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[事例] Novate Solutions | 人間には知覚できないものを認知するテクノロジー

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プラントに24時間365日のプロセス信頼性を提供

 プロセス障害のコストが分単位で測定されることが示しているように、製造・生産システムの停止は一分一秒でも短くする必要があります。変化する状況に迅速に適応できなければ、それこそ企業にとって命取りとなりかねません。

壊滅的なインシデントが発生する前に、事前に問題を発見できるプロセス制御システムが求められるのも当然のことといえるでしょう。

 

産業技術およびエンジニアリングサービス企業であるNovate Solutions(以下Novate社)が探し求め、手にしたいと望んでいたのもまさにそれでした:

  • 設備がこれまでに生みだしてきたデータからの洞察
  • 機器パフォーマンスのリアルタイム表示
  • はるかに迅速な障害の根本原因の特定
  • 運用コストとダウンタイムの削減

 

設備機器には、数十万のデータを生成するセンサーが装備されています。しかしNovate社は、コンテキストや他のデータとの関連のないデータでは、不十分であることを理解していました。機器が現在正常稼働しているというだけではなく、プロセス全体の状態把握や意味のある洞察、そしてこの後に起きるであろうことを予測することはできないのです。

これまでのところ、その仕事は、データ評価を担当するエンジニアの仕事とされているのです。

 

Novate社が得た効果の一部

  • 製品品質を30%向上 (IBM Maximo Monitorによる機器パフォーマンスのリアルタイム表示による)
  • 15%の廃棄物削減 (古いセンサーからの新しいデータ取得による)

 


“プロセス制御システムは、プロセスを監視および管理するように設計されていますが、機器自体を監視および管理するようには設計されていません。しかし、そこにデータがあり、それを活用する方法もあるのですから、そうしない手はありません。”

ロブ・モーラ | Novate Solutions社の事業開発担当副社長


 

ただし、エンジニアがどれほど優れた最新の視覚化ツールを使用しようと、すべてのデータと傾向を監視することは不可能です。

人間には、24時間365日の監視は不可能であり、それができるのがAIです。

AIは常に監視を続け、データ群から人間が見出すことのできない洞察の発見を支援してくれるのです。

 

Novate社は、IoTデータをAIと組み合わせることで、機械学習、根本原因分析、予測モニタリングとメンテナンスに適用できる洞察を得られることを確信していました。

 

■ 負荷軽減を実現するリモート監視サービス

産業メーカーはセンサー技術を毎日使用していますが、それが負荷軽減にはつながっていません。

負荷軽減に必要なのは、システムの異常を識別し、問題が発生する前にそれを予測するスケーラブルなリモート監視サービスです。それが、日常業務における課題と負荷を軽減するものなのです。

Novate社はこの問題に正面から向き合い、AIとIBM Maximo Monitorソフトウェアを使用して継続的にプロセス信頼性を向上させ、産業用プロセス制御を強化するための革新的な新しいアプローチを開発しています。

 

IBMクラウドベースのAIテクノロジーとMaximo Monitorを組み込んだ自社のサポートセンターに、お客様の制御システムインフラとプロセスデータを統合させています。こうすることで、通常の制御システムでは認識できない異常をデータ分析から見つけ出します。

そして発見時には、システムがNovate社のサポートセンターのエンジニアに警告を送ります。

警告を受け取ったエンジニアは、顧客の運用に関する精緻な知識とエンジニアリング指針、そして長年の経験から異常が問題を示しているか、あるいはその予兆となるものかを判断します。そして必要があれば、技術者と協力して予測された障害を防ぎ、ダウンタイムを回避します。

 


“AIをトレーニングして、システムの洞察力をより高いものへとしたいと考えています。そしてIBM Watsonの助けを借り、システムが自律的に対応できるサービスへと進化させたいですね。”

ロブ・モーラ | Novate Solutions社の事業開発担当副社長


 

