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AI for AI:IBMがWatson Studioの新機能AutoAIを発表

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AIの民主化により、あらゆる業界で機械学習とデータ・サイエンスのスキルに対する需要が著しく高まっています。このトレンドをさらに加速してスキル・ギャップを埋めるために、AI自体の作成が自動化されつつあり、ビジネスとデータ・サイエンスのチームの業務を変革しています。McKinsey Global Institute (英語) によると、業務の半分近くが間もなく自動化されることになる可能性があります。データ・サイエンティストにとっては、これは手作業の減少と導入までの時間の短縮を意味します。

[企業エグゼクティブの] 85%近くがAIによって自社が競争上の優位性を獲得または持続できると信じています

– MITSloan Management Review

AIは、特定のタスクにとどまることなく、これまで手作業に依存していた特徴量エンジニアリングなどのステップも改善してどんどん進化しています。今では、AI学習はアダプティブ(適応型)になっており、自動的に構成された機能やニューラル・ネットワーク体系を使用して、ユース・ケースに合わせてモデルを最適化でき、企業に時間短縮と前例のない価値をもたらしています。AI for AI (AI活用のためのAI)が登場したのです。

AI for AI:革命

今日の機械学習モデルは急速に複雑化していて、手間のかかるデータの準備と特徴量エンジニアリングが必要になります。そのため、企業は、数千万のパラメーターを使用する高度なニューラル・ネットワーク体系を急いで導入しています。研究者たちによる画期的な成果により、特有の問題だけを解決するために設計されたニューラル・ネットワーク向けの新しい機械学習方式やアーキテクチャーが生まれています。

こうした複雑な問題に直面するなか、AIを最大限に生かすためにチームが行う必要があるプロセスは、モデルの設計、最適化、管理です。

設計:最適化されたニューラル・ネットワークを設計するには高度なスキルを持ったデータ・サイエンティストが必要です。これは、時間がかかり、常に進化する作業です。データ・サイエンス・エンジニアは、これまではCNNやRNNを活用していましたが、今では最先端のパフォーマンスを実現するには多数のアーキテクチャーが必要です。企業は、この爆発的なイノベーションを活用するとともに、データ・サイエンス・チームの学習内容、つまり、どの実験がうまくいって、どれが失敗したか、それぞれの特徴などを活用することを切望しています。

最適化:構造化データを扱う際、チームは、最適な機械学習パイプラインを見つけるという課題に直面します。パイプラインには、データの準備、特徴量エンジニアリング、ハイパーパラメーター最適化(HPO)、アンサンブルが含まれます。そのために、データ・サイエンス・チームは数週間から場合によっては数カ月間もかけて、各ステージで手動で実験を行う必要があります。モデルのパフォーマンスを向上させるために必要な特徴量の抽出に最適な変換を突き止めるための専門知識を持っていない経験の浅いデータ・サイエンティストにとっては、特に特徴量エンジニアリングとハイパーパラメーター最適化(HPO)が困難です。

管理:最後の課題は、AIモデルのガバナンスであり、これはビジネス向けのAIの導入を成功させるための必要条件となっています。AIの管理には、パフォーマンス、異常、決定の公平性、説明性など、デプロイメントにおけるAIのすべての側面のモニターが含まれます。バイアスが検出された場合には、バイアス緩和アルゴリズムによって修正し、企業がAIを信頼できるようにすることができます。高度なモニタリングと修正アルゴリズム、説明性の技法を使用してAIモデルを管理することは、企業が導入をためらっているブラック・ボックスAIモデルをオープンにするために不可欠です。

AI for AIは、データ・サイエンスとAIのエンドツーエンドのプロセスの自動化を可能にし、人間の専門知識と機械が生成した洞察によるイノベーションを補完して、次のステップに進めるようにします。

IBMは世界に先駆けてAIを開発しています。スタンドアロンのAutoMLツールを開発するのではなく、マルチモーダル・データ・サイエンス・プラットフォームのIBM Watson Studioに機能を追加することを選びました。IBMは、AIライフサイクル管理におけるIBM Researchの比類なきイノベーションをAutoAIという機能として製品化しました。

IBM Watson StudioのAutoAIにより、以下が可能になります。

  • AIライフサイクル管理を自動化する
  • Watson Machine Learningによってワンクリックで導入できる
  • 既存のスキル・セットでより優れたモデルをより迅速に作成して本番環境に移行する
  • 実験と導入のプロセスをスケーリングする
  • Watson OpenScaleでAIの結果をモニターし、バイアスを緩和する
  • AI/ML開発の信頼性と透明性を向上させる

AIを設計するAI

IBM Watson StudioのNeuNetS (英語)では、手動でのコードの設計や作成の必要なしに、ニューラル・ネットワークを合成して、非構造化トレーニング・データ(イメージやテキストなど)でトレーニングすることができます。

  • 数日間から数週間ではなく、数分から数時間以内にモデルの精度を達成する
  • GPUのクラスターでAIのトレーニングをスケーリングする
  • 整合性と再現性を確保する

AIを最適化するAI

AutoAI (英語)は、自動的にデータを準備して、アルゴリズムを適用し、データやユース・ケースに最も合ったモデル・パイプラインの作成を試みます。

  • 初級のデータ・サイエンティストはAIパイプラインを最適化するプロセスを学習する
  • 経験豊富なデータ・サイエンティストは本番レベルの精度を達成するまでの時間を短縮できる
  • Watson Machine Learningを使用して、すべてのデータ変換を含む機械学習パイプラインをシングルクリックで導入する

AIを管理するAI

Watson Machine Learning (英語)と統合されたWatson OpenScaleは、IBM Watson Studioとともに、企業が本番利用にふさわしい精度とガバナンスを維持できるようにします。

  • AIライフサイクルを自動化してビジネス・アプリケーションで運用可能にする
  • AIモデルがバイアスがなく、理解可能かつ説明可能であることを確認する
  • モデルをビジネス・トランザクションで監査可能にする

この先に続く道:AIの民主化と工業化

IBMは、複雑で時間もコストもかかるAI開発プロセスを簡素化して、すべての人が簡単に利用できるようにすることに注力しています。手動での計画、管理、モニターの作業からデータ・サイエンティストを解放することで、強力な予測モデルの開発に多くの時間をかけて専念できるようになることを期待しています。AutoAIの支援によって、AI投資から大きな価値を引き出し、ビジネスのさまざまな側面の差別化に集中することで新しいビジネス・モデルを考案できるようになるのです。


Ruchir Puri

Ruchir Puri

IBM, IBM Watson and IBM Fellow, Chief architect
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*本記事は、AI for AI: IBM debuts AutoAI in Watson Studio(英語) の抄訳です。

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