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データ分析者達の教訓 #04- データ分析に求められるのは予測の精度ではなく施策の成果

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こんにちは!IBM でSPSSの技術を担当している西牧です。

このリレー連載ブログはSPSS Modelerの実際のユーザーで第一線で活躍するデータ分析者に、データ活用を進める上で忘れられない教訓をインタビュー形式で伺い、これからデータ分析に取り組む皆様に参考にしていただくことを目的にしています。

 

今回インタビューをお願いしたデータ分析者は

今回インタビューを受けてくださったのは、ビデオリサーチで長年SPSSをご利用され、昨年2022年秋のSPSSユーザーイベントでも講演をいただいた田村様です。

田村様には2000年のSPSSイベントでご登壇以来20年以上のお付き合いだと認識していました。ですが最近ひょんなことからから、田村様と私が同郷だと判明。さらには幼少期の私たちが並んで遊んでいる証拠写真も見つかり大興奮!というエピソードがありました。

そんな不思議なご縁がわかってから、お願いごとがしやすくなり?改めてこのブログのインタビューを依頼した次第です。

さすがベテランのデータ分析者という意義深いコメントをいただきましたのでご覧ください。

 

田村 玄 様

株式会社ビデオリサーチ
統括・ソリューションユニット
ビジネスソリューショングループ

 

-日頃のデータ活用業務について教えてください

当社はテレビ視聴率をはじめ、メディア・広告・生活者データのメジャメント企業です。

広告コミュニケーションやメディアコンテンツの意思決定にかかわる人々の指針となるデータやお客様にとって付加価値のあるソリューションを提供しています。

私自身は入社以来、調査データの活用に従事しており、メディア接触の類似性に基づいて生活者を分類・可視化や広告出稿量と広告認知率の関係のモデル作成(どれくらい出稿すれば広告が認知されるのか)などを担当してきました。

現在私のチームで最も力を入れているのが、予測モデルのお客様企業への展開サービスです。

まず当社独自のデータを学習し予測モデルの構築し、それをお客様企業が保有するデータに適用することで、お客様のデータを補完し、有効な意思決定をサポートしています。

-データ活用業務で味わった苦い経験を教えてください

データ分析界隈では次々と新しいアルゴリズムが登場し、いかに優れているかが話題になります。

しかし、最新のアルゴリズムがどんなに高い予測精度を出したとしてもビジネスオーナーが満足するとは限りません。

なぜなら、お客様は手法が何なのかについてはあまり興味がありません。もちろん予測精度が高いことは素晴らしいことなのですが、その手法が出した解が、お客様にとって有効に成果に結びつかなかった場合には全く意味を持ちません。

まだ駆け出しの頃のことです。流行りのアルゴリズムで精度の高い予測をドヤ顔で説明したところ、お客様に「求めているのは具体的なメディア出稿の最適配分で、予測精度はどうでも良い」と一蹴された苦い思い出があります。

 

-その苦い経験から得られた教訓はなんでしょうか

データ分析手法そのものにご興味のあるお客様も中にはいらっしゃいますので、その場合には手法起点で会話するのも良いことだと思います。

しかし、ほとんどのお客様はそうではありません。頭の中に分析手法をストックしておきながら、まずはお客様の課題を聞き、どういう結果になると良くてどういう結果になると良くないのか、など、どうなればその課題が解決できるのかを考えます。

その上で、ストックしている分析手法から使えそうなものを引き出して提案していきます。結果、データ分析が不要の場合もありますが、お客様の課題解決が第一なので、それで良いのです。

また、お客様の“評価指標”を引き出すことも大切です。決定係数やF値など数値で表せるものではなく、“肌感に合う”ことがお客様の評価指標であることも多々あります。

データ分析担当者は予測モデルの精度に執着しがちですが、お客様が喜んでナンボだと肝に銘じて仕事をしています。

 

-これからのデータ活用領域でのチャレンジについて教えてください

私が入社した頃、マスメディアと言えば、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の四媒体でした。

しかし、インターネットやスマートフォンなどの登場によりビジネスのあり方が大きく変わりました。当然、お客様が求めるデータや分析も日々変化しています。

引き続き、お客様の課題解決を第一に、お客様に求められるデータ分析に従事していきたいと考えています。

また、若手の育成にもチャレンジしていきたいですね。「変化」を変化と受け止める私と、生まれたときから「変化」である若手では、課題の受け止め方も違うはず。そんな彼らにデータ分析について微力ながらもサポートしていきたいと思っています。

 

インタビューのお礼と感想

田村様、貴重なお話をありがとうございました。

さて皆様、いかがでしたでしょうか?モデルの精度よりも施策の成果が重要だという田村様の主張に共感された方はとても多かったのではないでしょうか。

よくお客様から「SPSSの予測モデルは的中するのですが?」と聞かれます。

実際には誤差は必ずありますし、気が済むまでチューニングしていただいて結構なのですが誰もがその名前を知る有名なデータ分析者はあまりそれにはこだわりません。

田村様に教えていただいたようにビジネスオーナーの関心は業務でどれほど成果を生み出せるかであって、モデルがどのように業務で活かされるのかが重要なポイントだと認識を新たにしました。

 

次回は「現場の『心』を知ることがデータ民主化への突破口

三菱自動車工業の五安城様にお話を伺います。

 

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→これまでのSPSS Modelerブログ連載のバックナンバーはこちらから

→SPSS Modelerノードリファレンス(機能解説)はこちらから

→ SPSS Modeler 逆引きストリーム集(データ加工)

 

 

西牧 洋一郎

日本アイ・ビー・エム株式会社

テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部
Data & AI 第一テクニカルセールス

 

 

 

 

 

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