Data Science and AI

AI関連書籍三冊目を出版したIBM赤石雅典に聞く「AIと仕事と執筆」

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【DS&AIタレント・インタビュー #1】

エグゼクティブITスペシャリスト 赤石雅典


DS&AIタレント・インタビューでは、日本IBMで活躍するデータサイエンティストやAIエンジニアを紹介します。第一回は、テクニカル・セールスとしてDS&AI製品をお客様にご紹介する傍ら、啓蒙活動の一環として書籍執筆にも勤しむ赤石雅典さんです。


 

— 始めに自己紹介をお願いします

IBM クラウド事業本部 Data and AI 事業部に所属する赤石雅典です。Watson Studioや OpenScale、CPLEXなどデータサイエンス系製品・サービスを対象としたテクニカル・セールスをしています。

 

— 最近の携わった業務についてお聞かせください

食材を対象商品とした某eコマース会社様で、CPLEXという弊社の意思決定最適化ツールを使う案件があり、製品紹介からプロジェクトでの技術支援など、かなり深く関わりました。PoC (Proof of Concept、概念実証)の結果はお客様に評価いただき、現在本番化に向けた次フェーズのプロジェクトの提案中です。

 

— 赤石さんはデータサイエンス/AI系製品・サービスのセールスが今のお仕事ということですが、こうした製品を利用して業務を遂行する際に、データサイエンス/AIならでは難しさはありますか?

ありがちなパターンの一つとして、トップダウンで「AIをやるんだ」からはじまった案件は、なかなか実業務と結びつかなくてPoCまでたどり着かないことが多いです。この問題をクリアできていても、「機械学習で100%の結果は出ない」という当たり前のことをお客様がわかっていないケースが多く、PoCで90%の精度が出たときに「あれ、残りの10%の時はどうするんだっけ」と立ち止まってしまう。

PoCを始める前にこのことをお客様に十分に伝えて、「それでも意味があるからやるんだ」という点まで合意ができてから初めてPoCに取り組むようにすることが、サービス提供側の重要な役割だと思います。

 

— 最近データサイエンスに関する書籍を執筆したそうですが、書籍の売りは何ですか?

今回出版した「Python自然言語処理入門」のセールスポイントはいくつかあるのですが、特にこの場で強調したいのは、WatsonとOSSを対等の立場で扱っていることです。テキスト分析の世界でも、OSSでできることとWatsonでできることは、かなり似ている点も多いのですが、言葉が違っている等の理由で、片方の分野にはそこそこ詳しい人も、すぐ隣の世界のことが意外にわかっていなかったりします。

幸いにして私は両方の世界を一通り知ることができる立場なので、全体を俯瞰するような観点でこの本を執筆してみました。そういう意味で、この本をご購入いただいた方は、自分が関心ある分野だけ読むのでなく、是非本全体を通読して欲しいです。それによって、テキスト分析という分野での自分自身の地図を持てるようになれば、著者とした大変ありがたいです。

 

— これで三冊目の書籍執筆とのことですが、何がきっかけだったのでしょうか

そもそものきっかけは、社外コミュニティ活動で知り合った出版社の人に勧められたことです。その時は「自分の出したい本」と「出版社の出したい本(=出版社から見て売れると思われる本)」がなかなかすり合わず、企画段階で一年程度打合せを繰り返しました。

 

— 一冊だけでも大変な作業だと思うのですが、三冊も継続できた理由はありますか?

二年前に、金沢工業大学の社会人向け大学院(KIT)でAI講座の先生をやるという、相当にチャレンジングな仕事が降ってきました。その時は教材を作るため、数ヶ月死んだ気になってAIの勉強をしました。更に、その後二年間の授業では、実際の受講生とのやりとり通じて、AIを教える際にどこがポイントになるかをいろいろ経験できました。これらの経験が自分にとってはなによりの財産で、これなくしては、三冊の本を書くことはありえなかったと断言できます。この仕事をアサインしてくれた吉崎さん (2017年当時執行役員兼Watson事業部長) には、今でも心から感謝しています。

 

また、思いもしない人から本をきっかけとしてコメントをもらえるという、本を出す醍醐味を知ってしまったこともあると思います。中でも今までで一番感激したのは、二冊目の本に関して、見ず知らずの85歳の読者からAmazon上でもらったコメントです。コメントの内容も私がこの本を出した意図にジャストミートだったのですが、それよりも85歳の人に読んでもらえて、しかも褒められたというのがとてもうれしかったです。一度こういう思いをしてしまうと、やみつきになる感じです。

 

— 最後に、AIエンジニアとして今後やっていきたいことを教えてください

以前GBS(システム構築サービスを行う部門)にいたときは、DB2が得意でした。5年ほど前に、テクニカル・セールスに移ってからは、Maximo、ODM、Watson API、Watson Explorer、Watson Studio、SPSS、CPLEXと本当にいろいろな製品を手がけてきました。この引き出しの広さを生かして、新規案件のソリューションのコンサルティングみたいなことをやっていきたいと思っています。

もう一つ、全然別にやりたいことがあります。近年、データサイエンス/AIの領域では、人材が不足していると言われています。この領域で人を育てるような仕事ができれば、社会に貢献できるかもと思っています。

 

— 自分自身の地図を持つデータサイエンティスト/AIエンジニアが増えると、明るい未来が開そうです。お話をお聞かせいただき、ありがとうございました

 

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