IBM Storage

IBMストレージ戦略とソリューション

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ストレージ米国開発拠点ツアー・レポート第2弾は、3日目にツーソンで行われたストレージ関連のセッションから「データドリブンなマルチクラウド・ストレージ戦略」と「IBMストレージ・ソリューション」の2つのセッションのサマリーをお伝えします。

データドリブンでハイブリッド・マルチクラウド

何世紀もの間、石油は社会の最も貴重な資源として君臨してきました。しかし、今はデータから得られる洞察や知見によって、データの価値が増し、データが石油に匹敵する存在、「新しい原油」になったと言われています。これまでは、石油を支配していた人々が経済を支配していましたが、今では経済を駆動するのはデータに変わりつつあります。しかも、データは増え続け、2025年には2016年の10倍になると予想されています。

一方で課題もあります。Enterprise Storage DevelopmentのVice Presidentを務めるMicah Robisonは「原油を精製しないと使えないように、競争優位のためにはデータを駆使しなければなりません。しかし、世界中で検索できるデータの割合はわずか20%に過ぎません。残りの80%のデータが金の鉱山であり、アクセスできるようになれば大きな価値をもたらします」と語ります。

データ価値の増大、容量の増加、プライバシーやセキュリティーへの責務、新しいビジネス機会、機械学習やディープラーニング、クラウド・エコノミクスといった、データとストレージを取り巻く新たな要件が浮上する中で予想されるのが、AIの活用であり、非構造化データの増大です。

「そこでのストレージの懸念事項はどんなことがあるのでしょうか。IBMではアンケート調査を実施しました。トップ3はセキュリティー、コスト、キャパシティーでした。数年前までは、データ損失とデータの可用性が懸念事項の1位と2位でしたが、現在ではそこは適切にカバーされているようです」とMicah Robisonは、懸念事項が変化していることを指摘します。

こうした状況でIBMが推進しているのが、データドリブンなハイブリッド・マルチクラウド・アーキテクチャーです。「従来型のインフラと新しいクラウド対応を並存させ、IBM Cloudだけではなく、プライベート・クラウドや他社のパブリック・クラウドも標準でサポートしていかなければならないと考えています」(Micah Robison)。

ハイブリッド・マルチクラウド・アーキテクチャーに求められているのは、柔軟性であり、セキュアでコスト効率がよく、非構造化データなどのデータの急増に対応でき、あらゆるプラットフォームに対するポータビリティーであり、高い費用対効果などです。アジャイルやDevOpsへの対応も必要です。

これに対してIBMでは、AI・ビッグデータ向けストレージ、ハイブリッド・マルチクラウド・ストレージ、IBM Z向けストレージといった、包括的でハイブリッドなストレージ製品のポートフォリオを展開しています。

Micah Robisonはこれらの具体的な製品とともに、ハイブリッド・クラウド上でオンプレミスのストレージ管理を可能にするIBM Storage Insights、ペタバイトクラスの非構造化ストレージのメタデータ管理ソフトであるIBM Spectrum Discoverを紹介しました。

 

マルチクラウド、AI、データ保護に対応して進化するストレージ

「IBMストレージ・ソリューション」のセッションでは、Vincent Hsu(Vice President, IBM Fellow, CTO for Storage and SDE, IBM Systems)から、ストレージの領域でIBMがどのようなチャレンジを行い、どんなソリューションを提供しているかが語られました。

従来からあるストレージの要件はインフラコストの削減やベンダロックインの回避、遅延の改善などでした。しかし、今はそれが変化しています。Vincent Hsuは「新しいチャレンジは、ストレージのロケーションと接続性です。ストレージ・サイロと呼ばれるデータを共有できないストレージは誰も歓迎しません」と指摘します。

しかし、国によってはデータを国外に持ち出せないといった規制も存在します。ヨーロッパであればGDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)に準拠するために、画像をマスキングする必要が生じることもあります。だからこそデータのロケーションが重要になるのです。しかもミッションクリティカルなデータは演算処理を行うマシンの近くになければパフォーマンスを担保できません。

そこで注目されているのが、データを他のストレージに移行する能力を持つハイブリッド/マルチクラウドのストレージであり、それを実現するIBM Spectrum Virtualizeです。「IBM Spectrum Virtualizeをハードウェアに搭載することで、ハイブリッド/マルチクラウドのストレージを構築できます」(Vincent Hsu)。

ストレージに対する管理能力も重要な要件です。多くの障害では、ネットワークやアダプターなどさまざまな要素が相互作用しているため、原因解析が困難になります。それを支援するのがIBM Storage Insightsです。Vincent Hsuは「AIによって問題を予測し、問題の発生を防ぐことができます」と説明します。

何百ものストレージを管理し、3カ月以内に発生する問題を予測できれば、事前に修理することもできて、サポート要員も削減できます。「多くの企業はAIを活用して競争力を高めたいと考えています。今ではアメリカの企業の80%以上がAIを活用しています」とVincent Hsuは現状を語ります。

 

AIのワークロードをサポートするという面でもIBMのストレージは優れています。「AIを使う各ステップで最適化が必要ですが、IBM Cloud Object Storageであればデータセンターをアレイでつなぎ、データのコピーの数を削減でき、リカバリーも容易です。またデータをカタログ化してタグ付けするIBM Spectrum Discoverによって、必要なデータを迅速に探すことができます」(Vincent Hsu)。

また、データ保護という面でもIBMはModern Data Protectionを提供しています。「今、セキュリティーとプライバシーが重要なトピックになっています。データ損失や流出の問題です。アメリカでは何十億ドルの損失が発生しています。ヨーロッパでも問題は深刻で、懲罰を受けることもあります」とVincent Hsuはデータ保護の重要性を指摘しました。

大事なことは、問題をどう防ぐかであり、問題が起きたときにどうやって早く復旧させるかですが、Modern Data Protectionはデータの回復だけではなく、データの再利用にも有効です。Vincent Hsuは「IBMの利点は包括的なソリューションを提供していることです。時間を使ってデータ維持の意味を理解していただきたい」とデータ管理の重要性を強調しました。

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