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イオン銀行 顧客対応の裏に「IBM SPSS Modeler」あり!

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山本洋一郎氏人像イメージ

「SPSS Modelerの魅力、それはデータ分析の経験がある人とそうでない人、どちらにも通じる「ユーザーフレンドリー」さです。」

株式会社イオン銀行 執行役員 チャネル統括部 部長 山本洋一郎氏

 

 

2017年、日経金融機関ランキングで創業以来の念願だったという「お客さま満足度第1位」を獲得したイオン銀行。設立から10年、いまや住宅ローン残高は1兆5000億円。大手メガバンクをはじめ数多のプレーヤーがひしめく金融業界に参入し、住宅ローンを中心に業績を伸ばしてきた背景には、お客様へのスピーディーな対応と優れたデータ分析力があったといいます。そして、それを支えてきたのが他でもない「IBM SPSS Modeler」です。2017年10月には社内のデータサイエンティストを集めた分析チームであるアナリティクスセンターを発足。本記事では、準備会社設立時よりSPSS Modelerを導入し、活用してきた同行 執行役員の山本洋一郎氏に、SPSS Modelerを採用した動機や他のソフトウェアにはない魅力についてお聞きしました。

 

開業前夜、住宅ローンの審査モデルをつくるのに大活躍したSPSS Modeler

「SPSS Modelerを選んだ理由、それはまず私自身がユーザーだったという背景があります。20年近く前、前職でSPSS Modelerにはじめて触れたとき、こんなにもすごいソフトがあるのか、と衝撃を受けたのを覚えています。私は統計の知識がまったくなかったのですが、SPSS Modelerは非常にユーザーフレンドリーで素人にも難しいところがひとつもなかった。これだったら誰が使っても失敗はないだろう、と思いました」(山本氏)

イオン銀行の設立は2007年の10月。同行では、それ以前に設立された準備会社の段階よりSPSS Modelerを導入したといいます。では、データ分析プラットフォームであるSPSS Modelerは、設立されたばかりのイオン銀行でどのような役割を果たしたのでしょうか。

「まず、住宅ローンの審査モデルをつくる目的で導入しました。その後も、与信分野では住宅ローンの審査モデルの構築やモニタリング、信用リスクの計量化に活用しています。他にはマーケティングなどでも使っていますが、最も活躍して収益にも貢献した分野はやはり住宅ローンですね。審査までに時間がかかると競争力を失ってしまう。かといって曖昧な回答は出せない。スピード感をもって、かつ適切な回答を出すという意味でSPSS Modelerは非常に優れていました。とくに「Collaboration and Deployment Services(CADS)」という、分析結果を現場にすぐ展開することのできるツールがあったのは助かりました」(山本氏)

イオンモールなどの商業施設に店舗を持つイオン銀行の特長は、原則朝9時から夜9時までの365日営業です。他行とは違う営業形態の中でSPSS Modelerも休むことなく働いています。山本氏は「SPSS Modelerはモデルのチューニングやルール変更も非常に簡単でスピーディーに行えるので、審査部や営業部などの現場の要請にタイムリーかつローコストで応えられています」と評価します。

 

未経験者でもSPSS Modelerを駆使すれば迫力あるレポートがつくれる

山本洋一郎氏人像イメージひとりのユーザーとしてもSPSS Modelerを愛用してきた山本氏。その魅力について、さらに質問を重ねてみました。

「繰り返しになりますが、操作が簡単だというのがいちばんですね。たとえ初心者でも何も身構えなくていいというか。個人的にはノードをつないでストリームを作っていくのが工作やお絵描きっぽくて楽しいです。分析結果をアートのように美しく視覚化できるというのも大きいと思います。同じような機能を持つソフトウェアは他にもありますが、実装するにはプログラマーが必要で、これは誰でもできるわけではありません。その点、SPSS Modelerは使う人のレベルを問わないので、今回新たに発足したアナリティクスセンターにもメインのソフトウェアとして導入しました。実際、分析した結果をシステムに実装するとなると相当な手間がかかるんです。それを、SPSS Modelerは分析者が作ったものをそのまま発注者に渡すことができる。業務ルールなんかもそこに書き込むことができるし、パラメータや合成変数なども入れられる。このように機能が多彩な点や俊敏性も魅力です」

開業10周年を迎えたイオン銀行は、その口座保有者は約600万人、クレジットカード会員は約2700万人に上り、これらが生み出すトランザクションは実に膨大です。データ分析の重要性が日々増大しているなかで、イオン銀行が発足させたのが山本氏率いるアナリティクスセンターです。

