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Watson Assistant のさらなる進化 ー新たな価格プラン

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Watson Assistant is Evolving (Again)

写真: Suzanne D. Williams (Unsplash)

「継続的な成長と発展なくして、改善・達成・成功という言葉に意味はない」— ベンジャミン・フランクリン

Watson Assistant は、常にチャットボット市場をけん引し続けてきました (IBM ではチャットボットではなくアシスタントと呼びます)。Watson Assistant は、ステートレスな開発者 API として始まり (以下参照)、当初は関連する外部アプリケーションの構築にまつわる苦労がありました。しかし数年にわたる進化を経て、今では初回で顧客と従業員の課題を解決する、総合的なカスタマー・ケア製品になっています。
Watson Assistant is Evolving (Again)

この図は、当初アシスタントがどのように構築されていたかを示しています (複雑な環境内に多数のカスタム・コンポーネントがあります)。

 

2020 年は前例のない 1 年となりました。特に、カスタマー・サービスと従業員サービスの面では、ロックダウンが行われ、テレワークが進み、コールセンターにかつてない数の問い合わせが寄せられ、エージェントのキャパシティーが限界に近づくという、これまでの想像を超える課題が生じました。この記事では、2021 年に待ち受ける難しい課題に対応するために Watson Assistant がどのように進化しているのかをご紹介します。また、新たな料金設定についても触れます。

 

Watson Assistant is Evolving (Again)

この図は、Watson Assistant が現在どのように構築されているかを示します (事前構築されたエンタープライズ・グレードのコンポーネントを使用した、シンプルなアーキテクチャーです)。

 

1. 初回の問い合わせでの解決

コンタクトセンターやヘルプデスクがかつてない数の電話/チャット対応に追われている今、問い合わせの解決を初回で迅速に成功させることが、製品に求められる最大の優先事項の 1 つであるのは当然です。初回の問い合わせで解決できない問題に対応するための重要な点は 2 つあります。ユーザーのエンゲージメントと、質問の正確な理解です。

エンゲージメントの点で言えば、Watson Assistant は以下の機能によって、お客様が実際に使いたくなるツールになることができます。

  1. 電話、SMS、WhatsApp の統合: Watson Assistant は、電話(英語)、SMS(英語)、および WhatsAppをネイティブにサポートするようになりました。電話が統合されたことで、お客様は従来の対話式音声応答 (IVR) を置き換える、モダンな音声アシスタントを素早くデプロイできます (既存の電話プロバイダーをそのまま使用できます)。さらに、高度な AI を使用して構築された自然な声の音声合成サービスも提供されます (音声統合の作成時に自動でプロビジョニングされます)。
  2. インテント認識モデル: 数百、あるいは数千のトレーニング・サンプルなしで顧客を理解するには、優れた AI が必要です。最近の調査で、Watson Assistant は、オープンソース製品を含む主要な競合企業のなかで最もインテント認識の精度が高いことがわかりました。(英語) つまり Watson Assistant は、他のチャットボット・ベンダーのように顧客が何度も別の言葉で言い換えなくても、ユーザーが顧客の質問を理解できるよう支援します。
  3. ホーム画面と Web チャット・クライアント: IBM では、お客様がアシスタントを自社 Web サイトに素早くデプロイできるよう、Web チャット・クライアントをリリースしました。しかし、仮想アシスタントが支援できる内容を、顧客がいつも容易に理解できるとは限りません。そこで、Web チャット・クライアントにホーム画面が導入されました。ホーム画面を使用することで、ウェルカム・メッセージと、アシスタントが支援できる一般的な意図を表示して、ユーザーをガイドできます。(英語) 社内のテストでは、ホーム画面によって、初回のやり取りでのエンゲージメントが 50% 高まりました。
  4. 適切な質問にたどり着くための、自動化のさらなる改良: 優れた AI を備えていても、ユーザーの質問が入り組んでいてわかりづらいことはあります。Watson Assistant は、これまでも、ユーザーを適切な場所に導くための明確化機能を提供してきましたが、さらなる改良のために「提案」機能が追加されました。(英語)  提案は、AI を使用して、ユーザーが問題に遭遇した場合にそれを把握し、ユーザーに適切なインテントや質問を先回りして提案します。

これらのあらゆる新しい機能 (加えて、明確化や Web チャット・クライアントなどの以前からある機能) によって、Watson Assistant は顧客が実際に使いたくなる優れたユーザー・エクスペリエンスを提供します。また AI を使用することで、初回で顧客を理解できるようになります。

 

2. カスタマー・ケアのためのテクノロジー・スタックの断片化を解消

企業は、自社ビジネスに合ったベスト・オブ・ブリードのツールに投資しています (また、そうでない企業もそうすべきです)。自社のチャットボットと連携するからという理由だけでアプリケーションやツールを選ばざるを得ない状況は避けなければなりません。Watson Assistant は、オープン・エコシステムとして設計されているため、お客様はすでに投資しているツール、システム、およびアプリケーションに接続できます。

ただし、お客様はこのようなオープン・エコシステムに加えて、エクスペリエンス全体のオーケストレーション機能も求めるようになってきています。ボット・プラットフォームを開発者サービス/ミドルウェアとして使用する場合、お客様はオーケストレーションのために大規模かつ複雑なアプリケーションを作成しなければなりません。接続が必要なあらゆるチャネル/システムの完全な理解、会話の状態の管理など、数多くの作業が必要です。進化した Watson Assistant は、お客様に代わってこれらの多くを担うことができるようになっています。

