール・ディスクまたは Web 上で入手可能な無料のプログラムです。このプログラムを使用して、 IBM または OEM (相手先商標製造会社) の CD または DVD コレクションから、もしくは IBM PUBLIB Web サイトからインターネット経由で、および SoftCopy Librarian をサポートするその他の Web サイトからシェルフを取得し、管理してください。
Softcopy Librarian V4.4 は、 Windows 2000、 Windows XP、および Windows Vista でサポートされます。
最新バージョンの SoftCopy Librarian は、次の Web サイトでダウンロードできます。
カスタマイズ・オプション
IBM Software Delivery and Fulfillment (SDF) に発注が到着した時点から 72 時間で配送を受け取るように、迅速な出荷が行われます。その後、SDF は夜間空輸を使用して発注品を出荷します。
オプションの機械可読基本資料
発注するには、希望する配布メディアのフィーチャー番号を選択してください。
オプションの無償フィーチャー -- z/OS V2.1
追加料金なしで提供される以下のオプション・フィーチャーは、2013 年 7 月 23 日付けで発注できます。
z/OS V2.1 z/OS V2.1 Feature description Orderable supply ID Communications Server Security Level 3 S0172B0 z/OS Security Level 3 S01729W
オプションの有償フィーチャー
以下の無料のオプション・フィーチャーは、2013 年 7 月 23 日付けで発注できます。これらの無料のメディア・フィーチャー (オプション) には、料金設定/請求フィーチャーが関連付けられています。料金がリストされるのは、関連付けられている料金設定/請求フィーチャーであり、以下にリストされているメディア・フィーチャーではありません。
z/OS V2.1 z/OS V2.1 Feature description Orderable supply ID BDT FTF S01729L BDT SNA NJE S01729G BookManager Build S01729P XL C/C++ S0172B4 DFSMS dss S01729H DFSMS dss, hsm S01729K DFSMS rmm S01729M DFSMStvs S01729N DFSORT S01729S GDDM-PGF S0172B2 GDDM-REXX S01729Z HCM S0172B6 HLASM Toolkit S0172B1 Infoprint Server S01729X JES3 S01729V RMF S01729T SDSF S01729R Security Server S0172B3 zEDC S0178BP
オプションの無償言語フィーチャー
z/OS V2.1 の言語フィーチャーは、このリリースが入手可能になるのと同日に一般出荷可能になります。
z/OS V2.1 は、以下にリストされている言語でサポートされます。ただし、 z/OS V2.1 内のすべてのエレメントが各言語に翻訳されるわけではありません。どのエレメントがどの言語に翻訳されるかについては、以下の Web サイトにアクセスして「 z/OS Planning for Installation 」を参照してください。
追加料金なしで提供される以下のオプション・フィーチャーは、 z/OS V2.1 に追加され、2013 年 7 月 23 日付けで発注できます。
z/OS V2.1 の言語フィーチャーは次のとおりです。
z/OS V2.1 z/OS V2.1 Language feature description Orderable supply ID Brazilian Portuguese Base (PTB) S0173RM Brazilian Portuguese BookMgr S0173RT Build Canadian French Base (FRC) S0173S9 Canadian French BookMgr Build S0173RN Danish Base (DAN) S0173RD Dutch Base (NLD) S0173RK French Base (FRA) S0173R4 French BookMgr Build S0173RR German Base (DEU) S0173R8 German BookMgr Build S0173RP Italian Base (ITA) S0173R7 JPN Base S0173RF JPN XL C/C++ S0173SD JPN Infoprint Server S0173SG JPN RMF S0173SH JPN SDSF S0173RV JPN Security Server S0173SF Upper Case English Base (ENP) S0173RJ Korean Base (KOR) S0173RH Norwegian Base (NOR) S0173RG Spanish Base (ESP) S0173R9 Spanish BookMgr Build S0173RS Swedish Base (SVE) S0173RC Swiss German Base (DES) S0173RB Simplified Chinese Base (CHS) S0173RL Traditional Chinese Base (CHT) S0173R6
