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分散型クラウド vs. ハイブリッドクラウド vs.マルチクラウド vs エッジコンピューティング (Part 2)

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この投稿は、2020年10月14日に、米国 IBM Cloud Blog に掲載されたブログ(英語)の抄訳です。

このブログは、重要なクラウドコンピューティングのアーキテクチャーを検証するシリーズ(2部構成)の第2部です。

前回(シリーズの第一部)のブログでは、以下の3つのクラウド・コンピューティング・アーキテクチャを比較しました。

  • ハイブリッドクラウド
  • マルチクラウド
  • 分散型クラウド

一般的に、これらの3つは、お客様がクラウド移行への足掛かりとなるものです。分散型クラウドの持つ柔軟性と一貫性を活用することは、ハイブリッドクラウドとマルチクラウド を利用する上で、ごく自然な歩みであると言えるでしょう。分散型クラウドを構築することで、エッジの活用によるさらなる効率化を実現することができます。

次のステップ: エッジコンピューティング

エッジコンピューティング  は、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境に適合するとともに、分散型クラウド環境において強化されています。基本的に、エッジコンピューティングは、データが作られる場所の近くにあるサーバーを稼動するということを指します。

エッジコンピューティングを理解するために、データが作られるもととなる場所を検討してみましょう。データは主にクラウド(アプリケーションが運用ツールや分析ツールなどどともに実行されているクラウド)にありますが、実際のデータはユーザーがデバイスを操作することによって作られます。例えば、スマートフォンでアプリをクリックするといった簡単な操作を実行しているときに、データが作られています。

エッジコンピューティングについて、動画でもう少し詳しくみてみることにしましょう:

動画(10分39秒,日本語字幕版)を見る:

 

エッジデバイスとエッジサーバーの連携方法

エッジコンピューティングの推進により、エッジデバイスはすでに広く利用され、増加し続けています。その規模感を把握するために、ある配送会社の経営者が従業員と一緒に倉庫をいって、以下のようなデバイスを使用していることを考えてみましょう。

  • 出荷機器のモニター
  • カメラのモニター
  • 携帯電話

こうしたエッジデバイスは、すべて、デジタルでアクセス可能なデータを収集しています。エッジデバイスは、エッジコンピューティング用に設計されたエッジサーバーとは異なります。この例では、エッジサーバーは倉庫にあり、エッジデバイスからデータを収集して処理します。

データをクラウドに転送して処理してからエッジデバイスに戻すかわりに、エッジサーバーを活用することにより、以下のようなメリットがあります:

  • データが作成されたところでデータを計算処理できる
  • 全体的に遅延時間を削減できる
  • 分散処理が可能になる

こうした理由から、エッジコンピューティングは電気通信会社の多くの経営幹部にも注目されています。なぜなら、計算処理の多くは、携帯電話の中継等のように、エッジで行う必要があるからです。エッジデバイスからすべてのデータを生成する倉庫の例では、その倉庫内で実行されているエッジサーバーにKubernetesクラスターを設置できます。

エッジコンピューティングにおける分散型クラウドの役割

複数の倉庫と数百万にも及ぶエッジデバイスを活用して、配送会社が急速にビジネスを拡大しているケースを考えてみましょう。それぞれの倉庫には、それぞれエッジサーバーがあります。これらのサーバーとデバイスを個別に運用保守するにはどうしたらよいでしょうか。運用管理にとってその業務は決して簡単なことではありません。特に、規模が大きくなるにつれ、個人所有あるいは個人管理のクラスターも設置されるようなケースはなおさらです。

分散型クラウドを利用すると、単一のコントロールプレーンで、KubernetesやRedHat OpenShiftなどのコンテナベースのプラットフォーム間で、一貫性を保つことができるようになります。たとえば、エッジのVMホストなどのリソースを登録してから、一元化された運用環境を利用して、Kubernetesクラスターをオンデマンドで展開することができます。

エッジコンピューティングの場合にはこれは非常に助かります。インフラストラクチャーが複数の「エッジ」に「分散」している場合でも、増え続けるエッジ環境を単一のコントロールプレーンから管理できます。倉庫に配置されているサーバーは、クラウドベースのKubernetesクラスターと同様に、一貫した運用を実現できます。

その一貫性が、分散型クラウドをエッジコンピューティングに組み込む大きな理由です。もちろん、分散型クラウドを使わないでもエッジコンピューティングを実行することはできますが、かなりのオーバーヘッドがかかるため、大きな代償を払うことになるでしょう。

分散型クラウドは、エッジコンピューティングだけでなく、ハイブリッドクラウド、マルチクラウド 、またその両方にも理想的な環境といえます。

IBMでは分散型クラウドサービスとしてIBM Cloud Satelliteを発表しました。
IBM Cloud Satelliteについての詳細はこちらのWebサイトをご参照ください。またIBM Cloud Satelliteのベータ版はこちらです。


翻訳:IBM Cloud Blog Japan 編集部

*このブログは、2020/10/14に発行された”IBM Cloud Blog “Distributed Cloud vs. Hybrid Cloud vs. Multicloud vs. Edge Computing (Part 2)”(英語)の抄訳です。

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