映画

『うまれる ずっと、いっしょ。』を観てきました

記事をシェアする:

試写会を観た友だちの「制作に関わったから言うわけじゃなくて、とてもいい内容だったよ」という言葉を聞き、この前の連休に『うまれる ずっと、いっしょ。』というドキュメンタリー映画を見てきました。イメージ

「公開一週目の動員が公開期間の設定に大きく影響する」という話も聞いていたので、本当はもっと早くブログとかで紹介することも考えたのだけど、やっぱり自分が見て、その上で「書きたい」と思うかどうか次第だよな、と思っていたら、すっかりこんなタイミングに…。でも、この週末前に書かないと、ひょっとしたら今週末しか観に行くチャンスがないって人もいるかもしれないですからね。
映画の内容については、私が説明するよりも、オフィシャルサイトと監督へのインタビュー記事を読んでもらうのが一番じゃないかと思います。
一応、一言で紹介すると、3つの家族の形をそれぞれ正面から捉え、家族のつながりっていったいなんなのかを描いたドキュメンタリー映画です。

 

公式サイト: ストーリー – 映画「うまれる ずっと、いっしょ。」

【赤ちゃんにやさしい国へ】映画『うまれる ずっと、いっしょ。』を観る前に読んでもいいし、観た後に読むとまたいい豪田監督インタビュー記事

 

観に行って良かったです。とっても良かった。

心に響く内容でした。いっぱい泣きました。

どの家族も、それぞれが相手の気持を思い、誠実で前向きに生きれるように一生懸命で、お互いを大事にしながら支えあって生きていました。

映画の中には、たくさんの笑顔とたくさんの躍動が溢れていました。

 

観て、とても良かったです。

それでも。観てから数日経った今も、私の心に「ポジティブではない何か」が引っかかっています。

この「ポジティブではない何か」は、映画の中にあったわけではありません。私の中や世の中の「ポジティブではない何か」に、映画が光をあてているんだろうと思います。

その何かがなんなのか。それがはっきりと分からな過ぎて気持ち悪いのです。

なんとなく、それが分からな過ぎて、「素晴らしかったから今すぐあなたも観にいったほうがいいと思うよ」という言葉を引き止めるのです。

それでも。映画の素晴らしさには間違いはありません。

できるなら、映画を観たあなたに、私のこの「ポジティブではない何か」を言い当てて欲しいのです。そして語り合いたいなと思っています。

ちょうど、映画を観る2日前に、この「ポジティブではない何か」と関係していそうな出来事に、とあるアウトレットモールで遭遇しました。その話を最後に書かせてください。

イメージ

ショップの間の小さな広場で、小さな女の子が、お父さんに向かって奇声を上げながら両腕を振り下ろし続けていました。

何かを訴えるその叫び声と動作は、5分経ってもまったく収まりませんでした。

お父さんはにこやかに笑顔で話しかけたり、抱き上げて機嫌を取ろうとしたり、静かに言い聞かせようとしたり、さまざまな手法を使って子どもを落ち着かせようとしていました。

私が見る限り、成功こそしていなかったものの、それはとても上手なやり方でした。

そして、周囲の山のような人たちから受けているであろうものすごいプレッシャーの中で、できうるベストな方法の1つに見えました。

私は、できるだけその声に耳を傾けないように、そちらに視線を向けないようにとしていました。

でも、子どもは叫び暴れ続けました。10分近く経っていたと思います、でもその勢いも様子も変わりはありません(なんという気力体力!)。

そして10分をゆうに過ぎたあたりで、私はその親子に否定的な視線を浴びせている人たちや、金切り声に対して心のなかで毒づく自分自身や、お父さんの小さな舌打ちや、そうしたものが堪らなくなっていました。逃げ出さないと、自分が嫌な形で関係者になってしまうだろうという予感がドンドンと大きくなっていました。

そして、私はその場を逃げ去りました。その親子の姿が目にも耳にも入らない地区へと、急いで移動しました。

そのときに感じていたのは「逃げ出せる」ということへの安堵でした。心底ホッとしました。でも同時に、逃げ出せない状況を想像すると、とても恐ろしかったのです。

あの状況への関与自体が恐怖でもありましたが、それ以上に、自分でコントロールできないものを増やすことが、自分にとっては恐怖なのだなと改めて感じました。

なんだか、映画を観て欲しいという気持ちを伝えるのには、とても不適切なブログ記事になってしまった気がします。

でも、自分の中では、家族と自分自身をより深く見つめるための視点をいただけた、そしてアウトレットモールでの自分の心の動きを振り返らせてくれた、とてもステキな映画でした。

今回これを読んでなにか引っかかるところがあったのなら、観にいってみてはいかがでしょうか?

上映館などの公開情報はこちらです: http://www.umareru.jp/schedule/

Happy Collaboration!

コラボレーション・エナジャイザー

More stories

救われない話とエンターテインメント、あるいはセルマソングス

uneasy(不安)でありながらuncomfortable(不快)にしないこと。それがエンターテインメントとし […]

さらに読む

『リリーのすべて』と『ありのままの私』

同性愛がイギリスで犯罪でなくなったのは、1967年になってからです。なんと、私が生まれた1963年には、まだ犯 […]

さらに読む

『うまれる ずっと、いっしょ。』を観てきました

試写会を観た友だちの「制作に関わったから言うわけじゃなくて、とてもいい内容だったよ」という言葉を聞き、この前の […]

さらに読む