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フローベースド・プログラミング「Node-RED」のご紹介

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解説:日本IBM Developer Advocate 萩野 泰士
元美容師にて元音楽家。ソフトウェアエンジニアへ転身後、起業や商社系SIerを経て、現在は日本IBMにてDeveloper Advocateとして技術者へリーチした新しいマーケティングを展開。


クラウドでのサーバーサイド処理を考える

ここ近年では、クラウドをプラットフォームとしてアプリケーション開発をすることが多くなってきました。その中で、いかにサーバーサイド処理の構築を効率よく行うか、という問題はある意味必然的に出て来るものだと思います。
サーバーレス・アーキテクチャー/FaaS、BaaS/mBaaS、いろいろと解はあるでしょうが、その中の一つに私はNode-REDという選択肢を持つこともありなのではないかと思っています。

Node-REDとは

Node-REDはハードウェア・デバイス、API、Webサービスなどをつなぐためのオープンソース・ソフトウェアです。極力コーディング作業を減らし、プログラミングに必要な処理をNodeという箱で用意しておき、それをフローとして組み立てることでアプリケーションの処理が完成します。実態はサーバーサイドJavaScriptのNode.jsで作られています。

そんな便利なNode-REDは元々、IBMにて開発が行われていましたが、現在ではオープンソースとして寄贈し、世の中の色々なDeveloperの方々がより良いものへと成長させているツールです。

日立製作所もそんなNode-REDサポーターの1社であり、このたびNode-REDの入門書が出版されることになりました。本記事では、入門書を執筆した日立の處さん、横井さん、中西さんへお話を伺いましたので、その内容を引用する形でご紹介します。


Node-RED入門書

「つないで つないで プログラミング ~Node-REDで作る初めてのアプリ」発刊

2017年8月に発刊したNode-REDの入門書「つないで つないで プログラミング ~Node-REDで作る初めてのアプリ」をご紹介します。

「つないで つないで プログラミング Node-REDでつくる初めてのアプリ」
日立Node-REDエバンジェリスト著
リックテレコム 刊
定価:2,000円+税
ISBN:978-4-86594-107-4

 

この本は、プログラミング経験のない一般読者を対象に、Node-REDを使ってプログラミング言語を用いたコーディングなしに、自分のニーズに合ったオリジナルプログラムを作る方法を紹介するものです。Node-REDには「Webサイトの情報を取ってくる」「Twitterのツイートを検索する」「メールを送信する」などの機能を実現するノードと呼ばれる機能ブロックがあらかじめ準備されており、それらをつなぎ合わせることでプログラムを実現できるという特長があります。

この本では、プログラミング知識のない方でも自分のニーズに合ったプログラムを簡単に作ることができるツールとしてNode-REDを紹介しており、5つのサンプルアプリケーションでNode-REDが実現するノンコーディングによるプログラム作りの魅力を紹介する内容になっています。

日立ではNode-REDをIoTプラットフォームLumadaの上で動くソリューションを簡単に組み立てるためのツールとして採用しています。LumadaのIoTソリューションは、医療機器や建設機械などの製品の故障予兆検知や、工場ラインの見える化・分析等、OT(オペレーション・テクノロジー)現場の経験や知識を活かしたものが中心です。ソリューションを組み立てるためには、それぞれの製品や工場ラインに精通した現場担当者の関与が必須で、彼らと議論しながら迅速にソリューションを組み立て、試し、改良することができるProof of Concept(概念実証)のためのツールが必要でした。日立はそのためのツールとしてNode-REDを採用しました。

LumadaでNode-REDを採用するにあたり、日立ではNode-REDの今後の開発計画を確認し、技術上の疑問点や課題を明確にする必要がありました。そこで、IBM UKのHursley Labに所属するNode-REDのインベンター、Dave Conway-Jonesさん、Nick O’Learyさんと何度も打合せを実施しました。その際には日本IBMの方にも大変お世話になりました。

また、Node-RED Bootcampと称して技術者2名(本書の執筆者)が2週間Hursley Labに滞在し、Node-REDの技術詳細、コミュニティへの貢献プロセス等を身につけました。Daveさん、NickさんにはNode-REDに関して大変熱心に教えていただいただけではなく、ウィンチェスターの街に一緒に食事に行くなど、大変お世話になりました。

IBM UK Hursley Lab

Node-RED Bootcamp期間中のDaveさん、Nickさんとの食事

Bootcamp期間中のよく晴れた午後、DaveさんとNickさんにHursleyの敷地の散歩に誘われました。Hursley Labのお城のような建物(実際昔はお城だったそうです)の裏には広大な芝生の広場が広がっており、クリケット場や噴水がある公園の様になっています。散歩をしながら日本でNode-REDの入門書を出す計画があることを話していると、DaveさんとNickさんが「日本で本が出たらサイン会を開きたいな」と冗談を言っていたのが印象的でした。

このようなNode-REDの主要開発者の方たちとの交流を通して、日立は自信を持ってLumadaにNode-REDを採用することができました。また、コミュニティへの貢献活動を通して必要な機能の拡充も行っています。これまでに、フローエディタの日本語/中国語対応、利用可能なノードのホワイトリスト管理機能、色などのノード属性のカスタマイズ機能、Windows環境での品質向上などを行ってきました。今後も、他のフローエンジンとの連携機能や、メッセージの処理順序を保証する処理ノードの追加等を進めてゆく予定です。

今回の書籍は、日本の方々の間にもNode-REDの利用がさらに拡大することを願って、Bootcampに参加したメンバーを中心に執筆しました。出版にあたりDaveさん、Nickさんからもメッセージを頂け、なかなか素敵な書籍に仕上がったのではないかと思います。「サイン会」の代わりに、頂いたメッセージにお二人のサインを添えて、本の冒頭に掲載させてもらいました。

Daveさん、Nickさんと本書執筆陣

上 左から:岩嵜正明(監修)横井一仁(著者)中西数樹(著者)
下 左から:Nicholas O’Leary(インベンター)Dave Conway-Jones(インベンター)處雅尋(著者)

今後、IT技術者以外の方にもノンコーディングによるプログラム作りの魅力が伝わり、Node-REDの利用がさらに広がることを期待しています。

日立Node-REDエバンジェリスト
處 雅尋
横井 一仁
中西 数樹


まとめ

いかがでしたでしょうか?このように、数々のDeveloperの方々の力によって日々洗練されているツールNode-REDは、きっとみなさまのソリューションを助けてくれるツールになってくれることでしょう。
Bluemix上では、面倒なインストールなど不要ですぐにNode-REDが使えます。是非、試してみてくださいね。

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