Power Systems

世界最強の商用スパコン

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世界130カ国以上で事業を展開するフランスのグローバル・エネルギー企業である「トタル」。日本との関わりも深く、1953年には事業を開始、1957年には日本オフィスを開設。以来、石油やガスの探鉱・開発・生産、液化天然ガスの販売、太陽光発電事業、潤滑油や航空燃料を含む化学製品の製造・販売など多岐にわたります。

オペレーショナル・エクセレンスの向上を目指して

そのトタル社が採用を決断した「Pangea III」は、商用スーパー・コンピューターとして世界で最速となりました(2019年6月TOP500リスト)。同社は、この計算能力により、新しい資源をより正確に見つけ出し、そこから得られる潜在的な収益機会をより正確に評価することができます。さらに、従来のシステムが4.5MWの電力量を必要としていたのに対し、Pangea IIIは3分の1となる1.5MWで稼働します。しかも、Pangea IIIの電力あたりの性能は11倍に向上しています。

「トタル社は、Pangea IIIのさらなる計算能力によって、オペレーショナル・エクセレンスを高められます。新たな資源の探査および開発における地質学的リスクを減らし、最適化されたフィールド・オペレーションを通じて、資産価値を高めることができるのです」
Total Exploration & Production社プレジデント Arnaud Breuillac 氏

 

石油や天然ガスが埋蔵されている場所を探索するには、まず、探査戦略を練る過程で、地震データを利用した地下埋蔵物の正確な画像を作るところから始めます。地球科学者は、これらの画像を分析して石油やガスがどこにあるのかを特定します。トタルがPangea IIIの計算能力を適用することを計画していると述べている分野には、次のものがあります。

  • 探査および開発段階での高解像度地震イメージング: 新しいアルゴリズムは大規模なデータセットを処理して高解像度の画像を生成し、トタル社がより確実に地下の炭化水素を特定できるのを助けます。 これは特に、ブラジル、メキシコ湾、アンゴラ、東地中海など、地球上に塩の層があるために正確な測定が困難な複雑な地質環境で役立ちます。
  • 信頼性の高い開発および生産モデル: 計算能力の向上により、トタル社は革新的な貯留層シミュレーション手法を使用します。たとえば、フィールドの生産履歴を統合して、より信頼性の高い予測生産モデルを迅速に生成します。
  • 資産の評価と選択性: 探査する場所や埋蔵されている資源の価値を早期に評価することで、同社は新しい投資に対する選択性を高められます。

トタル社が選択したテクノロジーとは

Pangea IIIは、TOP500リストで1位2位を獲得している米国エネルギー省のSummitおよびSierraスーパーコンピューターで採用されているサーバーと同じAI/HPC専用POWER9搭載サーバー IBM Power System AC922で構成されています。Power System AC922は、業界で類を見ないNVIDIA NVLinkによるCPUとGPUの直接接続を実現し、NVIDIA GPUの利用を最適化しています。POWER9 CPUとNVIDIA Tesla V100 Tensor Core GPU間のメモリー帯域幅は、x86サーバーの実に5.6倍*1も高速な仕様となっています。

「Pangea IIIは、世界で最も高性能なスーパー・コンピュータであるSummitやSierraで採用されているのと同じIBMテクノロジーを基にしており、IBM Power Systemsが大規模な政府や研究機関だけのものではないことを実証しています。トタル社のような世界有数の大企業は、同じテクノロジーを利用して、今まさに事業運営を大きく変えつつあります」
IBM Exascale Systems担当バイスプレジデント David Turek

 
トタル社によると、Pangea IIIは50ペタバイトの記憶容量と、25ペタフロップス(13万台のラップトップに相当)の計算能力を持ち、世界中のあらゆる公共および民間組織が所有するスーパー・コンピューターの中で11位に位置付けられています。

*1: 5.6倍のメモリー帯域幅は、Xeon E5-2640V4+P100とPOWER9+V100 (12GB/秒と定格68GB/秒の比較)で実施したNVIDIA測定テストに基づいています(出典:IBM)


*本記事は、プレスリリース IBM Develops World’s Most Powerful Commercial Supercomputer for Total (英語)を編集したものです。


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