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日本総合研究所様事例 ~テクノロジーで先手を取る~

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SMBCグループにおけるWAS/MQ活用のあゆみと、これから

 

(株式会社日本総合研究所 執行役員 井上 毅 氏)

 

三井住友銀行を中核とするSMBCグループの業務を支えるシステム基盤には、多くのIBM WebSphere Application Server(以下、WAS)とIBM MQ(以下、MQ)が採用されています。ホスト・コンピューターの時代から、クライアント・サーバー型を経てオープン型のシステム、さらには共通基盤への集約など、より良いお客様サービスを求めてシステムも変化を重ねています。そうした中WAS/MQは、時代時代で必要としている最先端の技術や機能を取り入れており、SMBCグループでもこれらの先進技術をいち早く取り入れ、テクノロジーで先手を取ることで、グループ全体の成長に貢献していくことを目指しています。

 

SMBCグループとWAS/MQの活用 

SMBC グループは、三井住友銀行を中核として信託銀行や証券会社、クレジット会社、リース会社など、さまざまな金融サービスを提供する連結総資産199兆円の総合金融グループです。そして、こうしたSMBCグループの業務を支えるシステムの開発・運用体制は、三井住友銀行を中心としたグループ各社と、グループの IT 会社である日本総合研究所、そして運用・保守を担当する日本総研情報サービスが三位一体となり、システムの企画・開発・運用を行っています。

 

1965年に日本初のオンライン・システムが当時の三井銀行に導入され、以来、当グループとIBMとの信頼関係が続いております。また、当初銀行で稼働していたシステムは、現在ではグループ全体まで拡大され、業務の範囲もリテール、市場、海外、情報系、決済、リスク管理などさまざまな分野で活用されており、まさしく SMBC グループの標準基盤として日々の業務を支えております。もちろん、この標準基盤にもWAS/MQの技術が採用されており、現在は1,000台を超えるサーバーに導入され、これは国内最大規模だと伺っております。

 

MQは1993年に誕生しておりますが、その2年後の1995年にはオープン系で構築された国内円資金システムと IBMの ホスト・コンピューターとを連携するために国内でいち早くMQを採用しております。またWASは1998年に誕生いたしますが、その誕生1年後の1999年には与信システムで初めて採用されています。

そして2001年に住友銀行とさくら銀行が合併し三井住友銀行となるわけですが、ここからシステム自体の拡大に合わせて、WAS/MQも大規模に活用されていきます。また、その活用は国内にとどまらずグローバルでも採用され、さらにグループ各社のシステムにも導入が進み、活用の幅を広げてまいりました。

 

WAS/MQテクノロジー採用の背景

これまでのシステムの歴史を振り返ってみますと、1960年代はホスト・コンピューターと端末を直結させる事務汎用型システムの時代でした。しかしそこには、メインフレームの維持・管理コストの増大や属人化といった課題がありました。それが1990年代から2000年代になりますとWindows が登場し、業務ごとに分かれた目的別のシステムを個別に最適化して作っていこうというクライアント・サーバー型の時代となります。しかしここにも課題がありました。コンピューターのダウンサイジングにより維持・管理コストは下がりましたが、目的別に最適化された構成のため、各システムがバラバラな製品で構築され、メンテナンスが非常に煩雑となり、またOSの保守切れへの対応という課題も出てきておりました。こうした経緯を経て現在では、稼働できるプラットフォームが柔軟に選択できる Java を中心としたオープン技術への採用に大きく舵を切っております。

 

オープン系システムは柔軟性・拡張性に優れ、時代のニーズに合わせたサービスを迅速に提供することを可能にいたします。しかし一方で、お客様にサービスを提供する大事な基盤システム、特に金融システムは安定性が一番に求められます。こうした基盤システムに、全面的にオープン技術を採用するにはやはり不安がありました。柔軟性・拡張性に優れた先進的なオープン技術を活用しつつ、従来と同様に安定的にお客様にサービスを提供したいという、二つの要求を同時に実現するためにも WAS/MQは大きく貢献しています。

 

いくつかの例を挙げてみますと、一つ目は製品の信頼性です。これは金融システムには不可欠であり、どんな局面でも稼働保証ができる信頼性がないといけません。この点では、WASはアプリケーション・サーバーのランタイムだけではなく、エンタープライズ・システムに必要なスケーラビリティーといった管理機能が保証されており、安心してJavaを使っていくことができます。またMQ は、ホスト・コンピューターの時代から確立されたシステム間でのメッセージ送達保証をオープン型でも実現しております。

 

二つ目は将来性です。どんな優れた技術でも、環境に合わせてどんどん進化していきませんと、使い勝手が悪くなってしまい、陳腐化してしまいます。そのため常に時代を先取りする製品であることが求められています。この点でもWASは、IBMより Java プラットフォーム の成長に合わせたサポートを確約いただいており、IT技術の変化への対応にも安心感があります。またMQについてもIBMでは、すでにマルチベンダー、マルチプラットフォームをサポートしており、特に当グループのシステム構成はマルチベンダー体制ですので、非常に心強いサポートをいただいております。

さらに実績においても、WASは2001年時点ですでに海外のメジャー銀行で採用され、オリンピックのオンライン・システムといった大規模サイズでも活用されているなど、豊富な実績があります。またMQも、ミッション・クリティカル業務で多数の実績があり、オープン型でもデファクト・スタンダードとなっております。こうしたさまざまな観点からSMBCグループでは、オープン型システムへの移行にともない、WASおよびMQをその標準基盤で採用しております。

 

グループ共通基盤での活用と今後の取り組み

2013年からは、ITリソースのさらなる有効活用を目指して、仮想化の技術を取り入れ、オープン系の基盤を共通化・標準化していく取り組みを進めております。これまで個別に構築していた各システムを、グループのセンター内にあるプライベート・クラウド上のIBM共通基盤に集約することで、より効率的にリソースを活用することを可能にします。もちろんこの共通基盤上でもWAS/MQを採用しております。

 

共通基盤の構築にも課題はあります。やはり相応のコストが必要となることや、また仮想化技術によりサーバーを集約することで、かえってリスクが増すのではないかという意見もありました。例えば、これまでは一つのサーバーが倒れても影響するシステムは一つで済み、影響も局所的だったものが集約化することで影響が全体に広がってしまい、リスクが増大するのではないかという不安要素です。しかし、そのような課題も一つひとつ議論を重ねて解決していくことで、現在ではグループ全体で稼働する共通基盤となっており、その中でWAS/MQの技術が活用されています。

WAS/MQは、時代時代で必要としている最先端の技術や機能を取り入れており、それを当グループとしても積極的に採用することで、最先端の技術を活かした効率的で先進的なシステム構築に活かしております。

 

今後はこのWAS/MQの技術をさらに応用して、プライベート・クラウド環境だけではなく、パブリック・クラウド環境への活用も合わせて推進していく予定です。

 

これまでのオープン技術の導入や共通基盤への移行についても同様ですが、どうしても新しい技術や環境を取り込む時は勇気が必要です。その点、IBMの高い技術力・製品力は大きな支えになっております。これからも先進の技術をいち早く取り入れ、テクノロジーで先手を取ることで、グループ全体の成長に貢献してまいります。

WebSpher Liberty製品詳細はこちら
MQ製品詳細はこちら

 

2018年11月22日開催イベント『未来を拓くアプリケーション、メッセージング基盤 ~WebSphere 20年、MQ 25年の歴史とこれからの進化に迫る~』 より

『WebSphere 20年の歴史とこれからの進化に迫る』はこちらから。
『MQと歩んだ25年と、その先へ』はこちらからご覧ください。

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