IBM クラウド・ビジョン

多くの企業に最適なテレワーク・ソリューションは? IBM Cloudに専有のVDIサービス「VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud」が登場

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「どうせVMware Horizonを使うのなら、どこのベンダーのクラウドも同じ」とはいかないのがテレワーク・ソリューション選定の落とし穴です。具体的にどのようなポイントに注意すべきか? また、IBMが提供する最新の「VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud」は他社のサービスとどこが違うのか? 詳しくご紹介します。

天野 朋樹

天野 朋樹

日本アイ・ビー・エム クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業本部
テクニカル・セールス

IBM CloudのIaaSのテクニカル・セールスとして、年間100社ほどのお客様へのVDIやDaaSを中心とする提案活動に従事。これまで、オンプレミスとクラウド、お客様の業種、利用製品を問わず、数々のVDI案件をデリバリーリーダーやテクニカル・セールスとしてリードしてきた。近年は金融機関向けのインターネット分離基盤やDaaSを利用したオフショア開発基盤、製造業向けのGPUを用いたCAD VDI基盤などの案件も担当している。

 

クライアントOS、GPUに注意──テレワーク・ソリューション選定のポイント

新型コロナウイルスの流行に収束の兆しが見えない中、多くの企業が人の移動が大きく制約される現在の状態の長期化も見据え、自宅などからオフィス業務が行えるテレワーク・ソリューションとしてRDS(リモートデスクトップサービス)やVDI(仮想デスクトップ)、そしてVDIのクラウド版であるDaaS(Desktop as a Service)などの本格的な導入の検討を進めています。

例えば、すでにオフィスでVDIを利用している企業が、自宅などから社員が同様の環境を使えるようにDaaSの導入を検討する場合は、既存のVDI環境との親和性が最大の選定ポイントとなります。オンプレミスとDaaSで同じVDI製品を使うことができれば導入がスムーズに進むでしょう。

既存環境との親和性という点では、利用しているデスクトップOSにご注意ください。例えば、Windows 10などのWindowsクライアントOSを利用している場合、同OSに対応したテレワーク・ソリューションを選ぶのが最適です。「Windowsなら、どのテレワーク・ソリューションでも使えて当たり前」と思うかもしれませんが、マイクロソフトの現在のライセンス規定では“専有”の環境でなければパブリッククラウドでWindowsクライアントOSを使うことはできません。WindowsクライアントOSだけをサポートする業務アプリケーションを利用している場合、これは非常に重要な選定ポイントとなります。

また、CADソフトによる設計業務やデータ分析業務などで高性能なワークステーションを利用している企業は多いでしょう。パンデミックを機に、それらの環境をテレワーク化する場合も、ソリューションの選定には十分に気を配る必要があります。一般に、CADソフトやデータ分析ソフトではGPUを使って複雑な演算処理を行います。したがって、そのような処理に対応したハードウェアが利用可能なソリューションを選ぶ必要があります。さらに、利用しているソフトウェアの動作環境がWindowsクライアントOSである場合、上述した制約が加わるため、ソリューションの選定では一層の注意が必要となります。
 

VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud──専有ベアメタル環境で使えるDaaS

IBMは、新型コロナ禍におけるテレワーク需要の高まりに応え、最新のDaaSとして「VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud」の提供を開始します。同サービスの特徴は、オンプレミス製品と同一のVMware Horizon 7をIBM Cloudのベアメタル・サーバー上でマネージド・サービスとしてご提供する点です。これにより、お客様は次のようなメリットを得ることができます。

▶WindowsクライアントOSが利用可能

ベアメタル・サーバーによるお客様の専有環境であることから、Windows 10などのWindowsクライアントOSを使い、既存ライセンスも生かしながらオンプレミスのデスクトップと同じ環境をDaaSとして利用することができます。

最新の高性能GPU搭載サーバーをベアメタルで利用可能

IBM Cloudは業界でも群を抜く豊富なラインアップのベアメタル環境を用意しており、NVIDIAの最新GPUを搭載したサーバーもご利用いただけます。「CADソフトやデータ分析ソフトなどで複雑な処理を行うために高性能なGPUを使いたい」といったケースに最適であり、CAD VDI環境としてIBM Cloudのベアメタルをご活用のお客様もいらっしゃいます。

オンプレミスとのハイブリッド構成が可能

オンプレミスでVMware Horizon 7を運用している場合、CPA(クラウド・ポッド・アーキテクチャー)によってハイブリッドクラウド構成を取ることで、オンプレミス環境のリソースが逼迫した際や災害などでオンプレミス環境が使えなくなった際のバックアップ環境として利用するといったことが可能となります。