z/OS V2.1 z/OS V2.1 Language feature description Orderable supply ID Brazilian Portuguese ALT Base S0173SC Canadian French ALT Base S0173RW Danish ALT Base S0173S4 Dutch ALT Base S0173SB French ALT Base S0173RX German ALT Base S0173S0 Italian ALT Base S0173RZ JPN ALT Base S0173S5 Upper Case English ALT Base S0173S8 Korean ALT Base S0173S7 Norwegian ALT Base S0173S6 Spanish ALT Base S0173S1 Swedish ALT Base S0173S3 Swiss German ALT Base S0173S2 Simplified Chinese ALT Base S0173R3 Traditional Chinese ALT Base S0173R5
System z 新規アプリケーション・ライセンス使用料金 (zNALC) の発注情報
z/OS (および z/OS の有償フィーチャー) のみが、zNALC 料金に適格なプログラムです。 IBM エンタープライズ・ソフトウェア請求およびフルフィルメント・システムで、 IBM は「基本ライセンス」という用語を使用して、請求可能なライセンスを示します。スタンドアロン・サーバーに対してソフトウェアのライセンスが交付される場合、 IBM はそのスタンドアロン・サーバーに基本 (請求可能) ライセンスを設定します。適格な パラレル・シスプレックス 内の複数のマシンにソフトウェアのライセンスが交付される場合、 IBM は、シスプレックスを表すエンティティーで基本 (請求可能) ライセンスを設定し、 パラレル・シスプレックス に属する各ライセンス・マシンで登録 (無料) ライセンスを設定します。
zNALC 料金を使用する z/OS は、完全に適格な パラレル・シスプレックス に参加している複数のサーバー全体で合算できます。 パラレル・シスプレックス について詳しくは、次の Web サイトをご覧ください。
zNALC 料金を使用する z/OS を使用し、適格な パラレル・シスプレックス に参加している複数のサーバーがあるときに、合算料金設定を要求する場合、 IBM は、zNALC 基本ライセンス・ストラクチャーをシスプレックスに適用し、zNALC 無料登録ライセンスを、シスプレックスを構成する個別の各サーバーに適用します。
System z New Application License Charge (zNALC) Basic license structure Entitlement License option/ identifier Description Pricing metric S01728S z/OS V2 Alternate Base Basic MLC, zNALC S01728T z/OS V2 Base Basic MLC, zNALC S01728V z/OS V2 BDT FTF Basic MLC, zNALC S01728W z/OS V2 BDT SNA NJE Basic MLC, zNALC S01728X z/OS V2 BookManager Build Basic MLC, zNALC S01728Z z/OS V2 XL C/C++ Basic MLC, zNALC S017290 z/OS V2 DFSMS dss Basic MLC, zNALC S017291 z/OS V2 DFSMS dsshsm Basic MLC, zNALC S017292 z/OS V2 DFSMS rmm Basic MLC, zNALC S017293 z/OS V2 DFSMStvs Basic MLC, zNALC S017294 z/OS V2 DFSORT Basic MLC, zNALC S017295 z/OS V2 GDDM-PGF Basic MLC, zNALC S017296 z/OS V2 GDDM-REXX Basic MLC, zNALC S017297 z/OS V2 HCM Basic MLC, zNALC S017298 z/OS V2 HLASM Toolkit Basic MLC, zNALC S017299 z/OS V2 Infoprint Server Basic MLC, zNALC S01729B z/OS V2 JES3 Basic MLC, zNALC S01729C z/OS V2 RMF Basic MLC, zNALC S01729D z/OS V2 SDSF Basic MLC, zNALC S01729F z/OS V2 Security Server Basic MLC, zNALC S01780D z/OS V2 zEDC Basic MLC, zNALC
System z 新規アプリケーション・ライセンス使用料金 (zNALC) の基本ライセンス
