IBM Storage

ハイブリッドクラウドにおけるデータ連携の鍵を握るもの

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商用ITサービスにクラウドが使われて15年弱。企業はクラウドファーストのもと、ITのクラウド化を進めてきました。しかし、何でもクラウドに移行する時代は過ぎ、従来型ITとクラウドとを使い分ける時代になりつつあります。とは言え、クラウドを中心としたITのサイロ化が再び起こっている事実も否めません。その難しさの一つにハイブリッドクラウド下でのデータの壁があります。この壁を乗り越えるために、SDS(Software Defined Storage : ソフトウェア定義ストレージ)ならではの手法が活きてきます。その真髄を見ていきましょう。


岡田 威徳

岡田 威徳
日本アイ・ビー・エム株式会社 システム事業本部 ソリューション事業部 ストレージ・ソリューション・セールス パートナー・テクニカル・アドボケート

3380/90磁気ディスク装置などの大型DASD装置から、初期のHDD製品、光磁気ディスク製品、ストレージチップ開発など経て今日の先進的なストレージまでの、ストレージの歴史とともに製品開発、製造技術、品質管理、技術支援に携わる。一方で、データ移行やDR・バックアップを含むレジリエンシーといったデータドリブン・ソリューションにも精通し、現在ではパートナー様担当テクニカルセールスとして活動中。

ハイブリッドクラウド環境でのデータ連携需要は高い

今や、何らかの形でクラウドを使っている割合はSaaS利用も含め半分を優に超えています。その中でも特に複数のクラウドをご利用になられている企業は四分の三以上。

しかし、それらの複数のクラウドは有機的に使われているのでしょうか?企業の業務自体がクラウドに移行できている割合は、未だ僅か2割程度にとどまっており、まだまだオンプレミスのITインフラは膨大です。

そんな中、AIやディープラーニングなどクラウド上でデータを活用したいと考えている企業は8割と、企業は意外にも非常に前向きです。しかし、その考えとは裏腹に、現在でもこうしたデータの利活用は2割程度であるのが現実です。ここにはオンプレミスとクラウドとの間でデータ連携することへの大きな壁があると考えられます。

パブリッククラウドで提供しているブロック・ストレージ類にもスナップショットやサイト間レプリケーションなど、いわゆるコピー・サービスはあります。しかし、これはあくまでもクラウド内で閉じた機能であり、特にレプリケーションは外部ストレージと連携できるものではありません。と言うのも、従来、災害対策用途などでサイト間レプリーケーションを設計する際、同じメーカーの同じストレージ系列の製品同士でないと繋がらないことを皆様もご存知かと思います。

これが結局、ハイブリッドクラウド環境のストレージ間を対象としたレプリケーションの足枷になっているわけです。

足枷を取り除くSDSの活用

ここで着目されるのが、ソフトウェア・デファインド・ストレージ。すなわち、SDSです。

オンプレミスで展開される従来型ストレージには仮想化ストレージ技術というものがあります。配下に収めた異機種複数のストレージを束ねて一つの統合的なストレージを構築する技術です。この考え方を使えば、パブリッククラウド上で提供されているストレージ群に、新たな命を吹き込むことができます。つまり、今まで欲しかったが実現できなかった新たな機能を追加できるわけです。

IBMは、仮想化ストレージの技術では老舗中の老舗です。仮想化ストレージ製品であるIBM SAN Volume Controllerは、2003年に初めて世に出てから脈々とその技術を進化させながら今まで育ててきました。その製品の中でエンジンとして動いているのはIBM Spectrum Virtualizeと呼ばれるソフトウェアです。このソフトをパブリッククラウド上のリソース用にポーティングしたものが、IBM Spectrum Virtualize for Public Cloudと呼ばれるSDSです。

実は、IBM SAN Volume Controllerの技術を引き継いているものは、もう一つあります。今、IBMのブロックストレージのメインストリーム製品となっているIBM FlashSystemがそれです。

すなわち、IBM SAN Volume ControllerとIBM FlashSystemとIBM Spectrum Virtualize for Public Cloudは、基本機能の面で同じ機能を持った同じ系列の製品なのです。これは、それぞれがレプリケーションで繋がることを意味しています。

オンプレミスのベンダーロックインのみならずプロバイダーのロックインも排除

IBM SAN Volume ControllerもIBM FlashSystem(一部のモデルを除く)も、配下に別のストレージ製品を参加させることができます。その種類は、今や500を超えております。つまり、多くの場合、既存のストレージのデータを生かしたまま、IBM SAN Volume ControllerまたはIBM FlashSystemを使って、パブリッククラウド上のIBM Spectrum Virtualize for Public Cloudとデータ連携が可能となるわけです。

オンプレミスとパブリッククラウドの間の帯域の問題もあります。ただし、これらのIBMのストレージは重複排除、圧縮といった技術が使えますし、仮にワンタイムのVolume転送を考えた場合もThin Provisioningによりボリューム全体ではなく、実際に使われたエリアのみが対象となるため、転送量を大きく削減することができます。

このように、IBMのSDSとハードウエア製品を使うことで、既存のオンプレミスのストレージ製品も含め、効率的な転送を可能とするオンプレミス・パブリッククラウド間のデータ連携が実現できます。

昨今、パブリッククラウド内で一箇所にデータを留めることがリスキーとされ、ゾーンあるいはリージョンを跨いだミラーが流行していますが、このSDSならゾーン、リージョン間はもとより、プロバイダーを跨いだパブリッククラウド間データ連携も可能となります。

他にも、IBM Spectrum ScaleといったSDSを使うことでファイル・ストレージとしてのデータ連携も可能ですし、IBM Cloud Object Storage systemを使うことでhttpプロトコルによる環境を選ばないストレージアクセスも可能にできます。

ハイブリッドクラウドのデータ連携の鍵はSDS、ということがご理解いただけたかと思います。


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