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レジリテック(Resili-Tech) – 最新ITテクノロジーが変革する事業継続の近未来ー第2回 Watsonが災害時の人命救助を支援する

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matsumoto私が解説します!| 松本 健太(まつもと けんた)

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス
コグニティブ推進室 コンサルタント
 
mukaida向田 隆(むかいだ たかし)

日本IBM グローバル・テクノロジー・サービス
IT戦略コンサルティング アソシエイト・パートナー

 


1. 災害時の安全確保に向けてITが貢献できること

東日本大震災から6年が経ちます。
その経験から、中央省庁、自治体、民間事業者など様々な立場の方々が、災害時の対応についての検討を進めています。

ITにおいても、当時、SNSや様々な安否確認ツールの活用により、主に情報収集や状況把握に貢献できたケースが報じられています。
その次のステップとして、最近では収集された情報を活用し、初動対応における迅速な意思決定をITが支援できないのかについて関心が寄せられています。

内閣府発行のレポート(*1)によると、「東日本大震災においては、救出・救助活動各実働機関間等の連携が一部で困難であった」、「情報がない中での救命・救助活動であり、各実働機関間等の調整は事実上現場レベルに任されていた」ことが課題として認識されています。
初動対応における救出・救助活動は人命に関わる最優先事項であり、その緊急性に応じて速やかに、かつ適切な判断が求められます。

前回のブログ(*2)でご紹介しましたResili-Tech(レジリテック)のフレーム上では、このご要望は「②それを速やかに関係者に伝達し」に該当し、その実装技術として、ソーシャルツールやチャットボットなどの状況に応じてダイナミックに情報が収集できるユーザーインターフェースと、複雑な状況を整理して救助者の意思決定を支援するコグニティブが期待されています。

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2.Watson Rescueとは – 日本IBMの新たな試み

日本アイ・ビー・エムではコグニティブなどの最新のテクノロジーを活用して、緊急時の救出・救助活動における意思決定を支援するツールを、Watson Rescueとしてプロトタイプを開始しています。

Watson Rescueの開発は、東日本大震災において、死者/行方不明者の92.4%が津波に起因しており、また、犠牲者60%が高齢者など自力での避難が困難であったという事実を伺ったことがきっかけとなりました。
もし、要救援者の緊急性に応じて適切な順序での救助が助言できる仕組みがITで整備できれば、今後の災害では少しでも未来の犠牲者を減らすことに貢献できるのではないかという動機づけが始まりです。

Watson Rescueは要救援者と救援者をつなぐプラットフォームです。
その、救助・救援の流れをご紹介します。

災害等の緊急時に、要救援者はWatson Rescueを介して安否情報の登録を開始します。要救援者は、スマホアプリケーションである「チャットUI(ユーザーインターフェース)」を介してWatsonと対話し、1分ほどで救助の要否や怪我の重症度、および位置情報を自動で解釈/分類/蓄積していきます。また、怪我に関する手当の仕方を質問すると、Watsonの自然言語処理機能により適切な対応方法を提示してくれます。

Watson Rescue
救援者には要救援者の情報が現地の「地図(マップ)」上に集計された「レポートUI(ユーザーインターフェース)」が提供されます。「レポートUI」の「マップ」上には、各要救援者の所在場所や救出・救助の緊急度(赤、ピンク、黄、青の4段階)がプロットされます。この情報はリアルタイムで「マップ」に反映され、要救援地点数と救助済み地点数はグラフ上でも確認することができます。

map

 

meter

 

また、「マップ」は、救急車や消防車などの救援者がどの地点に向かうのが適切であるのかを判断する、意思決定促進ツールを兼ね備えています。
救援者と要救援者の距離や重症度など、4つの選択軸を絞り込むことにより、どの要救援者を救助に向かうべきかを提示してくれます。

graph
次にWatson Rescueの技術的バックグラウンドについて簡単にご紹介します。
Watson Rescueの全てのサービスは、IBMが提供するパブリッククラウド環境であるBluemix上で稼働し、Watson APIなど様々な機能を組み合わせて実現しています。

 

要救援者が使用する「チャットUI」はWatson APIとWatson IoT Platformにて構成されています。Watson APIはDialog(現Conversation)とNatural Language Classifierを使用し、前者はユーザーの緊急度の特定、後者は怪我の手当の方法に関する質問の応対を担っています。Watson IoT Platformは要救援者の位置情報を取得する際にバックグラウンドで作動し、事前登録をすることなくスマホの位置情報を取得することが可能になっています(ただし、要救援者が位置情報の取得を許可していることが前提となります)。
 

救援者が使用する「レポートUI」はBlumixと親和性の高いWorldMapとWatson APIのTradeoff Analyticsを使用しています。WorldMapはNoSQL DB(Bluemix上のcloudantDB)に蓄積された各要救援者の位置情報と緊急度等を結びつけ、リアルタイムで「マップ」上にプロットします。また、Tradeoff AnalyticsはNoSQL DBに蓄積された各救援車の情報を4つの軸に自動分類し「レポートUI」に出力するために使用しています。

SystemArchtecture

 

以上、今回はレジリテック(Resili-Tech)の第2回目として、緊急時における救助・救援の意思決定にコグニティブなどの最新のITテクノロジーが貢献できること、また、日本IBMにおける具体的な事例をご紹介しました。
なお、Watson Rescueは日本アイ・ビー・エムにおいてデモも実施していますので、是非、弊社担当者へご連絡いただければと思います。

 


*1 内閣府(防災)東日本大震災における災害応急対策等について

*2 レジリテック(Resili-Tech) – 最新ITテクノロジーが変革する事業継続の近未来–1

 

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