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SPSS Keywords Online:2015年以降のマーケティング・データ分析の課題:歴史認識、戦略課題、そしてメディア性

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慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 教授 井上哲浩氏

既に広く理解されているとは思うが、ビッグ・データからソーシャル・データのみが連想されるべきではなく、ソーシャル・データは、ビッグ・データの一部である。
ARPANET、JUNET、クラウドなどのインフラやそのアーキテクチュアの進展、モデム・ダイヤル・アップ接続、ISDN、ADSL、FTTH、WiFiなどの有線無線の通信技術の進展、MVS、DOS、UNIX、Windows、iOS、AndroidなどのOSの進展、メインフレーム、ワークステーション、PC、PDA、スマートフォン、タブレットなどのデバイスの進展、Google、Facebook、Twitter、Lineなどのプラットフォームの進展など、そしてこれらの進展と社会経済文化などの生活諸側面におけるデジタル化が、今日のビッグ・データ環境である。
今後のマーケティング・データ分析において、ビッグ・データの局所ではなく、この広範な50年以上にわたる進展を理解し留意することが必要であると考えている。

第2に、ビッグ・データを活用すれば、新たなマーケティング戦略への示唆が生まれる、という考えに警鐘を鳴らしたい。20年ぐらい前、データ・マイニングが注目された頃の教訓の一つである「GIGO」を覚えている方も少なくないであろう。GIGOとは、Garbage In Garbage Outの略で、ごみからはごみしか出てこない、という意味である。
大切なことは、マーケティング戦略課題を明らかにし、そのマーケティング戦略課題に適切なビッグ・データを活用しなければならない、という点である。ビッグ・データがマーケティングに与える可能性は相当であろう。しかしながら、マーケティング戦略構築において、全てのビッグ・データに価値があるとは思えない。

最後に述べたい点は、メディア概念を拡張して、マーケティング・データを分析することの重要性である。インフラや通信技術やデバイスやプラットフォームなどの進展は、ビッグ・データ化を推進している動因であると同時に、デバイスやプラットフォームがメディア化している動因にもなっている。
例えば、スマートフォンでアクセスしFacebookというプラットフォーム上で表現する場合と、PCでアクセスし表現する場合では、コンテンツの精度や発言内容の中心性が異なり、前者の場合は単なる表現であることが多く、後者の場合はやや推敲された精度の高い問題の中心性が高い表現であると考えられる。
したがって、コンテンツに影響を与えるメディア性を有するようになったデバイスやプラットフォームを識別し、それらのメディア性を理解したうえで、より適切なビッグ・データ分析し、マーケティング戦略を構築するべきであろう。

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