読書メモ

読書メモ『管理しない会社がうまくいくワケ』

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銃撃戦すら覚悟して、SWATチームはギャングのアジトに踏み込んだ。

逃げようとする男たち、怯える女たちとその胸で泣き叫ぶ赤ん坊…。隊員の一人ボブは、白い粉を探してキッチンに踏み込み食器棚のなかを引っかき回した。

しばらくすると、ボブが赤ん坊を抱く母親たちに哺乳瓶を配り始めた。ボブが探していたのは、密輸品の白い粉ではなく、みんなの気持ちを落ち着かせる、共感や人間らしさを示す粉ミルクだった。

 

— カンザスシティ警察のSWATチーム(特殊部隊)のこんな実話でこの本は幕を開けます。

管理しない会社がうまくいくワケ』という本のタイトルからは、ちょっと想像がつかないオープニングですよね。でも、こんなエピソードが満載でした。

 

アービンジャー・インスティチュート」というコンサルティング会社の著作なのですが、私は7年近く前に前著『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んで大きな衝撃を受けました。

ストーリーの細かい部分はぼんやりとしか覚えていないものの、以下のようなことが書かれていたと記憶しています。

 

人は、「他人のためにすべき」と思ったことに背くと、その後ろめたさから自己正当化を図るようになる。

やがて、人は自分自身を箱に入れるようになり、他人も箱に入っているものと考えだす。

次第に相手をモノのように扱いだし、「相手に関心がある」と思っていながらもそれが実際は「相手の目に自分がどう映っているかに関心がある」のだということすら分からなくなっていく。あらゆる相手との関係において、目的が「自己正当化の強化」になってしまうのだ。

「自己防御」が行動原理となっていては、幸せな関係性など望むべくもない。それではどうすれば…

 

こんな本だったと思います。そして本の後半で実際に「箱から出る方法」が案内されます。

でも、大衝撃を受けたなんて言いながら、7年近く経った今もまだ私は箱の中にいます。何してたんだろう参ったな…。

 

家業の農場で父親のウィリアムを手伝っていたイヴァン少年は、父が機嫌を悪くすると、そのたびに羊や山羊、犬など農場の動物たちにひどく当たり散らす姿を毎晩のように目にしていた。屈強な父は、鉄棒で殴りつけ、500キロ以上ある馬を昏倒させてしまうことすらあった。「いつか自分の番が来るのかもしれない…」イヴァンはそんな不安を常に抱えていた。

ある日、イヴァンが搾乳作業をしていると、他の牛が振った尻尾が運悪くイヴァンの目を直撃した。痛みと驚きに飛び上がったイヴァンは、叫び声をあげながら無我夢中で座っていた金属の椅子でその牛をめった打にしていた。

ふと我に帰ってへなへなと座り込むと、その牛が父の一番のお気に入りだったことを思い出した。父は、すぐ近くにいた。イヴァンは静かに震えた。「僕はどうなるんだろう…」

何も起きないまま、かなりの時が流れた。だがゆっくりと近づいてきた父は、隣に腰を下ろすと穏やかな声で言った。「イヴァン、おまえがやめるなら、パパもやめるよ」

— 「あのとき以来、父以上に優しさと思いやりと頼り甲斐のある人に会ったことがない。」70年前を思い出しながらイヴァンは言った。

 

「人の行動を変えるには、自分の行動を変えるしかない」ということがよく言われます。

そして、行動を変えるには、マインドセットを変えるしかないとも。

これを合わせると、自分のマインドセットを変えると自分の行動が変わり、それが相手の行動を変えるかもしれないということになりますよね。

 

私にはこの考え方がスッと入ってきます。

人の行動を変える方法には他の方法もあるのでしょうし、効率性や効果もこの方法が一番じゃないのかもしれませんが、「自分が実行したい」と一番思えるものです。

 

「相手がギブしてくれたら、それに見合うように自分もギブし返す」というマッチャー(マッチングする人)というスタンスでは、お互いが相手の最初のアクションを待つばかりで、あるいは「きちんとお返ししてくれる人か」を見極めるのに時間をかけすぎてしまって、何も起こらず終わる…ということも珍しくない。

まずは何かをギブしてみれば、もしかしたら、ものすごい何かにつながったり広がったりする可能性もあるかも。つながらなくても、「ギブした」という気持ちよさは得られます。小さな損得勘定に邪魔されているのはもったいないこと。

— 半年ほど前に読み、その後も何度か読み返している『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』で言われていることと、根底は同じでつながっている気がしています。

 

 

詳しくは『管理しない会社がうまくいくワケ』を読んで欲しいのですが、最後に、いくつかとても印象的だった図を紹介します。

左と右を見比べてもらえれば、本の内容をより深く想像できるのではないでしょうか。

 

   

 

   

 

その想像が合っていたかどうか、ぜひ、本を手にとって確かめてみてください。

 

Happy Collaboration!

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