  1. イベント前の Web フック: 新しいイベント前の Web フックは、ユーザー・エクスペリエンス全体のオーケストレーション機能の中核です。イベント前の Web フックを使用すると、Watson Assistant に取り込まれる前に情報を操作できます。これは、個人情報 (PII) データの削除、ユーザー認証、および言語翻訳などのユースケースに不可欠です。
  2. イベント後の Web フック: さらに、イベント後の Web フックも追加されました。つまり、チャネル上で応答がエンド・ユーザーに到達する直前に、システムをオーケストレーションしたり、応答を変更したりすることができます。
  3. ロギング Web フック: すべての会話データを、ロギング Web フックを通じてイベントとして送信できるようになりました。これにより、他のツールやウェアハウスで、データを容易に (リアルタイムで) 使用・分析できるようになります。
  4. コンテンツ・クローラー: 検索スキルは、既存のコンテンツ・ソースから応答を提供し、Web ページ、PDF、SharePoint、Box、Salesforce など、あらゆる種類のデータ・ソースをクロール(英語) できます。
  5. サービス・デスク統合によるエージェントへのエスカレーション: 追加構成の必要ない Salesforce および Zendesk とのサービス・デスク統合に加えて、お客様が他の主要なカスタマー・ケア・プラットフォームと接続し、その場でエージェントに引き継ぐことができるよう、統合が拡張されました。お客様が独自のサービス・デスクを持ち込む場合、Twilio Flex、Genesys Cloud、および NICE inContact と統合できるように事前構築されたコード・パッケージを提供しています。(英語)さらに、他のカスタマー・ケア・プラットフォームとの統合を作成できるよう、基本コードも提供しています。

 

3. 単純な FAQ ボットを超えた拡張

初回の問い合わせで問題を解決することと、カスタマー・ケアのためのテクノロジー・スタックの断片化を解消することは非常に重要ですが、これらに加えて、複雑化し続けるユースケースに合わせて仮想アシスタントを拡張していく方法も求められています。通常、複雑なユースケースには、ユーザーからの具体的な入力に応じて変化する複数のバリエーションが関係します。

  1. アクション: 先日、「アクション」をベータ版でリリースしました。アクションは、Watson Assistant 内部での会話のフローの構築を劇的に簡素化します。インテント、エンティティー、およびダイアログの間を横断する代わりに、コアな機能のすべてが 1 つのページに組み込まれます。アクションは、現在使用できるダイアログ・ビルダーのビジュアル・エディターを改良し、リッチ・メディアの提供などの追加機能が含まれます。
  2. カバレッジと抑制のメトリック: Watson Assistant の分析セクションにカバレッジと抑制のメトリックが追加されたことで、お客様はアシスタントのパフォーマンスをより的確に分析できるようになります。カバレッジは、ユーザーが実際にたずねている質問に対応するために適切なインテントが構築されているかどうかを示します。一方、抑制を見ると、会話がどの程度エージェントにエスカレーションされているかがわかります。
  3. 自動学習: 自動学習によって、時間の経過とともにユーザーへの応答が自動で向上され、より効率的で正確なアシスタントが最小限の労力で構築されます。自動学習は、明確化のクリックから学びます。明確化でユーザーが特定のオプションを選択すると、自動学習はその入力を使用して、インテント認識の機械学習モデルの基礎となる重み付けを更新します。これにより、時間の経過とともにアシスタントからユーザーへの応答の正確性が高まります。
  4. 言語の拡張: IBM では、Watson Assistant のサポート言語数の向上に継続的に取り組んでおり、インテント提案機能におけるフランス語、ドイツ語、イタリア語などの言語サポートを新たにリリースしました。現在 Watson Assistant でサポートされている全言語の最新情報は、こちらで確認できます。

 

 

新たな料金設定

Watson Assistant の料金設定は、製品の進化を反映して更新されています。リリースされた新機能全体により、Watson Assistant の総所有コストは他のベンダーよりも低く抑えられます。お客様は、堅固な仮想アシスタントを任意のチャネル上に構築し、バックエンドのシステムとアプリケーションにシームレスに接続し、エクスペリエンス全体をオーケストレーションして、ほぼすべてのユースケースへと拡張できます。

以下は、2021 年 3 月 1 日付で変更される内容です。

プラス・プラン: プラス・プランの料金は 1 カ月あたり $140 からで、これには 1,000 MAU (月別のアクティブ・ユーザー) が含まれます (ユーザーあたり $0.14)。追加の MAU を 100 MAU あたり $14 で購入できます。電話の統合はシンプルなアドオン料金で開始できます。音声 100 MAU あたり $9 (デジタルおよび音声の組み合わせの場合 $0.23/ユーザー) です。1 分ごとの音声合成料金が別途課金されることはありません。すべて料金に含まれています。

エンタープライズ・プラン: プレミアム・プランの進化版として、新しいエンタープライズ・プランの提供も開始します。エンタープライズ・プランにはプラス・プランの内容すべてが含まれますが、上限が引き上げられ、エンタープライズ機能 (データ分離や HIPAA 対応など) が追加されています。ボリュームが多い場合にはプラス・プランよりもコスト・パフォーマンスの高い料金設定になっています。

エンタープライズ・プランと新たな料金設定が有効になる 2021 年 3 月 1 日に、追加の発表および情報が提供されます。

Watson Assistant の新機能は、こちらの Web サイトでチェックできます。新規のお客様は、ライト・プラン、またはプラス・プランのトライアルで、無料で使用を始められます。ぜひお試しください。

 


 

原文:Watson Assistant is Evolving (again!) (https://medium.com/ibm-watson/understanding-the-watson-assistant-for-voice-interaction-solution-b08eff69f46e)

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