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IBMエンジニアリングで、ASPICE準拠に伴う作業負荷を大幅削減

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IBM Engineering Lifecycle Management(ELM)ポートフォリオは、

ASPICEなどの複雑な自動車規格への準拠を簡単にします。

 

耐久消費財の中で、今日の自動車ほど複雑なものはないでしょう。機械系システムと電気系システムの組み合わせにより、自動車が持つソフトウェアコードは1億行を超えており、もはや「人を乗せて運ぶコンピューター」と呼んだ方がふさわしいと言えるかもしれません。

これだけの複雑なシステムを正しく動作させるには、全コンポーネントの品質と信頼性、そしてコンポーネント間の相互作用が鍵となります。

 

こうした複雑化に対応するために、自動車業界は堅牢な安全基準とプロセス基準を作成しています。そうしたプロセス基準の一つが、Automotive SPICE(ASPICE)であり、世界中の自動車メーカーとサプライヤーが、ASPICEコンプライアンスのレベルを高め維持しようと努めています。

しかしもし、開発チームにこれらの基準に見合うようデザインされたエンジニアリングシステムが用意されていなかったら…。これまではどうにか頑張っていた開発チームも、早晩限界を迎えることとなるでしょう。

 

ASPICEに準拠したプロセスを進めるとは、最新のエンジニアリング手法を適切に取り入れていることを意味しています。

IBMは、ASPICEに準拠したエンジニアリングを進めようとしているお客さまをより強力にご支援させていただくために、ASPICEの専門家であるKugler Maag Cie社と提携し、ASPICEコンプライアンスをサポートし、ASPICE評価に伴う負荷を大幅に削減する、統合エンジニアリングソリューションを開発しました。

 

■ 大規模レベルのシステム開発に必要なエンジニアリング・ライフサイクル管理

IBM Engineering Lifecycle Management(ELM)ポートフォリオは、エンドツーエンドのエンジニアリング・ライフサイクル管理ツール群です。大規模レベルで使用しやすいよう、アジャイル開発とウォーターフォール開発双方の複雑なプロセスを、自動化・簡素化して提供します。

これらのツールは、要件管理、システム開発、テスト、および影響分析など、それぞれ分断化されサイロ化されてしまっている製品開発ライフサイクルに、全体を貫くトレーサビリティーとリアルタイムコラボレーションを提供し、効率向上と最高品質の実現を強力に支援するものです。

 

■ ASPICEコンプライアンスを通常のエンジニアリング作業に統合

昨年12月にIBM ELMラインアップに追加されたIBM ELM Automotive Complianceは、包括的な自動車システムおよびソフトウェア開発用のプロジェクトダッシュボード、アジャイルプロセスガイダンス、詳細レポートを含んだ、自動車業界向けのコンプライアンスとASPICE準拠に見合う事前定義済み機能を搭載したソリューションです。

ASPICEコンプライアンスのための作業が通常のエンジニアリング作業に統合されているため、エンジニアリング・コンプライアンスチームに新たな負担をかけることがありません。

 

IBM ELM Automotive Complianceは、多様なステークホルダーからのビジネス要件やシステム要件からスタートし、システムアーキテクチャやソフトウェア設計、検証と妥当性確認と進む開発プロセスをトラッキングし、ASPICEアセスメントに大きな利点をもたらします。

開発チームやテストチームは、地理的に分散していたとしても、ASPICEプロセスモデルに準拠している確証を持ってエンジニアリングタスクを実行できます。

 

■ コンプライアンスから組織変革へ。成功への道のりを走る

完成車を販売する自動車OEMによりサプライヤーの選択に10年以上にわたり用いられてきたASPICEは、2015年にエンジニアリングプロセスを明確にシステムとソフトウェアに分離しました。そしてプロセス基準対象をそれまでのソフトウェアだけではなく、メカやハードウェアの領域にも拡張させ、互換性のある評価プロセスフレームワークへと進化させました。

現在、世界を代表するいくつかの自動車OEMは、ASPICEをサプライヤーの評価にだけではなく、自社プロセスの品質管理にも用いるようになっています。そして私たちIBMは、IBM ELM Automotive Complianceによりエンジニアリングプロセスを向上させることで、自動車OEMとそのサプライヤーから成るエコシステム全体をご支援しています。

 

IBM ELM Automotive Complianceは、活用を進めれば進めるほどその道のりで価値を大きくしていき、結果として大きな組織変革へと導くソリューションです。

プロジェクトの可視化から成果物とプロセス自体の再利用へ、そして開発組織の強みと弱みの明確化から柔軟性の向上へ、そしてそこから組織全体の変革へとつながるその道のりを、世界でもっとも成功を収めていると言われている完成車OEMとサプライヤーはすでに走り始めています。

 

■ さらに大きな価値を生み出す包括的ELMソリューションを

IBMは、厳しさを増す自動車業界のコンプライアンス規制に対して、単に基準に見合うためのソリューションを提供することは考えていません。IoT、AI、高度な分析を組み込み、エンドツーエンドの統合開発プロセスにより、さらに大きな価値を生み出す包括的ELMソリューションを提供していきます。

今後はASPICEに続き、下記をはじめとした規格やガイドラインへの対応を、通常作業プロセスに取り込むことを検討中です。

 

  •  自動車の電気/電子に関する機能安全についての国際規格「ISO 26262」
  •  自動車向け国際サイバー・セキュリティ規格「SAE/ISO21434」
  •  自動走行車両の安全性基準「SOTIF」

 

ぜひ、今後もIBMのエンジニアリングソリューション群にご注目ください。

 


 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

ソリューション紹介ページ: 要件の管理とエンジニアリング

 

関連ページ: 市場調査会社Ovum社が、IBMをALMおよびDevOpsソリューションの業界リーダーに指名

関連ページ: 2030年に向けて、自動車業界が今からIoTでするべきこと

関連ページ: セッションレポート – Automotive SPICE最新動向と開発品質向上の取組事例

 


当記事は IBM streamlines adherence to industry compliance in new automotive offering. Available now. を抄訳し、日本向けにリライトしたものです。

 

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