Tape Storage

100倍のデータ量に対応するための新たな視点

記事をシェアする:

アーカイブ・ファーストの考え方

階層ストレージ管理は従来のストレージ管理の基本的な構成アプローチです。階層ストレージ管理では最上階層がデータの唯一の出入り口で、予め設定されたポリシーに従ってデータを下層へ移動させていきます(データの沈殿)。最下階層はテープ・ストレージになる場合が多くあります。アクセス要求があったデータは下層から最上層に読み戻されて(データの浮上)、出入り口から出て行きます。階層ストレージを利用するユーザーにとって意識されるのはこの出入り口だけで、中の階層構造やポリシーは気にしなくて良い仕組みになっています。この仕組みを単純に100倍に拡張することは容易ではなさそうだというのが先のデータ膨張対応に対する考察です。

そもそも問題を難しくしているのが、“唯一の出入り口”の考え方だという見方があります。この出入り口を起点に沈殿・浮上経路が構成されているからです。一方、一番データが蓄積されるのが最下階層だとすれば、まずそこに効率よくデータを蓄積する方法を用意して、アクセスが発生したデータを効率よく読み出してユーザーに提供する方法が有ればそれで十分という考え方もあります。ここでは、この考え方を“アーカイブ・ファースト”と呼びます。このアーカイブ・ファーストで特に注目されるのがテープ・ストレージとフラッシュ・ストレージの活用です。

ストレージ膨張の危機はテープが救う

テープ・ストレージの優れているところは、容量拡張がテープ本数増加で対応できる点です。テープ本数増加がストレージ・システムの故障率増加を招く懸念はありません。バックアップについても、テープ2本書きなどで対応が容易です。また、データ読み出し帯域の増加はテープドライブ数の増設で対応が可能です。テープはストリーミング・ストレージデバイスで、最大テープ走行速度に合わせたデータ転送速度でデータを読み書きする場合に最大のパフォーマンスが得られます。そのため、ユーザー・アプリケーションとテープ・ストレージとの間にキャッシュ・ストレージを配置するのが一般的です。このキャッシュ・ストレージにはオールフラッシュ・ストレージが最適です。複数台のテープドライブに対して同時にデータ読み書きを行う場合、それらをまとめるキャッシュ・ストレージではランダム読み書きが発生します。この際、各テープドライブへのデータ読み書き速度は、最大テープ走行速度に合わせたデータ転送速度を維持することが求められます。この際のキャッシュ・ストレージに求められる性能要件は高帯域と高IO処理の2つです。正にオールフラッシュ・ストレージがこの要件を満たすことができるストレージなわけです。

アーカイブ・ファーストの考え方は、優れたストレージ・テクノロジーを組み合わせた単純なストレージ・システムを構成することでデータ膨張に対応するアプローチと言えます。

高精細映像データを中心としたデータ膨張では、ストレージ・テクノロジーの新たな適材適所活用が求められます。最新のストレージ技術を新たな視点で見直してみてはいかがでしょうか。

More Tape Storage stories

IBM Z のAI革新とOpen Neural Network Exchange (ONNX)の活用

AIとアナリティクスを使用することにより、ビジネス・ワークロードに新しい洞察とより良い意思決定をもたらし、進化して行くという事を多くの方々が認識しています。IBM ZおよびLinuxONE上におけるAIの実現は、IBMに […]

さらに読む

2022年4月〜6月分 IBM ITインフラ 特製カレンダー壁紙

PCの壁紙としてご利用いただける、2022年4月〜6月のIBM ITインフラ 特製カレンダー(IBM Design Language準拠)を公開します。4月から6月のカレンダーでは、1Uサイズの筐体で高速かつ大容量を実現 […]

さらに読む

2022年1月〜3月分 IBM ITインフラ 特製カレンダー壁紙

PCの壁紙としてご利用いただける、2022年1月〜3月のIBM ITインフラ 特製カレンダー(IBM Design Language準拠)を公開します。1月から3月のカレンダーでは、昨夏発表されたIBMの最新サーバーであ […]

さらに読む