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フードバンクポータル構想は日本を元気にできるか?

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こんにちは!

SDGsというと、みなさんの中にも関心のある方は多いのではないでしょうか?

ただ、「SDGs達成のために、私はこれを実践しています!」と自信を持って言える方は、実はそれほど多くはないかもしれません。関心は高くても、自分にどんなアクションができるのか少し難しく感じてしまうのもSDGsの1つの事実ではないでしょうか?

 

実はIBMには、貧困・食品ロス問題といったSDGsに関わる問題を、テクノロジーとパートナーシップによって解決する取り組みを進めているボランティア有志のメンバーがいます。みなさんにもその取り組みを知っていただきたく、そしてぜひ一緒にアクションを起こしていただける仲間を募集しています!

今回の連載記事「フードバンクポータル構想は日本を元気にできるか?」第1話では、下記3つについてご紹介します。

 

まずは、最近実施した丸の内での実証実験イベントの様子からご紹介します。

私たちIBMボランティア有志は、ひとつでも多くの社会問題の解決を目指すNPO法人「ダイバーシティワールド」にボランティア有志として参加し、NPO法人ダイバーシティワールドに集うボランティア有志と一緒に、「フードバンクポータル構想」プロジェクトを推進しています。

 

このプロジェクトには、IBMのパートナー陣(藤森さん、大塚さん)にもご協力いただきながら、IBMのコンサルティング×テクノロジースキルで社会貢献ができないかと、日々、いくつもの壁を乗り越えながら、新たなチャレンジをあきらめずに継続しています。

IBMボランティア有志は、もう販売するには手遅れとなった「廃棄寸前食品」を、アプリを通じて寄付し、ご近所同士で受け取りを可能とするフードバンクポータルアプリ「Messhare(メシェア)」を開発しています (アプリの詳細は後ほどご説明します)。

 

このアプリの存在を日本全国に広めるために、フードバンクポータル構想プロジェクトでは、賛同いただける企業や自治体のみなさまとのパートナーシップを積極的に広げており、10月24日(月)〜25日(日)の2日間、NewsPicks主催のビジネスカンファレンス『CHANGE to HOPE 2022』in丸の内で、「Messhareアプリ」のPRキャンペーンを開催しました。

結婚式場でもよくある話ですが、人数分の食事を用意したものの、必ず食品ロスが出るという問題。この問題はビジネスカンファレンスでも同様で、登壇者やスタッフのみなさまにご用意したお弁当が、もったいないことに必ず余ってしまうとのこと。

そこで、カンファレンス参加者やイベント会場に通りかかった丸の内界隈のビジネスパーソンをはじめとするみなさまに、「Messhareアプリにアカウント登録でお弁当をプレゼント」というPRキャンペーンを開催し、お弁当を100食以上プレゼントすることができました。

CHANGE to HOPE 2022会場でのメシェア・ブースの様子

 

フードバンクポータル構想では、NewsPicks以外にも、企業・自治体のみなさまとのパートナーシップを積極的に広げており、アプリのセキュリティー強化対策でご支援いただいているVONAGE様、多摩市様の後援手続きその他でご支援いただいているサンリオピューロランド様、そして多摩市様から後援をいただきました。

また、「Messhare(メシェア)」における廃棄予定食品の受け渡しは、貧困家庭にとっては家計を助ける暫定的な支援に留まるものなので、根本的な貧困問題の解決のために教育プログラムを提供するグラミン日本を知っていただくために、「Messhare(メシェア)」にグラミン日本のバナーを設置するといったタッグを組んでいます。

 

なぜ、フードバンクポータル構想プロジェクトはこのような取り組みをしているのか? その背景にある、取り組むべき日本の社会課題の現状についてご説明します。

 

日本において貧困問題は、もはや無視できない、身近な問題となりました。厚生労働省の「2014年 国民生活基礎調査」によると、「子どもの貧困率」は2014年段階ですでに16.3%に達しています。

人口の6人に1人、約2,000万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされているということになります。そして、母子家庭に限るとその率は50%以上に達します。家庭でお腹いっぱい食べることができないこどもが、日本でも少なくない現実があります。

出典:2014年度「国民生活基礎調査」厚生労働省

こうした現状とは裏腹に、日本では年間約500~800万トンもの食品ロスが発生しています。これは世界の貧困国が必要とする食料援助量の約2倍にあたる量となります。その要因の一つが、日本の消費者の過剰ともとれる衛生面・食中毒への敏感さです。そのため消費・賞味期限前の食品であっても廃棄するという不可解な状況があり、食品流通業界にも大きな負担となっています。

出典:農林水産省Webサイトをもとに作成

 

日本には貧困家庭などへ食の支援をする、いわゆる「フードバンク」活動を行うボランティア有志団体が3000ほど存在します。その主な活動の1つが「こども食堂」です。見聞きしたり、参加したことがある人も多いのではないでしょうか?

