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「女性は管理職になりたくない問題」を考える

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「すべての『個』が輝く働き方のできる組織づくりのために」

日本IBMでは、女性がキャリアを継続していく上で直面する、さまざまな課題を社員自らが確認し、目標を掲げ、結果に結びつく施策を提言していくため、1998年に諮問委員会として「Japan Women’s Council(※JWCと記す)」を発足。「意識改革、スキル改革、働き方改革」を3本柱として、2019年からは男性メンバーも参画し、新しい視点を取り入れた女性活躍の推進、ならびに管理職の意識改革などに取り組み、継続的に情報を発信しています。今回のブログでは女性一人ひとりがあと一歩を踏み出すためのアイデアご紹介します。


柳澤 恵

著者:柳澤 恵
エンタープライズ事業本部 製造事業部 エレクトロニクス営業本部第二営業部
営業として入社後、お客様担当営業、SI/コンサルティグ担当の営業として通信・メディア業界のお客様を担当。

パートナーの海外留学帯同のため1年間休職、帰国後はInternational Sales Organizationというグローバル組織にてグローバル・アカウントの海外IBMとのコラボレーションを推進。2020年より再び営業部門に異動し、エレクトロニクス業界のお客様を担当。2019年からJWC でのチームリーダーとして活動。

女性一人ひとりがあと一歩を踏み出すために

働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』と日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」が発表した、2020年版「女性が活躍する会社BEST100」で、日本IBMは総合ランキング1位に加え、管理職登用部門でも2年連続で首位を受賞しました。JWCの取り組みや、女性管理職育成の年間プログラム「W50」を実施し、参加者54人中、8月時点(※1)が管理職に昇進した点などが評価されました。(※1:2020年8月時点)

しかし一方で、上司が女性社員に昇進や昇格を打診した際に断られるケースがあり、女性に活躍してもらいたいと思っている経営陣やマネージャー陣が理由を把握できず歯痒い思いをしていると耳にします。「能力やスキルはあると周りが評価しているにも関わらず、昇進したり管理職になることに対し、積極的になれない女性社員」は実は少なくないと思いますが、その実態はあまり明らかになっていないのではないでしょうか。

女性が管理職になりたくない理由をインタビュー

JWCのなかで私たちのチームでは、「あと一歩前に出るために必要なこと」の本質を見極め、自分たちを主語に、できることを考え施策を実施することを目的としました。

能力やスキルはあると周りが評価しているにも関わらず、昇進したり管理職になることに対し、積極的になれない女性社員がもうあと一歩踏み出すのに必要な要素を検証するために、複数の女性社員の本音を聞くインタビューを実施しました。管理職に対するイメージや、昇進昇格を断った理由/受けた理由、管理職になってみての感想などについて、個別にヒアリングし、積極的になれない4つの理由があることが分かりました。

1. 管理職に魅力を感じない
身近な管理職の働き方をみていて、負担やプレッシャーが大きくまた仕事量も格段に増え大変そう、ワークライフバランスがとれなさそう、など管理職に対するネガティブなイメージから魅力を感じない。

2. 管理職には向いていない
一昔前の「アイアンマン」「男勝り」な女性管理職像を持っており、自分はそうはなれない/なりたくないので向いていないと感じる。

3. 自分に務まるか不安
周りが評価してくれていても自分の能力やスキルに自信が持てず、自分が管理職としてやっていけるか不安を感じる。

4. 今じゃない
子どもが小さいので家庭を優先したい、いままで考えてなかったなど、突然の管理職昇進への打診に準備ができてない/状況が整っていないと感じる。


ここから我々が読み取ったのは、「やっぱり女性社員は昇進意欲がない」ということではなく、このような女性社員の「躊躇い」を理解した上で、さらに一歩踏みだす後押しをする必要性でした。

実際のデータとして情報が得られたことから、調査結果や読み取れる示唆を、社内のエグゼクティブや人事にも報告したところ、大きな反響がありました。人事ではこのレポートからの示唆を女性管理職育成プログラム(略称W50)にも活用するなど、新たな取り組みが早速進んでいます。

JWCはこのレポートをもとに、組織や会社に提言を行い、さらに女性が活躍しやすい風土づくりを推進していきたいと考えています。また、女性社員に対しても、インタビューで女性社員が語ってくれた管理職のやりがいや壁を乗り越えるヒントを共有することで、管理職という経験を自分のキャリアの選択肢の一つとしてポジティブに捉える女性社員が増え、彼女たちが一歩踏み出す後押しになればと思っています。

支援ツールとして開発した「IBM人生すごろく」

IBMすごろくインタビューを実施する過程で「女性は出産や結婚などのライフイベントの影響が大きいので、キャリアプランが立てにくい」ことや、「キャリアプランを立てたほうがいいのは分かっているけれど、未知数の未来を想像するのはハードルが高い」、という声にも多く出会いました。もちろん、各自でロールモデルを探したり、メンターを依頼したり、というアクションは実施している人も多いと思いますが、やってみれば大したことではなくても、始めるには「小さなきっかけ」が必要だったりするものです。

そこで私たちのチームでは、「IBMで働く人生をカジュアルに俯瞰できることで、キャリアをイメージしやすくなるのでは」と発想し、メンバーの今までの経験や想像力を持ち寄りながら「IBM人生すごろく」を開発してみました。

開発のポイントは2点です。
・キャリアイベントだけでなく、様々なライフイベントを盛り込む
・参加者同士で経験やアイデアを共有する要素を取り入れる

すごろくを社内のWebサイトに掲載して、社員向けのメール発信や社内コミュニケーションツールなどで紹介し、チームでの会議やオンライン飲み会で活用してもらえるよう、働きかけました。

その結果、各方面から「聞きにくいテーマも、すごろくを使うと自然に話ができる」「いろんな年代・バックグラウンドの参加者から話を聞くのが面白い」というようなポジティブなフィードバックをもらい、コミュニケーションのきっかけを作りという効果を実感しました。

JWCでも試しに実施してみたところ、最初は「すごろく?それがキャリア・ディスカッションにどうつながるの?」と思っていたメンバーも「これは面白い!早速、自部門で紹介して実施します!」と大好評。

もちろん、このすごろくの人生が「正解」というわけではありません。同僚や先輩・後輩とこのツールを会話のきっかけとして、いままでの自分のキャリアや人生のエピソードを共有し、自分だったらどんな人生を送るかについて話し合うことができたことが、各自にとって新しい形での収穫になるのだと思います。

男女平等、女性も活躍、とは言われていますが、やはりそれなりに性差はあります。その前提を認識した上で、男性も女性も自身の力を発揮していける社会にしていきたいとJWCメンバー一同願っています。この記事が、キャリアに対する女性の考えや対応する取り組みを把握いただくサンプルケースになりましたら幸いです。JWCでは、他にも様々なアクションを通じて、「すべての『個』が輝く働き方のできる組織づくり」のための施策や提言をしていきます。

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