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新しいものを生み出そうとする人や現場を支援することが喜び(Watson IoT 藤枝 慎)

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Watson IoTチームメンバー・インタビュー #12

藤枝 慎 画像データサイエンティスト

 

Watson IoTチームのメンバーが、IoTとAIの過去・今・未来を中心に、自らの考えを語るインタビューシリーズ、第12弾は入社1年目の藤枝さんの登場です。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

      — はじめまして。今日はよろしくお願いします。

はじめまして。でも去年の入社直後、実はパチさんの研修を受けてるんで、初めてじゃないんです。

とはいえ100人以上いたんで覚えていないですよね。

 

      — そうでしたか! 新入社員向けの「ソーシャルに働いてしあわせになろう!」研修ですね。ということは入社して1年目ですよね。入社前は何をされてたんですか?

大学では画像解析や画像処理の研究をしていました。大学院では、それに加えてコンピュータグラフィックス(CG)もやっていました。

 

      — それで「画像」データサイエンティストという肩書きなんですね。今は具体的にどんなことをされているんですか?

機械学習、特にディープラーニングを用いて、画像による検査ツールや異常検知プログラムなどを開発しています。

今後、もっとさまざまな業界や業種で取り入れられていくテクノロジーです。

 

      — どんなところで使われているんですか?

一番わかりやすいのは、レントゲン写真ですね。

これまではお医者さんが一枚一枚目視チェックをしていました。でもこれだと、どうしても時間的な制約があったり、ばらつきが出てきたりしますよね。

 

      — 本来あってはいけないことでしょうが、ときに見逃してしまうこともありそうです。

はい。それを機械学習を進めることにより、取りこぼしをなくせます。そして可能性の高さも含めて提示することができるようになります。

他には、電子基板上のキズや欠陥を調べたり、液晶のドット抜けや電線の腐食チェックなどにも使われています。

 

      — 電線の腐食チェックですか。

そうです。検査員が一つ一つを目で確認するには膨大な時間がかかります、もちろん費用も。

それを問題を抱える電線の画像をコンピューターに大量に学習させることで、時間も費用も大幅に減らすことができます。検査員の思わぬ事故なども減らせますしね。

 

 

      — IBM入社前は、アルバイトとかインターンとかしてましたか?

CG制作業界で有名な会社で2年間インターンをしていました。そこでは、CGクリエイターが作品制作に使用するツールの開発していました。

クリエイティブの世界の最前線に触れられて、すごくおもしろかったし刺激的でしたね。

 

      — そっちの世界に進むって判断もあったと思うんですけど、どうしてIBMに入社したんですか?

まあ率直に言って、安定性を選んだと言っていいのかなと思います。CGはアートの世界に近くて、ハードに仕事をしても報われるかどうかはまったく分からない世界です。

どれだけ素晴らしい「一点もの」が生み出せるかによる部分が大きいんです。とは言え、僕自身はアーティストではなく裏方的な役割でしたが。

 

      —クリエイティブの世界と比べて、刺激やおもしろみに物足りなさを感じませんか?

そんなことはないです。新しいものを生み出そうとする人や現場を支援することに喜びを感じます。

一点もののアートの世界と違い、工業や製造業の世界では、さまざまな製品や分野に汎用的に用いられる技術や手法を作り出すことで広く社会に貢献できます。

 

      — 先ほど「裏方的な役割が好き」と言ってましたが、発表する側に回りたいとは思わないですか?

趣味としてときどき動画を作ったりはしますけど…でも、研究開発の分野で、支援する側の方が好きですね。裏方の方が性に合っていると思います。

あ、でも去年、とあるテレビ局のCG製作に部分的に少しだけ関わらせてもらい、それはやっぱり嬉しかったです。

 

      — そもそもCGに興味を持ったきっかけは? ピクサーとか?

はい。ピクサー・スタジオです! ピクサー作品は全部観ます。

子どものときにトイ・ストーリーを、モンスターズ・インクを観て、夢中になりました。

 

      — 私も何作か観ました。ニモとか、女の子の頭の中で感情のキャラクターたちが動き回るやつとか。…でも、正直まったく観たいと思わない映画も少なくないです。

感情のキャラクターの作品はインサイド・ヘッドですね。ホントあれはすごく良かったですよね!!

…まあでもたしかに、パチさんが言う通り、ストーリーとしては大人にはちょっと物足りないものもありますよね。でも、僕は使われているCG技術や映像を観るだけでも、毎回目を見張らせられます。

 

 

      — Watson IoT事業部には配属を希望されたんですか?

いえ、そうではないです。あまりどんな部門があるのかも、ちゃんと理解できていませんでしたし…。

でも、結果的にこのチームに参加できて本当に良かったです。上司が「どんどんチャレンジしちゃいな」って背中を押してくれて、一年目から最前線で経験を積まさせてもらっています。

 

      — プレッシャーはないですか?

…プレッシャーとは違いますが、正直大変です。でも、バックアップもすごくしてくれるので安心感はあります。

 

      — どんなところが大変ですか?

いろいろありますが、ディープラーニングや人工知能のことが社会的にはまだあまりきちんと理解されていなくて、お客さまに誤解されていることですかね。

「仕事を奪われて人間は不要になる」みたいな論調はひと時よりは減っている気もしますが、それでも「画像データをたっぷり揃えれば、後は人工知能がどうにかしてくれるんでしょ」という誤解をされている方はまだまだ多いです。

 

      — 人間不要論は誤りですか?

可能性がゼロとは言いませんが、人工知能同士がやり取りして人間には理解不能なものが生まれ、それがまたさらに新たなものを生み出して…というシンギュラリティーの世界は、仮にあるとしてもまだ相当先だと思います。

2045年ってことはないんじゃないですかね。

 

      — ターミネーター的な世界はやってこない?

AIのブラックボックス化が問題と言われますが、それに対してIBMは信頼性と透明性を提供する取り組みを積極的に行なっています。

そしてターミネーター的な世界の入り口になるのは、先ほど言ったような結果自体が人間に理解不能となってしまうことだと思うのですが、少なくとも2045年の段階では、可能性のわずかなカケラ程度しか見えていないんじゃないでしょうか。

参考: IBM、AIのブラックボックス化解消に大きな一歩

 

      — そう信じます。では、こうした誤解を解くためにはどんなことをしていくべきでしょうか?

データサイエンティストをはじめ、業界にいるひとりひとりが正しく理解すること、そしてそれを発信していくことが必要だと思います。僕を含めてですね。

でもそれと同じくらい、いわば「AI界の落合陽一さん」とでも言うような、正しい知識を伝えられる、現場に腰を据えたインフルエンサーが必要かなとも思います。

 

      — 藤枝さんが「AI界の落合陽一さん」になる?

いや…。さっき、「裏方の方が性に合っている」て言ったじゃないですか(笑)。

 

インタビュアーから一言

入社後、本社オフィスの3階にある社員用のスポーツジムに通うようになって、1年弱でウエストが6センチも細くなったという藤枝さん。ここ数年間休んでいたテニスも、最近スクールに通い始めたとか。

口では「裏方が」って言ってましたが、本当は「AI界のスポーツ万能のインフルエンサー」の座を狙っているんじゃないかなあ(笑)。

(取材日 2019年1月30日)

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