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ニューノーマル時代に新入社員になる皆さんへのギフト

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ニューノーマル時代の到来によるさまざまな環境の変化により、コミュニケーションの取り方が難しい状況となりました。そのような環境においても「新入社員のエンゲージメントをいかに高めることができるのか」を考えることが大切です。「どのような困難を感じて、日々何を考えて過ごしているのか」を周囲のメンバーやリーダーは理解したいと考えています。

本記事では、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社(以下IJDS)において、初代リモートネイティブ社会人である2020年の新入社員から、2021年の新入社員の皆さんへ贈られた「ギフト」を紹介します。

ニューノーマル時代における人との繋がりを大切に感じている2020年の新入社員が、自らの昨年の経験をもとに社会人生活をスムーズにスタートさせるためのヒントをまとめたもの。それが「ギフト」です。

リモートネイティブ世代「2020年新入社員」の1年を振り返る

Covid19の蔓延により、ニューノーマル時代に突入した2020年、IJDSではたくさんの新入社員を迎えました。自分が選び選ばれ入社する会社にはどんな人がいるのか、心を弾ませながら迎える入社式はオンラインでの開催が決定しました。その後の数ヶ月間かけた新人研修もオンラインで行うことになり、入社が内定した時には誰も想像もしていなかった、ニューノーマルな社会人生活がスタートしたのです。

従来であれば、入社式や新人研修の休憩時間や業務終了後に公私共に親交を深め、情報交換をしあいながらコミュニティを形成し自分の居場所を確かめることができていたでしょう。しかし、リーダーにも同僚にも同じ会社の社員に対面することなく、オンラインでの研修を受講するという状態が続きました。

オンラインで研修を受講する環境は十分に揃っており、新人研修自体は順調に受講を進められましたが、そのような中でも難しかったのは人と繋がることでした。

IBMではDynamic Deliveryが発表されており、リモートワークにおける環境の準備、コミュニケーションの取り方、リーダーシップの発揮方法など、社員向けのPlaybookが提供されました。また、数々のオンライン・コラボレーションツールも社内利用が可能でした。それらを活用して、変化を前向きに受け入れて適応していく方向に皆の意識を向けようと、ある企画を実施しました。

誰かと会話し、短時間で少しでも相手の人を知ること、特に同期と繋がる機会を持てるように、と、業務や研修とは別の機会に「IJDS New Bee Cafe」と名付けたセッションを開催しました。New Beeとは”新参者”というような意味もある言葉ですが、IBMが1981年にポスター製作した”Eye” “Bee” “M”のデザインのBeeともかけて命名しました。このデザインには「どんな変化が起ころうとも、その変化に合わせた戦略を打ち出し、世界を牽引し続ける」というVisionが込められており、40年経った今でも大切にされています。

IJDS New Bee Cafeの目的は、次の2点です。
1. 大切な同期との繋がりを深める
2. オンラインコラボレーションツールを活用しテーマに沿ったディスカッションをすることで、イノベーションを起こす人財になることへの気づきを得る

単なる雑談の場のみを提供するのではなく、先に紹介したツールを使いこなしDXを実現する一員としての意識を高く持ってもらうことを考慮しました。

VUCAな時代
Volatility(激動)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(不透明性)

と表現されるように、先行きが不透明で将来の予測が困難な状況においても、取り残されずに強く生き抜くためのマインドを持っていただきたいと、セッションにおいて次の4つをテーマにワークショップを開催しました。

1. 来年の新入社員へのHints & Tips
2. コミュニケーションスタイル診断
3. 私はこうやって情報収集を行っています!
4. VUCAな時代に必要なマインドとは?

昨年学んだノウハウは、ぜひとも今年に活かしたい

2020年の新入社員から2021年の新入社員へのギフト

2020年入社の新入社員は、予期せぬ形で社会人生活が全てリモートでスタートすることになり、様々な苦労を経験しました。そのような中でも自分自身で工夫を重ねて前向きに、新入社員時代を過ごしました。IJDS New Bee Cafeを開催し、オンライン上での繋がりで同期の大切さを学び、自ら繋がる工夫を行っていました。そしてこの1年で得た知見が素晴らしい財産であること、さらにそれは2021年に入社する社員にとって非常に有益なものであることを、私たちも確信していました。

そろそろ自分たちが2年目の先輩になろうとする頃に、その貴重な知見を「2021年の新入社員へ向けたHints & Tips」としてまとめて後輩へ伝えようと有志のメンバーが集まりました。自分たちと同じ苦労はさせない、よりスムーズに社会人生活をスタートすることができるように、そして自分もこれまでの活動を続けて、なお同期と繋がりたいという思いが原動力になっていたのです。

