IBM Data and AI

IBM Data and AI Forum: DataOps (NYCで開催)からの洞察

記事をシェアする:

DataOpsでデータ・パイプラインを実現する方法

DataOpsとは何でしょうか? DataOpsとは、DevOpsや、データ管理、データ・ガバナンスから得られたベスト・プラクティスで構成する標準的なフレームワークです。複数のステークホルダーが関わるデータ・フローやデータ・パイプラインの構築と保守のためのコラボレーティブな手法です。DataOpsは、もともとはデータ品質からデータ統合に至るまでの分析のスピードと精度を向上させる俊敏な手法として登場しましたが、今や、データがうまれる上流の工程やデータを活用する下流の工程も含めデータがかかわるビジネスの工程全体の迅速化に不可欠なものとなっています。

 

なぜDataOpsを導入するのか?

DataOps方法論を導入すれば、データ運用の自動化が進み、企業全体のデータ管理、データ品質、データについての洞察、およびコンプライアンスの向上につながります。データ運用の自動化で、運用面の優位性を確立することができ、プライバシー保護やデータ利用者(データ・シチズン)間のコラボレーションも強化されます。

DataOpsの採用により、ビジネス・レディなデータ・パイプラインを構築でき、競争上の優位性にもつながります。データ運用が自動化され、新たな視点でデータの価値を引き出し、AIへの道を後押しされます。これによりデジタル変革を加速すると同時に新たな機会の発見やビジネス・モデル創出にもつながるでしょう。

 

IBMによるDataOpsの導入

2019年9月10日、ニューヨークで開催されたIBM Data and AI Forum: DataOpsでIBMは、データ運用における変革でお客様を支援する、DataOpsへのコミットメントと投資を中心的に取り上げました。IBMは、IBM Data Science and AI Eliteチームとして、DataOpsセンター・オブ・エクセレンス(CoE)を新たに設置しました。これは、DataOpsによってお客様のデータ運用にもたらされる価値が、ビジネス成果にどのような影響を及ぼすのかという観点から評価する専門家のチームです。

DataOpsフレームワークは、お客様がビジネス・レディなデータ・パイプラインを構築するためのデータ自動化のブループリントです。 これにより、データ運用チームは、AIのモデル化、分析レポートの作成、新たな洞察やビジネス・モデルに向けたイテレーション(繰り返し)に多くの時間を割くことができ、これらを企業全体の運用に取り入れて、飛躍的なビジネス成果を達成することができます。

IBMのDataOps方法論とプラクティスは、自動化、データ品質、ガバナンスにより、分析・運用に俊敏性、迅速性、拡張性をもたらすことに主眼を置いています。

 

DataOps導入に関する重要な洞察

このイベントでは、多岐にわたる業界のエグゼクティブとの分科会セッションを開催しました。このセッションの主要テーマは、DataOpsと、DataOps導入までの工程について各社に共通した観点から議論されました。 セッションでは、DataOpsの完成度と課題について、共通した意見が見られました。トップ3の洞察は以下のとおりです。

1. 図にあるようにイベントで実施した簡易調査ではほとんどの企業はまだDataOpsの成熟度が不十分な段階でした。近年、ガバナンスは、保守的で守備的な方策から、積極的な戦略イニシアチブへと変わってきています。 かつては、新しい規制が告知されると、企業は大慌てでその時点の最低限のコンプライアンス・ニーズに対応し、新たな規制措置が市場を見舞うたびに何度もこれを繰り返してきました。しかし、このようなやり方は、データ活用に極めて大切な要素に継続的に対応できるビジネス・プラクティスではないことがわかってきました。DataOpsは、まさにそのデータ活用の大切な要素、すなわち、データ品質、データ統合、カタログ化などのプラクティスを中核と位置づけたものなのです。

重要な洞察: 企業は、DataOpsの導入にあたり、自社の課題、障害、成熟度を明確にする必要がある。

Key insights from the IBM Data and AI Forum: DataOps - NYC

2. テクノロジーを強化する前に、まず社員が変化に順応できるよう支援が必要。人、プロセス、テクノロジーを含むあらゆる手法と同様に、戦略において、人が関連する変更管理やエンゲージメントの部分は、すぐに煩雑になる恐れがあります。 多くのエグゼクティブが述べているのは、過去に真っ先に陥った落とし穴は、いくつかの役割を十分理解していなかったことであり、企業の変化への適応に遅れをきたしたということでした。

