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社内ソーシャルツールは全社員に使ってもらってこそ:その2

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前回「社内ソーシャルツールは全社員に使ってもらってこそ」というエントリーを書きました。
…いや、正確には「中途半端に書きました」ですね。
  • 全社員が価値を見出せる社内ソーシャルツールにするには?
  • 会社に市場規範上の価値をもたらす社内ソーシャルツールにするには?

この2つについて書く前に力尽きてしまいました。というわけで今回は続きです。


 

■ 一つのツールで社会規範/市場規範のそれぞれのニーズに応える

社会規範に重きを置く社員、市場規範に重きを置く社員。その両者が価値を見出し使い続けたくなるソーシャルツールとはどんなものでしょうか。
答えはシンプルで、両者が求めるそれぞれの異なる価値に応える機能をそのツールが持っていればいいわけですよね。

 

まず、社会規範に重きを置く社員が価値を見出すソーシャルな機能を考えてみます。
社会規範が人の繋がりや信頼関係をベースとするものであることを考えると、FacebookやMixiに代表される「SNS」と呼ばれるソーシャル機能が必要ですよね。
具体的には個人がつながることができて、グループ(コミュニティー)が作れること。そしてマイクロブログ(つぶやき)や掲示板的なフォーラムなどの機能を有していることは必須でしょうね。

 

次に、市場規範に重きを置く社員が価値を見出すソーシャルな機能を考えてみます。
話をわかりやすくするために少々デフォルメしますが、このタイプの社員には「自分にとって便利だ」とか「自分の業務に役立つから」という理由が絶対に必要です。

そう考えると、構造化したメモが作成できるWikiや反復的な業務プロセスをテンプレート化できるアクティビティーの機能、それからソーシャルブックマークなど、人とのつながりを支援する「SNS」よりも広義のソーシャル機能、あるいはソーシャルメディアが必要になると思います。

他の人とつながってどうこうというものではなく(もちろんつながって使うこともできますが)、もっと利己的に使ってもらえるものです。

 

そしてこれらの複数の機能を統合した一つのソーシャルツールとして提供すれば、どれか(あるいは複数)にメリットを見出して使用する人が増えるはずですよね。

(一つのツールとしての大切さは後ほど詳しく書きます)。

 

でも、こう書くと疑問や反論が沸いてきませんか?
市場規範型の社員は、便利だって言われてもすぐに効果が得られないとわざわざ新しいものを使いはじめないよ」って。

 

そうなんです。ただツールとして提供するだけではダメなんです。
今すぐ役立たせることができる形で提供していかないとダメなんです。

たとえばWikiであれば、多くの社員や部門が少し書き換えたり付け足していくことで自分(たち)の業務に役立つWikiとなるようなテンプレートを提供していくこと。
業務プロセスなどをテンプレート化できるアクティビティー機能であれば、Wikiと同様に多くの社員や部門が雛形として利用できるものを提供していくこと。
これらが運営・推進チームの役割になっていくのではないでしょうか。
(なお提供するにあたっては、ゼロから運営・推進チームが作っていく必要はなく、社会規範型でつながった「仲間」に協力をしてもらっていけばいいわけです。)

 

■ 市場規範上の価値をもたらすロングテールコンテンツ

 

さて、こうしてテンプレートなどを汎用性が高い「コンテンツ雛形」を提供していくと、それを基にカスタマイズされた多数のバリエーションが新規コンテンツとして溜まっていきます。
そしてこのバリエーションが溜まっていくことが、社内でさまざまな業務に取り組んでいる社員の多様性に応えることになります。「自分が今取り組んでいる業務にすぐ応用できる」コンテンツを、検索を通じて見つけられる状態: 複数語からなる検索リクエストに応える「ロングテールコンテンツ()」が、一つのツール上にあるからです。
これは、検索を通じて自分の仕事に役立つコンテンツをすばやく探し出し、すぐに利用できる状況が整うことを意味します。

 

ロングテールコンテンツ – こうした言葉が一般的に使われているかどうかわからないのですが、「めったに検索されることはないけど、ピンポイントで少数のニーズに当てはまる」ものをイメージしています。

 

業務を進める上で、参考になる資料をイントラネットから探すことは多くの人にとって日常的な作業だと思います。でも、検索してもあまりにも漠然とした「大枠」の情報しか見つけられなかったり、複数キーワードで絞り込もうとするとまったく情報が見つからなかったりということは良くありますよね。
これを、社内ソーシャルツールで解消できるのではないでしょうか。

そしてこうして自分の業務に役立つことを実感していく人が増えていけば、ネットワーク外部効果()により利便性が高まり、アクティブな利用者増へとつながっていくのではないでしょうか。

ネットワーク外部効果 – すごくざっくり言うと、サービスの利用者が増えるとサービスそのものの価値や利便性が高まること。例としてよく挙げられるのが携帯電話。
詳しくはこちらの用語解説

 

こうなれば、後は経営サイドに市場規範での価値–業務の生産性や効率の向上–に繋がっていることを伝えていくだけです(もちろんなんらかの形で数値化する作業は必要ですが)。
また、こちらはさらに数値化が難しい分野ではありますが、一つのツール上に社会規範と市場規範が同居することで、ゆらぎが発生しやすくなりセレンディピティを誘発しやすい状況ができる、なんてこともあるんじゃないか? なんてことも思っています。

 


 

今回いろいろ書きましたが、これらは正直まだまだ「仮説」でしかありません。
比較的最近取り組みを始めたという段階で、これから仮説検証してブラッシュアップしていきながら、またこの場で新たな考えや方法などを伝えさせていただければいいなと思っています。

なお、前回に続き『予想どおりに不合理(ダン アリエリー 著)』と『ソーシャルメディア進化論(武田 隆 著)』という、とてもすばらしい2冊に激しくインスパイアされたことを記しておきます。

ではでは。

 

Happy Collaboration!

コラボレーション・エナジャイザー

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