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Smarter Business

新時代の“ペーパーレス”を考える。電子契約からモバイルまで、プロセス横断で考える業務のデジタルシフト

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西垣智裕

西垣智裕
日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業
コグニティブ・プロセス・オートメーション部長
アソシエイト・パートナー 公認会計士

監査法人において法定監査、株式公開支援、企業再編時の財務デューディリジェンス、内部統制導入コンサルティング、システム監査等に従事。その後、アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス株式会社(現:日本IBM株式会社)に入社し、経理・財務領域におけるシステム構築及び業務変革プロジェクト、内部統制プロジェクト等に従事。
現在は電子契約・電子署名をはじめ、AI、ワークフロー、RPA、アナリティクスなどを活用し、フロントからバックオフィス業務全般のデジタル・トランスフォーメーション推進を行うオートメーションコンサルティング部門の責任者を務める。

鳥井卓

鳥井卓
日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業
DX推進事業部 事業部長
アソシエイト・パートナー

日本IBM入社後、アメリカ、中国、インドなど多国籍で構成されたチームをリードし、インフラ構築における大規模SI案件のプロジェクトマネージャーを担当。その後、2011年から事業戦略室の経験を経て現職。ビジネスの上流部における成長戦略策定、デジタルトランスフォーメーション戦略策定を専門領域とし、金融業、流通業、製造業のクライアントを中心に、多数のプロジェクト経験を持つ。また、デジタルトランスフォーメーションついて経営者向け講演も多数実施している。

 

ワークフローのデジタル変革によって業務の省力化やコスト削減をすることは、以前から多くの企業が抱える課題である。加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下、新型コロナウイルス)の拡大を受け、「人の移動が制限される」状況を前提とした働き方への早急なシフトが求められている。

しかし、未だ多くの企業でテレワークが実施されず、社員が出勤を余儀なくされる状況が多く見られる。業務のデジタル化が進まないことの大きな要因の一つとして、その大部分を紙に依存する日本のビジネス環境がある。企業が持つ情報の多くが非定型データ(※1)のままなのだ。

こうした状況を打破し、デジタル変革を実現するための考え方のシフトについて、日本IBMで電子契約・電子署名を入り口とした業務のデジタル化を推進するコグニティブ・プロセス・オートメーション部長の西垣智裕氏と、同社DX推進事業部長の鳥井卓氏が語る。

(※1)非定型データ:
文書データ、電子メール、写真、動画など、定型的に扱えないデータ。顧客情報や在庫情報など定型的に扱える「構造化データ」とは違い、データベースによる管理が難しい。非構造化データの量は年々増加しており、これを高速に管理、分析する処理技術としてAIが活用されている。非構造データとも言われる。

業務のデジタル化を阻む「3つの壁」

−−新型コロナウイルスの影響により、「人が動けないこと」を前提とした業務態勢の重要性がさらに強まっています。今、日本企業のワークフローにおいてどのような問題を感じていらっしゃいますか。

鳥井 これまで、経理、財務、人事などのオフィス業務では、比較的早い段階でPCが導入され、デジタル化による自動化や省人化の取り組みが進んできました。一方で、工場、物流、セールス、サポート、アフターサービスなどの領域ではまだ紙での作業が多く残っています。変革を進める必要性は誰もが感じていながら、今まではなんとか仕事が回ってしまっていたこともあり、先送りになっていました。しかし、今回の状況下で紙依存の環境の弱さが露呈し、問題が浮き彫りとなりました。

とはいえ、先に挙げたバックオフィス業務もPCを持ち帰るだけだからすぐに在宅態勢に移行できるかといえばそう簡単ではありません。それ以外の部署が紙ベースの業務を進めている場合、それを処理するバックオフィスの担当者も出社しなければない、といった状況になりかねません。本当の意味でのデジタル変革を目指すのであれば、フロントオフィスの業務変革にも注力しなければなりません。

西垣 オンライン会議の環境を整えるのと同じように、フロントオフィスの業務でも「物理的接点をなくす」という視点から、紙が必要となる業務を減らすことが必須です。バックオフィスとフロントオフィスの両方でデジタルを前提とした業務のやり方をつくっていく必要があります。

−−バックエンドからフロントエンドまで、部分ではなく企業の業務全体を捉えて省力化を考えることは「働き方改革」の文脈でも重要だと言われてきたことです。以前から課題として挙げられてきたにもかかわらず、取り組みがあまり進んでいない原因はどこにあるのでしょう?

