[No.70] 事業継続とレジリエンス
-緊急時に求められるビジネス回復力

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no702011 年3月11日の東日本大震災を起点として、今までに想定し得なかった大きな負の連鎖、リスクの連鎖が発生しました。地震だけでなく、津波、原 子力発電所の被災、一時的な生活物資の不足、計画停電、風評被害など、個別に対応するだけでも困難な事象が、さらに別の事象を誘発する原因として連鎖しま した。
世界のCFO(Chief Financial Officer)が直面している課題についての調査レポート「IBM CFO Study 2010」によると、4分の3のCFOがリスク管理を非常に重要であると認識しているにもかかわらず、この領域において効率的に対応していると答えたのは 全体の半数でした。今回の震災以前に、企業は事業継続計画(Business Continuity Plan:以下、BCP)に代表される多くのリスクマネジメント・プランを深く検討、整備していました。しかし、例えばサプライチェーンの寸断に代表され るように、それらの計画は陳腐化、あるいは想定外であったため十分には機能しなかったケースが見られました。このことから、わたしたちは事前の備えの重要 性と、日々刻々進歩する社会を踏まえた継続的な見直しの必要性をあらためて認識しました。
BCPとは、緊急事態に備え、事業の継続・早期復 旧を可能にする活動・方法・手段などを平常時に取り決めておくことです。事態の発生頻度とそれが自社 の業務・業績にどのような影響を与えるかを考え、最適な計画を策定しなければなりません。IT中心の復旧だけを目的とするのではなく、ビジネスに主眼をお いた事業継続と、レジリエンシー(Resiliency:回復力)のある環境構築が求められています。
事業継続は、企業の事業成功の生命線 です。今日の企業運営のほぼあらゆる局面が相互に影響し合う世界においては、一部のビジネスの停止が全体に及ぼす 影響は計り知れません。では、事業継続やレジリエンシーの要件はどう決めるのでしょうか。ビジネスや ITに関する重要優先事項をどのように割り出し、包括的な継続プログラムとして取りまとめ、どこから手をつければよいのでしょうか。
本特集 は、今まさに社会や企業に発生しているさまざまなリスクへの対応途上での記録です。何年か先に復旧あるいは復興がなされた時に、事前策や事後策 として当たり前のように組み入れられる多くの基本的な考えの1つとなっているでしょう。道半ばではありますが、今号では、事業継続とレジリエンシーに関す るIBMの取り組みと実社会での事例をご紹介します。皆さまのこれからの取り組みに少しでもお役に立てることを願っています。

2011年7月 PROVISION 70号 コンテンツ・リーダー 勝又 彰

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