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立教大学で聞いてみました「ソーシャルウェブは社内にあった方が良い?」

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先週、立教大学で90分間の「経営情報論」の講義をしてきました。
(こちらから当日使用した資料を見ていただくと、どんな授業だったか少し内容の想像がつくかもしれません。)

 

昨年より、私自身が授業そのものを楽しんで行うことができました。

そして今年は、授業の最後に「ソーシャルウェブは社内にあった方が良いと思うか、ない方がよいと思うか? その理由は?」という問いへの回答と、授業への意見やフィードバックを紙に書いて提出してもらいました。

先日、そのフィードバック・レターをいただいたので、今回は学生たちの意見を中心に私の感想を書いてみたいと思います。
ただ、本題に入る前に前提として知っておいていただきたいことを。


■私は日本IBMで社内ソーシャルを推進しています。
私自身が「ソーシャルウェブは社内にあった方が良いか?」という問いには全力でYesと答える人間です。その人間から80分ほどの話しを聞いた後なので、学生のみなさんも影響は受けているだろうと思います。

■講義の前半に挙手してもらったところ、9割弱はFacebookユーザーでした。
そして話しを聞いている表情やフィードバック・レターの内容からは、「ソーシャルに対する知識や理解度は平均的な社会人よりも高い」と断言して良さそうです。

■私があまり細かく定義しなかったせいもあると思うのですが、「社内ソーシャル」をFacebookなどの「パブリック・ソーシャルネットで同じ社内の人たちとつながること」と誤解した生徒もいたようです。


 

みんなのフィードバックで最も目についたのが、「マナーやルール、モラルなどの社員教育や啓蒙を前提として必要だと思う」という意見が本当に多かったです。

そして一番関心したのは、YesであれNoであれ、きちんと自分の意見として考えを書いているものが非常に多かったこと。
「大学生なめんな!」とか言われちゃいそうですがそういうことではなく、社会には案外「自分の意見を持つこと」や「自身で判断すること」を嫌がる人もいるものなんですよ…。

さて、もう前書きはいいですね。実際の声を見ていきましょう。
なお、言葉は頂いたフィードバックそのままではなく、似たような意見をまとめたり、わかりやすく書き換えたりしています。

 


 

■Yes! ソーシャルウェブは社内にあった方が良いと思う – 約70%

 

・オンラインコミュニケーションの利便性を考えれば、あるべきだと思う。ただし、オンラインに頼りすぎては誤解が発生しやすくなることも自覚しているべきだと思う
・仕事のベースは人間同士のつながりだと思うので、社員同士が互いを理解しあうためにあったほうが良い。ソーシャルは企業を強くするためのツールなんだと思う
・デメリットもあるがメリットの方が大きい。ソーシャルWebの危険性も十分理解した上で活用すべきだ
・社内でも「私」や「自分らしさ」を知ってもらうことで、働きやすい環境が作れるのではないかと思う。それに意見をオープンに言える場がある会社の方がステキだ
・集まって顔を合わせなくてもコラボレーションできることの便利さやすごさは、大学生活でも役に立っている
・使う人と使わない人がいることで非効率になるという問題があると思う。そこを天秤にかけてもメリットがあるなら使ったほうが良いと思う
・プライバシーも大切だけど、仲間の興味と意識が分かることが自分にはとても大切。バイト先の同僚と仕事も遊びも上手くやれているのはFacebookのおかげだと思っている
・人のつながりが帰属意識を高めてくれて、それがモチベーションを高く保つためには必要だと思う
・アイデアは本質的に「フロー」なものだと思うので、それをストックし、さらにつなげていくためにソーシャルは必要だと思う
・ほとんどの企業にとって使うメリットは大きいと思うが、企業規模や業種によっては必要性が低いところもあると思う
・社員から意見やアイデアを引き出し、それを育てることができるのが「強い企業」なんだと思う
・ワークスタイルが広がることで肉体的なハンデがある人でも働きやすくなる

 
 
●No! ソーシャルウェブは社内に不要 – 約30%
 

・ソーシャルメディアは「やらされるもの」ではないと思う。「活性化や盛り上げ役が必要」だとすれば、それは社員が旧来の管理型に満足しているからなのでは?
・上司の前では意見を書きづらいし、プライベートを大切にできなくなりそうでいやだ。また、年配社員はモラルが低そうだしマナーやソーシャルへの知識も低い人が多そう
・人間関係がすべてそこにあるように錯覚してしまう人も多そう。そうなるとソーシャルに振り回されそうなのでいやだ
・イノベーションは直接会って話し合う中でしか起こらないと思う
・ソーシャルがあると、どうしても友人の数やいいねの数に引きずられてしまう自分がいる。また、会社としても一人の不適切な意見に引きづられてしまうリスクがある
・「社内ソーシャルはガス抜き」という認識でやっている企業の方が多そう。実態が旧式な「階層型の組織」であれば「フラットなソーシャル」は相容れないのではないか

 


改めて「授業の最後の短い時間でどれだけみんながきちんと書いてくれるものなんだろう。通り一遍のおざなりなものばかりかも…」と思っていた自分が申し訳ないです。

参加いただいた皆さん(数名の潜り込んでくれた「おとな組み」含め!)、本当に有難うございました。

このフィードバック・レターは、今後私がソーシャルウェブやオンライン・コラボレーションを考える際の、大事なたからです。

最後に、ちょっとクスっとしたりドキッとしたり、はたまた嬉しくさせられたり考えさせられたりしたフィードバックを紹介して終わろうと思います。

・私にとって、ソーシャルがない世界は異常だし居心地の悪い場所です
・社内であれ社外であれ、日本の中高年はソーシャル活用度が低すぎるのでは?
・ソーシャルを通じて他者との違いを知ることができる → それにより自身を知ることができる: 社内でも有用なはず!
・「社内外のソーシャルへの取り組み」から企業の姿勢が分かるという話しが良かった
・社内ソーシャルの有無は、社員を大事にしている会社かどうかのバロメーターかも?!
・グローバルに働くにはソーシャルウェブが必要だと思う
・他者の意見を取り入れて新しい価値を作り出すのが仕事の本質という意見に賛成です
・自分が何をしたいか/何をしたくないかをオープンにすることも大切という話が興味深かった
・私の両親はまったくソーシャルに興味がありません。なので会社内にそういう人が多いのも理解できるし、そんな人たちに説明することを想像すると…乙
・ソーシャルポリシーを個人としても持つことが大切という話しはさっそく実践したい
・私はウィキリークスを正義だと考えています。情報は開示されるべきだと思います
・コラボレーション・エナジャイザーが社会や会社に増えると面白いと思う
・ソーシャルを個人監視のために使う会社もあると聞きイヤになった
・ソーシャル依存コワイ!

 

いやぁ、本当に良い経験とフィードバックもらいました。またこういう機会を持てることを願いつつ…

 

Happy Collaboration!

 

コラボレーション・エナジャイザー

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