西垣 阻害要因としては、1)組織、2)システム、3)文化という3つの壁があります。

1つ目の組織の壁ですが、これは社外とのやりとりについてです。企業毎に違うシステムを導入しているため接点をデジタル化できず、契約書などの文書を紙でやりとりしている、などの状況があります。

2つ目のシステムの制約は社内の状況です。ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画、統合基幹業務システム)など基幹システムなどはデジタル化をしつつも、その周辺の業務は紙や表計算ソフトでカバーしているという問題です。紙やFAX、電子メールなど複数のチャネルから文書が届き処理が煩雑になります。加えて、それらの文書は非定型データなので、そのままの状態では業務で利用することはできません。

3つ目の文化は、紙を使うのが当然という考え方です。シンプルですがこの壁は大きいです。デジタル化に対して、業務環境の変化を負担に感じることからの抵抗のほか、現状紙を使って業務が回ってしまっていることに疑問を持たず、変化の可能性に思い至っていないというケースもあり得ます。

鳥井 3つ目の文化面の課題は、そうした「現場の社員が以前までのやり方に慣れている」という状況に加えて、「デジタル化=IT部門」という固定観念も挙げられます。

これまで多くの企業が、IT部門を中心にデジタル化を進めてきました。IT部門の社員がその他の各部門の社員をユーザーとしてヒアリングし、その結果から“あるべき姿”を作り、そこからビジネスプロセスまでを定義し、ユーザーに教育を受けてもらって展開するという流れでした。しかしIT部門は現場の人間ではないので、ヒアリングだけで実際の業務のことを詳細に知ることはできません。大枠を把握して、それに沿った形でデジタル化の枠組みを作っても、どうしてもそこから漏れてしまう業務は出てきます。そうしたものが表計算や紙などの非定型データとして残ってしまっていると言えます。

電子契約を入り口に、業務を「流れ」で捉えてデジタル化を実現

−−そのような状況を変えていくためには、どのような取り組みを進めていけば良いのでしょうか?

西垣 業務全体のデジタル変革を実現していくためには業務を流れで捉える必要があります。そしてその流れの「入り口」から変革を進めていくことが大切です。その「入り口」に相当するのが社外との取引であり、さきほどの「物理的な接触をなくす」という観点から、紙に依存した環境から脱却する手段を考えたときに有効なのが「電子契約」です。

電子契約は電子文書と電子署名から成り立っています。電子署名は「誰が、いつ、それを確認したか」を担保できることがポイントで、契約行為にとどまらずワークフローのあらゆる場面で、紙による点検や確認を代替できます。電子契約のシステムを導入することはワークフロー全体のデジタル化の起点となります。

重要なのは、ツールがあるから導入するというツールドリブンではなく、問題や課題があるから技術を導入して解決するというイシュードリブンで進めるということです。そのため、現在のやり方に困っている部署やユーザーが、なぜ困っているのかを理解する必要があります。

ユーザーの課題を理解せずに、ポイント・ソリューションとして電子署名だけを導入してもあまり意味はなく、その後のフローでは以前と変わらず紙が残ることになります。特定の業務で役に立つ技術ではなく、あくまでワークフロー全体を捉えた上で、適切なソリューションを選ぶ姿勢が大切です。

企業としてリモートワークを推進しながらも、判子を押すために出社しなければいけない社員がいる状況が取り上げられましたが、押印はボトルネックの一つにすぎません。押印をなくすことは重要ですが、その後に続く業務を見据えなければ、結果として人が出社しなければならないという事態は続くでしょう。

電子署名が可能にする情報のデジタル化とデータ活用

−−署名など何かのエビデンスになるようなものに関しては、まだ紙でないといけない、というイメージが強いように感じますが、電子署名はどのような業務領域で認められているのでしょうか。また、導入によりどのようなメリットが得られるのでしょうか?

