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テクノロジーがもたらす全米オープンテニスの新たなスポーツ体験

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自宅のソファーで家族と一緒に、テニスコート最前列の興奮を味わう。そんな夢のようなスポーツ体験ができたら、どんなに楽しいだろう。

テニスのグランドスラム4大大会のひとつ、全米オープンテニスを主催する全米テニス協会(USTA:United States Tennis Association) は、2017年大会において、AIを活用した新しいスポーツ体験の提供を開始した。自宅やスポーツバーでテレビ観戦をするテニスファンにも、USTA公式SNSや公式アプリ、Webサイトを通じて、試合会場の熱気と臨場感をリアルタイムに伝えるものだ。

スポーツ体験にイノベーションをもたらすAI技術

この最高のスポーツ体験をデジタル上で提供する上で、肝となるのが試合の躍動感を損なわずに伝えることのできる映像の提供である。従来、そのような映像の編集には、6コート分の試合情報と映像のハイライトを集め、臨場感と熱戦の内容を魅力的に伝えるための編集に膨大な時間を費やしていた。

そんなUSTAの映像編集業務を支援したのが、IBMのコンサルティングサービス「IBM iX」とIBMの基礎研究所である「IBM Research」により開発された「IBM Cognitive Highlights」だ。IBM Cognitive Highlightsは、Web サイトを開発するためのソリューションで、AI技術を活用することによって、試合のデータや観客の声援などを分析して試合の重要なポイントを特定し、自動的にハイライトシーンを抽出する。このAI技術によって編集時間が飛躍的に短縮され、試合のハイライト動画をほぼリアルタイムで楽しむことができるようになる。さらに、Watson Speech to Textという音声認識機能を使ってオンデマンドビデオから音声を取り込めば、自動で字幕を作成することも可能だ。

家にいながら前列席の興奮を味わう

IBM iXは、戦略策定や創造性、そして最新のテクノロジーで企業のデジタル変革を支援している。スポーツ業界においては、ウィンブルドン選手権やゴルフのKLMオープン、NBAのトロント・ラプターズ、メルセデス・ベンツ・スタジアムなどで、新たなスポーツ体験をもたらしてきた。

IBM Watsonなどの最新テクノロジーとIBM iXによる顧客体験デザイン支援により、全米オープンテニスは、その魅力をより早く、より多くの人々に伝えることができるようになった。また、ハイライト映像のほかにも、選手がウオーミングアップやクーリングダウンをする姿など、会場で観戦していなければ見られなかった映像を含む、会場の様々なシーンを届ける映像の配信も開始。あたかも試合会場にいるかのような体験までデジタル上で提供することが可能になったのだ。

全米オープンテニスは、テレビやWeb、モバイルなどを通じたマルチチャネルでのブランド展開を実施し、何百万ものアプリのダウンロードや4億のページビュー、2千万のモバイルサイトへのアクセスを獲得してきた。こうしたチャネルを効果的に活用するため「IBM insight」を採用し、リアルタイムで試合のスコアボードやニュース、写真、ビデオといったコンテンツを作成してファンの心を掴んでいる。

「伝統的」でありながらイノベーションを追求

1881年に始まった全米オープンテニスは、世界で最も歴史のあるトーナメントの一つだ。「偉大さの追求」というスローガンを掲げる全米オープンテニスは、格式高いブランドイメージを保つため、UI(User Interface)のデザインにもこだわり、さまざまなチャネルやタッチポイントでの展開によって、デジタルネイティブな若年層へのアプローチとブランド価値の維持を見事に両立している。ブランド価値には「伝統的」というキーワードも存在するが、伝統的とイノベーションは相反するものではない。

全米オープンテニスとIBMのパートナーシップで実現した、テクノロジーとIBM iXによるAIソリューションを活用した全く新しいスポーツ体験は、自宅のソファーでテニス観戦を楽しむ子どもにも、テニス選手としての道を歩ませるほどのインパクトを与えるかもしれない。

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