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ドローン点検を検討すべき5つの事業領域

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商業用ドローンを使用した点検は、高精度・安全・安価・効率的と多くのメリットをもたらすことから、さまざまな業界でその導入および検討が進んでいます。Quadintel社の「ドローン検査およびモニタリングの世界市場の成長機会・産業予測」レポートによると、世界のドローン検査・監視市場は2021年に74億7000万ドルで、2030年には351億5000万ドルに成長すると予想されています。当記事では、急成長する商業用ドローンの技術的進歩から恩恵を受ける5つの業界について考察し、そのポイントをまとめます。

 

1. 建設業(インフラ)

社会や経済を支えるインフラの重要性は明らかですが、先進国はインフラ、中でも特に橋梁の老朽化という大きな問題に直面しています。日本では、2008年から2019年の間に交通制限を要する老朽化した橋梁数が3倍となりました。米国では橋の3本に1本が、イギリスでは3,200以上の橋が、補修や交換を必要としています。

従来の橋梁点検と保守作業は、安全性を確保し、長時間に渡って多数の人手を用いていました。インフラ点検作業にAIで自律運行するドローンを用いれば、急速に崩壊に向かうインフラを救う可能性があります。インフラ管理者は、ドローンが測定し送信してきたデータを用いて土木または構造物が設計図に沿っているかを検証することができます。

また、ドローンから送られてきたデータで建物やインフラのデジタルツインを作成できます。そしてこのデジタルツインや送信データにより、これまで大規模建設プロジェクトで頻繁に問題となっていた部署間のコミュニケーションや意思決定のスピードを大いに改善することができます。

[事例] Sund&Bælt Holding社 | より良い洞察への架け橋を築く

 

2. 捜索・救援活動

屋外における捜索や怪我人の救援活動において、スピードはなによりも重要です。赤外線カメラやズームカメラ、サーチライトを搭載し、広範囲を素早く飛行し捜索できるドローンは、山岳遭難・行方不明者の捜索に大きな力を発揮します。北米山岳救助協会では、会員の80%が捜索救助の重要なツールとしてドローンを使用していると推定しています。

 

3. 電力、エネルギー、資源業界

従来、電力、石油・ガス会社や公益事業会社は、発電所や送電線、製油所や海洋掘削装置などの点検にヘリコプターを使用していました。これをドローンに置き換えることで、作業はより費用対効果が高く、持続可能なものとなります。再生可能エネルギー業界では、多くがソーラーパネルや風力タービンの点検にドローンとズームカメラを用いています。鉱業業界では、掘削現場の点検にドローンを使用して人命リスクを軽減しています。

これらの業界では、効率性と安全性を高めるためにドローンの利活用は業務に欠かせないものとなっているのです。

最新ドローン技術活用による保全業務の「超」省力化(セミナーレポート)

 

4. 保険金請求

異常気象による気候災害の増加は、家屋や財産の損害に対する保険金請求も増加させています。これらの大量の請求への迅速な対応にドローンが役立ちます。一例として、屋根の損害賠償請求の査定を考えてみましょう。従来は保健調査員を現地に送り確認作業を行いましたが、ドローンでの被害調査・確認プロセスははるかに時間と費用を節約します。また、ドローン画像を共有することで、損害を被った被害者はより早く修理業者と屋根の修復計画について話し合うことができるようになります。

2020年は保険会社にとって異例の1年でした。 そのような環境の中でテクノロジーが保険会社をどのように支援したかをご紹介

 

5. 農業とアグリビジネス

ドローンが活用されるまでは、農家は広い耕作地を手作業で、ときに何日もかけて点検しなければなりませんでした。そしてその間、農場に被害が広がってしまうリスクは高まってしまっていました。ドローンを使えば、農家は作物の問題を瞬時に把握し、問題解決に専念することができます。電力会社や工場と同じように、大規模農業ビジネスは上空からの監視により、予期せぬビジネス停止を最小化できるようになったのです。

Yara International ASA | 食糧問題の解決を目指して

 

商業用ドローンが世界中で検査に用いられるようになり、機体やソフトウェアはもちろん、サービスやビジネスモデルの発展と共にドローン検査の精度は一層高まり、効率化の促進や新たなビジネスの創出にもつながっています。市場規模だけではなく無数の関連分野にもその影響や恩恵が広がっているのです。今後、ドローン技術の進歩に伴い、ここに挙げた5つの業界だけではなくさらに多くの業界がドローンを活用し、業務オペレーションの変革を進めていくことは間違いないでしょう。

 

IBMでは、ドローンやロボティクスを活用したビジネス変革の推進を、AIや先進気象データ分析などのさまざまなテクノロジーと併せてご提供しています。プラント保全や電力送配電の管理、鉄塔や陸橋などの社会インフラ管理など、幅広くご支援しておりますので、ぜひ活用をご検討ください。

 

当記事は、『Five industries benefiting from drone inspections』を日本のお客様向けにリライトしたものです。

 

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