スタートアップ

B2B SaaSはAIとの「融合」が必須の時代に

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IBM BlueHubは日本IBMが推進しているスタートアップとの共創プログラムです。テクノロジーとオープン・イノベーションで日本発の革新的事業の創出をご支援しています。プログラムのメンターや卒業生から、注目のトレンドについて語っていただきます。

iSGSインベストメントワークス代表パートナー、五嶋一人氏

IBM BlueHubでは3月18日に「第5期 Demo Day」を開催。プログラムに参加いただいたメンターのベンチャーキャピタリストの方から、B2B領域におけるSaaSなどの市場トレンドについて見解を語っていただきました。

今回登場いただいたのは、iSGSインベストメントワークス代表パートナー、五嶋一人氏です。(太字の質問は全て筆者。回答は五嶋氏)

iSGSインベストメントワークス代表パートナー、五嶋一人氏

 
五嶋さんが注目しているビジネストレンドを教えてください

五嶋:従来、紙ベース、あるいはローカル環境での「Office系ソフト」で行われていた業務が、業務フローに組み込まれたSaaSによってデータ化され、蓄積される。これがB2B SaaSの特徴のひとつです。そしてこれら蓄積されたデータを活用し、更に業務を効率化するためには、AIの活用が必須です。

この観点で「AI☓B2B SaaS」における質の高いサービスを開発する、急成長スタートアップが多数出てくることに期待しています。
 
「AI」をウリにするスタートアップも随分と増えた印象があります。これらの差別化要因はどのようにして作れば良いでしょうか

五嶋:「蓄積されたデータ」の活用を考えれば、B2B SaaSにおいてAIは差別化要素ですらなく、AIとの「融合」が必須になると思います。

まず、AIの差別化と参入障壁を生み出すのは「データ」です。他社よりもデータの量と質でどう勝っていくのかはもちろん、AIのデザイン力やデータのアノテーション力も(いまさらですが)大変重要です。

またB2B SaaSは、既存の業務フローに取って代わって業務フローに入り込む必要があるものが多く、これは決して簡単なことではありません。
 
確かにサービスのオンボーディング(導入)など、サービスの体験以上にカスタマーサクセス領域のノウハウが随分と重要視されるようになりました

五嶋:そういった面では、「既存の業務フローが存在しない業務」を新たにフロー化することで入り込んでいくとか、API連携によって他社が提供しているSaaSに自社SaaSを取り込ませる、Sler企業とのパートナーシップ、という動きが一層重要になってくるのでは、とみています。
 
具体的に投資先など注目している企業は

五嶋:iSGSから出資をさせていただいているエクサウィザーズは、介護や医療・金融・人事・ロボット等、大きな社会課題を抱える産業領域でのバーティカルSaaSの提供を目指しています。
 
リクルートのAI研究所で初代所長だった石山洸さんがボードメンバーにいる企業

五嶋:AIの活用においては入力データの質・量が重要ですが、同社はこれを収集するためのアライアンスやデータのアノテーションに長けているのはもちろん、それだけでなく、ターゲットをどこに置くのか、評価関数の選定をどうするのか、最適化ポイントの設定をどうするのか、といった、そもそもの設計に強みを持っているのが特徴です。

そのような設計を突き詰めていくと、多くの領域で従来は重要とされていなかったデータが実は大きな価値を持つ、といったことも分かってきています。SaaSとAIが融合し、「SaaS☓AI」が当たり前になるバーティカルSaaSの領域で、圧倒的な競争力を持つ可能性があると期待しています。
 
この領域でスタートアップする起業家にアドバイスがあれば

五嶋:50社、100社と契約できたからPMFが達成できた、と言うケースも見受けられますが、100社獲得できたとしてもそこから1万社に到達するのは至難の業です。

次元の違うプロダクト・サービスの進化、全く異なる営業・マーケティング手法、さらに高度かつ多様なカスタマーサクセスの実現が必要であることを、いつも念頭に置いて事業戦略や資本政策を検討すべきだと思います。

スタートアップとの共創プログラム「IBM BlueHub」では2014年の第1期スタートから現在まで、参加した多くのスタートアップが大手企業との事業提携やベンチャー・キャピタリストからの資金調達を実現している。第5期のDemo Dayは3月18日に開催された。

※このページはTHE BRIDGE記事の加筆・転載です。

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