「私どもイオン銀行は、親しみやすく便利でわかりやすい金融サービスを提供してお客様満足度ナンバーワンの銀行になろうというビジョンを持っています。現在、そのビジョンをもとに2017年、2018年、2019年の3カ年で中期経営計画を走らせているところです。その一環として、私が所属しているチャネル統括部でもチャネル戦略というものを立案しました。その戦略に沿った組織がアナリティクスセンターです。具体的には、これまで各所に散らばっていた分析者=データサイエンティストをひとつの部署にまとめようというものです。これにより分散していた知見やスキルといったものが集約され、より業務の効率化が可能となりました。発足当初のメンバーは私を含めて8名です」(山本氏)

イオン銀行のようにデータサイエンティストを集めて分析チームをつくろうという動きはさまざまな企業で見受けられます。そこで担当者が悩むのは、どういった人材を集めるか。山本氏がチームの人材に求めるものとはいったいどういうものなのでしょうか。

「一般的にデータサイエンティストの素養といえば、業務知識とITリテラシー、それに統計の知識が挙げられるのではないでしょうか。私どものアナリティクスセンターでは、基礎フレームとしてデータサイエンティスト協会が公表しているスキルセットを考えています。実はここでもSPSS Modelerに助けられています。うちのチームには分析未経験の若いスタッフが3人おり、他のメンバーもSPSS Modelerを使った経験はゼロです。みんなアナリティクスセンターに来てはじめて触れたわけです。ところが、研修も受けずに基本的な操作を学習し、レポートを作成できるようになりました。さすがデジタルネイティブ。彼らの世代には直感的に使えるSPSSがぴったりなのかもしれません。メンバーの中には他社のアナリティクス・ソフトウェアのインストラクターを務めた者もいるのですが、『SPSS Modelerを一度使ったら、もう他のソフトは使えない』と言っています」(山本氏)

 

データサイエンティストの人材育成にも最適のソフトウェア

データサイエンティストの速成にも役立つSPSS Modeler。「扱うのに、向き不向きはない」というのが山本氏の感想です。ユーザーフレンドリーなインターフェースは誰でも抵抗なく触れることができる上、例えば社内で急な異動があった際も前任者の仕事をそのままビジュアルで捉えることができるため、直感的に「前回のプロジェクトはこのように動いていたのか」といったことが判読できる。それがSPSS Modelerの強みです。

直感的に操作できるSPSS Modelerの画面イメージ

直感的に操作できるSPSS Modelerの画面イメージ

「ストリームをそのまま引き継げるのはいいですね。私もそうだったのですが、データ分析は人がつくったプログラムを見て勉強するのがいちばんの近道です。その点、SPSS Modelerは経験のない人間に知見やスキルをトランスファーすることが容易で、誰かのつくった過去のプログラムをそのまま自分のものにすることができます。それを見て、今度は自分なりに手を加えていけばいい。人材育成という意味でも最適のソフトウェアですね。実際、若手の3人を見ていると成長のスピードが速い。遠くないうちモデルの構築も一通りできるようになるのではと期待しています」(山本氏)

アナリティクスセンターについて、山本氏は「かねてから立ち上げたいと考えていた」と振り返ります。同行 渡邊廣之社長に相談したところ、社長自ら「スカウト」してきたのが、データ分析経験ほぼゼロの若手メンバー3人でした。

「アナリティクスセンター発足前、私がメンバーに求めたのはITや統計の知識よりも、コミュニケーション能力でした。現業部門の発注者が何を求めているかというところを読み込んで、それをきちっと分析結果に反映させてアウトプットする。メンバーにはいつも、『空気を読んでくれ』『伝える力をしっかり身につけてくれ』と言っています。こんなふうに人材集めにコミュニケーション能力を優先できたのもSPSS Modelerという優れたツールがあったおかげです。未経験の人間でも最初の段階でつまずくことがない、次の世代に引き継ぎがしやすいといった、いい意味でのハードルの低さはSPSS Modelerならではの利点ではないでしょうか」(山本氏)

アナリティクスセンターが目指すのは、データ分析を通してイオン銀行の基本理念を具現化していくことだといいます。

山本洋一郎氏人像イメージイオン銀行を含むイオングループの基本理念はお客様を原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するといったものです。私たちもこれを理解し、グループの目指す姿を実現できる組織をつくっていきたいと思っています。ちょうどチャネル戦略を立案するときにお客様に集まっていただいてグループインタビューをしたんですね。その際、ある男性の方が『私たちのまわりには情報があふれすぎていて、何を選択したらいいのかわからなくなっている。私の情報やデータはいくらでも提供するから“シャープな提案”をしてほしい』とおっしゃりました。こうした要望にお応えするためにも、SPSS Modelerをフル活用してお客様の生活をより豊かにしていきたいですね」(山本氏)

チームのリーダーとしてもっとも大切にしているのは人材育成。イオン銀行には構造化データや非構造化データが無数に存在し、データサイエンティストとして腕を磨くには「もってこいの環境」だといいます。

「学生の皆さんや、データサイエンティストを目指したい方、スキルアップをはかりたい方、意欲のある方をお待ちしています」(山本氏)

 

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