西垣 商取引契約などビジネスにおける契約行為の領域では、多くの場面で電子署名が認められています。営業なら販売契約、融資契約、不動産契約、守秘義務契約など、人事でも新規採用での手続きや雇用契約、入社時・退職時の確認などで使うことができます。このほか、購買、運用サポート、マーケティング、IT、法務など広く活用できます。取締役会の議事録も認められる方向にあります。

一方で、遺言書、定款、訪問販売に係るクーリングオフの書面など認められない可能性のある領域もあるので、棲み分けが必要になります。

電子契約のメリットとしては、大きく2つ挙げられます。1つ目は、コスト削減/省力化とリードタイム短縮です。紙文書と印鑑ではなく、電子文書と電子署名で契約できるようになれば、印刷をする、訪問するといった手間はなくなります。また、印紙税も削減できます。2つ目はスピードです。締結のスピードが高速化されます。

このほかにも、書類の改ざんや紛失などのリスクが減りコンプライアンス強化にもつながります。また、担当者や進捗などの案件情報を可視化でき、業務の属人化を防ぐという効果も期待できます。

−−契約は基本的に相手方がいるやりとりになりますが、取引をする他社も電子契約を導入していなければいけないのでしょうか。

西垣 おっしゃるとおり、完全に電子的なやりとりをするには双方のワークフローがデジタル化していることが原則です。IBMでは今回の事態以前から原則として社内ではペーパレスが徹底され、リモートワークの環境が構築されてきました。ただ、お客様との契約など主に社外とのやり取りで書類や、押印手続きが残っていました。IBMと社外の電子契約については「eSignature 」というシステムを提供しており、自社でも導入しています。購買取引では原則として電子契約で統一されており、さらに今回の事態で、我々がお取引させていただいているお客様も一気に電子契約の導入が進んできたと感じます。

我々がお客様のサポートをさせていただいた話をすると、電子契約のユースケースで最も典型的と言えるのが、社内の購買系と販売系のシステムをつないで電子契約を結ぶ事例です。金融や保険などの分野で、何かしらの申し込み/契約書類のやりとりを自動化するとなったとき、まずは契約行為の電子化を想定します。そしてそれに付随するプロセスを考えると、準備段階から後続の処理まで含めたデジタル化も見えてきます。例えば本人確認の書類をAI OCR技術(※2)を利用して取り込み、審査などの過程でワークフロー、AI、RPAを使ってチェックするといったことです。

(※2)AI OCR:
OCRとは「Optical Character Reader(またはRecognition)」の略で、画像データ内の文字部分を認識し、テキストデータに変換する機能。スキャナーで紙文書を読み込み、文字を認識してデジタル化する。AI OCRはそれにAI技術を加えたもの。識字率の向上や、読み込むフォーマットが限定されないなどの利点がある

ほかにも、ブロックチェーンを組み合わせたスマート・コントラクトの事例などがあります。契約に複数の人がかかわる場合、ブロックチェーンを利用することで契約の内容が正しく保持されているかを管理できます。これにEDI(※3)やワークフロー、AI、RPAを組み合わせることで、契約に基づく請求処理を電子的に行い、経理処理も仕訳起票やチェックを自動化できます。過去の契約実績などをAIに覚え込ませることで、必要な契約条項が入っているか、不利な契約条項が含まれていないかなどの確認を自動化していくなど、契約業務がよりインテリジェントになっていくでしょう。

