Cross Systems

マルチ・クラウドの「要」となるITインフラストラクチャー

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つい最近まで、「プライベート・クラウドとパブリック・クラウド」あるいは「オンプレミスとクラウド」といった構成の「ハイブリッド・クラウド」が中心だった企業におけるクラウドの運用形態は、複数のクラウド事業者のパブリック・クラウド・サービスと自社システム(プライベート・クラウドやオンプレミス)を統合して運用する「マルチ・クラウド」へとシフトしてきています。

2018年9月27日に公開されたWorldwide Spending on Cloud IT Infrastructure Continued Its Double-Digit Growth Rate in the Second Quarter of 2018, Accounting for Nearly Half of Overall IT Infrastructure Spending, According to IDCにおいて、IDCのリサーチ・ディレクターであるNatalya Yezhkova氏は、企業の課題の1つは、どのようなクラウド・リソースを使用するかを決めることではなく、複数のクラウド・リソースを管理することであり、「マルチ・クラウド・リソースを利用するエンド・ユーザーの能力は、パブリック・クラウド環境とプライベート・クラウド環境の活用をさらに拡大する重要な要因となります」と述べています。

すなわち、現在は、「それぞれのクラウド事業者が提供する特徴的なサービス」の中から、「課題解決やビジネス目標達成のために最適なものを選択」して、「プライベート・クラウドやオンプレミスと統合」することで、自社にとって最適なクラウド・サービスを実現する「マルチ・クラウド」の運用形態が主流となりつつあるのです。

多様なニーズをサポート

「デジタル・トランスフォーメーション」という言葉に代表される、デジタル化の推進によるビジネス変革をサポートするためには、様々なニーズに対応するITインフラストラクチャーが不可欠です。「マルチ・クラウド」においても、クラウド・サービスと効率的かつ俊敏に連携できる機能がITインフラストラクチャーに求められます。そして、IBMのハードウェアとSoftware Defined ソリューションは求められる機能を提供します。

例えば、オブジェクト・ストレージとして活用できる並列ファイルシステム「IBM Spectrum Scale」は、OpenStack SwiftやAmazon Simple Storage Service(S3)のプロトコルもサポートしており、プライベート・クラウド環境とパブリック・クラウド環境のストレージを束ねた、マルチ・クラウドのストレージとして利用が可能です。IBM Spectrum Scaleは、SDS(Software Defined Storage)としての利用の他に、アプライアンス製品 IBM Elastic Storage Server(ESS)としての利用が可能です。

セキュリティを重視する場合、「全方位型暗号化機能」によってすべてのデータの暗号化を実現するIBM LinuxONEを用いて、セキュリティ対策の最後の砦と言われる暗号化をクラウド・サービスとして提供する IBM Cloud Hyper Protectを利用いただくことができますし、IBM z/OS Connect Enterprise Editionを用いることで、オンプレミス環境のIBM z14のデータとサービスのRESTful APIを経由したセキュアな利活用が実現できます。

AIやディープラーニングについては、スーパーコンピューター世界最速ランキングであるTOP500において2018年6月の首位と3位を獲得したシステムの構築基盤となったサーバーであるIBM Power Systemsにお任せください。ディープラーニングのための環境構築を容易にするフレームワークであるIBM PowerAIは、PowerAI on IBM Cloudとして、IBM Cloud環境のIBM Power Systems上で利用可能です。「学習にかかる時間」と「システムコスト」を重視した結果、クラウド上に集めたデータのディープ・ラーニングによるリアルタイム解析をオンプレミスで実施する損保ジャパンの「SOMPOエッジAIセンター」のように、IBM PowerAIを用いたオンプレミスでのディープラーニング環境の構築が最適な場合もあります。

プライベート・クラウド環境の構築は、IBM Zの場合、IBM z/VMIBM Wave for z/VM、IBM Power Systemsの場合は、IBM PowerVMIBM PowerVCによって構築しますが、パブリック・クラウドであるIBM Cloudの環境をプライベート・クラウドで実現する IBM Cloud Privateを用いることで、クラウド・ネイティブなアプリケーションの実装が可能になります。また、IBM Cloudとのシームレスな連携も実現できます。

SAP HANAについて、SAPから認定されているIBM Power Systemsのサーバーは、単一システムで最大8台の仮想化環境におけるSAP HANA本番稼動のサポートを提供できます。そして、IBM Cloudでは、IBM Power Systemsを用いることで最大24TBのメモリーが利用可能となるSAP HANA on Power Systems on IBM Cloudが用意されています(現時点では提供地域が限定されており、日本リージョンではサポートされておりません)。

また、データの可用性の観点では、SDS製品であるIBM Spectrum Protect Plusが、マルチ・クラウド環境にホストされる仮想マシンやアプリケーションのデータのリカバリーと再利用を容易に実現します。

他にも言及したい点はありますが、その一部は『ITインフラストラクチャーを強化する6つの方法』で紹介されていますので、別途、ご覧いただければ幸いです。

IBMハードウェアのラインナップ

クラウドが、データセンターに設置されているハードウェアによって構築されていることから、クラウド、そしてマルチ・クラウドの進化には、ハードウェアの進化も不可欠です。クラウドの柔軟性と俊敏性を支えるためには、ニーズの変化や厳しい負荷に対応するハードウェアが求められます。最適化されたIBMのサーバーとストレージは、優れたパフォーマンスによってマルチ・クラウドを支えます。

昨年から今年にかけて、多くのハードウェア製品が発表されました。主だったところを列挙してみると、以下のようになります。

画像は、上で列挙したすべての製品を網羅できてはいませんが、IBMのハードウェア製品ファミリー画像です。IBMはこれからも、お客様がマルチ・クラウドを活用しながらデジタル・トランスフォーメーションとビジネス変革に取り組むために必要となる機能を提供する製品をお届けします。


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