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AIを活用した組織変革加速のすすめ

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著者:Bob Picciano
シニア・バイス・プレジデント、IBMコグニティブ・システム

人工知能(Artificial Intelligence)または拡張知能(Augumented Intelligence)として知られるAIの将来展望や、AIがビジネスをどう変革するかについての記事をビジネス誌やネットのニュースで目にしない日はありません。事実、AIは、医療、金融、小売、製造のいずれの分野においても、ビジネス全体を変革するのみならず、テクノロジーそのものも変革させます。

情報技術(IT)の本質的なタスク、そして、その価値を測定する方法は、インフレクション・ポイント(変曲点)に達しています。

それは単にプロセスを自動化し、ビジネス・ロジックをコード化するということではありません。その代わりに、データから獲得した洞察が新たな通貨となり、その流通が拡大するスピードとその結果もたらされる知識が、価値創造の基盤であり競争上の優位性を得るための鍵なのです。

このような傾向から、ディープ・ラーニングやAI、あるいはIBMのコグニティブ・コンピューティングに対する関心が急速に高まっています。IDCの調査によると、AI関連のハードウェアとソフトウェアに対する世界的な支出は、2021年に576億ドルを超えると予想されており、今年費やされる120億ドルに比べて約5倍の増加となる見込みです。

AIは、これまでであれば膨大な量のデータに埋もれてしまっていた革新的な洞察を最大限に引き出すことでしょう。そうしたデータの多くは、非構造化データ、すなわち報告書や雑誌、ビデオ、ソーシャル・メディアの投稿、場合によっては話された会話の記録などです。

IBM Watsonと強力なAIクラウド・プラットフォームを発表して以来、私たちはこの新しい時代のためのコンピューティングを再定義することに取り組んできました。そして、コグニティブ・ワークロードの新たな需要を満たすには、ソフトウェアの基盤であるアルゴリズムや計算から、それを動かすハードウェアやクラウドに至るまで、すべてを変える必要があることを悟りました。

企業や組織が、優れた洞察を導き出すディープ・ラーニングとAIを利用して、大規模なデータ・セットを取り込んで分析するためには、適切なアーキテクチャー用いることが非常に重要です。さらに、電光石火のごとく、または競合他社よりも速く実行できる必要があるのです。

IBMは、AI時代に特有な需要を満たすために、ゼロから構築した新しいシステムを発表します。AI専用に設計された初のプロセッサーであるPOWER9、そして次世代のPOWER9ベースのシステムであるIBM Power System AC922です。この新しいシステムは、独自の強力な機能を備えるとともに、GPU(Graphic Processing Unit)などの特別な半導体を活用する設計です。このGPUにより、新しいコグニティブ・アルゴリズムを駆動する計算と情報処理の速度が向上します。

その結果、あらゆる業界のお客様が革新的な結果を生み出せる、洞察へのAIスーパーハイウェイが実現しました。

その良い例の一つが 「Summit」および「Sierra」スーパーコンピューターを擁する米国エネルギー省(DOE)です。これらのスーパーコンピューターは、POWER9プロセッサーと当社のパートナーであるNVIDIAのVoltaベースの最新のTesla GPUを搭載し、世界最速のスーパーコンピューターとなる予定です。DOEの目標は、20億の計算を毎秒100万回実行する能力を備えた、200ペタフロップスの世界最速のスーパーコンピューターを構築することです。これは世界で最も複雑な問題を解決することを目的とした、膨大な計算能力です。

Googleもまた、最新のPOWER技術を利用して、データセンターにさらなるイノベーションをもたらす機会を得ています。

IBMは引き続き、半導体、ハードウェア、ソフトウェア、そしてオープンなエコシステムにおける新たな進歩を開拓していきます。私たちは、イノベーションを生み出し続けることにコミットするとともに、お客様の情報基盤に対する要件にフレキシブルに応えるよう、イノベーションを迅速に市場にもたらします。

また、コグニティブ・インフラストラクチャーを実現するため、ソフトウェアとハードウェアの統合的なアプローチをとるという信念も持っており、ソフトウェアとハードウェアが効率的に連携するよう最適化したIBM PowerAI上の分散型ディープ・ラーニングなど、IBM Researchによるイノベーションも活用していきます。

AIの将来展望は、産業と職業を根本的に変革することです。その目標は、顧客と市場、リスクと機会に対する新たな理解を実現し、企業や組織、そして社会のためのイノベーションに新たなフロンティアを開拓することにあるでしょう。

この記事は、2017年12月5日(現地時間)にTHINK Blogに掲載された記事の抄訳です。

 

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