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Think Summit 2019レポート#1 『健康経営をブラジャー型ウェアラブルで』 – ミツフジ & Peach Aviation事例

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掲載された内容は2019年6月現在のものです。


日本IBMの大型イベント「Think Summit 2019」3日目のオープニングセッションは、新社長 山口 明夫による「社会の変化とIBMの役割」についての説明、とりわけ初日のキーノートでも紹介された「3+1の約束」の再確認からスタートしました。

参考: 日本IBMが約束する「3+1」とは -「Think Summit」が開幕

 

デモを交え「AIのためのIA(情報アーキテクチャー)」の重要さを伝えるパートで前半を終えると、後半は先端お客さま事例の紹介が中心となりました。

当セッションレポートでは、最注目の先端事例の2つの中から、ミツフジ株式会社とPeach Aviation 株式会社(peach)のコラボレーション事例をご紹介します。

 

登壇者(右から)

ミツフジ株式会社 代表取締役社長 三寺 歩 氏 (以下: 三寺)

Peach Aviation 株式会社 生熊 潤子 氏 / 玉井 史朗 氏(以下: 生熊 / 玉井)

Watson IoT事業部長 村澤 賢一 (以下: 村澤)

 

村澤:

ミツフジさんはつい最近、ワコールさんと共同で、働く女性の健康管理をサポートするブラジャー型のウェアラブル端末「iBRA」を発表されましたよね。

伝統産業の西陣織からグローバルなIoT企業へと華麗なる転身を遂げたミツフジさんですが、まずは簡単にその背景を教えていただけますか。

 

三寺:

祖父が興した繊維産業のビジネスを私が継いだのが2014年です。それまで私はIT業界という右肩上がりで成長を目指していくのが当たり前の業界にいたので、違いの大きさに大変驚かされました。

そんな斜陽と思われている世界を変えていくには、自分たちがニーズとシーズの間に立ち、接着剤役となって一つの産業を作り出すことことが必要だと私は考えました。

そしてさまざまな取り組みの結果、私たちミツフジは世界で最も正確な心拍波形を取得できるウェアラブルデバイスを作り上げ、それを中心としてhamon(ハモン)というサービスを提供しています。

 

 

村澤:

hamonは屋外で働く労働者の健康管理からスポーツ選手のコンディショニング、そして先ほども少し触れました働く女性向けの分野へと進出しています。この取り組みについて、peachさんの視点から少しお話いただけますか?

 

玉井:

私たちpeachは国内・国際線を運航する日本初のLCC(ローコスト・キャリア)です。私たちの特徴は、「妥協なき安全」を最優先事項と位置づけていること、そして健康経営に積極的に取り組んでいることです。

一方で、LCCとして、手頃な航空運賃で気軽に移動をお楽しみいただけるよう、客室乗務員には上手にマルチタスクをこなしていただく必要があります。

「お客様の笑顔は確かな安全から生まれる」という安全理念を持つ私たちにとって、客室乗務員の笑顔は非常に重要です。そんな中、客室乗務員の笑顔を拡げるために大変役立ちそうなお話をミツフジさんとワコールさんからお聞きし、ぜひ私たちも参加したいと思ったんです。

 

生熊:

私たち客室乗務員の仕事は「感情労働」とも呼ばれている、心理的ストレスの大きな仕事です。ですから自身のストレスを理解しどのようにコントロールしていくかは大きなテーマでした。

今回、peachが実証実験に参加することとなり客室乗務員の参加者を募集したところ、すぐに「着用してみたい」と10名以上が手を挙げてくれました。そして搭乗中だけでなく、地上でも、そして就寝中などのオフの時間も含めてブラジャー型ウェアラブルを2週間着用してテストデータを集めました。

結果は、自覚していたストレスだけではなく、それまで自覚していなかったストレスも数値で把握でき、これまで以上に自分の特性に合わせた「ストレスマネジメント」ができるようになりました。大変感謝しています。

 

 

村澤:

感情労働とストレスマネジメントという2つのキーワードが出ました。

これまで私たちは、ぼんやりと自分の体調を把握はしていても、数値をベースにした科学的セルフマネジメントをやってきていなかったと思うんです。今後は「働くことのプロフェッショナル」として、より積極的に自身の身体状態や精神状態の認識を正しく理解している必要がありますよね。

 

生熊:

そう思います。そして私たち客室乗務員は「笑顔で溢れる世界」という私たちpeachの世界観を伝えるブランド伝道者だと思うんです。ですから今回のiBRA開発を通じ、「十分な睡眠」と「仕事のやりがい」いう笑顔の秘訣を解明できたのには大きな意味があります。

今後はここで得た結果を元に仕事のやりがいを一層高められるよう、会社の期待度や評価をきちんと伝えることで一人ひとりの承認欲求に応えていく。そしてストレス値が多少高くなっても、習得度やスキルに応じた「適度なチャレンジ」を感じられる仕事の割り振りを実践していこうと考えています。

 

玉井:

今回の開発を通じて「こんなことが分かるのか、こんなことができるのか!」という発見がいろいろありました。健康経営にどんどん役立てて行きたいです。

そして今後の展開としては、私たちpeachの側だけではなく、搭乗するお客さまにもウェアラブルを着用いただきデータを集め分析していくとか、別のパートナーシップにも拡げていくとか、そうした取り組みによりもっと笑顔を増やせるんじゃないかとアイデアを膨らませています。

 

 

村澤:

三寺さん、今後のミツフジの取り組みと、IBMを選んだ理由や期待を最後にお聞かせいただけますか。

 

三寺:

これからの季節に心配される熱中症対策はもちろんですが、保育園や乳幼児の見守りなど、子どもたちの安全や健康を守る取り組みにも注力していきたいと考えています。

私たちミツフジの目標は、お客さまが抱えている課題に、最もふさわしい解決方法を提供する企業になることです。IBMさんにはこれまで通り、あるいはこれまで以上に、グローバルなネットワークを活用した情報力とすばやい対応で支援していただきたいです。

 

関連ソリューション: IBM Maximo Worker Insights

 

(TEXT: 八木橋パチ)

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