基本ライセンスを発注するには、プログラム番号と MSU の数量を指定します。
プログラム・ディレクトリーと以下の資料が 1 部、機械可読基本資料と一緒に自動的に提供されます。
Order Title number z/OS Hot Topics Newsletter GA32-0892
z/OS の資料は次の Web サイトから入手できます。
ライセンス資料
製品と共に出荷される資料に対する後続の更新 (テクニカル・ニュースレターまたはリリース間の改訂) は、このソフトウェアのライセンスが有効である間、登録ユーザーに配布されます。別途、資料およびサブスクリプションをご注文いただく必要はありません。
出荷方式 (Customized Offerings)
製品配布物は、CBPDO および ServerPac でのみ出荷されます。
CBPDO および ServerPac は、Shopz での製品発注が選択可能な国では、インターネット・デリバリーに対して提供されます。インターネット・デリバリーでは、ソフトウェア・デリバリーにかかる時間が短縮されるほか、テープ処理を必要とせずにソフトウェアを導入することができます。インターネット・デリバリーについての詳細は、次の Web サイトで Shopz のヘルプ情報を参照してください。
お客様は、ソフトウェア発注時にデリバリー方法を選択します。 IBM はインターネット・デリバリーをお勧めしています。インターネットおよび DVD のほかに、CBPDO および ServerPac でサポートされているテープ・デリバリー・オプションは以下のとおりです。
- 3590
- 3592
大部分の製品は、CBPDO での出荷開始日の翌月に ServerPac での発注が可能です。 z/OS は、一般出荷開始日に両方のオファリングでの発注が可能です。ソフトウェア製品発注の生産は、予定された一般出荷開始日から開始されます。
- CBPDO の出荷は、一般出荷開始日の 1 週間後に開始されます。
- ServerPac の出荷は、一般出荷開始日の 4 週間後に開始されます。
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契約条件 |
契約
IBM Customer Agreement
指定のマシン
不要
可変課金の適用
なし
ロケーション単位ライセンスの適用
なし
使用制限の適用
なし
教育機関向け割引の利用
あり。15% の教育機関向け割引が、正規教育機関のお客様に適用されます。
学術利用の割引: あり
大量発注
適用外
Replaced programs Replacement programs Program Program Program Program number name number name 5645-001 OS/390 V1 5650-ZOS z/OS V2 5647-A01 OS/390 V2 5650-ZOS z/OS V2 5694-A01 z/OS V1 5650-ZOS z/OS V2 z/OS base 5648-E76 Infoprint 5650-ZOS z/OS 2.1 Fonts z/OS V1.1 5648-B33 IBM AFP Font 5650-ZOS z/OS 2.1 Collection V2.1 for S/390
5650-ZOS z/OS To a follow-on if any 5655-068 MVS/ESA JES2 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-117 VTAM® 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-046 BookManager 5650-ZOS z/OS 2.1 Read 5655-A20 BookManager 5650-ZOS z/OS 2.1 BookServer 5695-DF1 DFSMSdfp 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-DF1 DFSMS/MVS 5650-ZOS z/OS 2.1 Network File System 5695-167 GDDM® 5650-ZOS z/OS 2.1 5696-234 HLASM 5650-ZOS z/OS 2.1 5655-042 ISPF 5650-ZOS z/OS 2.1 5688-198 Language 5650-ZOS z/OS 2.1 Envt./MVS 5655-104 OSA/SF 5650-ZOS z/OS 2.1 5655-G44 SMP/E 5650-ZOS z/OS 2.1 5655-HAL TCP/IP 5650-ZOS z/OS 2.1 5685-025 TSO/E 5650-ZOS z/OS 2.1 5685-051 ICSF/MVS 5650-ZOS z/OS 2.1
5665-264 BDT 5650-ZOS z/OS 2.1 5665-311 PCFiletrn 5650-ZOS z/OS 2.1 5655-A29 Communica- 5650-ZOS tions Server 5740-XY5 Programmed 5650-ZOS z/OS 2.1 Cryptographic Facility V1 5771-ABC Math and 5650-ZOS z/OS 2.1 Science Font Object AFP 5771-ADT Pi and 5650-ZOS z/OS 2.1 Specials Fonts Object