データ・パイプラインにおける重要工程を担当する役割がきちんと定義されていないと、運用上の効率性を損なうことになります。遅かれ早かれ、適切でない人が担当するようになったり、さらに悪いことにはその人が間違ったことをしてしまうという罠にはまってしまう可能性があります。 データ戦略がどのように中核的なビジネス目標をサポートするのかということを明らかにし、その戦略を支えるために必要な役割を明確に定義し、有益な実績を得られるようにしましょう。日々の業務を正当に評価して従業員の心を捉え、明確な役割による業務改善でやる気を起こさせることが成功への鍵です。

重要な洞察: 企業の実情に合わせて、データ所有者、データ・エンジニア、データ・スチュワードのプロセスと役割を明確に定義したデータ戦略を策定すること。日々の業務を評価し明日への意欲を高めることによって、高いエンゲージメントを保持できます。

3. 変革を継続的に行っていくためには、ビジネス目標に合致したプロジェクトを選び、達成可能なゴールを定義することが重要です。最初が肝心です。ビジネスに戦略的な効果をもたらすプロジェクトを選びましょう。 エグゼクティブたちは、うまくいかないプロジェクトの一番の要因として、モチベーションの喪失をあげています。

アジャイル手法を採用して、各回のスプリントで達成できる目標を定義します。企業のリーダーは往々にして目標を高く設定してしまいがちです。新しいスキルの習得には時間がかかり、またやり方もかわるため、高い目標ではなかなか結果や成長を見出せません。失敗という意識を持ってしまうと、プロジェクトにおける投資とリソースを失うことになってしまいます。プロジェクト戦略を推進していくための重要なメソッドの1つは、短いイテレーション期間に達成可能な目標を設定し、「Quick Win」(短期で成果を出す)を達成できるようにすることです。 企業のあらゆる部署で「Quick Win」を続けることが「Winning culture」(常勝の文化)を生み出すのです。

重要な洞察: 戦略的ビジネス目標に合ったプロジェクトで仕事をすることは、従事する人々の意欲を高めます。さらに、「Quick win」により、プロジェクトが正しい方向に動いていること、戦略の最終目標が達成可能であることが明らかになります。妥当性検証プロセスを短期で回すことによって、中心となる社員が意欲を持ち続け、さらに創造力を持って問題解決を進めるだけでなく、チーム全体も新たな課題が発生したときには集中的にイテレーションを行うことができます。

IBMのDataOpsの方法論とフレームワーク、ベスト・プラクティスにより、企業を変革し、ビジネス・レディなデータ・パイプラインを提供することができます。次のサイトで登録して、ホワイトペーパーをご覧になり、プロジェクト・プランのテンプレートを活用してください: ibm.biz/DataOpsPaper (英語)

こちらのブログもぜひご覧ください: DataOpsに不可欠な6つの要素とは

本記事は2019年9月発表の記事の抄訳です。

 

Webセミナーのお知らせ

DataOpsに関するWebセミナーをオンデマンドで自席から視聴いただけます。
是非ご参加ください!詳細やお申込みはこちらまで。

More IBM Data and AI stories

Modelerデータ加工Tips#20-ワイブル分布を当てはめて故障を予測する

Data Science and AI, SPSS Modeler ヒモトク, アナリティクス...

  みなさんこんにちは、日本IBMの都竹(つづく)高広です。 日本IBM子会社のISEでNetworkエンジニアとして11年過ごした後、データサイエンティストとして8年間さまざまな業種のお客様企業のデータ分析や ...続きを読む


【予約開始】「SPSS秋のオンラインユーザー会2021」が11月5日に決定!

Data Science and AI, SPSS Modeler ヒモトク, アナリティクス...

<開催内容> SPSS秋のオンラインユーザー会開催概要   こちらのご案内ページにイベント詳細がございます。ご覧ください。   本年5月に実施し1163名に参加いただいたSPSS春のユーザー会に続き、 ...続きを読む


Modelerデータ加工Tips#19-決定木の所属グループと該当条件をレコードに付与する

Data Science and AI, SPSS Modeler ヒモトク, アナリティクス...

  皆様はじめまして、(株)読売広告社 ビジネスデザイン局の齋藤と申します。   弊社は、都市と生活者の潮流から未来への変化の兆しを見つけ、得意先の「課題発見」につなげることを目指し、「都市と生活者の ...続きを読む