ダイバーシティー&インクルージョン

女性管理職への一歩を後押しするヒント

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「すべての『個』が輝く働き方のできる組織づくりのために」
日本IBMでは、女性がキャリアを継続していく上で直面するさまざまな課題を社員自らが確認し、目標を掲げて、結果に結びつく施策を提言していくため、1998年に諮問委員会として「Japan Women’s Council(※JWCと記す)」を発足しました。

日経Womanが主催するサーベイで「女性が活躍する企業」で総合1位、管理職登用度でも1位を獲得したものの、一方周りを見渡すと管理職となることに悩んでいる女性も多いという現実に直面しています。そんな女性を後押しできないかと、THINK Summitにて管理職への一歩を踏み出した女性管理職が登壇し、等身大の姿を語っていただきました。このブログではその対談の内容をもとに、管理職へのハードルを下げる方法、また管理職になってからの本人の意識改革についてご紹介します。


井上やよい
著者:井上やよい
銀行・証券インダストリー ファイナンシャルマーケッツコンサルティングリード

銀行・証券インダストリーにてファイナンシャルマーケッツのコンサルティングチームをリード。技術を活用した今後の業務やシステムのあり方に関するコンサルティングをお客様に展開している。今回開かれたThink Summitでの「女性管理職への一歩を後押しするヒント」の内容を紹介しながら、自身の管理職としての経験も踏まえ、管理職のもつ悩みの解決策について語ります。

 

女性管理職と聞いて皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
記事の冒頭で紹介しているJWCでは、今年は女性管理職を後押しする活動を推進、メッセージの発信を続けています。

管理職へのハードルとは

上司より「今後チームをリードする立場となって欲しい」とチームのメンバーに提案した場合に、第一声として「自分には難しいです」との返事を受けることが少なくないかと思います。では自身がリードする立場となることを望まない理由とは何なのでしょうか?
JWCでは管理職に就くことを難しいと考える理由を、以下の4つのステージに分けて分析しています。

1.管理職に魅力を感じない

入社してすぐの頃。そもそも管理職は自分と関係ないもので、管理職に対してもうるさく注意される人というネガティブなイメージを持っている。

2.管理職には向いていない

周りのリーダーの人達を何人か見てきたころ。自分のキャリアの方向性や将来のイメージと異なっているなど、自分のなりたい姿は管理職でないと考えてしまう。

3.自分につとまるか不安

管理職を意識する年代になった頃。必要とされる役割やあり方がわかってきた一方で、自分がその役割をできるかの自身がなく尻込みしてしまう。

4.今じゃない

自分自身のキャリアも積んできた中で、管理職をやるのが自分にとって意味のあることなのか、やるとすればいつなのかという確信が持てない。

難しいと感じる4つのステージ全てに共通するのが、期待する内容が候補者に通じておらず、管理職という職に対して適切なイメージを持てていないというところに端を発しています。
*女性が管理職になりたくない理由については「女性は管理職になりたくない問題」を考えるを参照ください。

女性管理職をサポートするコミュニケーション

実際管理職のポジションを提示された時に戸惑いを感じる人は少なくありません。
本Think Summitの対談に登壇された椎葉さんも管理職になることに抵抗を感じた方の一人です。当初は管理職の仕事を受けることで自分がパンクするのではないかいった漠然とした不安があり、引き受けるのをためらったと言います。その中で所属長から丁寧に管理職の仕事についての説明があり、仕事を通じて自分の視野が広がるとの話を受けました。

また、並行してIBM内で進められている女性管理職候補者に対して役員をスポンサーとしてメンタリングを行う女性管理職育成プログラム(W50)に参加し、他にも同様の悩みを抱えている人がいること、その中で新しいポジションとなることに前向きに進んでいる姿を見て、自分もチャレンジしなければと思うようになったとのことです。

一方、管理職の立場として、女性から管理職になりたくないとの相談を受けていた吉崎さんがいらっしゃいます。相談を受けた際には管理職になることのメリットを説明してきていたが、管理職そのもののイメージを伝えきれておらず、それを伝えることが必要であったと気がついたそうです。

筆者自身、管理職になる前に持っていたイメージは、チームのメンバーの仕事時間の管理と報告の作業、管理職になってもらえないかという話を受けた時には面倒なことが増えるという印象しかありませんでした。実際に管理職についてからは部門としての今後の方針や計画を考えるなど組織の運営に携わる機会が生まれました。またこれまで面倒でしかなかった仕事時間の管理の作業の意義も理解でき、さらに自分からチームに対して発信できる環境に魅力を感じるようになり、管理職の仕事の楽しさを理解できるようになったという経緯があります。

管理職になりたがらないのはこのポジションに対して適切な理解が欠けているのと、自分に当てはめた場合に何をどうすれば良いのか、イメージが描けていないところにあります。候補者の管理職になるというハードルを取り除くには管理職という職について適切なイメージを伝えるとともに、相手の気持ち、キャリアプランや家庭の事情といった背景を理解した上で、相手の立場にたったコミュニケーションをすることで抱えていたハードルを壊すきっかけになると言えます。

晴れて管理職としてスタートしてからも、様々なハードルが待ち構えています。その中の一つがチームとのコミュニケーションです。
筆者の場合、前職者から引き継いで初めて管理職になった時、これまでチームのメンバーとの横と繋がりが少なかったこともあり、まずはチームメンバーを知ること、チームメンバーに信頼してもらうことから始まりました。

管理職の役割の中で最も重要なものの一つが配下のメンバーとのコミュニケーションといえるかと思います。いざコミュニケーションを取ろうとしてもなかなかきっかけをつかめない時があります。また異性間となると深いコミュニケーションをとるには抵抗があるという場合もあります。

そのような悩みに答える管理職とチームメンバーのコミュニケーションを深めるきっかけとなるツールとして、IBM人生すごろくをご紹介します。こちらはIBMの入社からエグゼクティブになるまでの期間を公私含めてのイベントを1つのマスとしたすごろくです。サイコロを振りながら、当たったマスに関する内容を参加者と共有することで、話すきっかけをつかもうというゲームです。

*IBM人生すごろくについてはこちらのブログで触れています参考にしてください。

また、チームメンバーが思い切って相談したにも関わらず、回答いかんにより、今後の相談を躊躇する可能性もあります。コミュニケーションの前に見て欲しいバイブルとして「あるあるQ&A」も準備しています。
メンバーと定期的なコミュニケーションを続けていく為にも、これらのツールを活用していただければと思います。

本人の意識改革

悩みを解決する最後のポイントは本人自身の意識改革です。できないかもしれないと悩むのではなく、自分だったら何ができるのかから始めることが大切となります。「ポジションは人を作る」という言葉にあるように、管理職に就くことで立ち振る舞いが変わった人も少なくありません。

Think Summitでは、管理職に就くことに悩む女性に向けて、管理職に就くこと、そして管理職についてからの悩みを共有させていただきました。悩みを解くカギは周りとのコミュニケーションと本人の意識改革。今回ご紹介した事例を参考に管理職に関する悩みを乗り切ってください。

こちらのThink Summit動画から、ぜひ体験者の生の声を実感してみてください。

また、IBMとしての女性活躍を推進する「変革のショートストーリー」は下記の動画をご覧ください。

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