ギフトは、「ツール&ワークスキル編」「マインド&ライフスタイル編」のテーマに分けて作成されました。

働くということへの心構え、慣れないオンライン上での研修受講のコツ、自分たちが困ったときにはどのように解決したのか、失敗ストーリーもありのままを紹介し、そこから得た知見や、主体的にアクションを起こすことの重要性を盛り込みました。同期と繋がることの大切さを実体験からも感じ取り、温かく素晴らしいギフトが完成したのです。

ツール&ワークスキル編
1. 社会人として働くということ
2. こんな時どうすればいいんだろう?
3. 2020ハプニング特集
4. 知っておトク!おすすめTips
5. 今、私たちが伝えたいこと

マインド&ライフスタイル編
1. マインド
2. 自己成長
3. コミュニケーション(研修中・OJT)
4. ライフスタイル(仕事とそれ以外)

2021年4月入社2日目の新入社員の全員に向け、ギフトを直接伝えました。

新入社員の皆さんはリモートツール上のアイコンで反応したり、拍手喝采でした。聴講した後の新入社員たちの嬉しそうで満足そうな表情が忘れられません。入社に伴う不安は数多くあったと思いますが、少なからずその不安は払拭され、きっと大丈夫だ、と安心したような表情でした。社会人として働くにあたり、今年の新入社員はスムーズにスタートを切ることができていると確信しています。

すべての世代に通用する「人にフォーカスし、繰り返していくこと」の重要性

新入社員向けのギフトは、幅広い世代の社員にも新たなムーブメントを起こしました。また、多くのリーダーからも反響が寄せられました。なぜなら、リーダーにとっても、ギフトの内容はたくさんの気づきを与えるものであったからです。
ギフトでは、オンラインだからこそ人の発言にリアクションを示す、フィードバックを行うということの大切さを発信していました。これらは、どの世代においても初心に返り、改めて心掛ける必要がある、と反省の念を抱かせました。さらに、入社して何十年経過した今でも同期を頼りにする繋がりがあったり、同期入社であるグループに対して心強く思っていることや、人と繋がることの大切さを再認識するきっかけとなったのです。

2021年入社の皆さん

2020年のリモートネイティブ入社の皆さんが、この1年間で何を考え過ごしてきたのかという事実をギフトの内容から知らせてくれたわけですが、リモート環境の中で、誰かが何かを起こしてくれることを待っているのではなく、勇気を出して自らアクションを起こしてみたところ、状況は一気に好転したという実体験は説得力があり、2021年入社の皆さんにとっても勇気付けられることでしょう。きっと、同じようにアクションを自ら起こすことを学び、実践するきっかけを与えられたと思います。

ニューノーマル時代の経験から得た知見を、後輩へ役立てようとする姿勢や組織へ還元する試みは、組織全体へも大きな影響を与え、また人そのものにフォーカスし、良いアクションを繰り返すことで好循環を作り出しました。

「難しい」という結論で終わらせない

ニューノーマル時代では、社員同士が直接対面で繋がることができる機会を積極的に作ることは難しいです。しかし、オンライン上で人と人が繋がることのできる機会を会社が創出し提供することが大切です。こういうきっかけ作りを一度で終わらせることなく、継続していくことの重要性を感じました。今後も、オンライン上でも人と人とが繋がっていけるように工夫を続け、様々な機会を創出し、企画を推進していく予定です。

これまでのやり方のままでは、人との繋がりを深めることが難しいことは否めませんが、社員皆さんが心身ともに健康な状態でいることができるかをいち早く察知し、それを可能とするような状況に持っていってあげることが、新入社員の皆さんの今後の活躍にもつながります。

ニューノーマル時代であるがゆえの新入社員の皆さんにとって難しい経験を、ただ「難しい」という結論で終わらせるのではなく、積極的に挑戦すれば何を克服できるのか、そして、どのような知見が蓄積されたのかを前向きに整理し、この大事なヒントを自ら主体的に次の世代へギフトとして渡すことは素晴らしい文化醸成であると思います。
今回このギフトを受け取った2021年入社の皆さんが、また新しい知見をギフトに詰め込み、次の世代へ贈ることを期待しています。


金田 優紀 IJDS
筆者:金田 優紀
日本アイ・ビー・エム デジタルサービス株式会社

経営企画 Associatesチームに所属、学び続ける文化の醸成や社員のエンゲージメントの向上について取り組んでいる。

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