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顧客が期待する「DXパートナー」としてのIBMに求められる姿勢

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DXの波が急拡大し、DXグランプリやDX銘柄等の政府認定の仕組みなども普及して行く中で、製造業各社において実際のDX推進を自社単独で推進するのは、非常に難易度が高く、外部からの支援を求めるケースが増えている。この波に便乗する形で、多くのIT企業やコンサルティングファームが「DXパートナーシップ」という言葉を巧みに使い、顧客企業へアプローチを行うが、ともすると既存の取引に対して呼び名を変えただけというケースも散見される。

顧客の求めている「真のパートナー像」の定義は難しく、かつ企業成長に応じて変化し得る。実際にDXパートナーとして選定頂き、顧客企業を支援してきた実体験を元に、製造業各社からIBMが求められているパートナーとしての姿勢に関してご紹介する。

【IBMに期待されている役割】IBMに期待されている役割

顧客が期待する「DXパートナー」としてのIBMに求められる姿勢

DXを推進する上で、人材面での量的・質的な課題を顧客企業が抱えている中、第三者としてのアドバイザー的立ち位置から大きく踏み込み、一人称に近く、共同主体的に推進していく「パートナー」に求められる姿勢は2つあるとIBMは考える。

  1. 経営効果を追い求める覚悟
  2. 苦言を呈する勇気

経営効果を追い求める覚悟

DXに限らず、全ての改革のプロジェクトにおいて、効果は勝手に出るものではなく、狙って意図的に出すものである。経営効果を出すために、全ての施策が存在し、幾千のTry & Errorの繰り返しの中から初めて貴重な効果が創出される。しかし、システム導入に代表されるIT系のプロジェクトは、多くのケースにおいて“経営効果が本当に創出できるのか”というモニタリング機能をプロジェクト内に、顧客側・ベンダー側ともに保有していない形態が多い。システム導入をご支援するコンサルティングファーム的な位置付けであれば、この形式でも問題はないと考えるが、「DXパートナー」としては不足があるとIBMは考える。当初狙った経営効果を本当に創出する為に、システム導入を筆頭にしたITの話だけではなく、業務改革・組織設計・人材配置などの複合的な観点での討議を行う事が必須であり、顧客企業の経営トップからこれらに関する実行的なサポートがタイムリーに発生しない限り効果は生まれない。効果を真に生み出すのは顧客であり、IBMが代行する事はできない。成功は常にお客様のものである。ただし、「パートナー」を名乗る以上、覚悟を持って、経営層とこの議論に挑む姿勢が求められるとIBMは捉えている。

【経営効果を追い求める覚悟】経営効果を追い求める覚悟

苦言を呈する勇気

コンサルティングファーム、ITベンダーのみならず、顧客満足度という指標はサービスを提供するほぼ全ての法人が顧客から取得している。システム導入の遂行や、専門性を活かしたコンサルテーション・サービスを提供し、その活動実績に対して顧客満足度を取得する場合は、ご依頼頂いた範囲の中で顧客の期待値を上める活動が出来れば、高得点を取得できるだろう。

しかし、「DXパートナー」として、一人称に近く、共同主体者として満足度を取得する場合には、ハードルは跳ね上がると理解している。この場合、顧客の依頼事項や依頼範囲の中で、支援を遂行しているだけでは、高得点を取得する事は難しい。何故なら、どんなに優れた経営者であっても、実行難易度の高い課題や、対処工数が大きい課題を避ける傾向はあるからだ。前述の経営効果を創出する為には、この目を瞑りたくなるような渦中の栗に関しての議論を避ける事なく、真っ向から向き合い、苦言を呈する存在が必須となる。対価を頂いてサービスを提供している立場から、顧客企業の経営メンバーに対して、苦言を呈し続ける事は決して容易ではなく、時にはお叱りを頂いたり、議論が白熱したりする事もあり得る。しかし、「パートナー」である以上、勇気を持って、改革に挑みつづける為の議論を仕掛ける姿勢が求められるとIBMは理解している。

【苦言を呈する勇気】苦言を呈する勇気

関西ペイント:DXパートナシップ包括契約事例

塗料会社大手の関西ペイント株式会社は、塗料の専業メーカーとして取り扱う製品は幅広く自動車用塗料、工業用塗料、建築用塗料等の用途/機能の異なる幅広い製品群を顧客企業・一般消費者に安定供給する事が社会的な使命である。海外売上比率は65%を超え、グローバルに取引が拡大している中で、より規模の大きい競合他社への差別化を強め、厳しい競争の中で生き残る必要がある。

一方で、基幹システムを筆頭にした同社の既存システムは老朽化を迎えており、多くの課題と非効率が生じていた。また、各国のグループ会社の主要データを経営管理視点で取りまとめるグローバルのデータ活用基盤も未整備の状態だった。加えて、多くの製造業と同様に、従来のオンプレミス型のIT基盤の運用保守を一手に担ってきたIT部門は、SaaSやPaaSのような先進ITツールに関してのスキルは未習得であり、DX時代を支える新たなIT人材育成が急務だった。

こうした複合的な課題を解決するため、IBMをDXパートナーとして選定頂き、各種プロジェクト計画の立案、プロジェクトを通じた人材育成、一部の新システム導入、IT組織の再設計などの広範囲に渡る改革に共に挑ませて頂いているのが関西ペイント様の事例だ。
2022年4月に開催したDX Forumにも登壇頂き、顧客としての生の声を語って頂いているので、本寄稿と合わせてご参照頂きたい。

ウィズコロナ・アフターコロナに情勢がシフトしつつある中、ものづくりにおけるデジタル変革は現在、欧米企業が一歩先を行く状態にある。日本の製造業の中から、世界で輝く企業を1社でも多く増やすため、ぜひDXパートナーとして、覚悟と勇気を持ってIBMはお手伝いをさせていただきたい。

岩佐 英明

岩佐 英明
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部
インダストリアルプロダクツサービス事業
アソシエイトパートナー

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