IBM Storage

急速に進むフラッシュ・ストレージの進化

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数カ月前、NVMe 対応の IBM フラッシュ・ストレージは市場で最も革新的な製品として認められました[1]。このような評価を獲得するからには、IBM がもうすべてを出し尽くしたと思われるかもしれません。しかし、フラッシュ・ポートフォリオ全体にわたる新しいソリューション、機能拡張、アップグレードの最近の発表は、IBM が依然としてイノベーションをリードしていることを明らかに示しています。

IBM フラッシュ・ストレージのイノベーションを最もよく示している例の 1 つは、ポートフォリオ全体に Non-Volatile Memory Express (NVMe) プロトコルを短期間で実装したことです。IBM がストレージ・システム全体の最適化に基づく NVMe 戦略を発表(プレスリリース)したのは、わずか 1 年と少し前のことです。それ以降、IBM は、2 月には FlashSystem 900 での Infiniband NVMe over Fabric (NVMe-oF) のサポート、7 月にはオールフラッシュの NVMe ベースの FlashSystem 9100 と、NVMe 実装をハイペースで進めています。

今回、IBM は、Storwize V7000 の新モデルを紹介します。この新モデルでは、業界で高く評価されている Storwize ファミリーを NVMe に対応させており、 NVMe ベースの IBM FlashCore モジュールと業界標準 NVMe SSD をはじめ、SAS フラッシュ・ドライブやハイブリッド構成などの拡張オプションが用意されています。新しい Storwize V7000 モデルは、前モデルと比較して 最大2.7 倍のスループット[2] (圧縮後)を実現します。また、IBM Spectrum Virtualize と Easy Tier 機能が実現するAIを活用したストレージ・リソース管理、予測分析、効率的なサポート、自動データ配置により、既存のストレージを活用するか SAS 拡張エンクロージャーを追加することで、CAPEX と OPEX の両方が削減できるようになります。

新しい Storwize V7000 モデルは、新規または既存の Storwize V7000 システムでのクラスタリングによって最大 32 PB のフラッシュ容量をサポートすることが可能です。新しい Storwize V7000 は、IBM と他社の 440 種類を超えるストレージ・システムに包括的なエンタープライズ・クラスのデータ・サービスを提供できます。旧モデルから新しい Storwize V7000 へ移行する際は、システムを止めることなくバックグラウンドでデータの移行が可能となります。

IBM は、フラッシュ・ポートフォリオ全体での NVMe-oF 機能の大規模なアップグレードを発表します。IBM Spectrum Virtualize で構築されたシステム (IBM FlashSystem 9100/V9000、Storwize V7000F/V7000、SAN ボリューム・コントローラーの多数のモデル)、これらのストレージ・システムを活用する VersaStack ソリューション、Software Defined 構成のIBM Spectrum Virtualizeでファイバー・チャネルに NVMe-oF を使用できるようになります。この新しい機能は、2016 年 9 月以降に導入されたシステムをサポート対象として、無停止でのソフトウェア・アップグレードにより提供されます。FlashSystem 900 では、新しい 16 Gbps アダプターもファイバー・チャネル NVMe-oF をサポートします。

また、2019 年に、IBM Spectrum Virtualize で構築されたシステムと、IBM Spectrum Accelerate で構築されたシステム (FlashSystem A9000/R) でも NVMe over Ethernet を提供する計画をあらためて表明しています[3]。ポートフォリオでの NVMe のサポートの仕上げとして、IBM は、2019 年に、Software Defined構成の IBM Cloud Object Storage ソフトウェアで NVMe フラッシュ・ドライブをサポートする予定です。

IBM FlashSystem A9000Rでは、エントリー・レベルでの最小構成価格が 40% 安く[4] なり、さらに手ごろになっています。しかし、拡張性に関する妥協は一切ありません。多くの企業でデータの可用性が最優先事項であるため、IBM は、高可用性の HyperSwap 機能と災害復旧機能を同時に使用可能とすることで、可用性の向上を実現しています。最後に、重複削減を前提としたキャパシティー・プランニングは難しく、ボリュームの削除やシステム間でのデータの移動により、どれくらい容量削減できるか把握しづらい場合があります。IBM は、2019 年に、このプロセスを簡素化するために IBM Research の AI テクノロジーによって FlashSystem A9000/R を拡張する予定です。

また、iSER への対応も進めています。iSER は、Remote Direct Memory Access (RDMA) を使用するように iSCSI プロトコルを拡張したネットワーク・プロトコルであり、基本的に NVMe と同じタイプのテクノロジーです。iSER は現在、IBM Spectrum Virtualize で構築された多くのシステムでのサーバー接続とクラスタリングに使用できるようになっています。RDMA を基礎としていて、SCSI のオーバーヘッドを削減できる iSER は、標準のイーサネットで極めて低いレイテンシーを実現できます。これは、イーサネットに多額の投資をしている世界中のサービス・プロバイダーやその他企業にとって大きなメリットです。

IBM Spectrum Virtualize ソフトウェアは、Storwize V7000 や FlashSystem 9100 などのオンプレミスのシステムで稼働しますが、IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud を使用してクラウド上に導入することもでき、オンプレミスとパブリック・クラウドのインフラストラクチャー間のデータ・モビリティー、災害復旧の円滑化、ワークロード・モビリティーなどのユース・ケースに対応しています。お客様がマルチクラウド環境を導入できるように、IBM は、2019 年に IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud を Amazon AWS でサポートする予定です。

