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法令を遵守して、安全管理者を選任して、安全衛生管理マニュアルを整備していても、労働災害の根絶は容易ではありません。労働災害の結果としての傷害は、程度の差に関わらず、従業員の健康と生活に大きな影響を与える可能性があります。そして、企業もまた労働災害の発生により損失を被る可能性があります。

生体データ(心拍数、体温など)と環境データ(温度、湿度、騒音など)を取得および分析することで、労働環境の安全性を高め、事故の発生を防ぎ、健康管理を支援する仕組みを提供するソリューション ー それが、IBM Maximo Worker Insightsです。


IBM Maximo Worker Insightsとは

IBM Maximo Worker Insightsは、生体センサー、環境センサーなどの「モノのインターネット(Internet of Things。以後、IoTと記述)」のデータをリアルタイムに収集・蓄積する機能と、アルゴリズムに基づいた分析処理機能の2つから構成されるSaaS(Software as a serviceの略称)製品です。

収集・蓄積機能

IBM Maximo Worker Insightsは、従業員が装着および携帯するリストバンドやビーコンといった生体センサーや環境センサーから、従業員の心拍数や体温、労働環境の温度/湿度/照度/騒音/酸素/二酸化炭素、位置情報などのデータを収集します。収集したデータはIBM Cloudに蓄積されます。

分析処理機能

安全管理者が用いる管理画面で利用できる分析処理機能は、従業員情報とともに時間と場所における環境情報を入力することで、従業員の安全に関する洞察をリアルタイムで獲得できます。さらに、取得したデータを独自のロジックで分析して、従業員の過労や心労、熱性ストレス、ガスなどの危険が検出されると、アラートを出して事故を未然に防ぎます。

Maximo Worker Insights 機能フローの説明図

Maximo Worker Insights 機能フロー(クリックで拡大表示)


特長

リスクを最小化、安全ポリシーに準拠

IBM Maximo Worker Insightsは労働環境の危険を特定するとともに、特定された危険性の排除を促します。Maximo Worker Insightsは、位置情報に基づき、従業員がどのような場所で業務を遂行しているかを監視します。作業環境が建設関係の場合は、「墜落・転落」を防止するためにハーネス型安全帯(*)の着用を指示する必要がありますし、大音量や研磨音などの騒音環境の場合は耳栓やイヤーマフ(耳覆い)などの聴覚保護具の使用を指示する必要があります。さらに、従業員の氏名、業務内容、行動習慣を把握することで、安全への配慮を向上できる可能性があります。
(*)厚生労働省が改正した労働安全衛生法が2019年2月1日から施行されました。2022年1月1日以降は新規格のフルハーネス型安全帯の使用が義務付けられ、旧規格品は使用できなくなります。

ウェアラブル・デバイス、センサー・デバイスからデータを収集

ウェアラブル・デバイスやセンサー・デバイスからリアルタイムに収集されたデータを使用して、従業員の疲労レベルを監視し、休憩時間を提案することで労働災害の発生を防ぎます。また、重機のような危険度が高い設備や機器に従業員が接近した際にはアラートを送信し、音声や振動通知を用いて従業員と管理者に警告します。さらに、Maximo Worker Insightsは、従業員の位置と、従業員の近傍で発生したアラートを統合して分析することで、作業頻度と危険度の両者が高い地域を示すヒートマップを生成します。管理者はヒートマップを用いて交通流を評価することで、集中を抑制するための対策の検討が可能になります。

過酷な条件下の従業員を保護

Maximo Worker Insightsは、ウェアラブル・デバイスが収集する従業員データを、位置情報に基づく天候や環境といった外部データと統合して分析することで、高熱、有毒ガス、直火、重機の近くといった危険度が高い環境で働く従業員を保護します。緊急時には、管理者または安全担当者に発生しうる問題と解決策を通知することで、労働災害の発生を防止するための対応を助けます。

IBM Watson IoTのコグニティブ機能を活用

Maximo Worker Insightsは、AI機能を搭載するビジネスのためのIoT基盤であるIBM Watson IoT Platformと組み合わせてご利用いただきます。Watson IoT Platformを用いることで、自然言語処理、機械学習、画像分析、テキスト分析といったAIとしての IBM Watsonの機能をMaximo Worker Insightsで活用できます。そして、AIが企業や組織固有のニーズを理解するとともに、コグニティブ機能が提供する業界ごとの専門知識によって、従業員の安全を可視化して管理できます。


導入事例

米国鉄鋼メーカー

温度と湿度の組み合わせによるストレスの可視化や、収集した心拍データによる過重労働の判定を踏まえ、過酷な労働環境で働く従業員に休憩を促し、労働事故をを未然に防止。

国際輸送物流企業

心拍数データによる眠気の検出や、ビーコンによるフォークリフトと人との近傍を検出することで、業務車両と従業員の接触を防止するなど、安全な業務遂行を促進。

石油ガスのプラント

防爆法対応により、モバイル通信が使えない広大な敷地で、ビーコンを用いて従業員の位置情報などを特定。


Maximo Worker Insightsがサポートするデバイス

基本機能

  • Bluetooth LE (Low Energy)
  • GPS
  • Location services
  • NFC (Near Field Communication)
  • Wi-Fi

Android端末(Android 7.0 またはそれ以上のバージョンのOSが必要。以下は稼動確認済み端末)

  • Samsung Xcover 4
  • Samsung Galaxy S7 Edge

iOS端末(iOS 10 またはそれ以上のバージョンのOSが必要。以下は稼動確認済み端末)

  • iPhone 7
  • iPhone 8
  • iPhone X
  • iPad models with Wi-Fi + Cellular

マルチ・センサー

  • TI SensorTag CC2650STK
  • Nordic Thing

ウェアラブル・デバイス

  • Garmin vívosmart 3

ビーコン

  • Estimote beacons
  • Radius Networks beacons

*2019年3月29日時点。最新のサポート・デバイス情報は、Supported devices for IBM Maximo Worker Insights を参照ください。


 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、IBM Watson IoT事業部 にご連絡ください。


 

関連ソリューション: IBM Maximo

 

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