■ 巨額の投資とトレーニングか。小さく始められるAIか。

Novate社の顧客の中には、デジタル変革の旅路においてかなり先行されている企業もあれば、これからスタートしようという企業もあります。後者においては、AIをどのように取り入れるべきかまずは事例を通じて理解したいというお客様も当然いらっしゃいます。

また、すべてのお客様が世界有数クラスのAIにアクセスできるわけではないですし、自社の技術ロードマップにそぐわないのではないかとお考えのお客様もいらっしゃいます。

 

一例を挙げましょう。1日に約400トンのクッキーを製造する、世界的な食品企業の最先端の工場を訪問したときに聞いた話です。

そのプラントでは、計画外のダウンタイムにより、毎日約20トンのクッキーが失われていました。

上層部は、機器の信頼性を向上させてこの20トンのロスを失くそうと、VRと三次元点群データ・ソリューションという最新テクノロジーに投資し計画外ダウンタイムの削減に取り組んだそうです。それには巨額の投資と広範なトレーニング、そして多くのプロセス再定義が必要だったとのことでした。

 

しかしそこには、別のアプローチもあるのです。より全般的にAIを取り入れる方法です。

AIは製造業におけるゲームチェンジャーです。すべてのデータをプロセスに取り入れることで、その視野は遥かに拡がります。また、プラットフォームとサービスをきちんと選べば、設備投資やトレーニングという投資が不要のやり方もあります。

 


“AIによりプロセスシステムは自己認識するようになるでしょう。「エンジニアさん、こちらを見逃してはいませんか? 何かがおかしいようです。確認を急いだ方が良いと思います。」 — 最終的には、こんなふうにAIがプラントの信頼性とサポートのレベルを別次元へと引き上げてくれるでしょう。”

ロブ・モーラ | Novate Solutions社の事業開発担当副社長


 

■ 価値を見出し、ダウンタイムを削減

Novate社が実現したいのは、従来の監視や警告では解決できないレベルの問題解決です。単なる効率化の範疇を超えた「真の予測機能」の提供です。

その兆候を示すものとして、モーラ氏は食品生産ラインの最後尾に位置する包装機器のサーボモータの最近の事例を語りました。

 

「弊社のソリューションが、包装機器のサーボモータの平均トルク値が時間の経過とともに増加していくことを、データから検知しました。

トルク値の増加は予期せぬ動作です。ソリューションが立てた検査フラグを確認し、エンジニアが現場の作業部門に連絡して調査を依頼しました。

包装機器の分析を進めていく過程で、作業員はメンテナンス記録からオイル交換が行われておらず、オイル劣化が起きていること、その結果モーターの作動負荷が高まり続けていたことを発見しました。

これは私たちのソリューションが、機器やシステムが正しく動いていても、問題が起きつつあることを検知した1つの例です。食品製造施設が自らそれを検出する方法はこれまでありませんでした。データからAIが気づき、エンジニアがそれを解読した。コンビネーションにより実現したのです。」

 

■ Novate社とIBMとのパートナーシップ

Novate社は引き続き業界・メーカーと協力し、AI対応の産業用プロセス制御を推進していきます。そこで重要な役割を果たすのは、同社とIBMとのパートナーシップです。

 


” IBMと最初に話をしたときに、リスクを冒そうとする彼らの意欲にまず驚かされました。彼らは投資に対するリターンについて心配していませんでした。IBMが求めていたのは、イノベーションだったのです。

そしてまた、IBMの誰もが常に協力的で、コラボレーションに前向きなのにも驚きました。私たちはあらゆる点で同じ考えを持っていたのです。”

ロブ・モーラ | Novate Solutions社の事業開発担当副社長


 

Novate Solutionsについて

2001年カリフォルニア州設立のサービス・エンジニアリングおよびテクノロジーサービス企業。

機械および電気工学をベースに、制御および自動化の統合、生産ライン構築、産業用セキュリティ・ソリューションなどを提供している。

 


 

当記事はUsing cognitive capabilities to spot the imperceptibleを、日本の読者向けにリライトしたものです。

 

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