(※3)EDI(Electronic Data Interchange):
受発注・出荷・請求・支払といった企業間の取引データを、通信回線を通じてやり取りする電子商取引の仕組み。電子データ交換

さきほども申し上げたように、やはりポイントとなるのは、電子署名や電子契約はあくまでも手段の一つにすぎないという点です。エンドツーエンドでペーパーレスや省力化を実現させるとなると、技術やソリューションを組み合わせる必要があります。単にシステムを導入するだけでなく、ニーズに応じて最適な組み合わせまで考えてご提案できるのがIBMの強みであると考えています。

ワークフローを横断的にデジタル化し、中長期的な課題に対応

−−契約という「外部との接点」を起点としたデジタル変革についてお話いただきましたが、その他の領域ではどのような事例があるのでしょうか。

鳥井 私の担当する分野として、工場の機械などのメンテナンスといった設備保全があります。この分野は、EAM(エンタープライズ・アセット・マネジメント) とも言われているようなSAPのERPや「IBM Maximo」といったサービスを導入してデジタル化を進めてきました。しかし、これらは基幹システムをデジタル化しただけで、次のプロセスでは紙が使われているため、印刷した点検票を持って行って記入し、一部の情報だけを設備保全システムに入力するといった状況がまだ多く残っています。

さきほど、現場のデジタル変革はIT部門が中心に考えているという課題が挙がりましたが、整備保全系のワークフローも同じです。IT部門は、「基幹システムをデジタル化したから、次はデータを分析して予知保全をしよう」という話になるのですが、先述のように依然として情報が紙でやりとりされてしまっていたら、基幹システムにデータは溜められず実現できません。正しい状況をIT部門と現場が一緒になって見極める必要があります。

設備保全系ワークフローにおいて多くの企業で共通する課題は、大きく3つあります。1つ目は少子化です。今後労働人口が減少すると予測されており、現在のやり方では設備保全の業務をこなせなくなります。そうなると、事業が継続できなくなります。2つ目は、経験を積んだベテランが退職していく時期に入っていることです。ベテランのノウハウや知能の継承が大きな課題です。3つ目は、コストセンターからプロフィットセンターへの転換です。デジタル化にあたり、作業時間などを含めたコストを削減していくということは目的の一つではありますが、ゴールはその先に新たな利益や価値を生み出すことです。

−−単に環境の改善で労働時間を短縮しようというだけではなく、今後確実にやってくる現状の仕組みでは立ち行かなく状況に対応するべく、ワークフローの変化が必要ということですね。

鳥井 おっしゃるとおりです。そしてそうした課題に、IBMとしても積極的に取り組んでいます。航空業界のある企業では、基幹システムにSAP ERPを導入しているものの、機体整備の現場には紙の作業が残っていました。そのため、デジタル化を進める前は、作業時間全体のうち、実際に作業をしているのは20%のみで、残りは間接業務、待ち時間や移動時間が占めていました。ここからエンドツーエンドでデジタル化を進めた結果、作業時間が全体の40%まで改善されました。つまり、同じ業務を半分の人で回せるようになったのです。

具体的な改善ポイントとしては、紙を使っていた頃は、例えば整備前に引き継ぎを受け不具合のある箇所が分かると、次はその不具合に対応する手順書を無数の段ボールの中から探したり、該当箇所を印刷するためにオフィスに行ったり、といった進め方をしていました。こうした紙に記録された情報を電子化して一元管理することで検索性が向上しました。

また、情報の電子化に合わせてタブレット端末を整備士に配布しました。いつでもどこでも必要な情報にアクセスし、電子署名と組み合わせることで点検作業もその場で完了することができます。加えてパイロット、客室乗務員などにも同様にタブレットを配布することで、いつでも情報の共有が可能になり、飛行機が到着するまでに必要な準備ができるようになりました。

航空業界に限らず、電気、ガス、化学・石油プラント、鉄道、ビルメンテナンスなど他の分野でも、同じような設備保全の業務改革の例は多くあります。ここでもポイントは、プロセスを横断的に見て効率化を考えることです。