z/OS optional features 5665-264 BDT File-to- 5650-ZOS z/OS 2.1 File 5665-264 BDT SNA NJE 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-045 BookManager 5650-ZOS z/OS 2.1 Build 5655-121 XL C/C++ 5650-ZOS z/OS 2.1 5740-SM1 DFSORT 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-DF1 DFSMSdss 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-DF1 DFSMShsm 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-DF1 DFSMSrmm 5650-ZOS z/OS 2.1 5694-A01 DFSMStvs 5650-ZOS z/OS 2.1 5668-812 GDDM-PGF 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-167 GDDM-REXX 5650-ZOS z/OS 2.1 5697-119 HCM 5650-ZOS z/OS 2.1 5696-234 HLASM 5650-ZOS z/OS 2.1 5655-069 MVS/ESA JES3 5650-ZOS z/OS 2.1 5695-039 RACF 5650-ZOS z/OS 2.1 5655-084 RMF 5650-ZOS z/OS 2.1 5665-488 SDSF 5650-ZOS z/OS 2.1
保証の適用
あり
ライセンス・プログラム資料の出荷開始
Restricted Materials of IBM: Yes Non-Restricted Source Materials: Some Object Code Only (OCO): None
IBM 運用支援サービス -- SupportLine
あり
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料金 |
各地域の料金設定については、IBM 担当員にお問い合わせください。
VWLC 製品のサブキャパシティー料金
WLC 製品に対するサブキャパシティー料金方式は、その製品の LPAR の使用率に基づきます。WLC 製品の、製品の LPAR 使用率処理能力とは、報告期間中に VWLC 製品が同時に稼働する複数の LPAR の組み合わせで使用される MSU の最大値です。報告期間中に該当する LPAR の組み合わせの使用による 4 時間経過平均使用率の最大値に基づきます
サブキャパシティー料金の契約条件
対象 VWLC 製品に対する、最大処理能力以下の zSeries ソフトウェア使用料金(サブキャパシティ料金)方式は、 z/OS が IBM e(e-business ロゴ)server zSeries 900 で z/Architecture® (64 ビット) モードで稼働していて、そのサーバーに対して z/OS 以外の MVS ベースの OS のライセンスを取得していないこと、およびお客様が適用条項に従い、必要情報を提供する場合に適用されます。
VWLC 製品に対するサブキャパシティー料金方式はその製品が稼働する場所および時間の LPAR の使用率に基づきます。VWLC 製品に対する、最大処理能力以下の使用料金(サブキャパシティ料金)方式には、次の事項が必要となります。
- 「 IBM System z9 および eServer zSeries ワークロード使用料金に関する特則」(JNTC-6516) に署名し、その条件を遵守する。
- Sub-Capacity Reporting Tool の最新版を入手する。
- サブキャパシティー料金算出に必要な VWLC 製品および IBM e(logo)Server System z 900 ライセンス内部コード (LIC) サービスをインストールする。必要となるサービスについては以下の Web サイトをご参照ください。
- Sub-Capacity Reporting Tool によって要求される SMF データを収集します。 収集した SMF データを 6 カ月以上保存する。
- 収集された SMF データを処理する IBM 提供の Sub-Capacity Reporting Tool を使用する。その Tool により作成された Sub-Capacity Report は、WLC 製品の必要なライセンスの処理能力を判定するために使用されます。必要とされるライセンスの処理能力とは報告期間中に WLC プログラムが同時に実行される LPAR に割り振られる MSU の最大値です。 IBM は、その SMF データが収集されてから最大 6 ヶ月間これらの製品に設定された処理能力をサポートするシステム・データを要求する権利を有します。
- 最大処理能力以下の使用料金(サブ・キャパシティ料金)を開始するために、1 回目の Sub-Capacity Report が必要です。サブキャパシティー課金は、サブキャパシティー・レポートが処理依頼されてから行われます。サブキャパシティー料金がそ及的に適用されることはありません。
