Software Defined Storage

F1レーシング・カーの設計とレースでの勝利を支えるソリューション

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2019年シーズンからホンダF1との提携を開始したレッドブル・レーシングの、モータースポーツF1(フォーミュラ1)用レーシングカーであるRB15のフロア部分に、IBMロゴが掲載されていることをご存知でしょうか?

以下の画像であれば、「HONDA」ロゴの下に、IBMロゴをご確認いただけると思います。

実は、レッドブル・レーシングのチーム創設時から、IBMはイノベーション・パートナーとして、レーシング・カー設計のためのIT基盤を支えています。具体的には、「シミュレーション・データの配置の自動化と最適化」、「効率的なバックアップ」、「ハイパフォーマンス・コンピューティング環境におけるCFDプロセスの最適化」に、IBMのSpectrum ソリューションが貢献しているのです。順番にご紹介しましょう。

(追記)最先端の気象技術を活用してレースでの競争力を高めるレッドブル・レーシング

  • 2018年7月17日、レッドブル・レーシングとIBMのパートナーシップが拡張されて、The Weather Company(IBMのグループ企業)のサービスが追加されました。レッドブル・レーシングは、レース週末の現在および予測される気象について、可能な限り最も正確で詳細な情報をThe Weather CompanyのOperations Dashboardを使用して把握および活用しています。例えば、各ドライバーが選択したタイヤ・コンパウンドの内訳は、レース週末の前にピレリ(F1のタイヤ・サプライヤー)から発表されます。実は、タイヤ・コンパウンドはレースの14週間前までに選択する必要があります。そして、このタイヤ選択にあたりThe Weather Companyの気象データが重要な役割を果たしています。
    *参考:Bringing Precision Weather Forecasting to Motorsports with Aston Martin Red Bull Racing
  • 2019年7月28日、雨でめまぐるしく路面状況が変化したF1ドイツGPで、優勝したマックス・フェルスタッペン選手は5回のタイヤ交換を実施。ピットストップのタイミングの判断には、The Weather CompanyのOperations Dashboardが提供する洞察(雨の強さやトラックが乾燥する可能性があるタイミング)も貢献しました。
    *参考:A Rainy Race Day in Germany

 

シミュレーション・データの配置の自動化と最適化

F1マシンに限らず、「設計」は図面データを伴います。そして、「設計」する部品の数が多ければ多いほど、図面データの数も、データの保管に必要となるストレージ容量も多くなります。これは、「設計」という業務が存在している業界各社共通の課題だと思います。

そして、きっと、1つの部品に図面が1つだけ、ということもないでしょう。必要に応じて部品を改良することで新しい図面が作られるでしょうし、その結果、図面の履歴管理も大切になってくるはずです。だからといって、データを保管するためにストレージを追加購入し続けることはできませんよね。クラウド・ストレージの活用という対応もあるでしょうけれど、データを保管する場所が変化するだけで、データ量そのものを削減できる訳ではありません。

この課題への解決策として、レッドブル・レーシングが採用したソリューションが、IBM Spectrum Protectなのです。IBM Spectrum Protectは、非アクティブ・データを自動的に消去することでストレージ使用容量を抑制するとともに、必要に応じてバックアップの任意のポイントからデータを復元できます。そして、きっと、「設計」という業務が存在しているあらゆる企業に貢献できるソリューションなのです。

効率的なバックアップ

「ビッグデータ」という言葉は、皆さんも聞きなれていると思います。F1においても、レース中にセンサーなどから収集する膨大なデータなどの「ビッグデータ」を解析して、レースの戦略立案やF1マシンの設計変更に役立てています。

そして、「ビッグデータ」の有効活用は、F1のようなレースに限った話ではなく、現代の企業においても不可欠であることは同意いただけると思います。したがって、ほぼ全ての企業が大量のデータを管理・運用・保管することとなり、ストレージ容量も増加し続けていると推察します。ただ、あらゆるデータを同時に使う訳ではないはずです。つまり、用途ごとにストレージの種類が違っても良いはずなのです。

頻繁に参照・更新が発生するデータはフラッシュ・ストレージ、頻度は高くは無いけれども参照・更新が発生するデータはSASハードディスクやSATAハードディスク、必要な時にだけ参照できれば良いデータはテープ・ストレージといった役割分担が可能ではありませんか?

そして、上述したような種類のストレージを、アクセス頻度の変化にしたがってデータが移行していくことで、極端な負荷の発生を抑止して、パフォーマンスの低下を避けられるはずなのです。

レッドブル・レーシングは、ストレージを使い分けて大量のデータを管理しています。さらに、データ移行も自動化して、効率的な運用・保管を実現しています。ここで貢献しているのが、IBM Spectrum Scaleなのです。

ハイパフォーマンス・コンピューティング環境におけるCFDプロセスの最適化

レッドブル・レーシングは、F1マシンのパフォーマンスにおいて重要な要素である、空気の流れのコンピューター・シミュレーションを行うCFD(数値流体力学 : Computational Fluid Dynamics)アプリケーションを用いて、設計の評価を行なっています。そして、このCFDアプリケーションは多大なコンピューティング能力を要求するので、効率的にジョブを投入して結果を導く必要があります。

レッドブル・レーシングは、ジョブ・スケジューラーであるIBM Spectrum LSFを用いて、コンピューティング・リソースを一元管理するとともに、最適にアプリケーションごとのジョブを実行することで、全体のジョブのスループットを向上させています。


上述した3つのソリューションが、どのように活用されているかを紹介しているビデオ(日本語字幕版)と、事例PDFがあります。ぜひ、ご覧ください。

補足:RB12と、RB14

IBM Edge 2016の会場に展示されていたRB12の画像

IBM Edge 2016の会場に展示されていたRB12

2016年に開催されたIBM Edge 2016の会場には、レッドブル・レーシングのレーシング・カー RB12が展示されていました。ご覧いただくとわかるようにRB12のフロア部分には「IBM Spectrum Computing」のロゴが掲載されていました。

IBM THINK 2018の会場に展示されていたRB14の画像

IBM THINK 2018の会場に展示されていたRB14

2018年に開催されたIBM THINK 2018の会場には、レッドブル・レーシングのレーシング・カー RB14が展示されていました。ご覧いただくとわかるようにRB14のフロア部分にはIBMロゴが掲載されていました。


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