IT部門中心から、現場との協同アプローチへシフト

−−業務のさまざまな領域におけるデジタル化についてイメージが固まってきましたが、実際にデジタル化を進めるに当たり、どのようなプロセスが必要とお考えでしょうか。

西垣 IBMとして企業のワークフローのデジタル化の実現をサポートさせていただくにあたり、複雑性と展開範囲の幅の二つを指標にして展開をイメージしています。2カ月程度で完了するクイック導入(0)、6カ月程度を要する複数部署展開(1)、そして全社展開(2)と大きく3ステップが考えられます。最初から全領域をカバーする規模ものを一から構築するというより、実現可能な領域からクイックに導入し、アジャイルに改善しながら拡大していくという考え方です。

クイック導入(0)では1部署/1書類、電子署名のみといったパターンが多いのですが、このところのトレンドとしては、将来を見据えて、後ろのワークフローまで電子化を進める(1)からスタートする例が増えていると感じます。

鳥井 大きな課題を抱えているお客様に対しては、前提条件を外してどうしたいのかを考えるようにしていて、一足飛びに(2)にいくケースもあります。デジタル化を進めたいが社内に適切な人材がいないという場合は、デジタル・パートナーシップとして、IBMがクライアント企業の社員と一体となって、デジタル戦略立案からソリューション開発、業務移行、運用・保守までを支援します。その際、最終的に企業が自力でデジタル変革を実行できるように、並行してデジタル変革に必用な人材のスキル育成を行い、企業の変革を加速させています。

アプローチとしては、先述のとおりユーザー部門とIT部門とが一緒になって推進するという進め方が重要です。調査会社のGartnerが「モード2人材」(※4)の必要性を強調していますが、デジタル・トランスフォーメーションを実現するためには、現場であるユーザー部門が自分たちの課題を把握して、それをどのようにデジタルで解決するのかの構想を立てることが必須と言えます。つまり、中心をIT部門からユーザー部門に移し、ユーザー部門がIT部門と一緒に変革するという次の段階にシフトする必要があります。

(※4)モード2人材:
Gartnerは既存のシステムを「モード1」、IoTやブロックチェーンなどビジネスの成長や革新につながるシステムを「モード2」とした「バイモーダルIT」を提唱している

我々はデザインシンキングを行うことが多いのですが、必ずユーザー部門に入ってもらいます。ユーザー部門、IT部門、そしてIBMのコンサルタント、場合によってはUI(ユーザー・インターフェース)やUX(ユーザー体験)のデザイナーが参加することもあります。もう一つのポイントとして、エグゼクティブ・オーナーの参加も重要です。これにより、経営的視野からの課題について、ボトムアップで変革を実現させていくという形です。

“インテリジェント・ワークフロー”で、創造的な業務に注力できる環境を実現

−−長期的な“ニューノーマル”の世界に向けて、企業はどのような姿を目指すべきでしょうか。

鳥井 本気でデジタル変革に取り組むという点で、現在の状況をチャンスと見ることはできると思います。

西垣 デジタル変革を通して、「やらなくていいことが分かった」という声をよく聞きます。押印もそうですが、やらなくていいことはしなくていいようにシステムで支えていく。そのときに、人間がやらなければならないことは何か、人間ではなくてもいいことはどの業務か、とテクノロジーを使う部分をしっかり見極める必要があります。

IBMが提唱するのは「インテリジェント・ワークフロー」です。単にワークフローをデジタル化するのではなく、自動化・省人化を実現しつつ、データを資源とし、AIをはじめとするテクノロジーと人間が協働することで企業の競争優位性の向上、経営戦略に役立てられるようにワークフローを考える必要があります。

そこから先は、自分の会社がやらなくていいことも除外していき、フロントエンド寄りの本業に注力し、より創造性を高めていける世界に向かうことが大切だと感じますね。

*本インタビューは2020年6月12日にオンラインで実施したものです

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