Power Systems

スケールアップ・サーバーが加わったPOWER9プロセッサー搭載サーバーのラインナップ

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2018年8月、IBM POWER9プロセッサーを搭載するスケールアップ・サーバー IBM Power System E980とIBM Power System E950が、IBM Power Systemsのラインナップに加わりました。

2017年12月に発表されたIBM Power System AC922を皮切りに、2018年2月のスケールアウト・サーバー、5月のLinux専用サーバーと続き、今回加わったスケールアップ・サーバーによってPOWER9プロセッサー搭載サーバーの発表は一区切りがついた、とも言えます。

スケールアップの意義

スケールアップ・サーバーは同一筐体内のCPUやメモリーを増設することで、サーバーそのものの処理能力を向上する仕組みであり、サーバー台数を追加することで処理能力を増やしていくスケールアウト・サーバーとは異なるアプローチです。

クラウド・コンピューティングにおいても、扱うデータを複数のサーバーに分散させにくい場合は、CPU、メモリーといったリソースを拡張するスケールアップが望ましいように、今日のコンピューティング環境においてスケールアップは重要なアプローチです。換言すれば、大規模で重要なデータベースを稼動させるサーバーとして、スケールアップ・サーバーは重要な役割を担っているのです。

POWER9プロセッサーを搭載するスケールアップ・サーバーの場合、IBM Power System E980は最大で192個のコアと64TBのメモリー、IBM Power System E950は最大で48個のコアと16TBのメモリーが、それぞれ搭載できます。特にIBM Power System E980が搭載可能な64TBメモリーは、インメモリー・データベースが必要とする十分な容量のメモリーを提供可能です。これは、スケールアウト・サーバーでは実現しえないことであり、スケールアップ・サーバーが必要とされる理由の1つと言えるでしょう。

IBM Power System E980

5U筐体のCECエンクロージャーが4台の構成。最下部の2U筺体はSystem Controller Unit。

スケールアップの観点にしぼると、IBM Power System E980は、CPU、メモリー、入出力(I/O)を収容するモジュール式設計のCECエンクロージャーの追加によって処理能力の向上を実現します。最大4台のCECエンクロージャーは、System Controller Unit(SCU)によって束ねられます。

さらに、需要にあわせてCPUとメモリーを柔軟に増減できるCapacity on Demandによって、必要な時に処理能力を向上できます。このCapacity on Demand(CoD)は製品出荷時に予備で搭載済みのCPUやメモリーをアクティブ化するものであり、複数の選択肢があります。

  • 30日間の試用(トライアルCoD)
  • 1日単位でアクティブ化(Elastic CoD)
  • 永続的にアクティブ化(キャパシティー・アップグレード・オンデマンド)
  • 1分単位で予備CPUを自動的にアクティブ化(ユーティリティーCoD)

また、IBM Power System E980やIBM Power System E880など複数のスケールアップ・サーバーを用いる機能であるPower Enterprise Poolsは、あらかじめ定義してあるシステムのプール内でCPUやメモリーのリソースの移動を可能とすることで、変化するワークロード要求に柔軟な対応を行います。

*CEC : 中央電子処理装置(central electronics complex (CEC))。「ケック」のほうが通じるかもですが。

IBM Power System E950

IBM Power System E950は、4U筐体の4ソケット・サーバーです。

前世代機にあたるIBM Power System E850 および E850C (IBM POWER8 プロセッサー搭載サーバー)から、4ソケット・サーバーにおいても、前述したCapacity on DemandによるCPUとメモリーのスケールアップに対応しています。

CPUを例にとると、IBM Power System E950は最小構成が2ソケットで、スペアのプロセッサーを2ソケット分搭載しています。そして、必要時には、Capacity on Demandにより4ソケットへとCPUのスケーリングが行なえます。


その他のPOWER9プロセッサー搭載サーバー

【AI/ディープラーニング基盤向けサーバー】IBM Power System AC922

NVIDIAのTesla V100 GPUを4基または6基搭載し、高速インターコネクトであるNVLinkでGPU-CPU接続をするPOWER9プロセッサー搭載サーバー。

2018年6月に発表されたスーパーコンピューターのTOP500 リストで、世界最速のシステムとなった米国オークリッジ国立研究所の「Summit」と第3位にランクインした米国ローレンスリバモア国立研究所の「Sierra」は、IBM Power System AC922で構築されています。

【スケールアウト・サーバー】IBM Power System S914、S922、S924

POWER9プロセッサーを搭載するスケールアウト・サーバーには、IBM Power System S914、S922、S924以外に、Linux専用モデルのIBM Power System L922、SAP HANA専用モデルのIBM Power System H922、H924があります。

スケールアウト・サーバーは、全モデルに仮想化機能を提供するIBM PowerVMが組み込まれており、プライベート・クラウド環境を構築する準備ができています。

*IBM PowerVMは、スケールアップ・サーバーであるIBM Power System E980、E950にも組み込まれています。

【大容量ストレージ搭載 Linux専用サーバー】IBM Power System LC921、LC922

POWER9プロセッサーを搭載するIBM Power System LC921、LC922は、大容量ストレージを搭載し、ディープラーニングのための学習データ(主に非構造化データ)を蓄積するデータレイクの構築に最適なLinux専用サーバーです。

最大のストレージ容量を提供するIBM Power System LC922は、10TB SATA HDDを12基搭載した場合に、120TBのストレージ容量を実現します。

IBM Power System LC921、LC922は、ストレージ・オプションとして、ハードディスク以外に、SSD、NVMe SSDが利用できます。

 


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