利用者の課題に対して最適な回答をマッチングさせるため、利用者の性格なども捉えたさらなるパーソナライズ化の追求が必須です。その鍵を握るのがAIだと考えています

独立行政法人中小企業基盤整備機構, 企画部 AIプロジェクト推進室 室長代理, 前田 勝則氏

Business Challenge

中小機構は、創業期から成長期、成熟期まで、ステージに応じた多様なメニューを通じて中小企業の成長を一貫してサポートしています。全国9カ所の地域本部に窓口を設け、各分野の専門家が対面および電話やメールにより、年間約7,000件の経営相談に対応しています。しかし、中小機構の支援サービスがあまり知られていないことに加え、相談者にとって、窓口に来訪して相談することには時間的、距離的な制約や心理的なハードルがあります。もっと気軽に相談してもらえる仕組みを模索していました。その過程で、AIを使ったチャットボットのさまざま事例を見聞きし、その技術が活用可能と判断して、AIの導入に向けた検討を開始しました。

Transformation

中小機構はすでに正式公開している「起業ライダーマモル」(起業相談)と、今回新たに開発・公開した「E-SODAN(イーソーダン)」(経営相談)というAIチャットボットによるサービスにWatson Assistant(ユーザーとコンピューターが自然言語で対話を行うフロント部分)とWatson Discovery(バックエンドで情報検索を行う機能)を採用しました。起業ライダーマモルには、事前にパーソナル情報を登録することで属性に応じて回答を提示することができるパーソナル化機能と、頭に思い描いている起業アイデアを簡単に整理できる事業コンセプト作成機能を追加しました。E-SODANは、2019年3月15日に公開され、経営相談を通じて中小機構が蓄積してきた大量のデータを元に作成したFAQデータにより相談者の質問に回答しています。これまでアクセスしてこなかった潜在的利用者にリーチすることを目指しています。

Benefits

起業ライダーマモルは、Watson AssistantとWatson Discoveryを活用してパーソナル化機能を追加し、回答の柔軟性を高めることができました。さらに起業準備の進み具合にあわせてサポートメッセージを発信して、事業コンセプト作成を促し、完成した事業コンセプトを1枚のシートとしてダウンロード、地域の各支援機関の窓口に持参して、より具体的な相談を受けるという仕組みを実現しました。E-SODANも最終的には「売上向上」や「資金調達」といった課題解決のリアルな具体策を提示しつつ、適切な支援施策や支援機関につなぐことを目標としています。Watson Assistantを活用して質問に回答するだけでなく、Watson Discovery を活用し、チャットボットに入力された質問文からキーワードを抽出、関連情報を検索する機能も新たに開発し、精度向上に取り組んできたところです。中小機構はAIの活用レベルをさらに向上し、各種の支援サービスの高度化を図っていく考えです。

 

[製品・サービス・技術 情報]

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

IBM Watson Assistant

IBM Watson Discovery

IBM Cloud

Solution Category

  • AI/Watson