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社内ソーシャルは全社員に使ってもらってこそ

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久しく社内ソーシャルについて書いてなかったんだけど、頭の整理のためにも最近思うところを書いておきます。
社内ソーシャルツールは、全社員に使ってもらってこそ」ということです。

ある人にとっては「何をあたりまえのことをいまさら」という言葉でしょう。そして「今までと言ってることが違わないか?」と思われる方も多いかもしれません。これまで何度か「社員全員参加を目指すのは現実的じゃないし、無理だと思う」と公言してきましたから。

でも、これまで言ってたことを翻すつもりではありません。
ちょっと長くなるかもしれませんが、なぜ「社内ソーシャルツールは、全社員に使ってもらってこそ」なのかを説明したいと思います。

理由は、僕らが、市場規範と社会規範に挟まれて生きているからです。
(「…Pachi、とうとうおかしくなっちゃったか」と言う前に、もう少し付き合ってください。)

まず、市場規範と社会規範についてすごく大雑把な説明を。

  • 市場規範 – 対価として金銭をやり取りすることを基準とする行動
  • 社会規範 – 金銭のやり取りなしに信頼関係や道徳・習慣を基準とする行動

「みんなが個人や自部門の都合や利己主義ベースで動いていては、会社は良くならないし変わらない。人と人のつながりが希薄になり市場規範が行き過ぎた会社の中に、社会規範を取り戻そう!」–こんな感じで社内ソーシャルをスタートさせるケースが結構多いのは知っていますし、社員どうしが対話を通じて繋がっていくことで、それぞれを思いやる気持ちや仲間意識を強めていこうというのはすばらしい取り組みだと思います。

でも、会社が市場規範の上に成り立っている(会社は消費者、取引先、株主と市場規範で売買、購買、投資というやり取りをすることで存在していて、社員とは労働に対する金銭の授与で契約が成り立っている)ことを鑑みれば、社内における社会規範の復権だけでは立ち行かなくなるタイミングがやがてやってくるのではないでしょうか。

つまり、社員同士の絆や仲間意識が、市場規範上の金銭的価値を会社にもたらさなければ、社内ソーシャルは(永劫とは言わないまでも)長期的に存在しえないのではないでしょうか。
「いや、社員間の絆作りを支援するものは企業文化を育てるものだから守る、残す」と言われる経営者も皆無だとは思いませんが、それでも、社員旅行や運動会、社員寮などがなくなってきた事実や、今後の会社の存続と天秤にかけなければいけなくなった時に、果たして本当に…。

そういう意味で、短期、あるいは中期的な視点で「社会規範を会社に呼び戻して強める」ことだけを目的として社内ソーシャルに取り組むのであれば、「社会規範を大事に思う社員だけが参加すれば良い」し、「社員全員参加を目指さなくて良い」のだと思います。
でも、もうひとつ言うと、どうしたって「なんで給料をもらうために働いている場で、自分の成績だけ追ってちゃダメなんだよ」という層もある一定の割合でいるのが現実ですよね。

ただそうは言っても「社内ソーシャルはある程度の時が経ち、そこそこの絆を作り上げた後はお払い箱にすればいい」と考えて始める人がそうそういるとは思えませんよね。
だって、その頃には可視化された仲間との繋がりがそこにあるわけで、それは社会規範に大きな重きを置いている社員にとって、すでになくてはならないものになっているはずですから。

だから「社内ソーシャルツールは全社員に使ってもらってこそ」なんです。
市場規範寄りな社員にとっても、社会規範寄りな社員にとっても、社内ソーシャルツールは「全社員が価値を見出せるもの」でなくてはならず、「会社に市場規範上の価値をもたらすもの」でなくてはその存在が長期的なものにならないのです。

では、どうしたら全社員が価値を見出せて、会社に市場規範上の価値をもたらせるものになるでしょうか。

あらゆるケースでこの問いに当てはまる答えはないでしょう。でも、結構基本となるような、汎用的な答えはあると思っています。
それは…

…もったいぶるわけじゃないんですが、ちょっと長くなりすぎそうなので2、3日中に続きを書きますね。

次回予告: 社員全員が価値を見出せ、会社に市場規範上の価値をもたらす社内ソーシャル

なお、このエントリーを書くにあたり、『予想どおりに不合理(ダン アリエリー 著)』と『ソーシャルメディア進化論(武田 隆 著)』にとてもインスパイアされたことを記しておきます。
Happy Collaboration!

コラボレーション・エナジャイザー

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