IBM ストレージのパフォーマンス向上に関して言えば、NVMe と iSER は全体像の一部でしかありません。IBM は、zHyperLink テクノロジーのアップグレードも発表します。このアップグレードにより、IBM メインフレーム・ソリューションの高速化と生産性向上が実現します。zHyperLink は、業界最先端の[5] IBM DS8880 データ・システムへの短距離のメインフレーム接続リンクであり、High Performance FICON と比較して最大で 1/10 のレイテンシーとなるように設計されています。これは、FICON 以来初の新しいメインフレーム入出力 (I/O) チャネル・リンク・テクノロジーです[6]。最初の zHyperLink 実装では、読み取りで超低レイテンシーを実現していましたが、今回、そのメリットを書き込みでも実現しています。低レイテンシーの入出力により、メインフレーム・ワークロードの経過時間の短縮、トランザクション応答の高速化、スケーリング・コストの削減を通じて価値を実現できます。zHyperLink で加速した書き込みは、Db2 for z/OS トランザクション処理を大幅に迅速化して、アクティブ・ログのスループットを向上させます[7]。zHyperLink の書き込み機能は、IBM メトロ・ミラー複製と IBM HyperSwap もサポートします。

パフォーマンスは、データ・ドリブンなビジネスを進める上で極めて重要なものですが、最近の IBM Storage の発表内容はスピードだけにとどまるものではありません。ストレージ容量の増加と効率化も IBM のイノベーションにおいて重点領域となっています。IBM が紹介している新しい 15.36 TB の大容量フラッシュは、IBM DS8880F システムのストレージ密度と搭載可能ストレージ容量を倍増できます[8]。新しいフラッシュによって実現可能なストレージ容量の増加は、多数のメリットをもたらします。同じ物理スペースにより多くのデータを保管できるようになるだけではありません。例えば、DS8888F システムは、1 台のシステムで 8 ペタバイトの容量を保管できるようになっただけでなく、ビッグデータ分析、テクニカル・コンピューティング、メディア・ストリーミング、ブロックチェーン、機械学習などの複数のワークロードを統合できるようになっています。そして、新しいフラッシュを活用する DS8880F システムにより、これらのメリットは、IBM Z、IBM LinuxONE、IBM Power Systems、その他のサポート対象システムでも実現します。

新しい大容量フラッシュを実装するIBM DS8880F システムが、IBM Easy Tier 機能のメリットを享受できることも重要なポイントです。Easy Tier は、AI テクノロジーを使用して、ストレージ・プール内のすべての容量のデータ配置を自動化します。Easy Tier を使用すると、必要に応じて高性能ストレージと高容量ストレージの間でデータを移動して、効率とパフォーマンスを向上させながら、ストレージ・コストを削減することができます。

IBM FlashCoreテクノロジーフラグシップである IBM FlashSystem 900 でも容量の拡張が提供されています。しかし、IBM FlashSystem 900 ではこれまで通り革新的な取り組みをしています。保管データの圧縮率にもよりますが、大容量モジュールのメモリを増やすことで、実効容量を2 倍以上の約 44 TBにすることが可能です。[9]。最新の IBM FlashSystem 900 モデルでは、ユーザー・インターフェースやレポートの改善、リビルドの高速化など、数多くの機能が拡張されています。

[1] IBM IT Infrastructure Blog: Flash Memory Summit Award: Most Innovative Flash Memory Technology — IBM FlashSystem 9100 (2018 年 8 月) (https://www.ibm.com/blogs/systems/flash-memory-summit-award-innovative-flash-memory-technology/)

[2] Storwize V7000 Gen2+ (24 個のフラッシュ・ドライブ、ソフトウェア圧縮) を Storwize V7000 Gen3 (24 個の FlashCore モジュール、ハードウェア圧縮) と比較した結果です。

[3] IBM の将来の方向性および指針に関する記述は、予告なく変更または撤回される場合があります。これらは目標および目的を提示するものにすぎません。

[4] フラッシュ・エンクロージャー 1 台とグリッド・コントローラー 3 台の新しいエントリー構成を、フラッシュ・コントローラー 2 台とグリッド・コントローラー 4 台の以前のエントリー構成と比較した結果です。

[5] 「IDC Worldwide Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker」(2018 年 3 月 1 日) のデータを IBM で分析した結果に基づいています。(https://www.idc.com/tracker/showproductinfo.jsp?prod_id=5#)

[6] IBM developerWorks: IBM DS8880 zHyperLinks gives low latency access to storage (2017 年 4 月)(https://developer.ibm.com/storage/2017/04/15/ibm-ds8880-zhyperlinks-gives-low-latency-access-storage/)

[7] IBMの研究所で、zHyperlink と zHPF をそれぞれ使用して接続した 2 台の DS8886 を比較した測定結果に基づいています。

[8] DS8882F の 737.3 TB を以前の 368.6 TB と比較した結果です。容量増加の割合はモデルによって異なります。

[9] 44 TB の実効容量は、2.4:1 の圧縮に基づいています。

※本記事はFlash Innovation at the speed of businessの抄訳です。


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