マネージド・サービスにより煩雑な運用管理から解放

マネージド・サービスとして提供されるため、お客様はVDI基盤の運用管理など煩雑な作業から解放され、VDIの活用に集中することができます。

仮想マシンスペックを柔軟に設定可能

オンプレミスのVMware Horizon 7と同様に、クライアント仮想マシンのスペックを細かく設定できます。また、オンプレミスと同様のセキュリティー・ソリューションもご利用いただけます。

VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud

また、これらのほかにも、以下にご紹介するIBMならではのさまざまなメリットをご提供します。
 

リファレンス・アーキテクチャーにより短期導入が可能。IBMが構築サービスも提供

オンプレミスでVMware Horizonを利用する場合、通常はお客様の要件を検討したうえで設計/構築/テストを行い、半年〜1年程度をかけて導入します。それに対して、VMware Horizon Enterprise on IBM Cloudは新たに用意したリファレンス・アーキテクチャー(RA)を用いることにより、短期間で導入することが可能です。このRAはIBMとVMware社が共同開発したものであり、設計済みの構成を用いることで迅速なデリバリーを実現しています。導入時のシステム構築作業もIBMが行います。
 

リージョン間通信が無料。大阪リージョン開設で東西の災対構成も可能に

VMware Horizon Enterprise on IBM Cloudは、全世界に60拠点以上(2019年8月現在)を構えるIBM Cloudの全データセンターでご利用いただけます。IBM Cloudの大きな特徴の1つは、それらのデータセンター間を結ぶ高速バックボーン通信を無料で使える点です。例えば、日本と北米に拠点を持つお客様が東京と北米のデータセンターを利用される場合、他社のクラウド・サービスでは両データセンター間の通信で別途費用が発生しますが、IBM Cloudでは全て無料です。高速かつ低レイテンシーなバックボーンが無料でご利用いただける点は、VDIを利用するうえで大きなメリットとなるでしょう。

加えて、9月に大阪リージョンが新たに開設され、東京/大阪リージョンを災害対策構成で使うといったことも可能となりました。
 

VDI環境の構築から運用までIBMがワンストップサポート

IBMは大手クラウド・ベンダーでは唯一、大規模なシステム・インテグレーション部門を持ち、これまで多くのお客様のVDI環境の構築/運用をご支援してきました。VMware Horizon Enterprise on IBM Cloudに関しても同様の構築/運用支援サービスをご提供するほか、テレワークで利用するPCやシンクライアント端末のご提供やVDI環境の運用全般をアウトソーシングでお任せいただくこともできます。
 

スモールオフィス向けRDS、クラウド型のリモート開発環境も併せて提供

このように、VMware Horizon Enterprise on IBM Cloudはさまざまな業界/規模のお客様にご活用いただけるDaaSソリューションですが、「まずはコストと規模を極力抑えてテレワーク環境を導入したい」というご要望もおありだと思います。そうしたお客様に最適なDaaSとして「Windows RDS on IBM Cloud」の提供も開始しました。こちらはWindows ServerのRDS機能を利用したテレワーク・ソリューションであり、IBM Cloud上でマネージド・サービスとしてご提供します。

また、今回の新型コロナ禍では、多くのお客様がシステム開発プロジェクトの進捗の遅延や中断を余儀なくされました。これまで、日本企業の開発プロジェクトは1カ所または少数の拠点に開発メンバーを集めてオンサイトで行うスタイルが主流でしたが、オフィス業務と同様、開発業務についてもリモート化のご相談を多くのお客様からいただいています。

そうしたニーズにお応えし、IBMはリモート開発プロジェクトを実現する新ソリューションとして「オープンなクラウド開発・運用プラットフォーム」の提供を開始しました。

オープンなクラウド開発・運用プラットフォームは、お客様のプロジェクト関係者が自宅などから同一の環境を利用して開発作業が行えるIBM Cloud上のリモート開発環境です。LinuxやWindows、Power/AIX、Power/i、z/OS(今後、対応予定)などの仮想サーバーを開発/テスト環境として利用できるほか、今後はRed Hat OpenShiftにも対応する予定です。各種のOSSを組み合わせた継続的インテグレーション(CI)や継続的デリバリー(CD)の環境により、開発作業の多くが自動化されています。チャット(Slack)や課題管理(Jira)、タスク管理(Trello)、ビデオ会議(Cisco Webex)などのツールと連携し、メンバー間で円滑にコラボレーションが行えます。

オープンなクラウド開発・運用プラットフォームは、高いセキュリティー要件が求められる金融業界をはじめ、さまざまな業界の開発プロジェクトをご支援します。パンデミック下のみならず、ポスト新型コロナのニューノーマル時代を支える新たな開発プラットフォームとして、IBM Cloudのテレワーク・ソリューションとともにご活用ください。
 

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