「3000団体もあるのだから、この問題は大丈夫!」ということでは決してなく、運営にかなりの苦労をされている団体が数多く存在し、サステイナブルに継続する難易度は高く、フードバンク活動は局所的な範囲を超えていません。これが食品ロスや貧困に纏わる社会問題の現状です。

仮説ではありますが、日本でフードバンク活動がうまく広がらない主な理由として、以下が挙げられるでしょう。

  • 受け渡す食品を一時保管する冷蔵庫や倉庫での保管コストや輸送コスト、そして人件費など大きなコストがかかる。
  • NPO法人等が運営するフードバンク活動は、法令・ガイダンスの遵守、さまざまなリスクを考慮した厳格な運営を行うため、関係者の負担が重過ぎる。
  • 本来、食品を届けたい貧困家庭にとって、「お節介なことを言われるのではないか?」「寄付を対面で受け取るのは恥ずかしい」といった、心理的ハードルが高い。

フードバンク団体の活動が局所的にしか普及しない要因(仮説)

 

食品ロス削減は、CO2削減にも大きな効果があると言われています。また、「Food is magnetic(食品はマグネットである)」という言葉もあるように、食品は人間同士のコミュニケーションを活性化させます。

ご近所同士による食品と受け渡しを通じてご近所コミュニティ活性化を促進することや、コロナショックにより打撃を受けた飲食店の経営状況悪化という問題の解決を目指し、フードバンクポータル構想プロジェクトはオンライン上の試食品提供の場を作ろうと、フードバンクポータルアプリ「Messhare(メシェア)」の開発を推進しています。

 

「Messhare(メシェア)」は、インストール不要で、誰もがスマートフォンで気軽に利用できるアプリです。自宅やお店などから出る廃棄寸前の食品を、捨てずにスマホから「あげる登録」することで寄付し、ご近所で食べられる人は「たべる登録」をします。オンラインを介してマッチした食品を、ご近所の公共の場所(駅前や公園など)やお店で受け渡しするという、シンプルなアプリです。

あげて社会貢献・たべて社会貢献! 一緒に食品ロスのない社会を目指しませんか?

 

コロナショックの影響により、多くの飲食店の経営環境はひどく悪化してしまったと思います。私たちも当初、アプリを通じて廃棄寸前食品の受け渡しのみを想定していましたが、試食品のマーケットプレイスとしても機能することができれば、飲食店にとってのPR・CSR活動の推進につなげることも可能であると考えました。

「Messhare(メシェア)」は、受け渡す食品を一時保管する冷蔵庫や倉庫での保管・輸送コストがいらず、遵守すべき法令・ガイダンスの内容に準拠した利用規約は、幅広い世代のアプリの利用者にとってわかりやすく大きな字で利用規約サマリ版としても追加記載しています。

そして「もらう」ではなく「たべて社会貢献」するというメッセージにより「お節介なことを言われるのではないか?」「寄付を対面で受け取るのは恥ずかしい」といった心理的ハードルをなくしています。

将来は、アプリ内に表示される地図上で、こども食堂やドギーバック利用可能店(食べ残しを自己責任で持ち帰れるお店のこと。ドギーバッグ普及委員会で推進)を検索できるような、まさにポータル化を目指しています。

 

この記事を読み、関心を持っていただいた方には、ぜひ、「Messhare(メシェア)」アプリのご利用、口コミでの拡散、PRキャンペーンのお手伝いなど、フードバンクポータル構想へのご協力をお願いできたら嬉しいです。

 

フードバンクポータル構想プロジェクトの今後の活動としては、多摩市様、新都市センター開発様にご協力いただき、多摩センター駅前のパルテノン大通りで開催されているイルミネーションのセンターツリー点灯式イベントが12月3日(土)のお昼から夕方にかけて開催され、「Messhare(メシェア)」のPRキャンペーンでブース出店を行います。

イベント当日に、アプリの登録方法をご案内するボランティア有志スタッフとして、ご一緒いただける方を募集しておりますので、我こそは! と思う方はぜひ、「フードバンクポータル構想コンソーシアム」ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

次回、連載記事「フードバンクポータル構想は日本を元気にできるか?」第2話では、廃棄より寄付がお得となる「食品関連事業者の税制優遇措置」についてや、多摩センター・イルミネーションのセンターツリー点灯式イベントでのPRキャンペーンの様子をお届けする予定です。ぜひ次回も、お楽しみに!

 


「フードバンクポータル構想は日本を元気にできるか?」今後の連載予定

第2話

  • 無償サービスである「Messhare(メシェア)」と、その他有償サービスとの違いとは?
  • 廃棄より寄付がお得。食品関連事業者の税制優遇措置とは?
  • 多摩センターでのPRキャンペーンイベントでの活動報告まとめ

第3話

  • 海外のフードバンク活動事情
  • 食品を寄付で受け渡す「Messhare(メシェア)」の、さまざまなリスク対策について(善きサマリア人の法など)

第4話

  • 未定

 


 

問い合わせ情報

NPO法人ダイバーシティワールド
フードバンクポータル構想プロジェクト
「フードバンクポータル構想コンソーシアム」お問い合わせフォーム

https://foodbank.diversityworldrc.net/contact/

 

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