- Sub-Capacity Report を毎月送付する。
- すべての WLC 製品に対し全報告期間のデータの Sub-Capacity Report を「 IBM System z9 および eServer zSeries ワークロード使用料金の別表」(JNTC-6324) に指定されたアドレス及び日付けまでに送付する。
お客様は他に何もなさらなくても、プログラムの設定された処理能力の変更を反映した Sub-Capacity Report をお客様からのオーダーと見なし、 IBM は請求の増額または減額をおこないます。新規ライセンスに対するオーダーをする場合、あるいはライセンスの停止 (discontinue)、マシン間でのライセンスの移動、ハードウェア・モデルのアップグレードの報告、またはプログラム・フィーチャーの使用可能化 (enable) や使用不能化 (disable) を行う場合は、 IBM またはビジネス・パートナーにこれまで通りコンタクトしてください。
- IBM eServer zSeries System z 900 Remote Support Facility (RSF) を介して週次に Transmit System Availability Data (TSAD) を送信できるように構成する。もしくは、RSF を介して接続できない場合は、下記の Web サイト上の「 Planning for Workload License Charges 」に記載される代替方法によりこの TSAD を提出する。
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AP ディストリビューション |
Country/Region Announced AP IOT ASEAN* Yes India/South Asia** Yes Australia Yes People's Republic of China Yes Hong Kong S.A.R of the PRC Yes Macao S.A.R of the PRC Yes Taiwan Yes Korea Yes New Zealand Yes Japan IOT Japan Yes * Brunei Darussalam, Indonesia, Cambodia, Lao People's Democratic Republic, Malaysia, Philippines, Singapore, Thailand, and Vietnam **Bangladesh, Bhutan, India, Sri Lanka, Maldives, Nepal, and Afghanistan
商標
zEnterprise、RMF、z10、IMS、HiperSockets、Easy Tier、MVS、Print Services Facility、eServer および zSecure は、International Business Machines Corporation の米国およびその他の国における商標です。
z/OS、IBM、DB2、Parallel Sysplex、System z、System x、AIX、FICON、RACF、WebSphere、System z10、System z9、z9、zSeries、PartnerWorld、z/VM、OS/390、VTAM、BookManager、GDDM、Language Environment、HyperSwap、System Storage、FlashCopy、DS8000、Tivoli、S/390、Rational、ESCON、Domino、CICS、NetView、z/Architecture および System/390 は、International Business Machines Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。
Linux は、Linus Torvalds の米国およびその他の国における商標です。
Windows および Microsoft は、Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標です。
UNIX は、The Open Group の米国およびその他の国における登録商標です。
PostScript は、Adobe Systems Incorporated の米国およびその他の国における商標です。
その他の会社名、製品名、およびサービス名は、それぞれの会社の商標またはサービス・マークです。
ご利用条件
お客様の国で発表されて入手可能な IBM の製品およびサービスは、その時点で有効で適用可能な標準契約書、条項、条件、および料金に基づいて発注できます。 IBM は、本発表の内容を予告なしにいつでも変更または撤回できるものとします。この発表は情報提供のみを目的としています。追加のご利用条件については、以下の Web サイトをご覧ください。
この製品発表レターは、IBM Corporation が発表した時点での製品発表レターの抄訳です。
IBM 製品に関する最新情報については、 IBM 担当員または販売店にお問い合わせいただくか、 IBM Worldwide Contacts ページをご覧ください。